chikakumaco
「リスタート」は新装版も旧作版も大好きなんだけど、こちらの新装版は要らなかったな、と買ってしまって後悔した。加筆修正は無いし、「初恋のひと」の後日談、「二度目の恋」は完全に蛇足だと思う。藤原くんが完全にブサイク専の変態さんになっている。個人の好みはそれぞれだけど、唐橋みたいなゴツい雰囲気の所謂ワイルド系が好み、っていう事でいいじゃないかと思うのだ。それが、新谷みたいなボテボテと肥った男にまで「カッ…
もちろん♡ 旧作版も持っています。最初、新装版を買った時、もう旧作版は処分しようかしら?と思ったのですが、旧作版は旧作版で、とても味わいがあって良いものです。物語の未来が少し変わっている事を期待してもいたのですが、そんな事は無く。それでも全然違うのです。まず最初の1ページ目から全然違う。カット割りがとってもスタイリッシュになっている‼︎ カッコいい。(マネージャーの野口さんもスタイリッシュになって…
あとがきによると、「嵐のあと」の2年後が同時収録の「 double line 」で、さらにその2年後が表題作の「初恋のあとさき」と、なっているらしい。ということは、美山が榊のセフレを辞めてから、4年が経過している。美山にとって、特別で大切だった「初恋」の相手、仁科に手酷く振られてから、まともに恋人と呼べる関係を築くことが出来なかったのだ。仁科は思春期に男と関係を持った事が恐ろしく、卒業したら大学を…
夜のバーを舞台にしていて、オシャレで、ソツがない。すごく気取っていて、大人で。それでいて、もどかしい。何とも言えない気持ちになる。いつも。
…月に一度、そのカクテルをオーダーすれば、気に入った客となら寝てくれるという。そんな事を真に受けるほど、村上は芦原さんにのぼせ上がっていたし、嘘とは思えないほどに芦原さんは大人で、綺麗な人なんだと思う。周りの人間が芦原を称して、裏表が無く、思ったことを口…
「シグナル」「嵐のあと」「初恋のあとさき」という順のスピンオフ3部作で描かれていたかと思います。そして「After」は彼らのその後や番外編、おまけ。
どうしようもなく、恋に落ちてしまう瞬間。いや、違うな。恋という昂揚感に心がどうしても占められていて、嵐のように吹き荒れる、その真っ只中にいる。そういう気持ち。嵐はいつか過ぎ去って行く。それまで、落ち着いて待っていれば…。
ノンケに恋をして、辛…
再読するまで。5巻以降はややこしい、と勝手に思い込んでいました。そんな事は無い。場面転換や回想などで、時間軸が飛ぶので、少し戸惑っていただけでした。振り返ってみれば、至極単純な事なのだと。6巻で「憂鬱な朝」とは、桂木のその想いだったのだと理解していましたが、桂木と愛し合った夜、朝が来る前に遠くへ逃げて行く桂木を想って、独り寂しく目覚める暁人さまにとって、それはまた「憂鬱な朝」だったのです。
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再読して、私はおそらく初めて気付いたのだと思う。これは、桂木にとって『憂鬱な朝』だったのだと。どうしてこれまで見落としていたのだろうか。
「共に夜を過ごしても、目覚める度に鬱々とした気分になる。いつも昔の夢ばかり見てしまう…。」桂木の台詞の中に、それはさりげなく潜ませていた言葉。
一夜で覆させられた森山邸の夜会の後。暁人さまは兼ねてからの予定通り、療養を装って石崎家が手配した豪奢なホテルに…
見事‼︎ としか言いようの無い、第五巻。たった2、3時間の出来事なのだ。それだけを人々の思惑を乗せて、丸っと1巻に仕上げ、スリリングに描き切ったそのストーリーテラーとしての手腕にまず拍手を贈りたい。素晴らしいと思う。
『自分の我儘をぶつけ合って、互いの声を聞こうとしない。』暁人さまと桂木。
前巻の終わりに初めて、桂木からの愛の告白を受けて、夢のように浮かれてしまう暁人さま。しかし、桂木の奸…
この第四巻の評価が最も高いのは、やはりあの冷静な桂木が自ら暁人さまを抱き寄せ、混乱しながらも触れたいという気持ちに抗えず、淫らに抱かれてしまうという、熱いシーンがあること。さらに終盤では決して言葉にする事なく逃げていた、その事で暁人さまを苦しめていた桂木が、自ら暁人さまに告白したことだと思います。『夢でもいい…。』と暁人さまが望んでいた言葉。たった一言。「…好きです。」と。
暁人さまは桂木が…
もう少し進むと、物語は込み入って参りますが。この3巻は割とシンプルに進んでいるかの様に見えています。物語の冒頭で、暁人さまは嫌々ながらも縁談を受け入れ、佐条伯爵家に粛々とお伺いを立てに出向いている。嫌々と言っても、育ちの良い暁人さまはこの箱入りのお姫様とカルタに興じたりして、親切に優しくお相手している。何しろ俔子さまもたった15歳の少女なのだ。とても美しくておっとりとした、この少女と結ばれることが…