雀影さんのレビュー一覧

鈍色の華 小説

木原音瀬  ZAKK 

痛くはないが、甘くもない

久しぶりの木原先生。
清々しいくらいにエロばっかりで愛がない。
愛しているのに報われない。
愛はないけど肉欲で離れられない。
打算で始めたはずなのに逃れそこなう。
表題作と続編とで、中年のさえないおっさん(魔性の受け)と金髪と茶髪のアメリカ人、日本の若いやり手社長、そして外資系会社のサラリーマンの、5人の男が登場するが、果たして一番の幸せを手に入れたのは、この中の誰だったんだろう。
最…

8

残骸はあさってのほう コミック

エマオ 

泣き顔がすごいのよ

テーマアンソロジー掲載作を集めた短編集なので、どうしても1作品ごとが細切れというか、ぶち込まれたものが濃厚すぎて説明が追い付かず、展開の唐突さが目立つ感じがするのは、まあ、しかたがない。
絵は、デッサンがしっかりしているというか、肉体の量感がしっかり描かれていてとてもお上手。
自在なアングルで、濃厚な内容が、饒舌すぎるほどに表現されていて、なんというか、おなか一杯になった。
ぶっ飛んでいると…

1

最果てのアムリタ コミック

つくも号 

あれ?

つくも号さん、以前読んだ本(最後の三月)の記憶と、この表紙絵の印象から、この本も切ない系かなと思って購入したんですが、えぇっと、結構がっつりなショタエロでした。
最新刊もガッツリエロみたいだし、っていうか、紹介されている新刊(純愛インモラル)がつくも号さんだと認識していなかったというか、、、。
表題作は、ざっくりまとめちゃうと島の少年を弄んで捨てる話なので、描き下ろしも含めて、表紙の印象通りの…

3

海と二人の塩分濃度 コミック

ウノハナ 

めんどくさい年上受けが好き

5年越しの恋をあきらめるために来た夏の海。
好きな人は一人で、猫と暮らしていた。
っていう、絵になるシーンで始まる物語。
ウノハナさんの作品っていつも、ストーリーが映画のように脳内で展開するって感心するのだが、この作品も映画で見てみたいって思う。
十歳年上の居酒屋の主人を、高校生のころから夏ごとにバイトに来ていた現在大学4年生の若者が口説き落とす話で、これ、居酒屋主人が女性設定の男女の話と…

3

恋と毛玉とお隣さん コミック

須坂紫那 

宇宙からの侵略者

表題作は、猫が取り持つご近所愛の中編。
美貌だが気軽な人付き合いが苦手なサラリーマン一之瀬が、在宅仕事の茶髪君土屋の部屋から猫が飛び出してきたのをきっかけに、土屋の部屋を訪れるようになって…。
他に、嘘から出た実で片思いが実る話と、瓢箪から駒でずっと片思いしてた幼馴染と両思いになる話、さらに宇宙から来た侵略者を好きになる話の短編が3編と、それぞれの話のおまけつき。
どのお話もコメディ成分多め…

1

舟を浮かべて コミック

阿弥陀しずく 

スパダリ(仮)はちょっと面倒で、結構ちょろい

スパダリ攻めに男前美人受けのお話と、高校生の初めての恋物語の素晴らしいマリアージュ!
って、まあ、マリアージュって何よって感じですが、
お金持ち学校に通っていたお坊ちゃまが、公立高校に転校してきた理由は…、というところから始まるお話。
このお話のいいところって、主人公たちがそれぞれの想いを、大事なのは、自分たちがどうしたいかであって、男同士だからとか、他人にどう思われるとか、そんなことは関係…

3

ディナーのあとは秘密の時間 コミック

青井さび(内田つち) 

うっすら甘い

片思いを隠して親友の位置にいたはずが、親友の弟とついうっかり出来上がっちゃって、泥沼の三角関係に陥っちゃうお話。
っていうのは、嘘です。
いっそ、こういうお話だったら中立評価にしなかったのになって思っただけです。
このお話に登場する3人共、自分の置かれた状況に対してのパッションが希薄というか、なんというか、
主人公の澄一は、ずっと親友に片思いしているのを隠している自分っていう状況が一番傷つ…

2

学園天国 それは恋です小泉くん コミック

秀良子 

そのうち逆転ありかしら?

この表紙、作家買いの通販予約じゃなきゃ、確実に見落とす予想外のポップさ。
最初に登場する、ふわふわキラキラのクラスの人気者小泉君は、一見、既定の秀良子テイストからはずいぶんとかけ離れているようですが、大丈夫、ちゃんとドロドロするので、安心して読み進めてください。
ちゃんとドロドロって、随分な言い方&安心ってなんだよって感じですが、こんな風にしっかり二面性のあるキャラクターって萌える。
柏原の…

2

後輩が目を合わせてくれません 小説

栗城偲  石田惠美 

コミックで読みたい

ヘタレ後輩攻めの、男前先輩受け。
見つめることと、映画を撮ることを重ね合わせた設定は面白くていいなと思った。
好きだからこそ緊張して目を合わせられなくなってしまう川崎と、好きって言われて自分も好きだって確認したはずなのに目をそらされてしまう久地のすれ違い。
お互い勝手に自己完結してすれ違っているわけだが、とってもじれったい。
川崎はヘタレすぎだし、久地は痴漢の件といい無自覚すぎ。
目に映…

0

えんどうくんの実験ノート 上 コミック

ハヤカワノジコ 

まあ、子どものすることだから

表に出る感情がわかりにくいようで、実はとってもわかりやすい遠藤君と、表に出す表情はわかりやすいようで、実は何もわかっていない津田の関係は、
何も進んでないだろ!
主に津田のせいで。
二人の関係と将来を動かすためにか、津田兄登場。
こういう、おさわがせ系の兄の姿をずっと見てきて、そんな兄に敵わないって思いながら育てば、津田みたいな子になっちゃうのか。
絵の雰囲気は相変わらず素敵です。
絵…

3
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