水原とほるさんのレビュー一覧

正体不明の紳士と歌姫 小説

水原とほる  yoco 

セレブ(名士)になりきれない男の話

これは痛い話でも奇をてらう話でもない。
職業ものとかのお仕事BLでも受けが才能を見出されてのサクセスストーリーでもないし、華やかな設定を楽しむものでもない。
じゃあ何をどう掴んで読んでいけばいいんだと言うならば、田野倉侑吾という男の境遇について穏やかに一考してみる話…なのだろうか。
彼の事を”セレブ(名士)になりきれない男の話”として淡々と読んでいけばいいのかも知れない。

母親と叔父に…

5

正体不明の紳士と歌姫 小説

水原とほる  yoco 

X'masだ

歌姫と言う言葉にひかれて購入。ふつーの会社員で合唱団員さんのお話でした。
攻めさんをヘタレわんこ系に感じたので中立よりですが萌にしました。ちょうど今の時期向けの優しいお話、「本編230P弱+あとがき」です。

仕事帰りに合唱団の練習に向かった由希(よしき)。発表会やコンクールに向けて頑張って団員みんなで絶賛練習中。ある日練習している最中に見学者らしき方が入ってきて、勧誘のためにお声かけしたの…

4

ヘプタゴンは微笑む 小説

水原とほる  幸村佳苗 

乗りきれず

一時期、海外のミステリとかサスペンスに填まっていた時期があって、このお話の様な政治や宗教団体や、あるいは軍事が絡む、それも『国際時な陰謀(!)』に広がって行く話は嫌いじゃありません。むしろ好き。
ただ、どうも私は癖(『くせ』ではなく『へき』と読んでください)が強い所があって、細部で気になる所があると、頭がそればっかりになっちゃって物語に入って行けない傾向があるのです。

『見えない所で何らか…

3

監禁生活十日目 小説

水原とほる  砂河深紅 

監禁モノとしては物足りない

監禁モノが読みたいところに見つけました。
正直ストーリーとしては中立以上ですが、特に萌がなかったのでこの評価に。

あらすじの時点で私が読みたい内容ではないと思いましたが、題名に惹かれ購入。読んだ結果、やはり何か違う、、という印象でした。
ただ、ストーリーは面白かったです。
監禁とサスペンスが半々でしたが、題名で監禁といれるなら、監禁モノを読みたかった私としてはサスペンスをいれないほうが…

4

ラ・テンペスタ 小説

水原とほる  葛西リカコ 

雷に打たれたかのような出会い

ラ・テンペスタ 
イタリア語で「嵐」という意味なのですが、ジョルジョーネというイタリアの画家によって描かれた「ラ・テンペスタ」というヴェネツィア派のルネッサンス絵画がモチーフとなっています。
この絵は「嵐」と名前が一応ついてますが、本当に嵐というタイトルでいいのか、そもそも描かれている内容は何を表しているのかがはっきりせず研究者によっても解釈が様々異なる絵画なのですが、まさかこの絵を元にBLが…

4

小説

水原とほる  奈良千春 

鬼畜執着攻め最高!

鬼畜執着攻め大好きな自分としては最高に萌えました。受けが容赦なく屈服させられる感じがよいです。特に表題作の「窓」で受けは暴力と恐怖によって洗脳されますが、そこに甘さが微塵もないのがよいです。心理実験を見ているような気にさせられます。まあ現実世界でやったら確実にお縄なことのオンパレードですけどね。
筆力も申し分なく文の運びもGood。心理描写も丁寧で純文系の素養のある方だと思います。
BLといえ…

6

名前も知らず恋に落ちた話 小説

水原とほる  yoco 

バイク乗り同士だからわかること

バイクと聞けば、危険!心配!となってしまう私ですが
きっとバイクに乗った事がある人にしかわからない充実感があるんでしょうね。
克実と昌宗はお互い連れがいたわけではありませんが
お互いの走りが心地良いというだけでも
心の距離を縮めるには充分だったのかもしれません。

それにしてもいくら克実がきれいな顔をしているからって、
昌宗が精悍な顔だからと言って
キャンプでキスしてコキ合うの早く…

4

監禁生活十日目 小説

水原とほる  砂河深紅 

一線を越えないサイコパス達、なのに…

年齢を偽ってクラブの下働きとして住み込みで働いている実洋は、店に訪れた高井戸に目を付けられ、強引に彼のマンションに連れて行かれてしまう。
犯罪プロファイラーというからには相当の切れ者だろうが、モラルが欠落している高井戸だけでなく、嗜虐的な刑事・緒方、監禁されている実洋に助けを請われても一切関与しない美也子と、彼の周りの人間もこれまた胡散臭い。
常人とは違う危険な感性の彼らの有り様に、これは久々…

6

コレクション 小説

水原とほる  北沢きょう 

たまにはこういった水原さん作品もいい

水原さんはデビュー作のヤクザ物が強烈すぎて痛い話が得意な作家さんって印象が抜けないのだが、近年は様々なトーンの物語に力を入れているようで。
この小説もそのうちの一冊で、異端児であり天才でもあった日本画家の作品数十点を相続した受けが、亡き伯母夫婦の意志を最善の形で汲み取れるように調査、奔放する様子を伺う、といった内容だ。
作中の天才画家の半生を押さえたうえで話を追っていくと案外読み応えがあった。…

3

The Barber(2) The Cop -ザ・コップ- 小説

水原とほる  兼守美行 

紫の上が光源氏以外に恋をしたらこうなるのかも

「いやいや、スリリングな終わり方をするもんだな」と感心した完結編。
こちらも、電子書籍には、あとがきはあれども挿絵なし。

事件は相変わらず起きるのですが、そちらがむしろ添え物的な感じです。
なんと言っても驚きなのは、正田にもいましたよ。因縁のお相手。
「はぁ……(溜息)そういう人ね」ってなもんです。
なかなかこの絆は断ち切れんでしょう。
おまけに今作では、バーバーとして生きていくこ…

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