Sakura0904![]()
3兄弟バランスよく詰まっていた1巻と異なり、序盤こそ錦の三ツ葉宅訪問などのシーンはあるものの、ほぼ芙蓉と春雷カプがメインとなっていました。私は芙蓉がお気に入りなので嬉しかったですね。誰の意にも介さず奔放に生きてきたように見える芙蓉だけど、実際は繊細で好きな人を傷付けることを何よりも恐れている。2巻ではヴァンプのスプリームが登場し、芙蓉でさえもその強力なフェロモンには逆らえない事実を突きつけられま…
上巻の冒頭で示された時系列の不思議が下巻で一気に解明され、そう来たかぁと思わずにはいられませんでした。すべて知った今となっては、敦也が眠っていた間、洋二はよく1人で耐えたなぁと感心するばかりです。遼一の犯した罪と、彼のせいで目覚めなくなった愛しい人。まだ大学生で、遼一の元で歪に育ってしまった洋二にはあまりにも重い現実だったのではないでしょうか。
彼がそんな重みを耐え抜くことができたのは、…
終始不穏な空気が漂ってはいるものの、なんだかんだ洋二に穏やかに接してくれる靴職人の敦也がいるシーンは心安らかに読めました。不穏な空気の要因は、洋二の兄の遼一。登場シーンはかなり少ないものの、弟にも同級生だった敦也にもかなり影響を与えており、2人の口から語られる度にどきっとさせられます。
2人の話を聞く限りでは、根っからのサイコパスという印象です。教えられなくても他人の懐に入り込む術を心得…
先に発売された『愛を知らない〜』と主人公は同じでありながら、世界観、主人公の生活、彼と出会う攻めはまったく異なるという設定になっています。前作の方はメインルートがあったのに対し、こちらは3人の攻めそれぞれ主役となる長さが同じくらいでした。主人公ニコラスの仕事や生活ぶりはこちらの方が普通ですが、逆に攻め3人が皆何かしらサイコパス気質や犯罪者気質を備えているので、前作よりも全体的にニコラスの纏う悲愴…
萌えとエロと胸糞悪さ、私にとってはどれもがバランスよく詰まった作品でした。ビデオチャットでの稼ぎ=自分の価値と考えているニコラス。彼の過去が掘り下げられることはありませんが、親の愛を知らなければ健全な価値観を持てないのも無理はないでしょう。一方で、フィルのように優しく相手を慮る言葉ばかり吐く人が、実は支配欲の強い人間だったりする、ということを知っているのは元々鋭い子なのかなぁとも思ったり。
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バイターとネクターであるメイン2人の関係性はとてもシリアスなはずなのに、お互いを想う気持ちがどちらも同じくらい強過ぎて、甘さもたっぷり孕んでいるのでお腹いっぱいになれました。幼い頃からみつるに心を奪われていたアンナの熱情、執着は前巻から明らかになっていましたが、みつるのアンナに対する気持ちも、アンナに引けを取らないほど強く重いものなのだということが、この巻でよく分かりました。
アンナは契…
ライバル的関係性、特別救助隊を目指す消防士同士で訓練三昧、ノンケ×ゲイという美味しい設定が盛り沢山なのに加え、矢島と鳥飼のやりとり、それぞれの性格も魅力たっぷりで、もっと読みたい!と思わずにはいられない作品でした。何でもそつなくこなす鳥飼に分かりやすく対抗意識を燃やす矢島。でも、鳥飼も影で努力しているし、彼の方からも矢島は似たような存在に見えているんですよね。
酒の勢いで一線を越えてしま…
展開としては特に目新しい出来事もありませんし、アルから陽人への気持ちはどんな時も一定で揺るがないので、大きな波乱やシリアス要素を求めている方には物足りないかもしれません。アルの執事が見合いを仕組むことで、陽人の気が引けてしまい、陽人からアルへの気持ちは一旦離れることに。しかし、それもさほど長くは続かず、誤解はすんなり解けて2人は今度こそ心身共にお互いのものになり、燃え上がる。
ストーリー…
すごい。攻めのスパダリ力がすごい。外国人であるアルのハイスペックぶりには陽人と同じく驚かされるばかりでしたが、女性の本能なのかもしれません、時々無性に大富豪イケメンが思いきり誰かを甘やかしてくれる物語が読みたくなるのは。濡れ場も多く、おわる先生の綺麗で可愛い絵も相俟って、上巻だけでもお腹いっぱいになりました。
一方で陽人も、本来アルの足元にも及ばないような人間なのかというとそうでもなく、…
下巻ではお仕事要素は薄まり、灯生の過去、灯生と生吹が初めて会った夜の出来事などに重きが置かれ、BL的な面が濃く描かれていました。上巻でそれなりに仕事面も描かれていたのでこれでバランスがとれているような気もしますし、一方で軌道に乗せかかった店をさらに安定させたとか、2人が新しいことを学んで成長したとかいう事実が欲しかったような気もして、正直仕事面に関してはどっちつかずの評価というところ。
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