片岡ケイコさんのレビュー一覧

永遠に似た瞬き 小説

麻生玲子  片岡ケイコ 

瞬きのような一瞬をきみと

再読し始めた西野&白川シリーズも最終巻。
大学生のごく普通の日常生活と、西野と白川の歩くように進む恋を追いかけた数日間でした。
最終巻だからといって特別なことは起きません。
最後なのだからなにかほしいとなりそうなところですが、こちらの作品はそれが味になっているというか、特別なことが起きない「特別な恋」を追うのが醍醐味かなあと思います。
何度読んでもこの空気感が好きです。

青空…

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彩度ゼロの奇跡 小説

麻生玲子  片岡ケイコ 

1歩ずつの恋

再読し始めたシリーズも3作目。
タイトルの意味するところは最後まで読めば分かるのですが、これがまたシリーズを追って来た読み手からすればにやりとしてしまうもので…あとがきを読んで私もにやりとした口です。

手を繋いで1歩1歩、お互いの歩幅に合わせながらゆっくり進む2人の恋愛模様が素敵なこちらのシリーズ。
恋愛における心理描写の丁寧さと、雛鳥がよちよち歩きをしているような不思議系美人・白川の成…

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水の化石 小説

麻生玲子  片岡ケイコ 

この焦ったさが良いのです

シリーズ2作目となる今作。
1作目に引き続き、酷いことも辛いことも起こりません。
恋人のような友人のようなふわふわと曖昧な関係になった大学生同士の、なんでもないごくごく普通の日常が歩くような速度で語られます。
恋愛の進展具合も初心すぎるほどにゆっくり。
キスをして抱きしめて、それだけ。
それだけなんですけど、でもそれがすごく良いんだなあ。
スローすぎるほどにスローペースな恋に心をくすぐ…

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一万年+3日 小説

麻生玲子  片岡ケイコ 

忘れられない名作

私のBL小説との出会いは、麻生玲子先生が書かれたこちらの作品が初めてでした。
全4作出版されている西野&白川シリーズの1作目である今作が発売されたのは2004年。
麻生先生の透明感のある文章で綴られる、大学生・西野のごく普通の学生生活。その中で淡く色付いていく恋の描き方が心地良く、今でも忘れられない1冊のひとつです。
おそらく、この作品に出会っていなければBL小説を読むようにはなって…

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初恋 小説

水原とほる  片岡ケイコ 

絶妙なバランス

幼なじみの三人は絶妙なバランスを保っていたのに、隆晴が多伎に告白したところから、多伎が洋人への想いを諦めようとしたところから狂ってしまった気がします。

隆晴の間違った理想の形、執着、多伎への愛情。
第三者から見ると、仕事に邁進するところまでは許せても、出世や恩義から結婚に至ったことは間違いですよね。それさえなければ、パートナーとして多伎を見て、大切にしていたら、、、
きっと多伎も洋人も現…

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デンキの速度で伝われ! 小説

麻生玲子  片岡ケイコ 

受けは可愛い

高校生のアマチュアバンドもの。作者様の好き具合がわかるなー。あとがきで、アマチュアのバンドなので芸能界ものではないと断言されていましたが、本編終盤はそれに近いのでは…?という展開。

高校生のハルがボーカルを務めるクール・フールは個性的な歌声が人気で、小さなライブハウスでもダフ屋が出るほど。複数のレーベルから度々スカウトがきても、若干一名を除く残りのメンバーはプロデビューする意志が全くありませ…

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服従は恋の掟 小説

夜月桔梗  片岡ケイコ 

契約のはずが。。

中立と萌の間くらいです。

なんというか、ストーリーはほぼない感じで、ずっとスパダリに優しく抱かれているというH多めのお話でした。
なぜそれでも退屈せず読めるかというと、かっこよくてお金持ちで何でもかなえてくれる(マフィアだけど)男性が、ひたすらに優しくしてくれて、それが心地いい空なんでしょうね。

主人公は、借金のせいで期間限定の愛人契約を決意した日本人男性。きれいで健気な印象。
元…

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初恋 小説

水原とほる  片岡ケイコ 

堪えられなかった男、耐え忍んだ男

2005年刊。
実はどこまで続けられるか不安だが、水原さん作品読破挑戦中で現在刊行順に読んでいっている最中だ。
順番で読むとまだまだヤクザだの愛人だのといった不穏そうな話が連なり、この本を手に取って穏やかそうな一冊でほっとしたら、これってがっつり三角関係ものですやん…
…なのに、一気に読み進めていたのだった。
多分、水原さん作品個人的お気に入り上位に食い込むと思う。

三角関係ものでも…

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光の世界 小説

榊花月  片岡ケイコ 

ネタバレなしで読んだ方が面白いと思います

電子書籍で読了。挿絵なし(表紙絵も小さい。電子の発行日がH24年なので仕方がないかも)。あとがきあり。

皆さまの書かれたレビューを読ませていただき「面白いのでは?」と購読。
で、思ったことは「ひょっとしたら事前知識が一切ないままで読んだら、もっと面白かったのでは?」と言うことなんです。
でもね、レビューを読まなかったら手に取らなかったと思うのですよね。この辺、痛し痒しというか……

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光の世界 小説

榊花月  片岡ケイコ 

攻めが難しかった

表題作と続編の中編2作品。
どちらも真昼(受)の視点なためか、久野木(攻)の感情を読むのが難しかったです。

読後、この作品の特徴は「攻めの心情が難しい」「目を舐める」の2つかなと思いました。

32歳という大人な分だけ感情を隠すのが上手く、真昼が好ましくない言動をするのを不快に感じているのか、真昼に予想外な反応をしてしまう自分に苛立っているのかが読み取れませんでした。でも、弟を愛しむ仕…

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