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社長と元ヤンの幸せ子連れ生活

shacho to kotoyan no shiawase kozureseikatsu

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表題作社長と元ヤンの幸せ子連れ生活

斯波昂成,28歳,元伝説のヤンキー,IT社長
赤澤龍基,25歳,元ヤン,サッシ工

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

高校ではヤンキーだったけど今では真面目なサッシ工の龍基は、兄・剛の子、麗王を預かることに。だが、食事や保育園のお迎えなど手が回らず早くも音を上げかけた時、登場したのが剛が送り込んだ助っ人ーー憧れの伝説的ヤンキー・斯波昴成だった。現在はIT企業の社長を務める昴成が剛の元カレだと知り戸惑うものの“やっぱカッケえな"と憧れを募らせ同居することになった龍基と麗王。料理上手な昴成との生活は夢のようでーー。

作品情報

作品名
社長と元ヤンの幸せ子連れ生活
著者
小中大豆 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344843189
2.9

(35)

(4)

萌々

(9)

(11)

中立

(3)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
10
得点
92
評価数
35
平均
2.9 / 5
神率
11.4%

レビュー投稿数10

ラブよりもほのぼの子育て強め

小中先生の作品を順に読んでいく中で手にした1作。初ヤンキーとの事ですが、タイトルにある通り「元ヤン」という事で、ヤンキー色は弱め。喧嘩っぱやいという訳でもなく(ちゃんと子供が近くに居るから…と周りを見て判断する力は有ります)。芯が通っていて自分なりの正義感を貫いてる子って感じでしょうか。

破天荒な兄貴の子供を面倒看る事になった受さんのお話。独り暮らしの自分の面倒すら適当なのに、甥っ子を守る為に頑張る姿が可愛いです。
料理も碌に出来ない中で助けに来てくれたのが、昔憧れていた先輩。当時は兄貴の親友と思ってたけど、実は兄貴の元彼でした、という尾ひれもついておりますが。
うーん、この兄貴の元彼という設定は要るのかなあ、うーん。その設定が無くても破綻しない気もするし、破天荒でありながらも絶対的な魅力が有るという兄貴に対するコンプレックスを刺激するという要素では要る気もするし…うーん。何か中途半端というか。寧ろ昔付き合っていた事を知っていた、という方が、まだ設定や展開に納得が出来る気もします。昔憧れていた先輩がピンチに助けに来てくれた!と恋心に発展した経緯が、ちょっと弱い気がしたんですよねえ。

因みにこの攻さん、タイトルにもある通り社長という事なんですが、その描写ほぼ無いです(笑)自分で会社立ち上げて今ちょうど閑散期だからーという事でしたが、もうちょっとくらい仕事頑張ってる姿有ってもいんじゃね?と^^;「比較的時間の余裕が有って何でも出来るスパダリ」っていう事で社長設定を入れたんだと思いますが、この設定こそ不要だったのかも…。必要な設定だけで話を作って、とは言いませんが、タイトルに入れるくらいならせめてもうちょっと…。

と、設定の突っ込みどころを先に挙げちゃいましたが、お話としては、ラブよりもほのぼの子育てという方が強め。ころころ環境が変わる事になった甥っ子の為に頑張る受さんとそれを手助けする攻さんのお話です。
甥っ子麗王くんがとても可愛い(余談ですが、この字でレオと読むんですが、度々魔王と見間違えてました・笑)。3歳ならではの可愛さと、周りに振り回されて賢くならざるを得ない切なさが、読んでいるこちらもきゅーんとしちゃいます。可愛い。
受さんもいい子です。自分の生活も有る中で面倒を看る事になって、そのストレスだって有る筈なのに、元凶である兄貴を責めても、レオ君には決して当たらない。でも溜まってた分を攻さんが掬い取ってくれて…と、ほのぼの進みます。
元ヤンが故、仲間内のトラブルに顔を突っ込んだり、な展開は有りますが、そこもさらっと。「元ヤン」って設定は、自分の周りの人を守る為に一生懸命になるっていう性格に掛かって来てるのかな。

家族愛という部分では糖度高めですが、BLとしてのラブは低め、エロはもっと低め、ですが、ほのぼのが読みたいという時にはいいかも。
ところで破天荒なにーちゃん、パイプカットしたっていう部分があまりにさらっとと書かれて、その後も何もツッコミないまま終わりましたが、え、その部分、ほんまに要る?(笑)ラブが弱めだったのと、設定の要・不要が話の展開にあまり沿ってなかったかなあというのがあって、少し評価低めにさせていただきました。

1

龍基と昂成が幸せならば、それでいい

私の購入基準の、金ひかるイラスト作品は問答無用で内容ノーチェック購入した本。
もう、このカバーイラストの、精悍でガタイのいい攻めに、攻めよりはずっと小柄だけど別に女っぽくはない普通容姿の受けってところからツボです。
って所までがいつものお約束のマクラですが、購入して、そのまま積み本になっていたのを発掘。
急に保育園児の甥っ子を一人で預かることになってしまった龍基。
育児に苦労していた龍基のところに兄が寄こした「兄の元カレ」は、兄の高校時代の
親友で、龍基にとっては子ども時代のあこがれのヒーローだった昂成でした。
同居生活から恋になる、子どもが健気でお話です。
終わり良ければすべて良しって事で、深く考えずに読み終えればいいかな。

0

ちびっ子が可愛い!

一度書いたのに全部消えてしまった(T_T)

いろんな仕掛け?伏線?謎?ばかりで肝心の二人の仲がなかなか進まずいい加減付き合いきれず。
いや、3人の暮らしにはほのぼのし、癒されましたが。あまりの進展のゆっくりさにもうどうでもよくなってきてしまって。

麗王の可愛さ健気さを愛でていました。

自分が特に苦手だったのが元ヤンの龍基の性格の一部です。礼儀に厳しく体育会系で社長こと攻めに何かしてもらうたびにお礼やお詫びばかり。まるで自分を見てるようでキツかった。
そっかー相手にとってはいちいち改まって要らないんだなあ。でもなあ…。

私は小説を読むときはいくら受け攻めが決まっていても、読んでてハラハラしてどうなるの?くっつくの?と本気で心配してしまうので、この作品もそうでしたが、いくら攻めがかっこよくて男前で憧れのヒーローだからといっても性的に好きになるかなあ?それを言っちゃあおしまいよなんですが。
兄の元カレなのになあ。
社長も元カレの弟にねえ。うーん。

1

元ヤン同士の子連れもの

二人ともヤンキーあがりなんだけど、いい歳して昔の武勇伝語っちゃったりするような痛いヤンキーくずれなどではなく、真面目に働いている二人ということで好感持てました。

怪我をした祖母の面倒を見るために田舎へ行ってしまった母に変わって甥っ子の面倒をみる事になった受け。
慣れない家事に困り果てていたところ、助っ人としてやってきたのが、かつて伝説のヤンキーとして君臨してた先輩で……という始まり。

先輩は伝説のヤンキーとして名を馳せていたのに、高校卒業以来はすっぱりと喧嘩をやめて真面目に働き、今や社長。
おまけに子供の扱いに慣れていて、料理上手という世話焼き気質のスパダリ枠。
そんな攻めを、今も昔も先輩はかっこいい!!俺のヒーローだ!!と憧れのお目目で見つめるワンコ感溢れる受け。

受けが素直で可愛いの。
プラス4歳児の麗王くんが愛らしい。

この三人は(攻め受け+4歳児)なんともほのぼのしてて可愛いんだけど、受け兄のキャラがちょっと濃ゆすぎる気がするんですよねー……。

ちなみに受け兄は、こんなキャラ。

マッドビューティーと言われていた伝説の元ヤン。
美人だけど破天荒なヤバイやつで、カリスマ性がある。
男女見境なしの超絶ヤリチン&ビッチ
おまけに攻めの高校時代の恋人。
そして甥っ子の父なんだけど、子供の母親探しの旅に出かけて世界を放浪中……。

影の主役どころか、主役二人をまとめて食っちまうぞ!感があるというか。
そんな兄と受けが竿兄弟になっちゃったというところが、なんか盛大に残念……。



3

ほのぼの出来るお話です。

いやはや。ホントにほっこり幸せな気持になれるお話でした。
元ヤン同士の恋のお話ですが、主人公龍基の兄の子麗王がまた良い味出しまくりで…。
小さい子供が出てくる話は数多ありますが話し言葉にやたら「~でしゅ」「~ましゅ」ってつけまくる作家さんがどうにも苦手で…。「子育てしたことないだろうから仕方ないけどそんな話し方する3歳児まずいないから。編集さんもそのへんしっかりして欲しい…」って思っちゃうんですよね。しかし。さすがは小中大豆先生。3歳児らしい言い回しを鬱陶しくなくかつ可愛らしく、等身大の表現をされているなぁと感じました。
特にみんなでお寿司を食べているシーンのゴリと麗王の会話が…!可愛すぎて悶絶しました。
エロはとっても少な目なのでかわい恋先生の作風がお好きな方には物足りないかもしれませんが夕映月子先生や安西リカ先生推しの方にはご満足いただける作品だと思います。

5

ほのぼのほっこり

今回は兄の親友でIT関連会社社長と
母と2人で甥の面倒をみるサッシ工のお話です。

受様が憧れのヒーローと慕った攻様と再会し
彼への片恋を実らせるまでの本編に
後日談SSを3本収録。

受様は父親を知らずに育ちますが
子供の頃いじめられっ子だった受様に
喧嘩を教えていじめっ子をぼこぼこにした
3つ上の異母兄は憧れのヒーローでした。

しかし、
そこらの女よりも美人な兄は
頭も良くて腕っぷしも強いのですが
喧嘩の時に楽しそうに人を殴る
破天荒過ぎる性格の男だったので

受様は兄がヤンキー高校で知り合い
親友で相棒とした男っぽく硬派な攻様を
理想のヒーローと思うようになります。

攻様は卒業以来すっぱり喧嘩をやめ
真面目に働いていると聞き、
メンキャパのホストについた後
海外へ飛び出して音沙汰のない兄とは
大違いです。

受様も兄と同じヤンキー高校に進み
ヤンキーとなりますが
攻様を見習って卒業後は
サッシ工として真面目に働く
平凡な社会人となります。

受様の兄は相変わらずで
自分の息子をつれて突然帰国したものの
母親が行方不明だから探しにいくと
またもや海外へと出奔してしまったのです。

甥は受様の母が育てていますが
四国に住む祖母が骨折入院した介添えで
母が四国に行く事になり
その間の甥の面倒を見る事となります。

受様の家庭事情を理解している
勤務先の社長の了承は取れますが

祖母の経過はあまりよくなく
母親が四国に長逗留することになり
受様は慣れない育児に不安がいっぱいに
なってしまいます。

そんな中、
音信不通だった兄から
要件のみの留守電が届きます。

曰く
大変な状況を知ったが
まだ帰れないので助っ人を頼んだ。
歴代の元カレ元カノダントツ役立つ
元カレだから存分にこき使え

いい加減すぎる兄の紹介する
元カレなんて当てにならないと
幼い甥のためにも
お断りする気でいた受様でしたが

やって来た元カレは
なんと憧れのヒーローである
攻様その人だったのです!!

攻様も受様兄からの連絡は
突然だったらしく戸惑いつつも
やってきた模様です。

聞くところによると
攻様のマンションは受様の実家近くで
共働きの両親に代わって
弟2人の面倒も見ていたそうで
これが決め手で兄から
助っ人依頼をされたようです。

不慣れな受様に比べて
食事つくりも甥の相手も
受様への指示も攻様のやることは
無駄がありません。

攻様は受様一家の置かれた現状を
正しく理解していて
なにやら恩があると言う兄のためと
何より受様と甥っ子の状況を
助けてやりたいと言ってくれます。

兄との過去は気になるものの
手いっぱいの現状にありがたく
攻様の手を借りることになります。

その上、
長引く母の不在に実家に受様が
アパートを引き払うつもりと知った攻様は
自分のマンションへの同居まで
申し出てくれるのです。

そうして始まった3人の生活が
受様にもたらす未来とは!?

受様が任されたワンオペ育児を
憧れていた攻様に手伝った貰う中で
恋が芽生えていくほのぼの子育てモノです。

受様の兄が破天荒なヤンキーで
その友人だった攻様もその弟だった受様も
関わる人達は皆元ヤンキーですが

現役なのは悪役として登場する某キャラくらいで
卒業した今は真面目に社会人しつつも
ヤンキー時代の繋がりを大切にしている
ところがほのぼのムードを醸していて
あまり「ヤンキー」臭は致しません(笑)

メインは甥っ子の育児ですが
ソレに関わる事で攻様の過去が語られたり
兄が海外で奔走している事情が
徐々に見えてきたりと

受様達がそれぞれ出来る事を頑張る様子が
とっても胸に響きました♪

受様に無自覚なキラキラ目で
子犬のように慕われたら攻様だって
親友の弟だって思ってても
コロッと落ちちゃうよね (^m^)

後日談SSの中では
攻様が受様兄に盛大に惚気ているお話が
すごく楽しくて一番MYツボでした。

今回は甥っ子の子育てストーリーで
鳥谷しずさん『溺愛スウィートホーム』を
おススメ作とします。
こちらはエロもがっり楽しめます。

1

ほのぼの子育て

子育てと言っても異父兄の子供、麗王くんの面倒をがっつり見ないといけなくなり、右往左往していたところ、とっても頼りになる兄の元彼が兄からの依頼でそこに絡んできて再会・・・なお話。

時々構って遊ぶのと、ちゃんと子育てするのとでは勝手が違い、でも周りの協力を得ながら頑張っていこうとする龍基の一生懸命な姿に初々しさも感じました。
麗王くんがひたすら可愛いです。
金ひかる先生の表紙もですが、口絵はより彼らのアットホームさを感じられたので、そこに惹かれれば読むのお薦めです♪
元ヤン設定は余り気にならなかった感じです。
兄の親友だと思っていた憧れの伝説的ヤンキー、斯波昴成さんとの再会から恋愛にどう変化していくのか、龍基の気持ちの変遷も興味深く読み進めました。

0

ちょっと不完全燃焼

昂成が龍基を気になり出したのは、引っ越し後のあたりの描写ですぐに分かりました。ただ、龍基の異父兄である剛の元彼設定である事が、萌えを半減させました。
別に元彼でも良いのですが、設定的にガッツリと弟カップルに関わってくるし、良い人ではあるんですがデリカシーがないので切ない展開にならないのです。攻めの受けに対する愛情を安心して読みたい方には良いと思います。
ですが、受けの切ない感情の動きが好物な方には不完全燃焼だと思います。
それから金ひかる先生のイラストが合っていないと思いました。すいません。

1

真面目な元ヤンたち

色んな方が登場されますが、皆さんイキイキと「ごくフツー」ではない人生を送っておられる方々で、読んでいて楽しかったため萌にしました。本編(280Pほど)+あとがき。本編の後ろ20Pほどはエピローグで、攻め視点、受け視点、お子様視点のエピが少しずつ入っていて、幸せ感をゆっくり味わえます。元ヤンの方々がお好きな方にはおススメです。

お話は、元ヤンで今はサッシ工をしている龍基が、母親からの電話を受けるところから始まります。四国にいる祖母が骨折して動けなくなったので、様子を見に行かなければならないこと、そのため麗王(♂、もうすぐ4歳)をしばらく預かってほしいと頼まれます。可愛い甥っ子、引き受けたのはいいものの、龍基は普段てきとーな食生活で、仕事との両立に音を上げそうになったところ、兄から電話で「元カレを助っ人として送る」と告げられ・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
麗王、剛(麗王の父親)、受けの母、受けの元ヤン仲間、悪党等。皆さん、元ヤンw

**皆さんのユニークな経歴について

まずは受け母。元レディースで少し前まではぞっとするぐらいの妖艶な美貌だったらしいですが、現在は真面目に不動産会社で営業中。この肝っ玉母さんがいたから、剛、龍基が多少ぶっとびながらも暖かいいい奴になったんだろうなあと嬉しいです。

そして剛。あまりにぶっとんでいたので仔細に確認してないですが、母親似の美貌の持ち主でマッチョでもないのに喧嘩は強く、モッテモテ。昔は男女入り乱れてのご乱交当たり前状態だった模様w メンキャバで働いた後、ワーホリで海外に行ってしまい、帰ってきたら「俺の子だ!預かってくれ!」と麗王を連れてきて、母親探しにまたもや海外に行ってしまい・・・とやりたい放題。周りが大変・・・

麗王はひたすら健気でして。気を遣って。可哀想・・・と思わず涙ぐんでしまうepisodeもあったため、最後にある可愛らしいお話では「良かったよねえええ」と改めて涙、でした。ほんとこれからは元気いっぱい幸せいっぱいで大きくなってほしいです。

肝心要の攻めですが、伝説の元ヤンで、なんと剛の元カレw 家事万能かつ剛毅な方なご様子な上に社長様で「すんばらしー」んですが、剛があまりにぶっとんでいたので、やや印象が薄れてしまいました。
受けさんは素人童貞、柴犬状態。こちらも元ヤンですが、ぶっとんではいないし、甥っ子を溺愛していて可愛いのですが、やはり印象薄くなってしまいました。

私が剛気に入りすぎなのかしら。この人のお話読んでみたいと思いました。

0

元ヤン同士によるアットホームな子育てもの(*´▽`*)

作家買いです。
元々、甘くて可愛いラブコメをお得意とする作家さんですが、今回は人情味あるアットホームな子育てもの。
なんと、元ヤン同士のカップルです。
受けのキャラクターがなかなか新鮮な上に、主役2人の関係性がなんか微笑ましい!!
元伝説のヤンキー(!)である攻めに対して「やっぱカッケエな!!」とキラキラした憧れの眼差しを向けてるワンコな受けが妙にツボなんですよ。
年下ワンコ攻めが大好きですが、年下ワンコ受けもなかなか可愛いな!!と楽しくて仕方なかったです。


内容ですが、元ヤン同士によるほのぼの子育てもの。
諸事情により、兄・剛の子である麗王をしばらく預かる事になった龍基。
慣れない子育てでてんてこ舞いの所、剛から助っ人として昂成が送り込まれます。
学生時代の憧れで伝説のヤンキーだった昂成。
今はIT社長となった昂成は頼りになり、3人での同居生活はとても楽しいものでー・・・と言ったお話です。

受けの龍基ですが、元ヤンで現在はサッシ工。
彼の異父兄が強烈でして、こちらもヤンキーで誰より強く破天荒。
な、美人。
ある日いきなり息子だと麗王を連れて来て、「(麗王の)母親を探して来る」とそのまま置いていってしまったと言う経緯があります。
で、こちらもレディース上がりの母親が麗王を育てているものの、祖母が骨折で入院した事から、しばらく龍基が子育てする事にと言う流れ。
龍基は現在でも元ヤン仲間と交流があり、彼は仲間うちでは信頼され頼りになる存在。
この仲間うちでの気心の知れた会話なんかもとっても楽しいです。

対して攻めの昂成ですが、こちらはなんと伝説のヤンキー。
このほど、実は剛の元カレだった事が分かります。
で、面倒見が良い上に頼りになる昂成が手助けし、二人でほのぼの子育て。

この二人の同居生活が可愛くてですね~。
仲間うちではリーダー格っぽい龍基ですが、昂成に対しては超服従。
上下関係に厳しい(イメージの)ヤンキー上がりらしく、常に敬語。
ワンコ丸出しな言動にほのぼの来るんですよ。
そんな龍基に対して「本当、お前は可愛いな」とおおらかに甘やかす昂成に「何言ってんすか」とドギマギしながら必死に平静を装う龍基みたいな。

また、こちら、終始龍基の視点で進みます。
彼はちょい鈍いんですよね。
昂成と過ごすうち、自分の気持ちは憧れだけでは無く、恋だとようやく気付く龍基。
そんな彼の視点でありながら、昂成も龍基にどんどん惹かれてゆくのが良く分かる描写が巧みです。
ちょっとした言動なんかで、昂成の心の揺れが読者には分かるようになってると言うんですかね。
龍基が仲間に抱きつかれているシーンなんかで、「おっ、昂成がヤキモチを焼いてるね!」と思わずほくそ笑んでしまう。
攻めが嫉妬してるのって、やたら萌えちゃうんですよ。


この後、剛が突然の帰国。
ここで龍基が麗王達と遠方まで引っ越す事になり・・・と言う展開。
昂成ですが、人間として余裕があり強く見えるんですよね。
そんな彼の意外な脆さと辛い過去-。
また、人としては未熟だと思っていた龍基の、これまた意外な強さ。
実は弱いと思っていた方が、ホントは強いんだよと言う展開はかなり好みだったりします。
なんか、龍基が昂成を抱き締めてあげてるシーンに、すごく優しい気持ちになる。

あとですね、エロは最後に一回と少な目。
が、初々しい上にワンコな龍基の反応がめちゃくちゃ可愛いです。
「抱き締めていいか」と聞かれ「はっ、それはもうぜひ」とか答えちゃう。
あと、キスで窒息しそうになり「・・・鼻で息していいんだぞ」と言われ「す、すんません、初めてで」みたいな。
いっぱいいっぱいなのが、可愛いな!!と。

他、ちびっ子である麗王もしっかり描写されてるのが素敵でした。
子供て、無邪気に見えて実は大人のやってる事にとても敏感なんですよね。
彼が初めて泣くシーンは、かなり切なかったよ(´;ω;`)

と、ほのぼの時々しんみり来る子育てもの。
とても楽しく読めました。

9

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