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まるまる一冊一つのお話かと思ったのですが、短編集だったんですね。
”スピンオフ作品集”という謳い文句がよく分からず、全部のお話が繋がってるのかと思ったらそうでもなくて少しややこしく感じました。
私は表紙に一目惚れだったので読む前から期待値がとても高かったです。
好みにハマったのもありますが、どのキャラクターも魅力的でしたので神評価になりました。
欲を言えば、もっとじっくり読みたかったです。
一話では足りないというかもったいないというか、とにかく続きが読みたい!
「瀧田宗司という男」
会社員で新人の松尾君(受け)の教育係として瀧田(攻め)さんが付き、上司と部下の関係から始まります。
瀧田さんは同僚たちから良くも悪くも一目置かれてしまっていますが、松尾君にはそう映りません。
相性の妙なのかもしれませんが、松尾君を通して見る瀧田さんがすごく魅力的で彼の良い所を松尾君がどんどん引き出しているように見えました。
「雁字搦め」
表題作でちょこっと出てきた同僚君がまさかの主人公で驚きました。
ただの噂好きな同僚、くらいの印象でしたので。
しかも明るく能天気なキャラクターっぽかったのに、今回はシリアスというギャップ。
しかも相手は双子の弟です。
このお話が一番短すぎると感じました。
「ほどける視線」
高校生同士のお話。
受けの藍輝君がめちゃくちゃ可愛かったです。
攻めの東雲君との出会いによって、藍輝君のコンプレックスがほどけていく様がとても爽やかでした。
菅君という当て馬的なヤンキーとの微妙な三角関係もすごく萌えました。
「君の証明論」
「ほどける視線」で登場したヤンキー菅君とサラリーマンのお話。
普通のサラリーマンかと思いきやドMヤンデレ。
菅君は自分に従順な”犬”を求め、リーマンは菅君のお眼鏡にかなったようです。
でもなんか違うような…という危うさがあり面白かったです。
これから心を通わせていきそうだし、この2人がどう変化していくのかめちゃくちゃ気になります。
「君の秘密を見せてくれ!」「きみの秘密を見せてくれ2」
高校の同級生同士のお話で、2人の性格が斜め上気味で個性的ではありますが、じわじわと関係を深めていく様が初々しくて素敵なお話でした。
このお話もツボでした。
絵がお上手なので訴えかけてくる誠実さみたいなものをとても感じました。
善良なキャラクターは愛されそうな説得力があるんですよね。
逆にヤンデレなどの歪んだキャラクターが掴みずらかったです。
表紙見るたびに良いなと思い続けようやく購入。
買い渋っていたのは短編集だったから…
それが、読んで全部良かったっ!自分の好みに合ったというのもありますが、全部のお話が良いってなかなか巡り会えないので嬉しかったです。登場人物が少し重なっている(会社内→その同僚 など)のですが、お話の空気が全然違うので、「A君B君のお話のC君D君のスピンオフは苦手」という方でも大丈夫かと思います。
表題作、顔もスーツもちょっとくたびれた荒っぽい瀧田さんと、彼の良いところを知ってる可愛い後輩松尾くんコンビはとにかく良いし。(ラーメン食べに行きましょうで「おかわりは2杯までね」って優しすぎでしょ〜〜っ笑)
一真と悠二兄弟の交錯する気持ちと頼りの仕方が可愛いし、ガッツリやってるのとか、身体の描き方が性格もちゃんと表現されてて良かったです。
前髪長い少年と真っ黒な瞳の少年の飲み屋のお話も可愛いし。お目目!
君の証明論の狂い方はヤバいし。
BL漫画を描いてる子とその漫画を盗み見ちゃってモデル頼まれる事になった子も最高。
どれも結構「破れ鍋に閉じ蓋」感のある二人で、松基さんの描かれる表情やドタバタがたまらなく魅力的なので読んでいて楽しいです。
笑顔が特に可愛いのだけど、ニッカーな笑顔も面目なさそうな笑顔も、寂しそうな笑顔も、暴力が楽しそうな笑顔もみんな生き生きとしていつまでも見ていたくなります。
どれも1冊分の連載になっておかしくないクオリティでありつつ短く濃く纏めてあるのでendでOK!良い読後感です。
この本の中の物語は短いが、すべて精錬され、完備している。人物作りが生き生きしていて、性格が立体的で、嫌な役はほとんどありません。基本的には様々な黒髪攻設定の集合で、例えば厳しいメガネ上司、悶騒学霸など、考えたこともないほど、実の兄弟の題材を見ることができます。とても良くて、黒髪攻めファンの福音です(笑)(英語翻訳)
松基先生の新作、お待ちしておりました!先生の描く男子の、ニコーッとする笑顔が大好きなんです。今回も顔いっぱいに笑うかわいらしい子が!さらにヘンタイさんも!
表題作の「瀧田宗司という男」とスピンオフの「雁字搦め」
不良高校生と、同学年の男子のお話「ほどける視線」とそのスピンオフ「君の証明論」
腐男子高校生とやる気のないDK君の「君の秘密を見せてくれ」の5本立て。
もとのお話よりもスピンオフの方が拗らせ度が高いですので、順番に読むことをオススメします。
表題作の瀧田宗司さんは、会社では笑顔もなく、ハッキリした物言いでウザい、ということで煙たがられています。その瀧田さんが主人公で新入社員の松尾くんの教育係りに任じられます。第一印象は怖そうと思っていた松尾くんですが、わんこキャラとしての天賦の才か、瀧田さんの良いところを見抜いていきます。仕事もできて、ホントは優しいところもあるカッコいい人なんだよ、ということで気になりだしたある日、次のスピンオフで主人公となる酒井先輩から、瀧田さんて実は絶倫でバイなんだよという噂を聞いてしまいます。そこから仕事上のトラブルが起こり、松尾くんと先輩の瀧田さんの二人で対応するのですが、そこから進展は?瀧田さんはほんとに絶倫でヤリチン?ということです。
最初の方で瀧田さんがウザがられている設定なんですけど、イヤー無理があるでしょ。だって見た目カッコ良すぎですもん。私服OKなのに、スーツで通勤かつ、メガネ男子で仕事できるって、怒られてもいいって思ってしまいますよ。喜んで怒られます!
表題作も良いですが、自分がいちばん好きなのは瀧田さんからのスピンオフの「雁字搦め」です。自分が好きな男の身代りに、弟と関係を持つ酒井さんのお話。「瀧田宗司…」に比べ、重いお話になっています。実の兄弟なんで、背徳感もありますし。エロはやや強めです。前のお話では、お気楽な感じの酒井さんでしたが、こちらでは色々鬱屈しており、同じ人間とは思えません。弟君のお兄ちゃんへの執着も強すぎ。でも弟君のほうはカラッとしていて、そんなのあたり前っていう感じが、ちょっと怖いです。
他3本もそれぞれに個性がある作品なので、お得感がありますよー。お好みの作品を探してくださいね。
全部で5話が収録されている短編集。
このストーリーの脇キャラが、のちのストーリーでメインになるという風に、世界観につながりがあるのに、テイストがまったく違ってるのがおもしろかった!
●「瀧田宗司という男」
新人営業マン・松尾視点で語られるストーリー。
上司の瀧田さんは服装が自由な会社で一人スーツを着て、クラシックを爆音で聞く変人。でも仕事はできるし、松尾の仕事のミスも無理してフォローしてくれる頼りになる人。そんな瀧田には性生活ユルユルって噂があって…
オチまで読むと、オッサン上司と健気部下の両片思いなんですが、松尾の目線で語られる瀧田さんは頼りになるし、ふと見せる優しさにときめくし、噂よりも瀧田さん自身を信じたいって思えてきます。
恋しちゃう気持ちってかわいいなと思えるストーリー。
●「雁字搦め」
松尾に瀧田さんの悪評を吹きこんでいた一真と、その双子の弟・悠二の話。
松尾に片思いしてる一真が、悠二にカラダだけ慰めてもらうテイで始まるのですが…
一真は弟にこそよこしまな気持ちを抱き、悠二も誰かの代わりでも良いから兄とカラダを繋げたい、そして兄の隠している気持ちを実は気付いてるっぽくて、なんともダークサイドにハマりこんでしまった兄弟!
表題作のラブコメぶりとは一転した暗さに余韻を引きずります!
●「ほどける視線」
イジメられっ子の藍輝は、助けてもらったヤンキーの菅に心酔していて性的おもちゃになっていた。でも壊した皿の弁償で居酒屋バイトを始めると、教育係の東雲が最初は愛想がなく見えたのに、意外としっかりした奴で一緒にいるのが心地良くなって…
女顔だからって前髪でずっと顔を隠していた藍輝が、髪を切って見せた瞳がきれいでかわいい!
●「君の証明論」
藍輝を性的おもちゃにしてた菅が目隠し&緊縛&監禁されてる衝撃的なはじまり。
菅がかつて殴って傷つけたリーマンの復讐レイプってストーリーなんだけど、菅が求めているものと、名も無きリーマンが求めているものが、ビックリするくらいマッチしていて、甘さはまったく無いけど、これ以上ないってくらいピッタリな二人で…
この本の中でこのストーリーに一番ゾクゾクさせられました。
この話が一番好き!
●「君の秘密を見せてくれ!」
三野は優等生の岩本がBL漫画を描いている秘密を知ってしまい、お詫びに岩本のBL絵のポーズモデルをすることになって…
高校生の片思いが両片思いっぽくなるラブコメなんだけど、我慢してた欲望が爆発しちゃうところは10代とは思えないくらいエロい!
世界観が繋がってる話は、ただの脇キャラに思えた彼が、あの時はこんなことを考えていたんだなって、後の話でわかるのもおもしろかった。
ストーリーがバラエティに富んでいるので、短編の集まりなのに読み応えがありました。