Sakura0904
1巻の面白さとスピード感を損なうことなく、2巻も存分にめぐつぐの魅力を楽しめる巻となっていました。つぐみが恵への気持ちを恋愛的感情だと自覚するのにかなり時間がかかりますが、その間のエピソード1つひとつに読み応えがあり笑えたり萌えたりできるので、そこまで焦れったいと感じることはありませんでした。鈍感過ぎるといえばそうなのですが、そこはあくまでギャグ作品ということでご愛嬌かなと思います。
め…
冒頭のシーンからぐっと心を掴んでくれた作品でした。可愛さと萌えがぎゅっと詰まっているんです。森が朝ちゃんと起こしてくれなかったことに怒り、さらに彼が自分の大好物のオムライスを作ってくれていたことを知って、それを味わえないもどかしさに悶え、ケータイも鍵も忘れて出勤する宮本。そんな彼に呆れつつも、微笑ましく見送る森。この朝のたわいないシーンだけで、2人の魅力が十分過ぎるほど伝わってきて、もっと2人の…
◆トマトのてのひら(表題作)
ケガをしてぼろぼろの男に半ば強引に部屋に押しかけられてしまった智裕。という非日常的な導入で、コメディに振り切ってもないけれどけっしてリアル感は強くないストーリー。なんですが、この短いページ数の中でも攻め受けの魅力がきちんと伝わって、濡れ場にも萌えて、田舎の情景で締める終わり方も素敵だな、と思える何ともバランスの良い作品でした。田舎から上京してきた結果、今となっては…
付き合ってもうすぐ10年の2人。可愛らしい見た目はそのままに、言動は達観していてよく周りを見ている智沙と、自覚はありながらも自分の気持ちを整理することで精一杯の秀緒。確かに育った家庭環境を比較すると、片やほとんど顧みてもらえないまま両親が離婚してしまった智沙と、片や強気な女性陣に圧されながらも大家族に囲まれわいわい暮らしてきた秀緒では、智沙の方が気の毒な家庭だと言えるのかもしれません。
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いやぁすごいページ数でしたね。非常に読み応えがありました。武士の時代、親の仇は子の仇という時代ならではの復讐劇。話の大まかな流れは大体読めてしまうのですが、それでも1つひとつのシーンにおける2人の熱い、もしくは冷たい表情だったり、感情の滲み出る台詞だったりが素晴らしく、全体を通してエネルギッシュな作品でした。吹屋先生の画力の高さがあってこそのものだとも思います。
2人揃って刀爾郎を好いた…
攻めは元自衛隊員、受けも現役プロ野球選手ということで、どちらも体格が良く常に男臭さ溢れる絵面だったのが最高でした。勢い任せな行動ばかりの飛高はまさに若気の至りという感じ。でも、彼自身にその自覚もありますし、今までずっとハードな練習ばかりだったんだからノってる時に調子に乗らなくていつ乗るんだ?という考えはご尤もだと思うので、私はむしろ好感が持てました。犯罪さえ犯さなければ、この程度の羽目外しは可愛…
中盤までは前巻までの緊張感や勢いが少し薄れたかな?と思いましたが、後半はそう来るか、というシーンの連続で、前巻に負けず劣らず読み応えたっぷりでした。相と誠の切っても切れない関係は、実はとても複雑なもの。弟から兄への単純な執着では済ませられない。作者自身による正解は後書きの通り。けれど、私には必ずしも2人は常に母親を介して繋がってきたわけではないように思えます。それはあくまできっかけで、やはり兄弟…
『スメルズライクグリーンスピリット』は今でも大好きで、度々読み返す作品です。あの上下巻に溢れそうなほどいろんな要素が詰まっていて、私にとっては最も性について考えさせられた作品の1つ。あちらでは悪役に徹していた柳田ですが、下巻の描き下ろしではそんな彼の幼少期が描かれており、彼にも当然純粋な子供時代があったことを突き付けられましたよね。化け物なんかになりたくてなったわけじゃない。あの時誰か1人でも、…
◆Non Tea Room(表題作)
『ジンと猫は呼ぶと来ない』に収録の『残像』より先に、こちらを読みました。適度に笑えるポイントもあって、いつものSHOOWA先生らしい適度なゆるさもあって、だけどどこか寂しい、そんな空気感がとても印象的でした。序盤、ケンタはクールで無気力に見えるし、連次は精神的に幼そうに見える。でも読み進めていくと、ケンタは結構感情が豊かで、連次も子供っぽい言動の裏に危うさ…
◆ジンと猫は呼ぶと来ない(表題作)
『向日性のとびら』で脇役だったジンの物語、というよりは、彼の腐れ縁であるマリの物語だったという方がしっくり来ますね。情報屋という職業柄、ひと所には落ち着かないジンを少し離れた距離感で見守りつつ、彼の行く先を案じるマリ。マリだってジンのことをとやかく言えるほど、落ち着いた生活はできてないのだけれど。2人とも本当は1人の人間を本気で好きになれる人達なのに、臆病だ…