ボタンを押すと即立ち読みできます!
この本を読みたいと思ったきっかけは、まず、表紙の美しさでした。
タイトルのデザインと、タイトルの奥に覗く主人公たちの構図に、とても魅せられました。
絵柄もとても繊細で、きらきらしていて、現代が舞台でありながら、吸血鬼を話の主軸にそえた、不思議な雰囲気のお話に、とてもぴったりな作風の先生だなぁと感じました。
受け・祐樹が、幼い頃から受けていた、父をはじめとした周囲からの呪いのような言葉。
そんな言葉に囚われていた、自信喪失しているような祐樹の前にあらわれた、美しすぎる吸血鬼攻め・レオ。
出会いのシーンも、とても印象的です。
命を終わらせたがっていたレオが、祐樹と一緒に生きていきたい、と思えるようになっていく過程が、とても素敵な雰囲気でした。
ふたりだけの空間で、モデルと画家としての関係性が、美しくて、儚ささえ感じました。
対価がレオの命を終わらせること、だからでしょうか。
えっちシーンもすごく綺麗で、美しかったです。
ストーリーの雰囲気ともぴったりな、耽美さ。
古い言い伝えが真実でありますように!と願わずにはいられない、そんな素敵なカップルでした。
美しい吸血鬼の青年・レオと
有名画家の息子でその父のゴーストペインターをしているユウキのお話。
本当は自分の絵が描きたいのに
父親はそれを許さず、道具のように扱われていたユウキが
長い眠りから目覚め飢えていた吸血鬼のレオに突然血を吸われるという衝撃の出会い。
そしてなんと、レオは自分のことを殺してくれ、と言ってくるわけです。
レオを殺すことを条件に彼の絵を描きはじめたユウキは、レオへの想いに気付いていく。
そうなったら尚更殺すことなんて出来ない!という感じでお話は進んでいきました。
全体的に切なげでしたが、最後にはお互いが求め合う関係になりハピエンだったので良かったです。
ユウキの父親はなぜあんなにもユウキのことを否定していたのかは謎でした。
感想
お金でなんでも手に入れられる時代になったけど、一つだけ;若さを保ちながらの不死だけは今のところ得られない。金持ちの最後の望みが美と健康を保持した不死だと世間は言ってます。
この物語は、恋人の命の代わりに不死の命を繫いで眠りについた吸血鬼の美少年が、不死を悲しんで死を求めています。
独りぼっちの不死は寂しい。目覚めると独り。愛する猫も消えて居なかった。
起きて泣きながら朽ちた屋敷を這いずるレオを、たばこを吸っていた祐樹が見つける。
祐樹は、才能を妬む父にゴースト画家にされて世間から隠されている。父親は、祐樹に自分の絵を描かせない・・祐樹が自分から逃げることを恐れている。
謎だらけの美しいレオの絵を描きたくなった祐樹。レオの絵は、父の檻から外に飛び出す切っ掛けになる。
色々あって、・・レオは、祐樹の寿命が尽きるまでの生を共に生きることを決心する。(死に方の選択肢は、実は色々あった。結末に出して焦らす著者)
本当の幸せは何?を問うお話だと思います。←もしこれが著者の主眼なら、他の細かい設定や説明があるとボケるので、この作品の内容と構成でOK.
不死の中で光る宝は探し難い。有限で儚い瞬間の美だから、価値がある。限りある時間の中で、共通の喜びを持てるパートナーを探し出す事は 人が持てる至上の宝ではないかなー。
神
ちるちるを開くと出てくる広告に惹かれて購入。
読んでみると、思ってたのとちょっと違った。
冒頭は、高名な画家である父親の陰に隠れて、強制的にゴーストペインターとして父親に搾取されている息子の祐樹、という暗く悲しい設定。
そして突然現れるヴァンパイア。
彼の登場はドジっ子っぽい。だから、コメディ調で話が進むのかな?と思いきや、ヴァンパイアのレオは殺してくれ願望が強く、かなり薄暗い。
レオの死にたい・殺してくれ願望と、父親に抑圧されている祐樹の姿は闇系BLと言えると思うのですが、ところどころ入るギャグっぽいコマが馴染みが悪いというか…
確かに闇だけだと何の救いもないから明るい部分も入れたい、となるのもわからなくはないけれど、BLにしなければ、と思って闇と救いとそれに加えて萌えもエロも、というのが大盛りすぎて消化不良なのだと感じました。
表紙絵などは本当に綺麗だし、中身も全く絵は崩れずキレイです。また、これまで青年誌や少女誌でご活躍との事なので、ストーリーの組み立て自体も確立されていると思います。
個人的感想としては、BLだからと言ってエロも入れなきゃとかは考えずに、エロ匂わせの切なさ満点のお話が合うのかな、という感想を抱きました。