電子限定おまけ付き
あーすごいよかったなー。
金ひかるさんが表紙だとちょっと底上げして良く思ってしまってるかもしれない心配がなくもないんですが、多分ちゃんと良いです!
メインカプの正治と亮平は感情移入出来るし、全然良いんですが、亮平の友達の翔一は酷くねえか何気にクズだし何で可愛い子ぶってんだ、と全く好感持てないし、正治の元カレ佳史もまあ重くされると逃げたくなる気持ちは分からなくもないけど、まったくスジ通さないし打算的でやっぱり好感持てないよねえ。なんか二人とも人見る目無くない?と思ってしまった。亮平のもう一人の友達池田くんと、正治の幼馴染の山川さんはいい人だけどねっ!
富蔵さん(猫)とクロの存在に癒されてとても良かったけれど、電子限定おまけSSには切なくなってしまったよ…とても幸せではあるけれどね。はあ、家にもそこそこシニアの猫がいるから他人事じゃないな。ちょっとしんみりしちゃった。
私は攻め様が受け様の事で嫉妬したり、動揺したりする姿に妄想をかきたてられて萌えるので、このお話もとても好きだなー、でした。
受け様の亮平は、チャラい見た目に反して真面目でお人よしで中身は好青年。
攻め様の正治も、コワモテだけど面倒見のいい人で。
勘違いから亮平の処女を奪ったと知った時の正治か動揺してるところでは、妄想のし甲斐があり、にやにやが止まりませんでした。
過去の失恋や家族の喪失の痛みの記憶で、大事なものを作ってそれを失うことが恐い正治は、亮平が大事になればなるほど好きだと告げるのがでなくて。
亮平も自分が正治のタイプではないと自覚してるから、好きだと告げて離れるよりは今のままがいい。
2人、あいまいな関係のまま同居生活を過ごす内、正治の元彼の出現で家を出ようと部屋探しを始める亮平。
それを知って不機嫌になる正治。この時の正治の焦燥を思うとまたしてもニヤニヤしてしまう。
元彼から正治に連絡があって、亮平が家を出ようとした本当の理由を知った正治は、元彼に会ってきっぱり過去のものとしてケジメをつけてきて、改めて亮平を口説いてハッピーエンド。
遠慮遠慮しい亮平だけど、これからは正治からのしつこくて重くてあまーい愛をあびて、甘えさせてもらって幸せになるんだよー。
猫の富蔵さんと子犬のクロがかわいくて、いい癒しでした。
外見がチャライので誤解されがちの亮平(受)と、見た目が怖いけど本当は面倒見が良い正治(攻)。
良いカップルだなと思いました。この二人、大好きです。
亮平(受)の視点です。
私はセフレとかいるのって余り好きじゃないんですが、亮平がピュアだからか、正治はセフレがいる遊び人だったけど今は全員と手を切っているならいいかぁーって読んでいて思えました。そうじゃなきゃ抱いたりしないですし、最初のそれがなくて同居しているうちに惹かれて…だとインパクト弱かったかなと思うので。
最初は「古河」呼びだったのに、途中に男を挟んで「正治」に切り替わるところとか自然で良いです。猫の名前が「富蔵」さんなのも、なんとなくとしか言いようがないとか、そういうフィーリングが素敵だなと感じました。初対面は散々だったけど、偶然の再会から同居して互いを知って、という展開がすんなり入ってきました。
あと、亮平の友人で、不良の説明(窓ガラス割ったり、盗んだ原付で)の前に「リアルに」というのが付いていてぶはっと笑ってしまいました。念押しする理由が分かる人は分かるっ。
金ひかる先生のイラストはどれも素敵なのですが、私が一番気に入ったのは、フミと呼んでしまい頭を抱える正治と頬にキスの場面でした。
中身はオトメンなのに外見がチャラく、ろくでなしに見えるせいで色々と誤解を受けがちな亮平(受け)。トラブルに巻き込まれることも多く、身に覚えのないことで大家に睨まれ、怪我をした犬猫を拾ったことが決定打となりアパートを追い出されるが、そこを助けてくれたのは以前誤解で殴られた相手・正治(攻め)だった。
友人に頼まれて彼氏のふりをした際、その友人に付きまとって捨てられた男が正治だった。騙したことで良心が咎めるのに、正治に惹かれてしまう亮平だったが…。
受けは外見が派手で、体格もがっしり筋肉質なため、ネコなのにネコにしか好かれないゲイです。今まで付き合ったことがあるのもネコとばかりなので、結果的に後ろは処女。
その受けは、しつこい男に付きまとわれてるから彼氏のふりをしてほしい、と言われて彼氏のふりをした挙句、その「しつこい男」に殴られます。
実はこれは友人が適当なことを言っていただけで、真面目に受けの友人と付き合おうとして真剣に迫っていた相手。友人はそんなに悪いやつではないのですが、殴られた受けも、振られた男(攻め)も気の毒。冒頭で受けが誤解を受けたり色々理不尽な目に遭うので、それと重なってかなりイライラさせられました。
そういう、優しいいい子なのに理不尽な目に遭っている受けを託せるほどには、攻めに包容力が足りなかったかなぁ、と思います。いや、すごくいい人なんですよ、行き場のない受けを犬猫とまとめて面倒見てくれるし、受けのヤカラな外見にもそれほど動じないし。でも言葉少ない人の気持ちを察する能力にはそれほど長けていない感じでした。もうちょっと受けを甘やかしてあげてほしかった。
まあ、受けも、乙女で控えめだけど、これから愛される自信がついてくるだろうし、2人と2匹(犬と猫)で仲良く暮らしていってくれると思います。
この先別れる心配のまったくない、割れ鍋にとじぶたなカップルで、ニコニコしながら読み終えることができました。
タイトル通り「本当はネコちゃんで甘えたがりなのに」派手でチャラい外見のせいでネコしか寄ってこず、仕方なくバリタチをやっている……という亮平が主人公のお話。
この子がほんとにいい子でして、かわいかった。
「遊び相手がしつこいから彼氏のフリをしてくれ」と頼み込まれて引き受けたけれど、その「しつこい相手」に一目惚れしてしまった亮平。
でもまんまと彼氏だと信じ込んだ相手(攻めの正治)から殴られてしまい、出会いと同時に失恋……。
痛む頰と心を抱えて街を歩く亮平が見つけたのは瀕死の仔犬と野良猫。
ほおって置けず動物病院に駆け込むとそこはボッタクリ病院で貯金を全部費やすハメになるわ、帰宅すればボヤ騒ぎの濡れ衣を着せられアパートを追い出されるわ…と、路頭に迷いかける亮平。
とまぁ、お気の毒状態の連続というか、損してばかりなんです。
そんな窮地を救ってくれたのは、なんと攻めの正治。
(ただし自分が好きな子の彼氏がウリを持ちかけて来たら、(誤解なんだけど)「てめぇ!あいつはどうしたよ!!こんなところで何やってるんだ!」と半殺しにされてもおかしくないはずなのに、10万円も出して亮平を一晩買うくだりがちょっと理解しがたかった……。)
亮平を未だ友達の彼氏だと思い込んでる正治と同居することになり、この誤解をどこまで引っ張るのかなと思ってたら割とアッサリとバレます。
「バレる、バレない」がこのお話のメインではないんです。
正治には過去、養子縁組までして永遠を誓った相手がいたのだけど、彼に捨てられてしまった過去があるんです。
両親も、妹も、飼い犬も亡くし、永遠を誓った相手でさえ自分の元から去ってしまった彼はすっかり臆病になっていて、新しい恋に飛び込めない。
亮平も自分は正治のタイプではないということを知っているので、一歩踏み出せない。
一つ屋根の下で暮らすうちに、お互い相手に惹かれ合い始めた二人。
お互いに心にセーブしながら、「友達」と「恋人」との境目で揺れ惑う同居生活が切なくも、非常に美味しかったです。
電子版のおまけは恋人同士になった二人の10年後を描いています。