Sakura0904
丹下先生の恋インシリーズ以外での初単行本化ということで、とても楽しみにしていました。セレブの世界観のためどうしても恋インがちらつくのも分かるのですが、丹下先生に関してはこういう世界観、受けを溺愛しているor溺愛する予定の攻め、すれ違いも当人達にとっては深刻だけど読者からすると見え透いていて安心できる程度、というのがもはや様式美として確立されているのだと思っています。丹下先生の限界を感じたという読…
メイン2人が編み物を通して繋がることもあって、終始柔らかな雰囲気の漂う温かい作品でした。編み物の本を出版したり、教室で教えたりしている糸瀬がとても優しくていい歳の取り方をしていて、柊真でなくてもこれは惚れてしまうよなぁと共感。妻を病気で亡くしており、その傷はまだまだ癒えてなくて時折心底辛そうな表情も見せる彼に、ああこの人は本当に奥さんを愛していたんだなぁ、彼女と過ごした時間が幸せだったんだなぁと…
攻めの印象が、序盤からめくるめくように変わっていくのがとても爽快な作品でした。非の打ち所がないように描かれる則雅に比べ、あまりにも爛れた登場の仕方で、その後則雅から己裕を引き離すやり口も横暴。なんて嫌な奴なんだ、と己裕も読者も感じたところから、徐々に本来の彼の姿が見えてくる。ドSな男が実は案外優しい、というのはベタ中のベタですが、サイの場合は感情的にも社会的にも横暴にならざるを得なかった理由があ…
千夜一夜物語になぞらえている部分もあり、殺伐とした話になっていくのかと少し構えましたが、表紙で手を繋いでいる2人の様子からも見て取れる通り、全体的にはとても穏やかな甘さの作品でした。過去に妻子もセフレもいた男に惚れ込んで、悲惨な結末を迎えたことがトラウマになっている葵。翔太がシェヘラザードの如く、時間をかけて忍耐強く彼の硬くなった心を溶かしていく様子に、胸が温かくなりました。
この手の話…
メインが毛人と王子の関係性なのは分かっているのだけど、どうしても毛人と布都姫の悲恋の方に気持ちが向いてしまいます。彼女が自ら志願して斎宮になったのならもう少し客観的に見れると思うのですが、彼女の意志で斎宮になったわけではないでしょうから、還俗する不名誉と恋心の間で揺れ、毛人以外に大した味方もおらず、泊瀬部と王子の勝手な思惑に振り回される彼女に感情移入してしまいました。
かといって、王子を…
エロとストーリーのバランスが良く、尚且つ碗先生らしく濡れ場はマニアックで濃厚、という何を求めて読んでもそれなりに満足できる作品だと思います。エンジェルという言葉をそのまま天使と解釈し、序盤でずっと勘違いしたままの西本には笑いましたが、お陰で最初の濡れ場から飲尿、飲精プレイを読めて碗先生の振り切ったエロに久々に気持ちが昂りました。
一方的過ぎて相手の言葉をまったく聞かない攻めも、ヘタレ過ぎ…
ARUKU先生の見事な物語のまとめ方に、ますますファンになりました。1巻の終わりの方で、なんとなくこれは幻の世界なのかなぁと思いましたが、幻であり現実でもあったのですね。家族の中で1人生き残ってしまい植物状態となった秋緒が、自分に残された命を捨てて家族を追うのか、もう一度生の喜びを感じたいのか、決断するまでの期間でもあったのかなぁと感じました。
彼の治療を担当した先生が秋緒の夢の中に2人…
からっとした軽快なオメガバースでした。濡れ場はさすがは春田先生という感じで濃い描写が楽しめる一方で、受けの獅子倉が良い意味でとろとろになり過ぎず、芯の強いところが微かに残っている絶妙な描き方が良かったです。ケンカップルとしては王道な展開、2人のやりとり。ですが、虎谷の回想で獅子倉の根がもっと悪どいのかと思いきや、元来は素直で可愛らしく、虎谷への好意も潔く自分から認めてしまうところにとても萌えまし…
ストーリー的には王道のラブコメでしたが、濡れ場の描き方や台詞にはやはり熊猫先生独特のセンスを感じ、味のあるタッチにそういうセンスも重なると最強だなぁと改めて思いました。そして、何と言っても受けでバンドマンの遊が可愛い。見た目はいかにも軽そうな男、ファンの女性を食い物にしていそうな男なんです。でも、本人はまったく女慣れしておらず、まさかの童貞。それで最初に川端のような人生経験豊富でテクニックもある…