永井三郎さんのレビュー一覧

深潭回廊 2 コミック

永井三郎 

続きがとても気になります

渚を取り巻く大人の男たちに、反吐が出る程の怒りを覚えました。

山田(柳田)は渚が遠くを見詰める眼差しに、やはり南條くんを重ねていたんだなぁ…と。

そしてその渚から南條君の行方を知った山田は、目の前の現実が何も見えてないんです。彼はまだ夢の中を漂っていると思いました。そんな山田を慕う渚が切ないし、彼の物分かりの良さに悲しくなりました。

智が父親を嫌っている気持ちも分かりましたが、何…

3

深潭回廊 2 コミック

永井三郎 

すぐそばにある闇

少しずつでも穏やかにハッピーエンドに向かうかと思ったら、やっぱりそんなわけありませんでした。全ページほぼ、闇。搾取され続ける渚の死んだ目が読んだ後もずっと突き刺さって離れません。
狭い地域で、小さな世界で、まだ非力で逃げることができない子供が弱い大人に蹂躙される様は、この作品だけでなく現実にあることを改めて考えさせられます。
柳田との共依存気味の関係もあるきっかけから少しずつ変化して、渚の場所…

5

深潭回廊 2 コミック

永井三郎 

人格を伴う関係が築けないか

カバーイラストにもある、自分の性癖や過去から逃げる大人と、大人の性の捌け口にされる少年の膝枕が刹那的です。
2巻では、渚を取り囲む汚い大人たちと大人になりつつある少年少女たち、また柳田の過去の重要人物との切り口のお話でした。衝撃に毒が抜けたような白い柳田が印象に残ります。

前半の大人と子供、後半の柳田の少年時代と現在は対になっているのでしょうか。
行為が出来なければ一緒に居られないのか、…

3

深潭回廊 2 コミック

永井三郎 

SOSに気づいて!

1巻から予想はついてたのですが、渚の置かれた環境が酷すぎて読むのが少々辛い2巻でした。
親に縛られ、周りの大人に搾取されている。
その状況をなかば諦めている感じなのが余計に辛い。
そっと発した信号に柳田は気づいてやれるのだろうか。
どうか気づいて欲しい、と今は祈るしかありません。

憎いと感じながら心の隅でまた会いたいと焦がれていたんでしょうね、南条くんに。
柳田との思い出を物語にし…

3

深潭回廊 2 コミック

永井三郎 

渚と山田の地獄

最初に言うと、まだ終わりません。続きます。
まあ、こういう主題だから2巻でストンと完結するわけもないですね…

冒頭、渚とまったりな山田の図。
何よ。山田はすっかり憑き物が落ちたようなイケメンで、渚も山田の傍で小悪魔なんかじゃなくて邪気のない可愛らしさを漂わせてるじゃないの。
だけどこの巻は渚のいる地獄がこれでもか、と描かれる。
それは家。
それは学校の校内。
それは学校を抜け出し…

9

深潭回廊 2 コミック

永井三郎 

身勝手な男たちに怒りが止まらない

『深譚回廊』の2巻ですが、人間の本質を遠慮なしに描き出し、残酷で救われない世界をありありと映し出しています。
1巻の〝モっさん〟のような怪物は出て来ませんが、私には大人たちが本物の怪物に見えました。

渚によって救われた柳。
そして、渚も柳に必要とされることで救われているのだと思う。

村の男たちに性の対象として見られ、身体を貪られ続ける渚。
どこの世界に汚いおっさんにヤられてなんと…

11

深潭回廊 2 コミック

永井三郎 

読み手を選ぶ作品かと思われるが。

『深潭回廊』の2巻目。
永井先生の代表作の一つと言って良いでしょう、『スメルズ ライク グリーン スピリット』のスピンオフ作品。『スメルズ~』の主人公の三島を襲った、高校教師の柳田先生のお話です。続きものなので前作が未読だと理解できません。未読の方はそちらを読まれてから今作品を読まれることをお勧めします。

三島から、そして自身の性癖から逃げ続けた柳田が行き着いた、小さな島。
名を隠し、山…

17

緊縛パッション コミック

永井三郎 

噛めば噛むほど面白い脳内スパーク漫画

【あらすじ】
緊縛された男をエロく描く絵師になりたい!!と夢を持つ攻は、己のリビドーとパッションを絵と男達にぶつけて来た。
しかし、描く!抱く!を繰り返して、もう描きたいモデルが居なくなってしまった。
今後について友人にアドバイスを受けつつ、偶々前を通りかかった真面目を絵に描いたような受を見つけ、緊縛絵を描かせて欲しいとモデルに頼むのであった。
【不向きかも】終始ギャグが苦手・ギャグ絵が苦…

2

深潭回廊 1 コミック

永井三郎 

罪と比例する幸福

本流未読でこちらのみの感想です。内容が分かっていて読む人しかいないにしても、「しゅみじゃない」評価が0はすごいですね。

柳田先生が他の人と同じように憎悪している、自身の“獣”のおぞましい可視化が強烈でした。
ペドフィリアだからといってそれ自体が罪ではない。自分でどうすることもできず、本人すら自身を恐れていることは木原音瀬さんの「ラブセメタリー」にもありました。
彼が自分を理解し抑え付け、…

5

スメルズライクグリーンスピリット SIDE:A コミック

永井三郎 

いい意味で「道徳の教科書」のような…。


一時話題にあったので、趣向とは違いましたが興味本位で購入しました。

A、Bともに購入し、本来なら後編Bにレビューをするのですが、初めて読まれる方向けにこちらにレビューを残します。

多くの神評価がつき、皆さんが絶賛される中、このような評価をつけてもいいものか恐縮で躊躇いました…。

一言でまとめてしまうと
「セクシャリティのお話」だったのではないのかな、と思います。

BL…

5
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