金ひかるさんのレビュー一覧

ペーパームーン 小説

剛しいら  金ひかる 

生の強さ

「ムーンライト」の続編。
記憶喪失で重い心臓病の主人公・浩之は、記憶を取り戻し難しい手術も終えて、今以前よりずっと健康になって医師の一樹と同居している。
本作は、そんな2人の穏やかで優しくて愛と思いやりの生活、が始まりながらも、やはり「波乱」が語られます。
とはいえ、読み終わって感じるのは。
単純に「BL小説」の枠内というよりももっと「生と死」に関してのある意味普遍的なテーマ。
死に誰よ…

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ムーンライト 小説

剛しいら  金ひかる 

月夜の人魚のような男

事前情報無しで読み始めて…ありゃ〜……
私の苦手設定でした。
「記憶喪失」。
気分が下がりつつ読んだのですが、さすが剛しいら先生。内に激しさを秘めた静かな愛の行方を描いて悪くない、いや良いといえる作品。

私が嫌いなのは、途中で事故かなんかで片方が記憶喪失になる設定。
これが来ると創作に対しての「逃げ」を感じる。大怪我とか体に受けるダメージ、それに伴う経済的社会的なダメージ、そこはすっ…

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素直じゃないにもほどがある 小説

成宮ゆり  金ひかる 

この二人でよく上手くいったな

傲慢と俺様に自己完結型という属性がプラスされると、ここまで面倒なことになる、と見せてくれたようなお話。樋野がそんなキャラで、これを市原視点で見るので、振り回されてる感がすごい。この二人でよく上手くいったな、と思った。

ストーリーはBL一本な感じ。副社長で結婚間近の樋野と、変態ホイホイな花屋の店長市原が、偶然再会するところから始まる。樋野の結婚話は中盤あたりでさらっと種明かしされ、良く言えば安…

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きっと優しい夜 小説

うえだ真由  金ひかる 

ちょっぴりビターな恋物語

上司と部下の王道展開な恋物語かと思いきや…
意外や意外ちょっぴりビターな展開が待ち受けていました。
でもそれが面白かったー。読んで良かった作品です。

まず受けの過去がやっぱり辛い。真面目で根っから頑張り屋さんなだけに、現在の状況になってしまったのか気の毒で。

職人肌で無骨な攻めの受けへの真っ直ぐな告白。
それに対する受けの返事。
そんな子じゃないと分かるだけに、辛かったです。

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山神様のお嫁さま 小説

久我有加  金ひかる 

山神さまのピコピコ耳を触ったら

久我有加先生の、可愛らしい和風ファンタジー・:*+.
先生初めてのケモミミ攻めとのこと。ぴこぴこ動く狼耳が可愛かった☺︎
Kindle Unlimitedにて拝読しました。

久我先生ならではの軽快な大阪弁が耳に心地よい、
山神さま×森林学科の大学1年生の婚姻譚です。

ほぼ10年前の作品ですが、素敵な作品は
本当に色褪せないんだなあ…としみじみ感じる、癒しのお話でした☺︎

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月も星もない 小説

久我有加  金ひかる 

月も星もない夜、見上げた光に導かれて。じんと胸に響く芸人BL

やっぱり大好きだなあ、久我有加先生。。

先生の「芸人シリーズ」初期のこちら、
やっとやっと、読むことができました。

軽快な関西弁のリズムが読んでいて心地よく、
思わずセリフをちょっと声に出して呟いてしまったほど。

タイトルの「月も星もない」は本編に出てくる二人の出会いの
印象的なシーンを表したものですが、あとがきによると
”ツキもスター性もない”という意味も掛け合わせたも…

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甘えたがりなネコなのに。 小説

小中大豆  金ひかる 

富蔵さんに癒される

正治との最悪すぎる出会いを含め、
亮平には非はないのにどこまでも不運が続いていく展開に最初は苦しくなってしまったけれど。
その最初の苦しさを過ぎたらハラハラな部分は少なくて
わりと微笑ましい気持ちで読むことができました。

難しそうな人にも思えた正治はとても面倒見が良く、恋敵である亮平にも躊躇いなく手を差し伸べてくれて。
あの優しさに触れたら亮平が一目惚れをこえてガチ惚れしてしまうのも…

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ふたりでつくるハッピーエンド 小説

安西リカ  金ひかる 

年齢がもっと近ければ

 人気俳優×俳優を目指す東大生で親子ほど年の離れた二人の話でした。
 東大生の受けは高校の頃、芸能事務所に所属する同じ学校の後輩の家庭教師をしたことがあり、そのときに後輩のマネージャーを通じて俳優である攻めから映画のDVDを借り、感想を添えて返す、という交流がありました。
 受けは舞台のオーディションを受けますが、父親から芸能活動を反対され、家出をします。ちょうどその頃、攻めの家政婦が退職し、…

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甘えたがりなネコなのに。 小説

小中大豆  金ひかる 

ギャップ持ちの2人

外見がハデなせいでチャラく見られて、本当はネコ希望なのにタチばかり求められるし、周りからはいい加減なチャラ男と誤解されっぱなしの受けが主人公。

本当は真面目で控えめで温厚な受け。
顔がハデで似合うからって美容師の友達がやってくれるままのスタイルを保って、周りからは散々に誤解されて…善良な人なのは分かるけど自分の意見もあまり言えないタイプで、美容師さんにハッキリ言えなくとも相談すれば良かった…

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バイバイ、ハックルベリー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

いまひとつ話の波に乗れない

 大学の同級生同士。気遣い屋の攻め×思ったことをすぐに口に出す受けのモダモダ恋愛。
 受けの塁が攻めの槙志から「ヒカリ」という人物に間違われたことで二人は友達になり、サークルも同じオセロのサークルで、一番近しい存在になります。
 塁は槙志のことを知るにつれ、彼にとって大事な相手らしい「ヒカリ」との関係が気になるようになります。それに並行して徐々に互いが友達以上の存在になり、槙志が塁に不意打ちで…

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