中庭みかなさんのレビュー一覧

ディアレスト 小説

中庭みかな  野ノ宮いと 

辛くても忘れてはいけない想いがある

今回は心が欠けた領主の息子と足の悪い使用人のお話です。

受様のみを求める攻様と身分違いをやむ受様がその関係を変えるまで。

今からほんの少し前、この国には魔法の力が残っていました。しかし人が
石炭を燃やし、大きな船を動かす事ができるようになると、かつて神秘の
力をつかさどった魔法の使い手は今では皆どこかに立ち去ります。

しかしただ1人、国王の元に残った名も知れない魔法使いがい…

8

ディアレスト 小説

中庭みかな  野ノ宮いと 

悲しくも優しい物語

高校生ものなのに、重く深く複雑な関係性を描ききったデビュー作以降、読者を選ぶのかなぁと他作品に手を出すのをためらっていました。今回はシンプルなタイトルにビビっと惹かれて、読んでみたくなりました。

外国が舞台の主従ものです。時代ははっきりと記されてはいません。物語に触れて抱いた最初の印象は、某こども劇場を思い出させるようなノスタルジックで悲しげな雰囲気。イラストもかわいらしくて、お話に合ってい…

12

ディアレスト 小説

中庭みかな  野ノ宮いと 

私の読みたい物語がここにありました。

人には誰しも忘れたいと思うことが生きていれば一つや二つあるかと思います。それは辛いことだったり、あまりに幸福すぎて失ったことに耐えられない思い出だったり、もしくは忘れてしまった方が楽な恋だったり……。
そんな忘れたいという悲しい願いが人生で一度だけ叶えられる魔法が存在する世界のお話です。

キオはロシェルへの恋心を忘れたいと願いました。キオは純粋すぎたんですね。まっすぐに愛するが故に嫉妬とい…

16

キャンディカラーの世界できみと 小説

中庭みかな  すずくらはる 

極彩色の情景描写、心理描写。圧巻の名作。

素晴らしかったです。
何度も読みながらしみじみと感動が胸にしみて、泣きました。

中庭先生の作品を読むと、主人公の「この世界にひとりぼっち」という感じの孤独が胸にしみこんできて、その切なさに泣くことがよくあります。
今回も、智弘(受け)のそんな孤独が胸にしみたのですが、それ以外の部分でも感動で泣きました。

アルマの庭の美しさは本当に素晴らしかった。
智弘がぎこぎこと古いママチャリを…

3

むすんで、ひらかないで 小説

中庭みかな  倉橋トモ 

絆が無ければ作ればいい

挿し絵は可愛い感じなので(表紙買いするため)そんなイメージで読み始めたら、あれ?少し重め?というのが最初の印象でした。
でも、暗くなり過ぎないような書き方を中庭先生はしますね。
軽すぎず重すぎず、ちょうどよい読後感。私は好きだなぁと思いました。

高校の時互いに惹かれあっていたのに急な離別。理由も分からず6年の月日を過ごした律の元に届いた同窓会の知らせに書かれていた参加予定者名は、離れてし…

3

黄金のひとふれ 小説

中庭みかな  テクノサマタ 

号泣必至の名作

中庭先生の作品は、受けちゃんが

・めちゃくちゃ健気で一途
・ちょっとアホの子
・斜め上に努力しがち
・攻め様大好き…だけど、自分の思いは迷惑だろうと気持ちを必死で殺す
・生きづらさを感じてる
・心理的、肉体的に暴力を受けた経験があり、それがトラウマになっている

という子が多くて、しかもその、受けちゃんが我慢して生きてる描写がものすごく丁寧なのでしんどくなることも多々あるんです…

7

きみはいつか、ぼくの声をきく 小説

中庭みかな  木村ヒデサト 

光なのか闇なのか

中庭みかな先生、初めて読みました。

高校生の男女四人が、それぞれに親密な繋がりを求め合う物語。

真幸は心因性による発話障害があって、学校では居場所がない。小学生の頃から幼馴染みだった純太がずっと真幸を守ってくれていたけれど、純太に美由紀という彼女ができると、その子が真幸に嫉妬して友人関係が拗れていきます。更に真幸を構ってくる転校生の実波が加わり、今度は純太が実波に嫉妬して泥沼化していく…

1

片恋のスピカ コミコミ特典ペーパー 特典

柊吾の密かな楽しみ

本品は『片恋のスピカ』のコミコミオリジナル特典ペーパーです。

本編後、 乙矢がある事に悩みむお話です。

近頃の乙矢はある悩みを抱えています。それは柊吾が何くれとなく
エプロンの紐に触ってきるために乙矢はビクッとしてしまう事。

乙矢には何が楽しいのかわかりませんが、どうやら最近の柊吾は
この行為がお気に入りのようなのです。声を掛けられてならまだしも
ふいうちのようにすれ違い…

1

片恋のスピカ 小説

中庭みかな  さがのひを 

輝きは違っても誰もが光る星のひとつ

今回は図書館勤務の公務員と図書館アルバイトのお話です。

受視点で恋の始まりから成就までと攻視点で全てを知る夜を過ごすまで。

受様は華奢な見た目と名前の響き、受様が惹かれるのは男の人だった
事から、男子達はからかいの対象として学校ではいじられ放題のキャラを
演じさせられていました。

それでも高校卒業後は志望したデザイン系の専門学校を経て就職を果たし
普通に過ごせると思っていた…

3

片恋のスピカ 小説

中庭みかな  さがのひを 

ゆっくり

ゆっくり優しく進むお話。お話は好きでしたが、ちょっと長く感じてしまったので萌にしました。本編190P+その続き110P超+あとがき。職場での悪気ない(今では許されないコンプラ違反になるんじゃないかと思う)苛めがあって結構辛いなあと思ったので、トラウマある方は少し心に留めておいていただいた方がよいかも。

メンタルダウンにより会社を辞め、一時休養した後、図書館でのアルバイトで生計をたてている乙矢…

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