トリッキー・ゲーム

tricky game

トリッキー・ゲーム
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神12
  • 萌×26
  • 萌2
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
8
得点
92
評価数
22
平均
4.3 / 5
神率
54.5%
著者
綺月陣 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
価格
¥670(税抜)  
ISBN
9784796411691

あらすじ

法学部でバイの浩一は、斑鳩教授の講義が好きだ。
20歳以上年上でダンディな斑鳩は、既婚者で決して手の届かない人。
けれど浩一は斑鳩を不埒な妄想をしながら慕い続けた。
しかしある晩、ハッテン場で教授が若い青年を買おうとする姿を目撃する。
衝動的に浩一は「代わりに俺を買ってくれるなら誰にも言わない」と教授を脅すが――?

表題作トリッキー・ゲーム

斑鳩庵、大学教授、44~57
藤間浩一(トーマ)、大学生~変態弁護士、20~33

同時収録作品トリッキーゲーム

チハル(江藤充春)、オネエの男娼でスナック経営
藤間浩一(トーマ)、変態弁護士

同時収録作品トリッキーゲーム

津島大悟、カメラマン
宮原理久、サラリーマン

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数8

生きづらさを感じたことのある人は読むべき!

『スレイブ・ゲーム』からぶっ続けで読み始めた本作。
夢中になりました。
そして、泣いたよ。久しぶりに。

前作で弱気な理久をペテンにかけた性悪弁護士、トーマ(藤間だからトーマね)が主人公です。
『どうして彼があれほど拗くれたオネェになっちゃったか』が書かれているのですが……
これがとっても面白かった!
いや、面白かったっていうか、非常に苦しいお話でもあったんですけれど。

若かりし頃の彼はとても自分を抑制して育って来ているんです。
束縛の強い父の所為で鬱病になってしまった母のために、そして何より高校時代の体験入学で憧れの人となった斑鳩教授に認められたくて、必死で勉学に励み模範生徒となります。まぁ、教授以外の人は目に入らず、鼻にも引っかけない無法者ぶりなのですが。
教授もそんなトーマを可愛がり、目をかけてくれる。教授のちょっとした言動で舞い上がっちゃうほどの純情っぷりなんですね。
ところが、教授がメンズバーで若い男性に声をかける処を目撃しちゃうんです。激高したトーマは、次の日教授の家を訪れ彼を詰るばかりか、無理矢理ことに及んでしまうんです。別居中の彼の妻の口紅を塗った姿で。その後、教授はトーマに会うこともなく休職し、退職してしまいます。
自分のアブノーマルさに気づいたトーマは、弁護士になってからもそのことで悶々とし続けていますが、ガタイの良い、でも胸を作ったちーちゃんと知り合い、互いの傷を舐め合う様な関係を通じて、少しずつありのままの自分を受け入れて行く様になるのですが……

この、ちーちゃんのエピソードが、涙なくして読めないんですよ。
世の中の『普通』から外れてしまった人が「でも、これが自分なんだから」と思える様になるまで、どれだけ苦しい思いをするのか、とか、同じ様な苦しさを抱えた人が、端から見れば異様な関係に見えても、支えあったり、慰め合ったりしながら生きていこうとする様が、とてもいじらしく、哀しく、そして暖かく書かれています。
でもね、それもある事件が起きて、突然終わってしまう。

で、後半部分。
ここからの展開も、見事なんですよぉ。
斑鳩教授がトーマを探しに来るのです。例のいわく付きのメンズバーに。
そこからは急展開。
前作でバカップルとなった大悟と理久も大活躍し胸のすく様な結末を迎えます。
『背徳のマリア』や『獣』を書いた綺月さんだからこその前半部分の重さ、それと同時に後半部分のスピーディーでパタパタと、それこそゲームの様に進んで行くエンタテインメント性溢れた部分が、違和感なくマッチしている傑作だと思います。

BLを読む醍醐味は、自分を自分のままで受け入れてくれる様な愛の物語に出会うことだと思うのですね。
そして物語は2人だけで繰り広げられるのではなく、周りの人達との関係性まで広がったものであればなお良し、というのが私の好み。
ドンピシャ、ど真ん中の1冊でした。

「ああ、このエピソード、ラストに来るな」と予想したシーンで締めくくられたのですが、そのままズバリではなくちょっとばかり捻りが効いておりまして、そんな部分にも大変満足いたしました。
惜しいのは、前作よりも読んでいる人の総数が少ないんじゃないかと思えることなんです。ここでも、評価している総数が少ないですものねぇ。
いやー、もっと沢山の人に読んでいただきたいと切に願います。

9

読み応え抜群!でも、好みはわかれそう

他の方もおっしゃってますが…めちゃめちゃ濃ゆいお話です!トーマがどうしてこんな複雑でこじらせた変態になったかがよく分かる。
読み応え抜群な作品です!
(さらっと読める話ではない)

片思いしてる可愛いトーマ、入りが可愛かったのに
だんだん、ん?あれ?って転がり落ちて、気がつけば
綺月ワールドにどっぷりですよ。私はハマりました。

自分の壁を壊してくれて、認めて、支え合ったチハルママとの話も凄く好きで、
想像できなかった別れに思わず涙しました。
生きていて欲しかった。
幸せになって欲しかったな。

下ネタも分からない、紳士な教授がたまらない!!
でもちゃんと男でした! 好き!w
こんなに年が離れたカップルものを読むの初めてですが、
このお話のおかげでストライクゾーンがまた広くなりました!w

小山田あみ先生の美しいイラストが世界観をまた
盛り上げてくれて…素晴らしいです。
前回、表紙買いして正解でした。

女性との性描写、死ネタなどがあるので好き嫌い別れそうですが、
ぜひ読んでいただきたい作品です!

7

笑えるし泣けるし深いし

『スレイブ・ゲーム』のスピンオフ。
前作でメインカプの恋愛成就に貢献した、藤間浩一(トーマ)が主人公。

父親のモラハラから母親を守るために弁護士を目指したトーマ。
高校生の時に受けた希望大学の模擬授業を担当した斑鳩庵に一目惚れしてから、彼を目指して大学に合格。崇拝に近いほど憧れている斑鳩の授業が毎週楽しみで、確かに目をかけてもらっていたはずなのに…既婚者の斑鳩がメンズバー「結界」で可愛らしい男の子をお持ち帰りする現場を目撃!

斑鳩との一件が大きなトラウマになって、その上、司法試験に合格した途端に実は男がいたことを隠していた母親に裏切られて、バキボキに折れそうだったトーマの心を慰めてくれたのがチーちゃん。ガチムチオネエのチーちゃんには、素の自分も、本来の欲望もさらけ出せたけれど、得難い同士だったチーちゃんともお別れしなければならない時が来て…

斑鳩が「結界」に姿を現したところから、前作でトーマにキューピッド役を果たしてもらった二人が恩返しのために奔走します。いいなぁ、こんな男同士の絆。

結末に向かうにつれて感極まってしまい、泣けてしまいました。特にハート型の雲のシーンは、生物学的には男性でありながらもチーちゃんの母性の深さを思い出して。チーちゃんの過去編、アリでしょうか。

読むたびに性的役割について考えさせられてきた綺月陣さんの作品なので、コメディー要素が散りばめられた今作にも、「母性」という通底したテーマが見え隠れしているような気がしました。同じような感想を抱いている方がいらしたら嬉しいです。

前作を踏まえて読まれた方がエンディングの喜びもひとしおだと思いますので、『スレイブ・ゲーム』とともにぜひ!トーマのハッピーエバーアフターは感涙ものです!

4

トーマの人間性が複雑かつキュートで愛おしい

前作スレイブ・ゲームのスピンオフになります。単品でも読めますが、前作CPもいっぱい出てきますので、読んでおいた方が楽しいかも。
間違いなく名作だと思うのですが、レビューが少ない気がするので、へたくそなレビューながら残しておきたいと思います。
変態性が強くてかなりカオスなので、読み手は選ぶかもしれませんが、歪んでいる自分を肯定しながら力強く進んでいく爽やかさがあって、読後に残るものがとても多いです。
レビュー内で前作のネタバレにも触れるのでご注意ください。


前作でも異常にエネルギッシュなオネエの変態弁護士だったトーマの物語です。歪んでいて暗くてシリアスで悲しくて切ない話なんですが、いかんせん本人がダイナミックでパワーあふれる明るいオネエなのでどん底ですがどん底にはなり切らない強さがあって素敵なんですよ。
前作でなんなんだこの強烈な変態は…と思っていたトーマのことが今作でとっても好きになりました。エロがたくさんありますが、エロっていうよりも変態です。

前作で500万円セックスを見てEDが直って元気になってハッピーエンドだったじゃん?続きなの?と思って読んだのですが、前半の過去パートの悲しさと切なさと、変態だけどカワイイ初恋、傷をなめあう濃厚なホモのレズセックス、大切な人とのショッキングであっけないお別れ…。大好きで憧れだった紳士な教授を逆レイプしたことと模範生から外れている自分の本質に対する罪の意識…
えー、カオス!濃厚!暗い!読み手のこっちはマジ泣いちまうよ!!って勢いなのに、過去の話を「茶目っ気たっぷりの昔話よ」って笑い飛ばすトーマに「湿り気たっぷりの怪談じゃね?」って返す話を聞いていた前作攻め!読んでるこっちはそんなやり取りに笑ってしまう…!いや、でも正直久々にBL小説でほろりと泣きましたよ、笑わされもしましたが…

なんというか、全体を通してこういった言葉選びのセンスが抜群に良くて楽しくて、ウィットに富んでいるというか…読みながらニヤリと笑ってしまう箇所が多数あり、読んでいて愉快なんですよね。このシリーズで初読みの作者様なのですが、とってもセンスがある方なんだなぁと思いファンになりました。

悲しい過去や暗くて重い罪を抱えて潰れてもおかしくないトーマが、たくましく明るくユーモアたっぷりに生き抜いていて、性に対しても前向きで。前作カプの応援やフォローもあって最後にハッピーを掴むラストがたまらなく爽やかで気持ちよく、読み終わった後に、こっちもエネルギーをもらえるような作品でした。

ただし、変態性は強い。

4

スレイブ・ゲームのトーマのお話

「スレイブ・ゲーム」で妙に印象に残ったトーマが何故トーマになったかのを知る事が出来ました。

学生時代の抑圧されて模範生であった浩一が斑鳩教授に憧れてからの失望と、一方的な関係を持ってからの別離とチハルとの出会いはシリアスな展開でした。

チハルとの傷を舐め合うような交流とトーマとしての覚醒が幸せそうだっただけに、弁護士として独り立ちした途端のチハルとの別れが悲しかったです。

「結界」での斑鳩教授との再会で頑なに拒むトーマがとても痛々しくて、大悟が斑鳩教授を訪ねて和解のきっかけを作ったのには思わず拍手喝采でした。

まさか酔い潰した斑鳩教授を藤間ビルに連れて来てマジックミラー越しに、理久とのセックスを見られるとは予想通りで笑えました。

4階の部屋の品々がチハルがトーマに残した財産分与だったと今作で知る事も出来ました。

理久も協力してトーマが素直になれるシチュエーションを作って斑鳩教授と結ばれて、2人はお互いのありのままを受け入れてました。

藤間ビルの5階と4階でそれぞれのカップルが同棲して交流する姿はとても幸せそうで、トーマが空を見上げてチハルに報告するシーンで泣いてしまいました。

まさか泣かされるとは思いませんでした。ww

1

変態オネエ弁護士、トーマの真実

こちら「スレイブ・ゲーム」のスピンオフで、前作では準主役であった変態弁護士・トーマが主役になります。
前作が未読でも読めるように書かれていましたが、そちらもとても面白いので、気になった方はレビューでチェックして下さい。
私もレビューが無かったら、前作をスルーしちゃってました。
今さらですが、素敵なレビューありがとうございます(*´▽`*)

で、面白かった! めっちゃ面白かった!!
よくストーリーが深いと言ったりしますが、こちらはそのレベルでは無い・・・。とにかく濃い。めちゃくちゃ濃いと言った印象です。
う~ん・・・。読み終えた後は、なんだか充実した疲労感でいっぱいです。


内容ですが、オネエの変態弁護士・トーマの物語になります。
父親が母親に対してモラルハラスメントをする家庭で育ったトーマ。
彼が母親を守ろうと健気な決意をする所から始まり、紳士な准教授・斑鳩に憧れ、手痛い失恋をする大学時代。
オネエのスナックママ・チハルとの、傷の舐め合いとも言うべき優しい日々を経て、現在の変態弁護士に。
そして、斑鳩との再会と語られます。

で、前作を既読の方はご存知でしょうが、このトーマと言うのが相当な変態なんですよね。
頼りがいがあるイケメン弁護士・実は裏の顔は、EDのオネエで超変態と言った具合で。
今回、そんな現在のトーマが形成されたルーツが丁寧に語られ、そのあまりの濃さにもう胸がいっぱい。
また、オネエになった理由が痛くてですね・・・。

一応、学生時代の彼は、とても真面目でクールなイケメンなんですよ。若干、現在の変態性をうっすら感じる部分もありますが。
そんな彼が一途に憧れていた准教授の斑鳩。
彼との不幸な誤解により、これ以上無いほど深く傷付き、自身の闇に気付く・・・。

この後、スナックママのチハルと出会い、互いの傷を舐め合うような優しい時間を過ごす-。
これ、実は共依存のような関係だと思うんですよね。
誰よりも理解しあえる二人が、道徳観や貞操観念なんて全く気にせず奔放に性を楽しみ、互いの心に寄り添い合う。
二人の会話はもう変態も極まれりで、可笑しくてゲラゲラ笑えるのに、どこか物悲しさも感じるのです。
また、チハルとの呆気ない別れがひどく切なくて( ノω-、)


で、こんな過去を経験した事により、現在の超変態オネエ弁護士・トーマが誕生したのね~と。
ここまででひたすら濃く、痛々しかったりするのですが、思わずプッと来るようなコミカルな部分だったりも随所にございまして。
おかげで重くなりすぎずに読めるんですね。
前作の主役・大悟達バカップルがアホエロぶりを発揮してたりして。

そしてそして現在。
斑鳩教授との再会です。
ここからがもう最高に萌えました。
あれだけ手痛いすれ違いをした二人。そしてこれだけ濃い経験をしと、ストーリー的にはとても重いのですよ。
なのですが、結局の所、これ壮大な初恋拗らせじゃん!!
いや、なんだろう・・・。終盤の結ばれた二人のバカップルぶりに、もうドッと疲れが。
ホント、二人が幸せならなによりですよ・・・。

と、もうとにかくめちゃくちゃ濃いお話。
読み応えがございました。
好き嫌いがクッキリ分かれる気もしますが、個人的にはとても楽しめました。




8

出てくる奴が大体やばい人

はじめに
綺月先生の著書であるスレイブゲームのスピンオフ?で、スレイブゲームに出てきたやべぇ感じのオネェ犯罪弁護士が主人公です。
攻め以外との行為や、女性とも行為があります。

三行感想
▽オネェがやばい
▽オネェの彼氏がやばい
▽オネェのペットカップルもやばい

普通に感想
スレイブゲーム読んで「なんだこれ…」って壁に投げた人には多分向かないと思います。
一応こちらの方は主人公が何故ここまで歪んだ犯罪者に成り下がったのか?そして主人公の初恋の行方は?みたいな感じで主人公メインなので、
前作のように「パンケーキ食べようと思ったらいきなり鰹節ふりかけられて最終的にはロッキーが如く卵飲みさせられた…」的な感じは無い……と思います。多分。
まぁ今作は「うどん食べてたら少量の七味が底に埋まっていたので驚いてお茶飲んだら炭酸だった」くらいのトンデモです。これはネタバレですが、大学教授と元教え子の苦い初恋物語…みたいな話なのに惨殺事件が出てくるので七味で例えてみました。

本題に入りますが、
スレイブゲームに出てきた変態犯罪弁護士が何故こうも歪んでしまったのか?みたいな、ひとりの人間の半生的なものを主軸としたお話です。BLなのに。

主人公の受けは攻めである大学教授を盲信する大学生としてスタートします。
そこから受けがあまり健全とは言えない家庭で育ち、そんななかでも気丈に生き、そこで出会った恩人である弁護士のようになりたいと大学進学に至る過程が描かれます。
初っ端から講義を受けてる最中に教授を見ただけで性的興奮を覚えてしまうなど真っ当な変態として育ち切ってる感のある受けですが、中盤からさらなる変態として熟成します。
中盤はもう一人の攻め(?)であるオネェキャラが関わってきます。
そこから現代に進み、飼っているアベックの片割れ(前作の攻め)に過去を語り、その片割れが「じゃあその教授に告れば良くない?」と提案するからすったもんだです。

フィクションにこんなこと言うのも何ですが、弁護士とか法学の教授とか出てくるのに誰ひとりとして遵法精神を投げ捨ててる感じが凄いです。
あらすじにもある通り、受けは大学教授である攻めが未成年疑惑のある青年を金で買っているのを見て脅迫の末に逆レに発展します。
紛うことなき性犯罪者です。
受けにもその自覚はあるのに、前作攻めは「好きなら告っちまえよ」と背中を押すし、攻めは攻めでやたらと罪悪感に苛まれているし…。
攻めは教授で、買春しようとした訳ですから「前途ある学生の前で教育者としてあるまじき行いをしてしまった」と罪悪感に駆られるのはわかりますが……。
とかポリコレ的に色々考えさせられることが多いんですが、
しかしそんなことはどうでも良くなるような疾走感があります。
前作後半も「何やってんだこいつら」と半笑いで読んだので、それを求めてこちらを手にとって正解でした。
萌えよりも有無を言わせぬパワーを求める方にはおすすめです。
(一応、攻めの惚気シーンは結構萌えました)

まとめ
パワーのあるBLが読みたい方、狂人が読みたい方におすすめです。
疲れてる方にはあまりおすすめできません。


-----
(これは本編に絡むお話なんですが、あんまりBLとかには関係無い話です。)

綺月先生のお書きになるお話に出てくる女性キャラって、
頭の悪い性悪とか、悪人まではいかない馬鹿とか、幼稚な阿保とか、
色々出てくるんですが、今作ではなんかよく分からない女性と、主人公の母親が出てきます。
主人公の母親がなんかもう幼稚な感じの女性です。

でも思えばこの母親も、夫からのDVで病んだ結果、まともな母親として振る舞えなくなったのかもしれません。
またDV夫だって精神的に病んでますし、
そんな夫婦の元で育った主人公(受け)や、
買春に走ったり逆レされて加害者意識に苛まれてる攻め、
あと前作受けも病的に他人に追従する性質ですし、
前作攻めもなんか根は病んでそうです……。

愛だの恋だの騒ぐよりも精神科の予約が第一に必要な奴ばっかですね……。

1

トーマのくびきと解放

「スレイブ・ゲーム」のスピンオフ作。
「スレイブ〜」でも大きな存在感だったイケメン変態オネエ弁護士・トーマが主人公です。

トーマこと藤間浩一が、まだ大学生の「高森浩一」だった頃…
そう、本作は真面目な模範生・高森浩一の初恋と、そのこじれ、そこからくる精神の流浪と遂に力強い「変態オネエ」のトーマとなるまで、そしてこれから、の物語です。
浩一の恋焦がれる相手は、大学教授の斑鳩庵(いかるが いおり)。
二十歳そこそこの浩一に対して、その頃の斑鳩は40代半ば、ダンディな素敵おじ様。小山田あみ先生の麗しいイラストがもうドンピシャです。
私は「スレイブ〜」でのブッとび変態の振り切れオネエ振りにはコミカルさも感じていたので、そうか、トーマは老け専か、なんて軽く考えつつ読み出したのですが…
…いやはや、こうきたか。
綺月陣先生はアノ「背徳のマリア」や「殉愛」を物したお方。
つまりは、ズバリ「ドロドロ」。

浩一は斑鳩教授に対して純情を抱いていたけれど、ある晩教授のある行動を目にし、衝撃に我を忘れて想いとは真逆の呪いを吐き出し、想いとは真逆の行動に出る。
それは浩一の心の奥底の、「教授の奥様の代わり」になりたい、教授に愛される存在になりたい、オンナになりたい、という叫びが、歪んで発現した姿だった…
自分で自分のそんな姿を醜い怪物とした浩一が出会った存在、それが異形の天女・チハルさん。
ここから始まる浩一とチハルさんの交流?が正に共依存的な関係性。チハルさんもオネエで、オネエ同士の睦みあいというか何というか…しかし、チハルさんのエピソードは悲しい…!
その後、浩一は公的に?オネエを「内蔵」した辣腕弁護士になっていくわけですが。
「スレイブ〜」のほんわかCP・大悟x理久が本作でも登場し、こじれ切った浩一/トーマ(浩一が両親の離婚後母の旧姓を名字とし、高森→藤間となりました)の教授への初恋成就に協力する、という展開になっていきます。
「スレイブ〜」では、トーマは自称タチ、でも真相はわからずだったわけですが、本作にて教授と結ばれますのでその辺も判明します。
教授はトーマの嗜好を全て受け入れるため、描写はかなりハードで過剰で、ドラァグな香り…
「スレイブ〜」に比べるとより濃ゆいので、ぜひ心して読んでください。

1

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