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向かいの部屋がこんなに遠い
主人公雪くんのどうにもできない恋心に苦しむ様子が本当に切なく、嶋くんの勘違いによるすれ違いに思わずやきもきしてしまいます。けれども大学寮という舞台が重苦しさを感じさせず、終始爽やかな雰囲気を纏いながらテンポよくストーリーが展開されます。
雪くんが嶋くんへの恋心にどうにか折り合いをつけようと決心したタイミングで嶋くんが認識する雪くんへの恋心。ここの描写がとにかく素晴らしく、立場が逆転した様子を後半は思う存分楽しむことができます。そこからの両想い。告白シーンは空気感や香りまで体感できそうな、これぞココ先生!と唸ってしまう本当に極上の美しいシーンで彩られています。
ココ先生の初期の作品ではありますが、物語に流れる柔らかく優しい雰囲気はまさに相野ココ先生らしさで溢れていて本当に何度も読みたい素敵な作品だと感じます。
電子単話で読んでましたが、豪華すぎる全サ企画に釣られまして…
応募者 ”全員” に、好きなコマの ”直筆カラー” ミニ色紙プレゼントって、某K書店のようにならないかな?マンガ描く時間取れるかな?
私も応募した鬼畜読者の一人ですけど、作家さんの負担が心配です…
相野先生は、かわいい話を描く作家さんってイメージ。
今作も一途な受けがかわいいですが、その一途さがノンケ男を振り向かせる過程をしっかり丁寧に描いているので、一冊まるごと読み応えがありました♪
これはプロットの段階から練りに練って話を作ってる気がします。
大学の寮で隣の部屋に住んでいる大雑把な嶋と、真面目なゆきの話。
嶋は、彼女を取っ替え引っ替えしてるノンケ。
部屋にノックもせずに入ってくるし、部屋でタバコを吸っちゃうし、友達(ゆきの幼馴染)の上着も勝手に借りちゃうから、神経質なゆきは怒ってばかり…
きっと誰もゆきが嶋を好きだなんて気付かない。
でもゆきは大学に入学したばかりの頃、助けてもらってからずっと嶋に片想いをしている。
ある時、ゆきが幼馴染の上着をギュッとしているのを見た嶋は、ゆきが幼馴染のことを好きなんだと誤解してしまう。
その上着は嶋が着ていたからなのに…
嶋におもしろがられ、ゆきは気持ちをバカにされたようで落ち込んでしまうけれど、嶋はおもしろがっていたんじゃなくて、真面目なゆきがどんな風に好きなのか気になっただけ。
それと幼馴染が彼女と楽しそうにしているのを見せないようにしたり、幼馴染が外泊の時は彼女と一緒のところを想像してゆきが寂しいだろうと気づかって、彼女を置いてゆきのために帰ってきてくれたり…
嶋は、ゆきのことを気づかってくれる良い奴なんです!
嶋がこんな風にやさしいのは、家族と距離あって、寂しさを知っているから。
寂しいから彼女を途切れさせないのに、家族のトラウマがあるから、いつでも離れられるようにのめりこんだりしない。
ゆきは嶋に気づかってもらえて、親しくなれて、すごくうれしい。
でもノンケの嶋が自分を好きになることはないって思い知らされるのが辛い…
それでも嶋がほんとうに辛い時に自分を頼ってくれたのが嬉しくて、嶋のために恋心を押し殺して友人として側にいるって決めたけれど…
一途なゆきを見ていたら、嶋もこんな風に想われたいと思うようになって…
ズボラな嶋を怒っているゆきは猫がシャーシャー言ってるみたいでかわいい。
嶋もゆきのことはかわいげのあるおもしろい奴と思っていたかもしれないけれど、ノンケの嶋がゆきを好きになるなんて、簡単なことじゃないです。
でも、ゆきの一途さと一生懸命さは、嶋の心の中の閉ざしている部分にも届いて、嶋の気持ちを変えていく。
エピソードを積み重ねて、気持ちの変化を丁寧に描いています!
片想いの切なさ、両片想いのくすぐったくて焦れったい甘さ、嶋とゆきの気持ちに寄り添いながら読んでました。
電子単話10話をまとめた厚さのあるコミックスですが、内容も読み応えがありました!
学生らしいピュアで優しい雰囲気の作品でした。
思ったことが素直に言えず、思わず可愛いげのない返事や態度をとってしまう雪ですが幼馴染みの吉川くんはすべてお見通しでしたね。
勘違いから始まった三角関係みたいなお話ですが雪の気持ちはずっと一筋。少女漫画みたいに嶋くんが勘違いしてしまう度に、そうじゃなくてー!!と心の中で叫んでしまったり、ダメダメ、そのタイミングできたらー!とハラハラさせられっぱなしでした。
二人がお互いに頭をなでなでしたり、二人ともふとしたときに見せる顔が優しかったり、似てるところもあって、気づいてないのは本人だけなんじゃ?!と思ったりもしますが最終的には誤解も解けてうまくいって良かったです。吉川くんのそっと見守る感じも優しさだなぁと思いました。
相野ココ先生らしい、泣き顔がなんとも可愛らしい受け様でした。
片思いの相手が彼女持ちのノンケってだけで既に切ない設定ですが、そのうえ好きな相手を誤解されるというオプション付きでなかなかの不憫受け。
満原の恋の相手・嶋は、満原の好きな人は吉川(満原の親友)だと勘違いします。
これがストーリーの鍵ですね。
吉川には彼女がいるので、叶わない片思いをしてる満原を寂しがらせないために嶋があれこれすることでだんだん距離が縮まっていきます。
しかし嶋はよかれと思ってやるものの、かえって傷つくことも...
そのもどかしさったら、もう...
そんな罪な男、嶋ですが、彼もまた庇護欲そそる闇を抱える人物です。
人一倍寂しがりやなのに、離れる時の怖さを知ってるから決して深入りはしない。
(モテモテの嶋だけどべつにスパダリではないところが大学生らしくて◎)
この嶋の恋愛スタンスが、満原によって変化するところが胸きゅんポイントのひとつだと思います。