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表題作依存の楔

とし,目が覚めたら記憶の無かった男
まち,自称・としの恋人

その他の収録作品

  • 記憶喪失ー男の恋人との歪な同棲
  • 暗闇の欲情ーカラダの奥まで捻じ込んで
  • 籠の中の鳥。優しい檻から出る方法
  • まちを苛む昔の男ー暴力の記憶
  • 消失ー存在の欠片を探し求めて
  • 揺らぐ愛と狂気の狭間
  • 特装版限定描き下ろしマンガ
  • 暗闇の向こう側(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

目覚めたらそこには見知らぬ恋人(オトコ)がいた――

「これは…愛なのか…?」
ある朝、目が覚めたら記憶を失っていたとし。
そばで手を握っていたまちという男に自分達は恋人同士で、同棲していたと教えられる。
人懐っこいまちを愛らしいと感じるが同性と交際していた事実に、としは戸惑いを隠せない。
さらに、まちに「絶対 部屋にいてくださいね」と言われ、外の世界と切り離されて生活をすることに。
閉ざされた家の中で記憶を探すとしだが、何かがおかしいことに気づきはじめ――…。

作品情報

作品名
依存の楔
著者
akabeko 
媒体
漫画(コミック)
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリアコミックス
発売日
ISBN
9784866570662
2.9

(89)

(10)

萌々

(19)

(30)

中立

(16)

趣味じゃない

(14)

レビュー数
14
得点
232
評価数
89
平均
2.9 / 5
神率
11.2%

レビュー投稿数14

ゾッとするのに、同じくらい心に響く

「少年の境界」でハマったのですが、今回はまたテイストが違いました。究極の執着愛と言えるのではないでしょうか。
本編のみだとホント救いが無くて評価に迷ったのですが、収録されている描き下ろしが秀逸。ここまでで物語は完結してると思うので「神」を付けさせてもらいます。


内容です。
目が覚めると記憶を失っていた「とし」。傍らには自分の「恋人」だと言う青年・まちがいます。まちの健気な言動に愛しさを感じるものの、同性の恋人だと言う事に戸惑いを隠せない日々。また、まちから外に出ないように懇願され、アパートの中で閉ざされた生活を送るうちに、何かがおかしいと不安に感じ始め-・・・というものです。

こちらの作品ですが、推理サスペンスものです。記憶の無いとし視点でストーリーが進むので、読者側も「とし」が知る以上の事は分からないのですね。健気でいじらしくはあるものの、同性であるまちに恋人として触れる事がなかなか難しいとし。ここに徐々に記憶の断片が蘇り、自分自身に恐怖を感じて行く・・・。
ネタバレ避けますが、オチで結構驚くと言うか、ゾッとして下さい。

ストーリー自体は救いが無いダークなものなのですが、その中でキャラクターがしっかり生きていて、なんとも痛々しくもいじらしく、切ない気持ちにさせてくれます。その執着具合が行き着くとこまで行っちゃってて、背筋がゾッとくるんですね。でも、それがひどく悲しくもあり、その必死さに胸が締め付けられるような心地にもなる。
作中で「君のそれは執着だ。愛では無い」と言うセリフがあるのですが、ここがもう切なくて( ノω-、) じゃあ「愛」て、一体何なんだ・・・?と考えさせられたりして。

最初にも書きましたが、描き下ろしがホント良くって、これ、本編だけで終わってたら「中立」にしたかもしれないです。もう、一般的には「執着」でしか無くとも、本人達が「愛」だと言うなら「愛」でいいじゃないか!!と言いたいです。
かなりダークではありますが、究極の執着ものが好きな方はぜひ読んでみて下さい。

7

この物語は「愛」

akabeko先生の描く、ダークなお話が大好きです。
今までの単行本は全て読破しておりますが、この作品は中でも異質。
闇の中を行くようなお話でした。


まちくんが恋人だと思っていたとしさんは、極端に人の顔を覚えることが出来ない、人を愛することが出来ない人でした。

「君を…好きになりたい 君なら…好きになれるかも…」
としさんに愛されたいまちくんは、あの手この手でとしさんの記憶に残ろうとします。
部屋に閉じ込めて、自らの身体に煙草の火傷の痕を残して……

「愛じゃないなんて言わないで……おねがい」
としさんが記憶をなくしてしまっても、愛している。
まちくんの本心の滲むセリフです。

冷静に、客観的に見れば、このお話はきっと「愛ではない」
ホラーかサスペンスか、束縛か執着か……
どろどろとした、愛とはかけ離れたものでしょう。
しかし、2人にとってこの物語は「愛」以外の何物でもないのです。
愛に「正解」などないのです……

4

akabeko先生のイメージでした

おそらく好き嫌いの分かれるお話だと思います。
私はakabeko先生の作品がとても好きなのですが、少し手をだすのに躊躇してました。結果、想像したよりも読後感が、全然良かったです。
そうです、こーいう方向性のお話も好き!です。
一転二転と物語が進んでいき、何が本当なのかわからなくなってくる感覚は読んでいてゾクゾクしてきます。あと切ない、切ないです。でもそこがまた良いです。
タイトルがそのままコミックスの内容を表していて、納得させられます。

0

これも一種の愛の形

表紙買いしました。作者さんの本は初めて読ませていただきました。

心に響く作品でした。
仄暗い話ですし、読む人を選ぶとは思いますが、
難しい話を繊細に描いていて一読の価値有りだと思います。

最後の描き下ろし部分できれいにまとめられており、
重い内容にも関わらず読後感が凄く良かったです。

今後とも期待したいです。

6

愛のカタチはそれぞれでいい

記憶喪失サスペンス、かな?
『目覚めたらそこには見知らぬ恋人(オトコ)がいた――』
この作品、としはいつ記憶を取り戻すんだろう、なんで記憶を失ったんだろう、記憶を取り戻してみたら実は二人の関係はどうだったんだろうって、ドキドキしながら読み進むわけですが、こう来るとは思わなかった。
読みながら、こうなるのかなって予測したり、二人について思っていたのより怖い結末だった。
それにしてもこの二人、これから先の生活していく生活費ってどこからどう調達してくるのだろう。
二人の気持ちとしては、これはこれで愛し合っていてお互い離れないって事で納得するとして、つい現実的に生活費の心配しちゃう。

1

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