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2/4(合計:35件)
長野まゆみ
renachi
ネタバレ
シリーズ三作目。前二作とは構成が変わり、短編四つが収録されている。「」内のセリフを句点か読点で終わらせる独特の書き方も止めてしまったみたいで、文章の雰囲気も変わっていた。漢字をひらく割合は控えめになっていて読みやすかった。 最初はなんともヘンテコなお話。内容が微妙にとっ散らかっているような。嘘と屁理屈で押し通そうとする桜蔵のセリフに戸惑い、こんな性格だったかな?と思いつつ……ちょっと物言いも…
角川文庫版を読了、シリーズ二作目。心の準備をする間もなく最初から飛ばしていて、誤ってこちらを先に読むと戸惑いそうな始まり。すでにソレが当たり前になっている世界が描かれるので、一作目を読み終えた直後の心構えで臨んだ方が良さそう。 よくぞここまで!と感心するほど、たくさんの得体の知れない男に目を付けられる桜蔵。一作目から引き続き、桜蔵の身体で未練や欲を満たして消えていく何者かが描かれる。 中に…
角川文庫版を読了。久しぶりに長野まゆみさんの作品を読んだら、文章が変わっていて驚いた。初期のインパクトが強すぎて。 醸し出す雰囲気には情緒があり、世界観にどっぷり浸かれる心地良さは健在で良かった。 ほんのりホラー風味な短編集。1章から12章までは同一の世界線で、1章ごとに何かが起こる。特に1章が魅力的で、一気に引き込まれた。 古風な風景の描写と謎の男と少々流されタイプな主人公。期待しない…
襖くろーらー
『左近の桜』 『咲くや、この花』 『さくら、うるわし』 『その花の名を知らず』←New! 『左近の桜』シリーズ第四弾。前作までは短編~中編の連作集でしたが、本作はまるっと1冊1話です。 冒頭は前作『さくら、うるわし』の少し後。二十歳の誕生日まであと数日の桜蔵くん。祖父の墓参りに行こうとバスに乗るのですが、またしても異界に迷い込みかけているのに気付き身構えます。ところが、起きたのは…
『左近の桜』シリーズ第3弾です。シリーズ第1弾『左近の桜』と第2弾『咲くや、この花』は、それぞれ全12章で1年分の物語という構成でしたが、本作『さくら、うるわし』は全4章で2年ぶんです。 前二作ほど古典などからの引用は多くないので、解りやすいといえば解りやすいような気もします。しかし幻想文学の雰囲気が更に濃くなり、まるで他人の見る悪夢にひきずり込まれるような読み味。読後しばらくすると、一体何…
『左近の桜』シリーズ最新刊『その花の名を知らず』発売を機に、おさらいをしようと思って再読しました。 ぼんやり何も考えずに読み流しても、耽美な世界観に酔いしれて楽しいですが、ちょっと気になる単語の意味を調べてみると、もっと楽しい小説です。だいたい、一般的な意味の他、へぇーって感心してしまう意味があり、時には少々お下品な意味もありますw 全体的に、今回は毛皮の話をしているようです。読み進め…
幻想的にしてほどほど耽美。文章のキレがよく、不思議な物語なので、つい繰り返し読んでしまいます。 数度目の再読で、ふと気になったワードをググってみたら、 ……え!? こ、これは……!? まじか!?!?!? 謎のワードの意味をひとつひとつを調べていくと、驚きの答えが浮かんできます。 これ以上言うとネタバレになっちゃうので言いませんけどw 既読の方で、単行本…
私は長野まゆみ先生の作品では、エロ度高いめか少年が主人公の幻想的な話か幻想文学に極フリしている物ばかり読んで来たので、現実的な世界観で現実的な恋愛をする話は新鮮と感じました。 冒頭部分では凛一の性格が長野作品の主人公にしては大人しいぞ……! と驚いたんですけれども、物語が進んでいくにつれ、やっぱり彼も長野作品の主人公だなと。見た目は可憐でもメンタルは鬼ですね。 凛一周りの底意地の悪い関…
甘食
高校生の主人公・桜蔵は男同士の逢瀬に使われる宿を営んでいる家の息子で、自身も死者や妖の雄を呼び寄せ毎度体を奪われてしまうという体質。 純日本風の旅館の淫靡な雰囲気や、大好きなホラー要素も満載だったけどいまいち乗りきれなかったのは、ちょくちょく出てくる桜蔵の彼女の存在。ノンケなのに父やその友人から「お前の本質は女だ」と事あるごとに言われて可哀想でした。あと妖に犯されても記憶も感触も残っておらず…
ももよたん
今まで読んだ長野作品の中では1番内容が頭にスーッと入ってきた物語だったように思います。 わかりにくい比喩や表現がなくとてもわかりやすいです。 主人公の鳥貝が大学入学にあたり学生寮に入ろうとするのですが、そこの住人たちが曲者揃いで何かと鳥貝にちょっかいを出して来るんですね。 中でも百合子(という名字の青年です)は、初対面の印象が悪く、何かにつけイジワルをしかけてきます。 鳥貝は実は養…