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身体は朽ちても決して朽ちる事のない愛のお話

ゾンビ・ホラー・さらにはカニバリズム表現と聞いて読むのを躊躇している方がいるとしたら本当に勿体無い事をしているな、と言えるでしょう。

ストーリー、画力、コンセプト、演出、装丁、小物のデザイン1つに至るまで、全てまるっと含めた完成度が凄すぎる作品です。1冊の本=1つの作品としてこれほどまでに完成された御本に巡り会えた事を本当に幸せに思います。

もちろん、紛う事なきガチのゾンビものなのですが、
ありふれた「戦って生き抜く」お話ではないのも注目したいところです。

極限の世界の中で貫かれる数々の愛のお話です。
それぞれ違った形をしていても、強く純粋な愛が沢山詰まっています。
なるほどこれが「ゾンBL」か!!と目から鱗が落ちるでしょう。

ストーリー自体も大変奥深く、あらゆるところに伏線が貼られており、読み終わったら絶対2周目を読まずにはいられません。

これらの「画」を人に届けるには、ハリウッドならばは何百人ものスタッフと何億ドルのお金が必要とされるでしょうが、1人の作家さんの手で描き出す事が出来てしまうんだ・・と言う人間の創造力そのものの凄さを見せつけられます。
あとがきや作者さんのコメントで語られている裏話を知ると、人間の生命力や可能性といったものの凄さまでも感じる事ができます。

個人的に、劇中に出てくる、作家って何なのかという質問に対しての
「世界からうつくしいものを選んで遠くにいるさみしいひとりぼっちの誰かに届ける仕事さ」
「とどくとどうなるの?」
「世界が今より少しマシになるのさ」
という台詞を読んで、私の世界を少し(いやだいぶ)マシなものにしてくれる全創作作家さん方に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

物語を生み出してくれる作家さん含め、人の凄さを改めて気づかせて感謝させてくれる、そんな究極のゾンBLです。

恋の100万回KO 電子 コミック

虫歯 

KO100万回じゃ足りない

2017年発売の「レトロBL」に掲載されていた読み切りの、待望の単話配信版!(リニューアルされた表紙が既に可愛過ぎます)

全体に漂う70年後期〜80年代冒頭ぐらいのノスタルジックな昭和の雰囲気(商店街・喫茶店・番長)が絵柄とも最高にマッチしていて堪りません。
ちなみに「レトロBL」の中でもこの年代の昭和レトロ感を描いている方が殆どおらず、そういった面でも貴重な作品でした。

読み切りの中で虫歯先生ならではの表現や独創的なストーリーがギュッと凝縮されていて、本当に32ページでしたか?と疑うぐらいの完成度。

小さい頃は何でも一番だったのに成長と共に周りに置いていかれ伸び悩む、負けん気は強いが喧嘩は弱い須川(受)と、喧嘩の才能に恵まれて無敗の日々にやや虚しさを感じている真樹(攻)。

自分が持つ事のできなかった素晴らしい才能を持っている男、しかし男はそれを望まずいとも簡単に手放そうとする。

何のために喧嘩をするのか?
その才能は誰の為のものだったのか・・?

才能、運命と言う熱いテーマに喧嘩と言う昭和ボーイズ度高め要素が混じった胸熱青春BLでした。

サブキャラとの関係性や各登場人物の性格を、さり気無い仕草や小物などからも読み取る事が出来る細やかな描写が光っています。性格の全然違う2人のやりとりや表情がいちいち可愛く、その中でふいに見せた攻の「攻の極み」たる表情と眼光には骨抜きになりました。

何よりこの作品は本当にお話のフリと回収、そしてエンディングが素晴らしい!!

虫歯先生の漫画ならではの比喩表現が存分に発揮されている美しい描写に酔いしれます。

限られたページの中で笑い!萌え!胸熱展開!そして素晴らしい表現がこれでもかと詰まったなんとも贅沢な作品だと思います。

パンタレイを愛せ!!!

20年以上の時を跨いだ、愛おしさと幸せが沢山詰まっています。

10年後、20年後に読み返すのがこんなに楽しみになる作品はそうそうないでしょう。

まず登場人物の可愛さ・・小さい頃から可愛い可愛いとチヤホヤされすぎた受、三角の現役時代のぶっ飛んだナルシストぶりが面白可愛いです!そして、歳を重ねてから、イタイけど可愛いかった過去の自分を客観視できるようになった大人三角も、いじらしくてとても可愛い。
攻の吉丸は三角の元バイト仲間。ぬぼーっとしてて何を考えているかいまいち分からないのに、確かな夢を持っていて着々と実現しています。ボンヤリ童貞君だったのに、出会う人の影響でどんどん匠になっていく様子…この成長ぶりがまた可愛い!油断させておいてガツンと決めるとこは決めてくる…侮れません。(大好き)

そんな2人がお互い最初に関係を持ってから、いきなり5年間会わない時間が流れたり、お互いにパートナーがいる期間は会わないセフレ関係を続けていたかと思えば、攻がさらっと結婚・離婚したり、知らないところで入院していたり、随所に人の人生を感じられるストーリーも斬新で面白いです。

長い間会っていない相手だからこそ気づく変化や、逆に昔からブレずに変わらない部分に改めて気づいたり、お話の中で時間が流れる事によって色々な角度から登場人物の人としての成長を感じられます。

そしてなによりも、おじさんの可愛さってこう言うとこだよね!!と言うのを見事に表現されているのは流石、キャンプ先生です。

始まる老眼、全然落ちなくなった体重、疲れたから添い寝だけして過ごす夜、少したるんだお腹も、過去を振り返って笑い、たまには贅沢なディナーをして、旅行先で少しだけ(あくまで少しだけ)はしゃぐ・・おじさん達が可愛い!!可愛い!!可愛い!!!!!

もちろんキャンプ先生の作品らしく、思い切り笑えるところも沢山ありつつ、ふと人生を振り返った時、誰の事を思い出すか。10年後、20年後、横にいて欲しい人は誰なのか。そんな長い目で見た幸せを考えさせてくれるようなとても素晴らしい作品です。

色咲き コミック

四宮しの 

ぎらぎらもえる命の色だ

長い事この作品のレビュー(感想)を書こうと苦戦しておりましたが、結論としては「漫画家、四宮しのは天才である」と言う圧倒的証明のような一冊だ。と言う感想しか私には書けないと悟りました。(文章に凄み?を持たせたかったので、失礼な表記になってしまい、申し訳ないです。)

色がテーマの短編集と言う、7色(7話)の短編で形をなすこの一冊は、コンセプトの時点で既に素晴らしいのですが、どのお話もまさに色とりどりで鮮やかに記憶に残り、ストーリーが全く違う方向に面白いです。それでいて、全てのお話がとても美しくまとまっている、物凄い作品。

優して、可愛くて、美しくて、儚くて、けれど時に不気味な恐ろしさも感じさせる絵と、心に刺さる台詞の数々…四宮先生ならでは世界観がぎゅっと詰まっていると思います。

そして、どのお話もただ読んで終わるだけではなく、幸せとは、愛とは、美とは、正しいとは…と、考えさせられてしまう。この作品こそが、自分の中にある常識や固定観念を塗り替える、そんな「色」そのものです。

「それは君 緑に安らぎを求めるのが間違っているんだ。 緑は ぎらぎらもえる命の色だ」

私はタイトルに引用させていただいた、この台詞が大好きです。

読めば貴方のお気に入りの台詞が、きっと見つかるはず!

オメガバ×裏社会に見る正解

あくまで個人的な意見を申しますと、オメガバ作品はあまり得意ではありません。産まれ持った能力差による階級差別のある世界をエンタメとして求めていないのと、その世界そのものに萌えを感じないからです。
でも、そんなオメガバの世界にさらに裏社会という設定が混じると、こんなにシニカルながらも強いメッセージを発する作品になるのか…と目から鱗でした。

「人間がこんな 生まれながらに身分階級がない生き物やったら こんな理不尽な世界やなかったんちゃうかと 思う時がある」

この作中のセリフがそのまま現実社会への訓戒のように思えてとても印象的でした。
この現実の社会ではオメガバの世界ほど明確な産まれながらの身分階級差はない筈なのに、これほど人種差別、性差別、あらゆるマイノリティ差別が起こっているのはなぜなんだろうと考えさせられます。作中での五嶋の葛藤は、現実世界で今まさに起きている差別問題に置き換えても考えられる…。

商業BL、オメガバと言う設定、さらには1冊完結作品内で、こんなにも風刺の効いた濃厚なストーリーが表現出来るのはお見事です!

完成度が高いだけに、関西弁監修はされているのか、ネイティブ関西弁の方が見たらどう思うかは、ほんの少し気になるところではありますが、その他にもオリジナリティある設定のレイコさんと言うサブキャラクター、和彫×和彫という性癖を刺激する色気ある絡み、物語のキーとなる組長のお話、そして何よりも、最高のラストシーン!オチが秀逸な作品が大好物なので、久々にわぁ!と声が出てしまうぐらい良いラストでした!

たうみ先生だからこそ描ける、オメガバ×裏社会という濃厚異色ミックスの今作に対してこの意見を抱くのも変な話ですが、個人的にはこれ以上真っ当なオメガバ作品は無いんじゃないかな…とさえ感じる素晴らしい作品だと思いました!

スケベを愛せよ

物語全体を通して感じる、「肯定する」ことの大切さが響きました。

三田村は学校内でも言わずと知れた「スケベ」で、自身のスケベを一切否定しないどころか、常にスケベへの探求心を絶やさない男。一方の早見は学校のアイドル的存在。しかし、実は厳しい両親の教育の元、人に言えぬ悩みを抱え、自身のスケベも本当にやりたい事さえも否定して生きていた。

学園のアイドル早見の秘密に気づいた三田村のスケベ探求心はその日から早見に向けられることになり、それをきっかけに距離を縮める2人。三田村にスケベを受け入れろと言われ目を覚ました早見の人生は大きく変わっていく…。

至る所でスケベとはつまりそれぞれの個性、その人の人となりを表すもの…。そして、時には驚きの原動力を発揮するエネルギー!と思わせてくれます。

そんな「スケベ」を基軸として、人と人が惹かれ合い、他人と自分を肯定し、変化していく、ピュアな成長の物語でした。

もうね、何と言っても二人が初めて繋がった後の早見のあの一言が全てです。

スケべなお年頃の二人があんなに待ちわびていた筈の本番。けど実際は全然思い描いた様にカッコ良くいかない。それでも飛びたあの一言・・・あの一言が出る初体験ってなんて幸せなんだろうか。
あれこそが恋愛、そしてスケベの正解だ…!と思いました。

とてもシンプルな言葉なのに、どうしてこれまであまりお目にかからなかったのだろう。と言うくらい衝撃。とにかく、あの一言と笑顔にすごく感動しました!

もう一つ、この物語はスケベと言うどこか懐かしいテーマを題材にし、絵柄も含めてノスタルジー香る作風なのにも関わらず、恋愛対象が同性な事については誰も疑問に持ったり干渉したり否定したりしない世界観が良かったです。

レトロコミカルな作風なのに、この世界は誰を好きになっても良い、理想の未来の図を描いているようにも思えました。

読んだ後、きっと早見のあの一言が口から出る!!記憶に濃く残るとっても素敵な作品でした。

2人で生きました

人間と雷神の成長記…神の視点から人間の愛おしさを知り、何を大事にしながら生きていくべきなのか考えさせられてきました。

読んだら、お腹が減る事すら何と素晴らしいんだろう!とさえ思える大好きな「笑える哲学書」であり、まさに聖書。

創作時代から追っていた大好きな作品ですが、商業作品としてどのように終わらせるのか気にはなっていました。2人がどのように一緒に時を過ごしたのかとても丁寧に描かれていて、先生がかなり気持ちを込めて描かれているのが伝わりました。終わり方は知ってはいたけど、それでも迫り来る最期を感じながら、ページをめくる手が度々止まりました。

人間が神の存在を創り出したと考えれば、神を縛り付けてるのは人間なんだよなあ。やがて信じる者やその名を呼ぶ者が誰1人としていなくなるまで、ずっと存在していなければいけない…。人からすれば、それは気が遠くなるような孤独。けれど、名前をもらい、忘れる事もでき、痛みを知り、涙する事も覚えた。神として途方もない年月存在する雷遊が憧れていた人間の愛と言う物を、大村と言う男が存在したほんの短い期間に知れた事はなんて幸せなんだろう。
これは紛れもなくハッピーエンド!

人間の一生はなんと短いんでしょうか。この限られた時間の中で経験できる事、出会える人たち、その一瞬一瞬を大事にしよう、そう思わせてくれます。
この作品出会えた事にも全力で感謝したい!!

大声で笑って泣ける、まさに神作品です!!!

一言で言うと「生命!!!」

とっつきにくい表紙ですよね…わかります。
普段エロ強めの作品を手に取らないので、作家買いでなければ躊躇していたかもしれません。これを本屋さんで買う勇気は私にはありません。

パッと見、なんとなくアホエロ作品っぽく見えますが、そこは安心と信頼の煮干し子先生でした。

先輩/女子高生(32歳・男)とフリーター・ガクのお話です。

本物の女子高生よりも女子高生を熟知している先輩の熱とオーラと圧倒的存在感。
どこか冷めているガクはそんな灼熱な男と過ごしてどう変わっていくのか…などと冷静に分析する余裕がなくなるほど、後半にかけて上がるボルテージと壮大さ…脳みそをすっ飛ばして身体の奥に本能的に語りかけてくるような迫力…過去最高の疾走感です。

人生のロードムービーのような感動があります(*ただしオフロード)

人物描写も、ストーリーも、行為に至っても、全体を通して生命の凄みを感じました。

紙を通して、作家さんの魂がひしひしと伝わってきます。

もう、この本が「生命」そのものなんじゃないかとさえ思えてきます。

煮干し子先生…流石でございます!!

色褪せない名作

パワフルな作画とストーリーで一度見たらきっと心から離れない。

その作画やキャラクター、ストーリー展開にクスリと笑いつつも…命・善悪・差別・と、色々と深いテーマがあるお話だなあと思います。

「魔王」と言う肩書きの元、不老不死の身体で果てしない時間を生きてきたウィスペドさんと、力がものすごく強くて、物事を何も知らない無垢な自称勇者・トゥルー。

「魔王」というだけで年中勇者を名乗る懸賞金狙いの人間に容赦なく攻撃されて殺されては蘇るを繰り返している魔王は、実は仲間思いで王としての秩序ある暮らしと仕事を全うしているだけ…。

自分の宿命を受け入れ、言う事を聞かない愚かな人間を鼻であしらってはいるけど、やっぱり殺されるのはそれなりに痛いと言う。何度も何度も殺される痛みを感じては蘇える…一体魔王はこれまで何度この苦しみに1人で耐えてきたのだろう?

そこへ突如現れた、人間離れした力を持つトゥルー。その人並み外れた力を幼少期から不気味がられ、人々に迫害されて育って来たにも関わらずまるで悪意を抱く様子はなく、ただひたすら前向きに素直に生きている無垢な存在。

実は魔王も、幼い頃その人並み外れた力を人々にバケモノ扱いされ、大切にしたいと思ったものまで傷つけてしまわぬようずっと孤独に生きてきた過去があったので、すぐに彼の孤独を理解しました。自分と似たような環境にいたにもかかわらず、全く人を恨む様子もない素直なトゥルーへ魔王が抱いた感情は愛情か、憧れか…。

生まれた環境で住む環境が分けられ、理不尽な扱いを受ける描写は実際にある差別問題に通じるところがあって考えさせられます。

未読の方は是非読んでみてほしい。

紛れもなく私の心のバイブルのひとつです。こう言ったユーモアの仮面を被った哲学書が大好きです。

残念ながら犬時先生の遺作となってしまいましたが、こんな素晴らしい作品を残してくださった事にただひたすら感謝します。

損失というリスタート

存在意義だと思っていた物を失ったら自分ならどうするだろう、と考えさせられます。

そうして見るトビアスはどこからどう見てもカッコ良くて、色っぽくて、本当に眩しい。彼は彼なりに色々抱え込んでいて、本当は内に押し込めてる弱さもあった上で、あの振る舞いをしてると思うとさらに魅力的に感じます。

障害と言っても、目に見える障害や目に見えない障害、生活に支障がなくてもその人の存在意義に大きく関わってしまう障害、また、どうしてそうなったかの経緯、そして向き合い方も様々です。障害を持っている者同士が理解しあえるかはまた別のお話。

感情をむき出しにしてぶつかるシーンで、きちんと怒って、対立して、本音をぶつけられるからこそ深まる関係があるんだな、と再確認させられます。一時的な感情で怒っているのではなく、生き方や信念があって怒っている訳で、あのトビアスが簡単にススムを許さないところがすごく人間味あってよかった。

素晴らしいドキュメンタリーを見ているような気持ちになりました。何よりも、大事なものを失う事を悲劇として描かず、新しいスタートとして描かれているのがとても印象に残りました。

ベッドでの描写も、キャラクターが持つ魅力と、クドくない丁寧な表現がとても色っぽかった。エロいと言うよりも…色っぽい!!

大きな損失があっても可哀想なんて微塵も感じさせない、むしろ憧れてしまうような2人のお話。