青石ももこさんのレビュー一覧

ペーパー・バック(2) 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

とても贅沢で幸せな詰め合わせ 2

明光新聞社のシリーズの番外編集。
同人誌や小冊子やSSカードやその他諸々に掲載の番外編を集めた本の2冊目。今回も楽しかったです。
前作と同様、目次に惑わされて中編かと思うと、SSや短編の詰め合わせだったりするので、それはもうたくさんのお話が読めます。
とってもお得です。
(「アンフォーゲタブル」はまたしても冬悟がちらっと出るだけですが)

さて、今回とくに好きなのは「ハイファイ・ローフ…

1

ペーパー・バック(1) 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

とても贅沢で幸せな詰め合わせ

明光新聞社のシリーズの、同人誌や小冊子やSSカードやその他諸々に掲載の番外編を集めた本です。
ほんとにありがたい。ほんとにほんとにありがたいです。
しかもそれに加えて書き下ろしがついているのです。
ありがたく読ませていただきました。
目次を見た時、5つの中編とSSかな、と思っていたのですが、中編と思っていたものは短編の詰め合わせだったので、実際にはたくさんのお話を読めます。

「is …

0

アンフォーゲタブル 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

硬派な事件で目が覚めました

明光新聞社のシリーズ4冊目。
今回のメインキャラは読みながらどうも二人とも掴み所がなくて、入り込めないなあイマイチかもなあとぼんやり思っていたのですが、中盤の事件が大変な事態で、(私の)目が一気に覚め、そこから貪るように読みました。

再会物とはいえ、こんなに間が開くのもすごい。17年です。
「is in you」の再会も13年で長期と思ったけれど、「アンフォーゲタブル」の方は事情も事情だ…

0

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

表紙の記号にも意味が。

stenographyは速記の意味だそうです。主人公が国会速記者で国会議事堂に勤めているのです。
主人公の名波くんのキャラクターが、若いのに老成しているというか、純粋培養の植物のようで、ひっそりしてて芯が強くてプロフェッショナルで、彼の持つ清澄な空気感にとても好感が持てました。
速記というお仕事も古式ゆかしいし、生活もとても堅実だし、休日に口述筆記のボランティアをしているのですが、その相手の松…

0

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

緻密に組み立てられた二男一女の関係性

「is in you」で当て馬の位置に甘んじていた佐伯密がメインのお話。
密と、子供時代に病室でベッドが隣同士だった十和子と、十和子の兄の良時。
いつまでもずっと三人で居ること、この完全なる関係性を、子供時代から学生時代、社会人になってから、そして現在に至るまで、時制ばらばらで行きつ戻りつして描かれた、極小にして壮大な物語。
当たり前だがそれでいてきちんとBL。
本当にBLっていうジャンル…

0

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

きれいな思い出がしこりになっていたらそれはもう仕方が無い

高校生のときに知り合った二人がすれ違ったまま別れ、13年経って再会するお話。
相変わらず、心理描写が丁寧で、とても読みやすかった。
表題作は一束視点で展開されるため、一束の気持ちに寄り添いながら読むのですが、弓削も同じように屈託を抱えたままであることが、細かな描写から見て取れてドキドキしました。
こんなにきれいな思い出を抱えて宝物のように大切にしていたら、それは何物も太刀打ちできず、気持ちは…

0

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

地雷だったようです

新聞社シリーズはほとんど読み切っています。
ペーパーバック2を読めば完読かな。
ペーパーバックを読み終わってこれまでの本を一斉に評価しようと思い立ちました。
他の本は評価のみなのですが、このお話だけレビューをと。

読み物として、とても楽く読ませてもらいましたが、BLとしてルンルンと楽しむだけとしては、佐伯が地雷でした。
と言うか、不倫、現地妻でドン引きです。

前作is in y…

0

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

評価の分かれてる理由わかります

「is in you」のスピンオフ作品。
当て馬役の佐伯の幼馴染兄妹との不思議な三角関係を描いたちょっと大人なBL小説でした。

なかなかBLな展開にならず、幼馴染としての佐伯と良時+良時の妹の関係のストーリーがしばらく続きます。
それが決して面白くない訳ではなく、一般小説として読んだとしても面白いと思えるくらいでした。

ただ、萌えるかと言われたら…そこまでかな、という感想ですかね。…

1

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

is in you

なんと素敵なタイトルでしょうか。
読む前も思いましたが、読後振り返ってみるとしみじみとタイトルの意味に心が震えるようなお話でした。

出会って恋に落ちて、しかし学生ならではの未熟さ、言葉の足りなさ、自意識から成就しなかった恋愛が運命に導かれたように再燃、というドラマチックなストーリーで最初から引き込まれました。

アンニュイな受けと、太陽属性の攻め。好きなCPでした。
どちらかに付き合…

0

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

ややこしい関係もエンタメだからこそ?

良時、良時の病弱な妹十和子、良時の腐れ縁&十和子の(元)夫密の歪なトライアングル、妹を介した男たちの長い愛の話です。

別作品で登場済みの密は、長く海外に駐在し、妻がいるのに男とも浮気する(攻として)、切れ者だけど扱い辛い、難しい男。

そんな密が、異動で日本に戻ったものの十和子から離婚を切り出されたと、良時の元に転がり込みます。

良時は妹思いでかつ気難しい密とも長くて付き合っていけ…

1
PAGE TOP