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前巻では結構好き嫌いが別れた(ように思われる)この作品。
受の性格的に、物語はサクサク進むのとはほど遠く、登場人物がようやく揃ったかな?というのが1巻でした。
顔は整っているけど、ぶっきらぼうで愛想のカケラも無い蓉一(19歳)と、以前はバリバリ活躍していたけど今はちょっと日和気味?で疲れているサラリーマンの桜井さん(37歳)が、偶然出会い、お互いを苦手と感じていたのにいつのまにか距離が縮まって来た(BL的というよりは人間的に・・・)というところで前巻は終わっていました。
話としては大きな事件なども無く、ゆっくりした進行な上にHのエの字も無く、無表情でイマイチ可愛気が見えない受に、37なのにオヤジと言われて違和感の無い冴えない攻というカップルだったために、攻め重視の私の腐友にはことさら不評なシリーズでした。
(私は受重視なので、ちょい萌えでした。脇役の少年が可愛いかったし!)
が!
今巻はちょっと動きましたよ。
気持ちが!2人の距離が!!
前巻終わりでようやく蓉一を意識した桜井さんに加え、今度は蓉一が一巻かけて自覚しました。
実は蓉一に横恋慕する同級生の藤本君というのが居て、これがかなり積極的なんですが、蓉一はぼんやりしているので、読んでいる方は結構スリルを感じてしまいます。しかし、流されているように見えるのは無関心かららしく、蓉一は桜井さんのことについては、自分なりに色々考えたり悩んだりしています。(無表情ながら・・・)
先に自覚している桜井さんは、年齢差から慎重になりつつも、結構自分に正直な人だったりするのが可愛気を感じさせます。
まぁ、その慎重さを押して動く原動力は藤本の存在な訳で、微妙に両思いになった(?)2人ですが、藤本は健在だし、まだまだラブラブには程遠い感じです。
しかし、後半ようやく自分の気持ちが「好き」なのだと気付いた時の蓉一の可愛さったら・・・!!!(言葉にならない)
今まで可愛さが足りなかった分、その攻撃力はハンパない(><)/!! ギャップ?ギャップ萌えとはこれのことね!? もう、このコマだけで買って後悔はありません。エロが無くても後悔はしない!
また、ここでタイミングよく桜井さん登場!!
その後がまた・・・!!!この巻のクライマックスはここです。これは、書かないでおこう。
読んだ人は共感の頷きをくれるでしょうし、読んでいない人は、自分でその興奮を味わうのがよいでしょう。
いやー、まさかこの話でこんなに滾るとは。
1巻を読んだときには全く想像も出来ませんでした。
あ、今巻は蓉一が可愛さ爆発ですが、従兄弟の菖太の可愛さも健在です。高校の制服がよく似合う・・・もう一人の従兄弟竹さんも良いし、今回初登場の吉富おじさんもいい味出しています。
ゆっくり進む物語だからこそ出せる味が出て来たのかなぁ。こういう物語なのにちゃんとBLになる(予定?)というだけで、今はとにかく嬉しいです。1年先が待ち遠しい♪
お話としては、まだ展開途中ではあるのですが、超可愛い蓉一君にやられてしまったため、神評価になりました。
あ!Hは無いので要注意です(笑)
ヤバイ。
日高ショーコさんの作品は、どれも比較的好きだし、作家買いしているのですが、どこか私にはオシャレすぎてかっこよすぎて、萌えまくるということはありませんでした。
が……これはねぇ。
もどかしさがツボにハマった!!!! 萌え死んだ。
エロは全くないのに、こんなに叫びそうになるなんて……。
一方は恋愛にがむしゃらに突き進めるような歳じゃないオッサン。(オヤジ好きなのでポイント高い)一方は恋愛どころか人間関係すらまともに築いていない浮世離れした青年。
まともにくっつくわけはなく……。
そのもどかしさは、葛藤もなしにすぐにくっついちゃう作品が多いなかで、じれったいけれどドキドキしました。
いやぁ~~~両思いなのに、両思いになっていない作品って好きだわ。
しかしさぁ。1年に1冊って、どういうことだろう……。困る!!!
日高ショーコさんをつい最近知り購入したのですが、基本衝動で表紙買いするタイプなので今までスルーしていました。
ふと目が行ってしまうような華がある絵柄ではないので、萌えハンターとしましては手が出し辛い表紙でした。正直顔が地味だな~と。
が、本を開くと一転。
均整のとれた骨格や綺麗な手指、徹底してブレない画力で話に惹き込まれます。
顔の地味さも、無理にキラキラと綺麗な顔の漫画より色気を感じます。知的な色気といいますか。
一巻では多忙なクリエイター・桜井(37)と無愛想な美大生・蓉一(19)の出会いから始まり、会う度に反発し合っていた二人が少しずつお互いを知り、蓉一をいつも目で追っている事に気づいた桜井が恋心を自覚する所で終わります。
二巻では今まで何を考えているのか全く分からなかった蓉一の気持ちが段々と見えてきます。恋心を自覚し、距離を測りかねる桜井に対し、全ての人に無関心な蓉一が明らかに桜井を気にするようになっていく。
蓉一は家族の暖かさも親しい友情も知らず、必要とも思っていないので、桜井に対する興味も、自分の中でどういう感情なのか分からない。
が、蓉一の事が好きな同級生、藤本がいいます。
「目が大っきくなるんだよな」
「桜井さんを見るとき目の色変わってるの自分で気づいてる?」
確かに普段はぼんやりと無表情な蓉一、目蓋を少し伏せたような表情が多いのですが、二巻から桜井を見つめる目がすごく綺麗になってます。この描写がとっても上手い。
蓉一は勿論自覚してなかった訳ですが、藤本に言われたのをきっかけに更に桜井の存在を意識し、二人の距離がまた少し縮まった所で二巻は終わります。
すごくイイところで終わったんですが、続きが出るのは1年後らしいですね・・・。鬼畜だわ・・。
エロはなしで二人が恋に落ちるまでを描いたじんわり萌えな作品ですね。特別にドラマティックな展開はないですが、主人公、脇キャラ共に自然体で無理がなく心の揺れ動きが細やかに描かれてます。BL漫画では貴重ですね。
2巻後半で急激な盛り上がりを見せ、そのいきなり具合にはまるで我が事のように動揺しました。
あれほど苦手だと思っていた容一にぞっこんじゃないかよ桜井さん!しかも蓉一がなんの経験もないってことがわかってちょっと舞い上がってたりして可愛いのです。(ただし、進展はあまりない。これBLだったんだっけと思い出したぐらいだもん。)
猫を嫌ってる人がしょうがなく飼うときってこういう状態です。
そんでもう文字通り猫っ可愛がりしちゃってたりするのよね。
こういった心の機微を繊細に描いてくださるから、日高さんの作品は人気があるんですよね~。
登場人物のそれぞれの過去を、チラチラと見せてくださる手法もお上手です。
通いの管理人吉富さんのことは、私もオバサンだと思い込んでたもんで意外だったし、彼が語る過去話はたった2ページなのに泣かされました。やられた!
明るく振舞っていても時折仄暗い眼差しを見せる菖太も気になるし、続き!早く!!
登場人物は花の名前がついているとのこと。
表紙も凝っていて
1巻は蓉一だから芙蓉の花をしょっている
2巻は桜井さんだから桜
3巻は誰だろう…藤本で藤?いやタケで筍?私としては吉富さんが桔梗の花を背負って欲しいとこですが、まあないですよね(笑)
あらすじが、この巻のネタバレになっていて。二人の気持ちが近づくのはもっと、ずっと後で、とってもゆっくりだと思っていたので。読み返してみて、ビックリしてる。大人の筈の桜井さんが、衝動に任せてキスをする。蓉一を、蓉一のことばかりを考えていて。その顔を見たらたまらなくなって。多分、それは大人のキスで。後になって、桜井さんはそれを反芻する。困惑した蓉一の口唇の震え。蓉一の初めて(‼︎)を奪ってしまったこと。…この後もいっぱい、蓉一の初めては全て桜井さんのものに…。きゃー‼︎
1巻の終わりで、桜井さんは蓉一への特別な気持ち、恋を自覚してしまいます。ドギマギして、どうしたらいいかわからない。けど、目が離せない、触りたい。触ったらどんな顔をするのか知りたい。
この時はまだ、蓉一の方は無自覚で、でも周りには何となく気付かれている。まさか恋だとは思われては無いけど、あんなに周囲に無関心だった蓉一が、どういうわけか桜井さんには懐いていると。
蓉一に会いたくて、家を訪れた桜井さんは、同じ大学の藤本があからさまに蓉一に話しかけているのを見て、軽く嫉妬して帰りかけます。気を遣った竹さんが桜井さんを表まで送ると、息を切らせながら蓉一が追いつく。「俺が桜井さん送るから、竹さんは帰っていいよ。」うははー。蓉一の、無自覚な嫉妬。独占欲。必死に追いかけてきたりして。そーんなの、可愛くないわけがない。
そんな折、桜井さんが、会社で広告のオーディションを手伝っていると、現場に素人モデルとして藤本が現れて。桜井さんはやや一方的に、宣戦布告されることになる。でもまぁ、彼の強引さのお陰で、この恋は進むことになるんだけども。この家に下宿を申し込んだ藤本に対抗するわけじゃ無いけど、桜井さんも週末のセカンドハウスとして、引っ越してくる事になる。
この家の管理人として、食事の世話などに通ってくる吉富さんや、蓉一の父を知る柏木さんと話すうちに蓉一の過去や生い立ちを知る桜井さん。周りの大人が蓉一を「可哀想な子供」「素晴らしい芸術家の子供」として扱ううちに、蓉一はやりたくも無い父の後をトレースして、美大に入り、この家に住んでいるのでは無いか。という周りの大人たちの心配。桜井さんだけが気付いている。蓉一が好きで絵を描いていること。蓉一が花の絵を描いていること。だからやっぱり、桜井さんだけが特別な人なのだ、蓉一にとって。
…藤本はいつも蓉一を見ているから気づく。蓉一が瞳を大きくして、熱っぽい目で桜井さんを見ていることを。そう指摘されて、ようやく蓉一も自分の恋に気づく。桜井さんの事ばかり考えていること。桜井さんと一緒にいると楽しいこと。桜井さんに言われたことは全部、覚えていること。今までそんな人はいなかったこと。そして、触れられると体が…、と考えが及んだところで、真っ赤になる蓉一が可愛い。体が…きっと熱くなるんだ。と、思われ。
この後、同じように体の奥底から沸き上がるこの気持ちのまま、二人は抱き合って、それからキスをする。思い余って押し倒してしまう桜井さんがいい。
恋だけじゃない、蓉一の中に眠っていた感情が少しずつ外に表れていることが分かる巻でもあって。蓉一の両親についても、小出しに解ってくる。このことがミステリーの様相を見せるのは、もう少し後のこと。