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不遇の貴公子×兄の盲愛に怯える王子の大逆転ラブストーリー!
いろんな意味ですごいものを読んだな~という感想。副題の意味が気になりながら読んでたら、あれも罪これも罪と次々出てきて、最後の最後でそんな罪を背負うとは!徐々に罪の沼が深くなっていくのを見せられているようで、ゾクゾクした。
シンデレラ役(?)は継母と義兄に虐げられるエラルド。性虐待と暴力で、目を背けたくなる酷い目に遭っている。少しだけやり返せる強さを持っていたのは良かった。
王子役(?)は王太子の弟シャロン。目が視えにくく、フィジカルは弱々しい。
偶然出会って恋に落ちた二人には、平民と王族という身分的な障害と、男同士を禁忌とする思想的な障害が立ちはだかる。二人の間では乗り越えられても、当然王太子が許すはずもない。この王太子が最後まで曲者だった。
途中、印象に残ったのはエラルドの怒りの描写。ささやかな望みを打ち砕かれ、義理の母子にブチ切れるシーン。頭の中から血管・こめかみ・肌・瞼の状態まで描写していて、その表現力に感動する。
ここは読んでいてこちらも沸騰するほど腹が立ったので、エラルドとシンクロしそうで大変だった。
山場はエラルド対王太子の二人にて。この二人の容姿が似ている伏線が、ここまで残酷な形で回収されるとは思わなかった。しかもシャロンの目の設定と王太子の罪悪感も、ここでこう活かされるのか!という。
王族と見た目が似ている平民といえば入れ替わりものかな?と思うが、主人公がここまでやってしまうのは驚き。さらには相手役も協力的で、だからこの副題が付いているのか……と。
最後に王太子の存在を自身の中に感じるエラルドは病んでいるのかな。これからも出自を隠し、心の中で王太子とシャロンを共有していくんだろう。犯した罪の代償なのかは分からないけど、とてもしっくりくるラストシーンだった。
かなりの衝撃として心に刻まれる作品。余韻もすごい。面白かった!
シンデレラは絵本の王道ものしか読んでいない私ですが、これはもうすごかったです…。
犬飼のの先生の書くお話はどれも壮大ですね…。
国や世界の規模でとてもソワソワ、ワクワクします。
ほぼ攻め視点であらすじとキャラ設定を読んでいない私は、てっきりシンデレラが受けかと思いましたが攻めの方でした。
かなりの劣悪の環境と境遇の攻めが痛々しかったです。
さらには受けも王家でありながら、兄からの扱いが酷いこと…。
でも辛いからこそ、幸せになった時の感動が増します。
そしてラストに向けての後半がもう物凄く衝撃です。
ですが、私はある一部のシーンがキツかったです。
(以下、詳細含みます)
それが動物と心を通わせる受けが攻めと馬上セ〇クスした時。
馬に謝りながらガツガツ腰を振る二人の馬の心境よ…。
後に受けが「馬も羨ましがっていた」と言っていましたが…ちょっと私には合わなかったです…。
また、愛犬が銃殺されるシーンもあるので地雷の方は注意です。
これさえなければ、文句なしの神評価。
人に自信を持ってオススメできるのですが、このシーンが苦手な方もいるだろうことを考慮して、趣向が似ている方にそっとオススメします。
読み始めてから何て難しいお話なんだろうと思いました。
犬飼先生なので登場人物も魅力的だし、ストーリー展開もとても面白いです。
でも主人公に次から次へと襲いくる不幸、愛する王子は眼が悪くて現状を打開する権力は皆無です。
離宮で逢瀬が出来るのは、兄の王太子が他国に出かけてて留守の間だけです。
読んでも読んでもエラルドには困難ばかりで、遂にはシャロンを置いて逃げなければならなくなりました。
最後はどう決着つけるのだろうと、夢中で読みました。
シャロンの眼が悪いのも結末に向けて理由があったし、王太子ヴァリウスが人前に現れる時に何故仮面を付けていたのかも理由がありました。
エラルドとシャロンのエチシーンも流石だったし、見事にまとめ上げた犬飼先生はやはり凄いです。
犬飼のの先生、童話BLシリーズ、第三弾。
シンデレラといえばあまりに有名な童話、少女の夢そのものの物語ですが、それにしてもなぜ王? 王子じゃなくて? しかも珍しい攻め視点。この平民のエラルドがどうやって【シンデレラ王】になるのかと思いつつ読み進めました。
受けのシャロン王子が健気で素直でしかも精神的に強い!
駆け落ちしたいエラルドをなんとか説き伏せ、一人逃がすシーンは惚れ惚れするくらい男前でした。
また笠井あゆみ先生のイラストのなんと美麗なこと!! うっとりしてしまいます。
シャロンの兄王子、王太子のヴァリウス、後の王様(私はどうしてもヴァ○リウスって読みたくなっちゃった)が求婚者の条件としてガラスの靴ならぬ水晶の男性の象徴を作れとシャロンに言ったときには、はあ?! と目が点になりました。さすが犬飼先生、一筋縄ではいきませんね。読者の予想の斜め上を行って下さいます。
ともあれエラルドは罠にかかることなく約束の離宮を訪れ、晴れてシャロンに会える・・・ はずもなく、そこには衝撃の結末が待っていました。
童話BLだと思っていたのが実はまさかの○○BLだった!!
いや、これはこれで大変好物ですけども。
この本を読み終え、ラストの番外編も読んだあとで表紙イラストを見ると、なぜか攻めの目つきが悪く見えて、ヴァリウスに見えてきてしまいました。
やっぱり大人の童話は残酷なのね。
どうか末永くお幸せに。
「シンデレラ」をモチーフにしたBL小説という事で、BLモノだから、シンデレラと云っても一味違った作品になるんだろう・・という予測はしていました。
実際に読んで見ると、さすが犬飼先生。想像より右斜め上の展開で先が気になって仕方が無いし、夢にも出てきそうなくらい、魅力的な登場人物達で繰り広げられる耽美でドロドロとした世界観に引き込まれること、引き込まれること。
全体的に美しくお上品な童話風仕様ですが、一応官能童話ですから、笑えるくらいインパクトのある下な話も出てきますwwストーリーの中で妙に浮いて耽美な世界観を損ねたりしない所が流石です。
最後まで読み、サブタイトルの「罪」の意味がもう…。なんとも言えない気持ちになりました。結末として美しくもあり、後味も悪くもあり、美しくもあり…。これこそ、残酷だったり、棘のある童話そのもの。真相に少し触れられる超ショートストーリーがまた泣けました。登場人物のそれぞれの事情や、心情が切なくて。誰も蔑ろにされない結び方には救われました。愛の敗者はこの小説にはいない、ですよね??
改めて犬飼先生は只者でないなー、先生の偉大さを存分に感じる事が出来た一冊でした。あとがきを読んで、先生も新たな試みでもあり、水面下ではもがかれたようですが、完成した作品にはその苦労も微塵も感じさせない出来栄えの美しさが素晴らしいですね。官能童話BLシリーズ4弾の実現を心待ちにしています。
BLものは、NLものや一般ものと同じ題材を扱っていても、スパイスの効いた違った風味の作品になるので、ここがBLに病みつきになり、止められないところだなーと実感しました。