Sakura0904![]()
最後まで誰も多くを語らず終焉を迎えましたね。忍の妻が自分を省みない夫や息子に耐えきれず行動を起こすことで、物語はあらぬ方向へ動き出します。結末だけを考えるとそれは悪い方向だったのかもしれないけれど、私は必ずしもそうではなかったのではないかと感じました。最後に2人の兄弟は、確かにお互いをしっかり認識して愛し合うことができた。妻があのまま何も知らないふりをして耐え続けていれば、この蜜月は2人に一生訪…
1巻に比べてプライベートでの岳が、かなり一弥と対等になってきたんじゃないかなと思います。合鍵を渡されて喜んだかと思ったら、過去の女性の面影がいろんな場所に残っている一弥の部屋に越すには、まだ自分の心の準備が足りないと打ち明けたり。タイでの修行に一弥と2人で行けると楽しみにしていたのに、別のトレーナーと行くように言われ、一弥の前で怒りを隠さなかったり。恋人として付き合う上で、相手に対する自分の素直…
◆イトウさん(表題作)
男娼をやっている受けというのはそんなに珍しいわけではないですが、それに加え攻めが名前も境遇も謎の人物ということで、終始ダークでハラハラするような作品でした。イニシャルがIであることしか分からず、売り専のキョウスケにイトウと名付けられたミステリアスな彼。キョウスケに対しては常に紳士的で、暴力的に振る舞うことは一切ないけれど、時折凍てつくような眼差しになることもあり、途中ま…
1巻から一転して狂気の漂う世界観になっていました。メルの突然の失踪により、まったく落ち着けない日々を送ることになるケイン。失踪原因に心当たりのある女性FBI捜査官のルナが現れ、ケイン達はメルを攫ったとされる犯人へと繋がる手掛かりを地道に集めていきます。子供時代の虐待のせいとはいえ、監禁と猟奇殺人という重大で悪質な犯行を繰り返す犯人・ジョーイが出てくるシーンは、かなり痛ましいです。
それで…
ゲイであることに正面からとことん向き合うカップルのストーリーでした。『BANANA FISH』と同じジャンルに分類されることもあるようですが、個人的にはちょっと違うのかなと思います。確かに舞台は同じニューヨークで、受けのメルはアッシュと境遇が被る部分もありますが、この作品のケインとメルは、序盤ですぐカップルになりセックスもしますからね。旧版が非BLと登録されていますが、むしろBLの真骨頂という印…
◆ピンクサンクチュアリ / 本日はお日がらもよく。(表題作)
片桐×三村の続編です。三村のピンク色で綺麗な乳首を巡る話が面白い。学生時代に女子にからかわれていた三村を、片桐は既に性の対象として可愛く思っていたんですね。ピンク色を守るため乳首は弄らないと徹底していた片桐が、「お前が弄らなくてもいずれ色は変わる」と三村に煽られて手を出しちゃうのに萌えました。何と言っても、乳首を責められた時の三村の…
中盤まではありがちなストーリーかなぁと思ったんですが、中盤以降の展開に思わず悶えるほど萌えを感じて一気に評価が上がりました。それこそ宇宙人のような行動の読めなさと屈託のない明るさを持っているゲイのジョージ。コインランドリーで彼と遭遇してしまったノンケの瑛人は、自分の部屋の隣に越してきて、しかも彼氏もいるという彼に振り回されながらも、時折見せる健気さや寂しそうな表情とのギャップに惹かれていきます。…
◆NightS(表題作)
偽名を使っている喰えない者同士のストーリーでした。ヤクザだという穂積からどうも公職の匂いがするなぁと感じたんですが、警察かと思ったら麻取でしたね。最初はどちらもいざとなったら相手を出し抜けそうな雰囲気があるけれど、徐々に運び屋の唐島の方が穂積に入れ込み、彼の大人になりきれていない未熟さが垣間見えてきます。穂積と対等に渡り合う会話のセンスも度胸もある一方で、唐島の根っこ…
◆傘を持て(表題作)
ヤクザとしての資質をまったく持っていないのに組長の息子として生まれ燻っている城田と、そんな城田の泣いている姿に一目惚れし、生涯執着してしまう秀才・畑中という組み合わせ。名門大学を卒業後、一切の躊躇なく城田の組に入った畑中の潔さに惚れ惚れしました。城田の不足する部分を補うだけでなく、常に先回りして暗躍する畑中。確かに彼の方が余程ヤクザに向いていますよね。
でも、彼が…
3、4巻でぐっと魅力が増したように思います。2人のお互いへの信頼感や、心情を読み取る力がすごく高くなりましたよね。この巻ではなかなかヘビーでハイリスクな内容のスクープを狙うことになり、緊張感もありましたが、この2人の関係性が拗れることはないだろうという絶対的な安心感がありました。何でも疑ってかかる蕪木と、基本的に性善説に立っている尾上は対極にいるわけですが、相手の考え方や価値観に対してもちゃんと…
