chikakumaco
完結編にて、全てが明かされる。これまでの謎。父、蓉介の想い。水川邸の未来。それぞれの歩む道。扉絵の全員集合の花見のシーンにほっこりする。とても穏やかに温かい雰囲気。キャラクターにそれぞれ花の名前が付けられている事にもとても納得する。名は体を表すとは得たり。桜の花見、皆を引率するもの、指し示す者。菖蒲、凛としてキリリとしていて。それでいて華やか。竹は花は無いがしなやかで強く。藤には派手さがあって。橘…
いつの間にか、蓉一は桜井さんからマンションの鍵を渡されていて、部屋で待つようになっている。うっかり恋人同士の様になってはいるが、桜井さんは転勤が決まったのもあって、殺人的に忙しく、マンションに帰れる事はあまり無い。蓉一と会う事も無くなっていた。桜井さんがグズグズと転勤のことを言えなくなっていくうちに、柏木さんと吉富さんがその話をしているのを聞いてしまった蓉一は、たぶんショックのあまり苛立ちを桜井さ…
…そうは言っても。やっぱり桜井さんは大人で。手練れだとも思うし。(主に女性に)モテて来たんだろうなぁ、っていうのが分かる。意外にもだから怖い、恐れてもいて。この先のこと、年が離れていて、とか、もちろん男同士だとか。そして、真っさらの『蓉一の無知が怖いんだ。』。
何度もキスをしていて、衝動的に、もぅここはキスするとこ‼︎っていうのが、大人の桜井さんには分かりすぎる程に分かっていて。衝動的な筈なんだ…
あらすじが、この巻のネタバレになっていて。二人の気持ちが近づくのはもっと、ずっと後で、とってもゆっくりだと思っていたので。読み返してみて、ビックリしてる。大人の筈の桜井さんが、衝動に任せてキスをする。蓉一を、蓉一のことばかりを考えていて。その顔を見たらたまらなくなって。多分、それは大人のキスで。後になって、桜井さんはそれを反芻する。困惑した蓉一の口唇の震え。蓉一の初めて(‼︎)を奪ってしまったこと…
有名過ぎるこの作品を読んだのは、「憂鬱な朝」を読んだずっと後で。何年も前にちるちるのBLアワードで、桜井さんが『Best リーマン』なる賞(以前はこういう企画モノ賞があったみたい。)を取っていて。さすがにカッコ良過ぎる! この枯れた感じ。表情。営業の女性にやんわりと誘われたりしている。社内でもモテないわけない。たぶん女性の扱いもそれなりに上手だと思われ。そして、(御誂え向きに)広告代理店に勤めるク…
すれ違う二人が、恋になるのはずっと後。
幼馴染の真はいつもハルちゃんにくっ付いていて。ハルちゃんに追い付きたくて、卓球を始めたのに。春山の方は直ぐに自分より上手くなってしまった真に、何とも言えない悔しさ、のようなものを感じて、卓球から離れてしまう。春山は高校ではバレー部を選んだ。卓球部のエースの真はもっと強豪校に行ける筈なのに、春山と同じ高校に入学する。「ムカつく。」どうしても気にしないわけには…
「リスタート」は新装版も旧作版も大好きなんだけど、こちらの新装版は要らなかったな、と買ってしまって後悔した。加筆修正は無いし、「初恋のひと」の後日談、「二度目の恋」は完全に蛇足だと思う。藤原くんが完全にブサイク専の変態さんになっている。個人の好みはそれぞれだけど、唐橋みたいなゴツい雰囲気の所謂ワイルド系が好み、っていう事でいいじゃないかと思うのだ。それが、新谷みたいなボテボテと肥った男にまで「カッ…
もちろん♡ 旧作版も持っています。最初、新装版を買った時、もう旧作版は処分しようかしら?と思ったのですが、旧作版は旧作版で、とても味わいがあって良いものです。物語の未来が少し変わっている事を期待してもいたのですが、そんな事は無く。それでも全然違うのです。まず最初の1ページ目から全然違う。カット割りがとってもスタイリッシュになっている‼︎ カッコいい。(マネージャーの野口さんもスタイリッシュになって…
あとがきによると、「嵐のあと」の2年後が同時収録の「 double line 」で、さらにその2年後が表題作の「初恋のあとさき」と、なっているらしい。ということは、美山が榊のセフレを辞めてから、4年が経過している。美山にとって、特別で大切だった「初恋」の相手、仁科に手酷く振られてから、まともに恋人と呼べる関係を築くことが出来なかったのだ。仁科は思春期に男と関係を持った事が恐ろしく、卒業したら大学を…