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百と卍 5 コミック

紗久楽さわ 

江戸時代の男色のリアル

本格江戸BLの5巻です。

今回は、かつての火消し仲間と再会した万次さんが、過去と向き合う話です。ずっと避けていた実家にお百を連れて帰った万次さんは、父親に三つのけじめをつけると宣言します。

というシリアス展開なので、ももまんにしてはエロがやや少なめ。登場人物たちの会話から、江戸時代の人々には男色がどの様に受け止められていたのかが語られます。

現代では、江戸時代の人々は性に奔放で同性愛にも寛容だったかの様に言われることもありますが、やっぱり封建時代がそんなにフリーダムな訳もなく、万次さんとお百の関係性はどこまでもイレギュラーで受け入れられ難いものだったのです。

世間の白い目を承知で、ただ普通の夫婦の様に暮らしたいと素朴に願う二人。一見先のことなど考えないその日暮らしをしている様に見える彼らが、初めて将来のビジョンについて語ります。

果たして彼らの夢は叶うのか。次巻も楽しみですが、その前に、千と兆さんが主人公のお話になるらしいですね。

堅実な仕事描写がすき。

商業BL小説にしてはキラキラしていない表紙が気になって買いました。中身はがっつりとお事BLです。

堅実な仕事描写が好きです。特に前半の、重治が経験を生かして社内のディスコミュニケーションを解消し、風通しのいい職場に変えていく辺り。

そのなかで、重治のドM体質・だめんずウォーカーっぷりが小出しに明らかになっていくのにフフってなったり。

パワハラ社長・久瀬がただの性悪未熟者ではなく、本当は素直で思いやりがあってしかも末っ子気質なのも発覚したり。

重治の働きかけにより、久瀬が素の笑顔をほころばせるところが素敵でした。

わーっ、まぶしい!

いやぁ……読後、「まぶしい!」と「尊い!」以外の言葉が出てこなかったです。

地方在住の男子高校生が、別に付き合ってる訳じゃないらしいけど、めっちゃイチャイチャしてる。ただそれだけなのです。

だがすごくいい!!

絵もストーリーも設定も必要最低限なのです。他人から「どんな話?」と聞かれたら「DKの青春もの。」としか答えようがないのですが全然ありきたり感がなくて、ただめちゃめちゃ輝いていました。

心が浄化され、潤いました。




倫理道徳常識を越えて耽美に振り切れた、大人のためのお伽噺。

長野まゆみ先生の初期作品です。最近は青年同士のBLの様なものやミステリーが多い長野作品ですが、本作品は古きよき少年愛・耽美系の長野作品です。

三つの短編「白薇童子」「鬼茨」「蛍火夜話」が収録されています。どれも大人のお伽噺的な作品です。お伽噺が元は寝所で語られる寝物語であるならば、正統派のお伽噺といっていいのかもしれません。要は、すごくエロスでした!!

「白薇童子」
貴族の少年が父の代わりに母の敵である夜叉・白薇童子に仇討ちしようとする話。白薇童子の部下である女狐視点の物語です。ユーモアがあり、登場人物の掛け合いにはフフッとなります。

「鬼茨」
武家の少年と能楽師の子が、過失から帝の縁者・蜜法師に呼び出され酷い目に遭わされる話。残酷でありながら背徳的な色気があります。高畠華宵の描いた、緊縛された南蛮小僧の図に萌える人向けです。

「螢火夜話」
将軍家の嫡男として生まれた双子の兄弟。しかし世継ぎは二人も要らないということで、侍女の苅安は双子のうちの一人を人知れず始末するよう命じられます。ところが苅安は預かった緑児に情が湧いてしまい……。というよくある貴種流離譚と見せかけて、ラストは思わぬ展開に。


本書が発表されたのが1994年と、今ほどモラルに煩くなかった時代なのもあり、倫理道徳?なにそれ美味しいの? といわんばかりの突き抜け感。官能と無性別的な少年の美しさを極めています。なので、物語にも現実のモラルや常識を持ち込まないと気が済まない方には絶望的に合いません。現実と空想の区別をきっぱりつけられる方のみお楽しみください。

意味深……!

※めちゃめちゃネタバレします。これから読もうと思ってる人向けの感想ではありません。


深夜の公園で「後輩」の恋愛相談を聴いている「先輩」という、全く同じ漫画のラスト違い。

Aがバドエンバージョン、Bがハピエンバージョンに見えますが……。

もしかして、「後輩」が亡くなるエンド・後輩が生存しているエンド、という二つのif世界を描いた作品なのではなく、両者共に亡くなっているが結末はちょっと違うという話なのでしょうか?

Aのラストでは、「後輩」は明らかに幽霊なのですが、一方「先輩」も幽霊なのではないかと。というのも、ラストシーンで「先輩」は裸足で黒猫と共に星の橋を渡っていくからです。

一方、Bでは「先輩」ちゃんと靴を履いています。

「後輩」は無事「先輩」と仲直りして……もしかすると「後輩」が帰らず引き返して「先輩」に謝ったことにより運命が変わったように思えます。

ところが気になるのが、AとBでの「後輩」の台詞の微妙な違いです。

A「それとも、来世で結、」
B「……それとも、来世まで結婚する?」

世とでの間に「ま」が挟まるだけで意味が大きく違って見えるような?

「来世で結婚する?」は、もちろん、今世では結婚出来ないという意味ですよね。結婚する前に死が二人を別れ別れにしたからです。

一方、「来世まで結婚する?」の場合は二通りに解釈できるかなと思うのです。

①死が二人を別つまで一緒にいたい。
②(俺らもう死んでるので)生まれ変わる時が来るまで一緒にいたい。

ちなみに②の場合、もしかすると「先輩」は死んでいないという解釈もありかもしれませんが。

この台詞の違いを私は②と解釈し、二人とも亡くなっているものとし、Aは「先輩」が「後輩」を殺してやりたいと思ってしまったことを悔やんでいるというパターン、Bは「後輩」が「先輩」に素直に想いを伝えたため、二人は死後の世界で幸せになったパターン、と考えました。

また、Bのラストの「先輩」の一言も気になるポイントでした。

「朝までぶっ殺す!」

ただのギャグにも見えるけど、Aで後悔してい
る様子だった「先輩」とはうって変わって豪快に「ぶっ殺す」と言っている「先輩」。彼は他の場面では、

「殺したら殺せなくなんだろ」

と言っています。死んだらそれ以上死ぬことはないから、罪悪感なく「ぶっ殺す」と言えるのかなあと。絶対不可能だから冗談となる、ということです。

うーん、捻らず読んで、「後輩」死亡ルートと「後輩」生存ルートの二つのif世界と読んだ方がいいのかなぁ。私の深読みしすぎでしょうか?

ともあれ、大切な人に対してでも殺したいとか死ねばいいのにとか思うことはあるものです。

しかし、それを口にしたり、あるいはただ思ったりしただけでも、もしも現実に大切な人が死んでしまったら、いくら後悔しても足りないですよね。たとえ大切な人を死に至らしめたものが、自分の思いとは全く関係ないものだったとしても。

ああ、人生……(涙)

久慈家が取り壊され、それぞれ別の部屋に引っ越した久慈と吾妻ですが、従前どおりの付き合いを続けています。疎遠になるどころか、都内マンションの狭さが二人の距離感を近づけている感もあります。

相変わらず付き合うとか何とか関係性にけじめは着けない彼ら。しかし吾妻には心境を変えさせるような悲しい出来事やモヤモヤするような出来事が起こるのでした。

ゲイであることで、好きな人から好かれる可能性を最初から断たれている。それが吾妻が自分を好きでいてくれる人が好きと思う理由であり、自暴自棄気味な恋愛を繰り返す原因なのでした。

しかし、身近な人の死やライバル?の出現により、人の命の儚さや気持ちの移ろい易さに思いを馳せた吾妻は、ついに一歩踏み出します。

吾妻流の告白ならぬ「報告」とそれを受け止める久慈のやりとりが最高に萌えるやつでした!

また、おまけ漫画の湿気で髪がうねうねな久慈に胸キュンしてしまう吾妻の話には読んでるこちらも胸キュンです。4巻は久慈の意外にかわいい一面も垣間見えてよかったです。

※本作は『いい部屋あります。』とタイトルが違うものの中身はほぼ同じらしいのでご注意ください。

(『白いひつじ』の加筆修正作品が『いい部屋あります。』です)

田舎から大学進学の為に東京に出て来た男の子が、アパート探しに苦戦した果てに紹介された格安男子寮。ところが先住者の先輩たちは揃いも揃ってくせ者だらけで……。

と、大人っぽい先輩たちに初心な一年生が翻弄される話かと思いきや、パンを齧りながらやってきた百合子の登場から、ストーリーは思わぬ方向に舵を切るのでした。


~ここからめちゃめちゃネタバレするので、まっさらな気持ちで読みたい方は、以下は読まないでください☆~





ていうか、主人公がパン食いながら「いっけなーい! 遅刻遅刻!」って走って曲がり角を曲がったらイケメンにぶつかるというあるあるじゃなくて、イケメンの方がパンくわえて走ってくるのかぁ……。絶妙に斬新だなぁ。くわえてるのクロワッサンなのがそこはかとなく上流階級の匂い。しかも食べるときの仕草がなんかエッチだ。

と、いやに印象的な百合子の初登場シーンに呆気に取られてしまったのですが、この時の百合子はまだ、長野作品にはよくいるタイプのイケメンといった感じだったのです。

なので、終盤で謎が全て明らかになったとき衝撃だったのでした。

び、BLだぁー!!
長野ワールドの住人がちゃんとBLしとる!!!

ツンデレな攻め様(仮)だった百合子。そんなことの何が驚きなの? って感じですが、長野ワールドではちゃんとBLしてるキャラとかカプとかは意外とレアなのでした。

しかも、攻め(仮)は大体思わせぶりな態度で受け(仮)を振り回し、最後までほのめかし程度で終わりがちなのですが、本作は珍しく攻めが受けのことを脇目も振らずに熱烈に好きでもう絶対離さない! というテンションでBL的に丸くおさまりまし……あ、いや今回は受け(仮)の鳥貝くんの気持ちが曖昧模糊なままだったぁー。

ともあれ、ツンデレ熱烈溺愛執着麗しの野蛮人攻め(仮)という長野作品においては稀有なキャラが拝めてしまいます。

恋に狂うと大ばかになるタイプの攻め様がお好きな方におすすめです。

No Title

ハジ作品大好きといいつつ、けっこう色々過去作品が読めていない私でしたが、やっと読むことが出来ました。

本作品もいつものハジ作品同様、ス●エニ系の少年漫画のような画風と作風で、しかもひときわ中二病感がつよい! 軍服で死神とは!!

そしてなんと言っても嬉しいのは、2巻もあることですw

魅力的な世界観とキャラクターとストーリーが大変素敵なハジ作品なのですが、残念なのは大体1巻で終わってしまうということです。めちゃめちゃ設定練られてて面白いのに勿体ない~。

でも本作はたっぷり厚みある2巻構成で大満足のボリューム。

うきうきで読んだ私。今回はちょっとセンチメンタルな空気を感じて善きだなぁ~と、うっとりと読み終えたわけですが、次巻では思いもよらないクソデカ感情に襲われることになったのでした……(次巻レビューにつづく)

ハラハラしながら読みました。

極度の面食いダメンズウォーカーな受けの光成が、三十路を目前にして心を入れかえ、ビジネスライクに婚活をしようと決意したものの、初手で理想の面を持つ攻め・新にコロリといってしまうというお話です。

商業BLだしラブコメだから最後は丸くおさまってハピエンだろうと予想ができるものの、読んでいてかなりハラハラしました。というのも、プロの婚活女子だったら即切りするだろうなと思われる残念な行動を、新が無意識にしまくるんですよね。たとえば、毎日送りつける謎写真系オレ通信とか、目的地までかかる時間が長過ぎるドライブデートとか。そもそも、婚活自体嫌々で本気度0ですし、プロフィールは都合の悪い部分未記入で白紙に近いとか。

いったい、二人は、というか光成は、新の地雷要素をどういう風に乗り越えていくのだろうか? まさか顔がいいから許す、でもハッピーエンド! みたいなご都合主義的な結末とか?

と、危ぶんでいましたが、それらひとつひとつを二人で話しあい、また、新が正直に真意を語ることで地雷要素が逆に好感度up要素に変化するのが、素晴らしいなと。

この転換が納得がいくものだからか、二人が付き合ってイチャイチャバカップルモードになっても読んでいて冷めないばかりかむしろ萌えるのかなと思いました。

ストーリーも面白いし萌えという点でも満足感が高かったです。

なお、おまけ漫画にやけにキャラの立った弁護士さんが登場するけど何かのスピンオフなのかなと思って作者様の作品一覧を見たら、やっぱり他の作品にメインで登場するキャラだったんですね。面白そうなので、そちらも読んでみようと思います。

試し読みで挫けなくてよかったです。

試し読みで既に主人公・岩瀬くんがド派手にセクハラをされていたので、ドン引きし回れ右しようかと一瞬よぎりましたが、がんばってそこを乗り越え最後まで読んでよかったです。

初っぱなからの豊坂社長の行き過ぎた行為はまあ、セクハラ以外なら何物かというと性犯罪……? と言わざるを得ないですけど、真剣交際無罪かなって。岩瀬くんも社長に一目惚れですし、社長は最初から最後まで真剣ですし。

真剣に、岩瀬くんにも仕事にも困難にも向き合う社長が素敵でした。

社長も素敵だったけど、何より岩瀬くんがすごく可愛くてよかったです。

主人公の一人称文。自分に自信が持てずネガティブな性格……なのに、彼の語りから自然と滲み出てくる謙虚さと純朴さは好感度バリ高です。総合格闘技の世界タイトルを取ったというのに、傲らずイキらず、それどころか自身なさげですらあるなんて、こんな「剛腕の貴公子」を好きにならずにいられるか! って感じです。

ヴィジュアルプレスというお仕事が思ったよりも奥の深いお仕事でした。かなりガチのお仕事BLで、アパレル関係に縁のない私には眩しく興味深い世界でした。

挿画も美麗で眼福です。ただ、欲張りな私はサブライムのおパンツをこの美麗な絵でもっと見たかったな! と思ってしまいました。

特にフリルいっぱいの純白ブライダル仕様のおパンツなど…………女っぽいところがひとつもないという岩瀬くんがそれを穿いたときの倒錯美は、想像にお任せしますではなくイラストでおがみたかったです! ガーターベルト付きで! 性癖ドストライクなのでどうか!