葛西リカコさんのレビュー一覧

好きにならなくてもいい 小説

椎崎夕  葛西リカコ 

恋愛の真似事の行方

攻めの性格が受け入れられるか否かによって随分印象が変わりそうです。

悪い人ではないんだろうけど、良い人でもない。
狡い大人×ウブな青年の恋愛の真似事から始まるお話です。

受けは感情表現が下手で恋愛不感症。
ゆえに百戦錬磨の攻めから見れば手垢のついてない原石のようなもので。
誘導尋問に落ちるかのようにあれよあれよと展開し、
気づけば攻めの腕の中で極上の甘々に包まれていて…。

6

憎らしい彼 美しい彼 2 小説

凪良ゆう  葛西リカコ 

平良のキモウザがパワーアップ

 前作と比べると、二人ともちゃんと大学生になった分だけ成長してました。
 平良の場合、「成長」というよりは、「パワーアップ」という気がしないでもないですが。
 ネガティブなストーカー男子をこれほど俺様に書けるのは、さすが凪良先生だと思います。先生も仰られているように、平良に対して「気持ち悪い」は、イコール一途という点で、もはや褒め言葉のような気がします。
 一方の清居は、今作では、役者を目指…

5

ダブル・バインド外伝 アウトフェイス 小説

英田サキ  葛西リカコ 

一つの完結

「ダブル・バインド」の、進藤x葉鳥CPスピンオフ。

「名もなき花は」
「ダブル・バインド」本編では既に事故死していた、進藤の妻であり葉奈の母親である美津香がまだ進藤と結婚したばかりの頃のエピソード。
豪快な美津香は「愛人」の肩書で進藤と同居している葉鳥をなぜか可愛がっていて…
本作では、夫婦でありながら男女にはなれない進藤と美津香の複雑な同志愛と、葉鳥がようやく「こころ」を信じてもらえ…

3

銀の雫の降る都 小説

かわい有美子  葛西リカコ 

作り込まれた世界観が極上のSF作品

電子書籍で読了。挿絵なし(葛西画伯の表紙絵はとても美しいのでちょっと残念)

評価はそれほど高くありませんが、お話はとても面白いです。
SFとして世界観もかなり作り込まれていますし、お話の底辺を流れている「悲しみ」が胸にグッと来ます。私にとっては哀切度の方が強くって「萌」評価っていう範疇では測れなかったんだよね。

私はこのお話を「異なる文化を持つ人が慈しみ合う」ものとして読みました。

3

白狼王の愛嫁 小説

櫛野ゆい  葛西リカコ 

恋を知らなかった傲慢で不器用な王

獣の神を崇める国トゥルクード。
アディア(受け)は登山に出掛けたきり行方不明になった父を探しに母の母国であるトゥルクードに伝手を辿って入国します。
有力な手掛かりもない中、アディアは突如衛兵に王宮へと連行されてしまいます。訳が分からないアディアに、近衛隊長のラシードはアディアがずっと探していた神子であり、王の結婚相手だと告げます。
納得できないアディアは抵抗しますが、話を聞いてくれるわけもな…

4

白狼王の恋妻 小説

櫛野ゆい  葛西リカコ 

相変わらずの溺愛ぶり

白狼王ウルス(攻め)の愛を受け入れ晴れて夫婦となって数ヶ月。
仲睦まじい夫婦のもとに祖国のイルファーンから第2王子ジャヤートが祝辞にやってきます。
その歓迎の宴で神子に対して気になる噂があることを耳にします。
噂の内容は、最近頻繁に起こる地震に不安になった民が、最近の地震は神子が神が認めた神子ではないため神の怒りだというもので、アディア(受け)を神子と認めた王に対しても不信感を持ち始めている…

1

ダブル・バインド(4) 小説

英田サキ  葛西リカコ 

ダブル・バインド完結。

「ダブル・バインド」最終巻。
完結巻、という事で、餓死殺人事件は犯人が分かり終結。
祥とヒカルとケイ、ケイの秘密も明るみに。
進藤と葉鳥の関係も進展。
もちろん、上條と瀬名も……!

…と、全ての要素がまるでパズルのピースの様に、スピード感を増してカチカチっと収まる感覚がありました。
4巻あるのでストーリーを彩る要素も多く、全てが終結したもののやはり最後はバタバタ感は否めず。
です…

3

ダブル・バインド(3) 小説

英田サキ  葛西リカコ 

「引き続き」巻。

「ダブル・バインド」第3巻。
あとがきにて『いろいろ動きがあった〜』とありましたが、私にはそう思えず。だってどの展開もジレジレ!
進藤が車に突っ込まれて骨折する事件はあります。
それで葉鳥は頭に血が上り、引き続き自分で鈴村の周りを嗅ぎまわる。
餓死連続殺人は、第2巻から発覚した女性レイプ動画の関係者がまた1人失踪。
上條x瀬名はゆっくりイイ感じ。
進藤の父親がいよいよ亡くなって、進藤と…

2

ダブル・バインド(2) 小説

英田サキ  葛西リカコ 

筋金入りのハリネズミ

「ダブル・バインド」第2巻。
餓死連続殺人は、被害者同士の共通点が見つかり何となくの進展はありつつも、犯人につながるようなものは無く。
ただ、なーんとなく…コノヒト?みたいの見える気がしてるんだけど、私が予想している真相だとめっちゃ胸糞悪いなぁ。
対して、BL展開の方は進展しました!
酔うと素直になる?瀬名の誘い受け、とでもいうんでしょうか。でもハラを括った上條はなかなかに包容力があってイ…

2

ダブル・バインド 小説

英田サキ  葛西リカコ 

さすが。引き込まれる。

遂に(今頃)、英田サキさんの有名作「ダブル・バインド」を読む!
事前知識無しに読み始めましたが、これは元々推理小説好きの私には非常に面白い展開ではじまる。
夢の島の公園で、一体の死体が発見される。
被害者は失踪して1ヶ月、常識では考えられないほど痩せていた…
目撃者の少年は精神疾患があって、供述が曖昧。
そんな事件の始まり。
BLでなくて普通の推理ものとしても、なかなか引き込まれる設定…

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