Sakura0904
舞台は小樽から再びまたたび荘での日常に戻り、相変わらずほわんとした柔らかい空気の中で穏やかに時を紡ぐ2人を見守ることができました。「まいごの恵ちゃん」が特にお気に入りです。美三郎がいなくなった恵一を探すと、彼は空き部屋の日向で微睡んでいました。暖かい光に包まれて眠る恵一に私もすっかり心奪われてしまいました。他にも、美三郎が夢で母や清水を想って泣いている夜は、恵一がそっと守るように抱き締めてあげた…
2人の幼少期の出会いや恋人に至るまでの過程、小樽と東京で離れて暮らすようになってから恵一が東京行きを決心することになる経緯が描かれていました。小樽の豪雪の情景も相俟って、1、2巻とは打って変わってどこか静謐さを含む空気感が漂っています。あとがきには「1、2巻で描いた小樽時代のネタに苦しめられ、無視したネタもある」とありますが、どのシーンもとても自然で、特に気になった箇所はありませんでした。またた…
恵一が1巻よりもずっと積極的になっており、男前な言動や好奇心旺盛な性格が目立つようになってきましたね。2人の馴れ初めはまだ読んでないはずなのに、ノンケの彼がここまで美三郎に対する好意をだだ漏れにするようになるなんて…と、なぜか感激しています。一方の美三郎はそんな恵一とは逆に、まだどこかノンケの彼に対して気遣っているのか、遠慮癖やいざという時のヘタレ感が抜けません。
最後の最後で一歩引い…
何ですかこのカップルは。可愛い。可愛過ぎる。冒頭のカラーページでもう心を掴まれ、これはきっと自分の性癖に刺さりそうだと予感しましたが、それを上回る萌えと可愛さの洪水でした。雲田先生の柔らかい絵のタッチと、メイン2人の纏う優しくて笑えてほわほわした雰囲気がとてもマッチしていました。
付き合ってからすぐ遠恋になった幼馴染の美三郎と恵一。6年の遠恋を経て、北海道に住んでいた恵一が美三郎の持つ…
仕事のデキる上司でありながら実は日々妄想逞しく部下にときめいている白鳥が、本当に可愛かったです。きゅうううん、という擬音がとても似合います。そんな白鳥に恋されている部下の佐伯は、職場で「勘違い製造機」という異名を得ています。どんな時でも紳士的で、ぱっと気の利いた受け答えもできるので、彼とやり取りすると皆が「佐伯は私のことが好きなのかも」と勘違いしてしまいそうになるからです。白鳥は初対面の時点で既…
肉感的な受けのゆうまがとってもエロ可愛かったです。体型的にはちょいポチャぐらいですかね。松本先生は普通な子フェチということで、攻めも受けも特別イケメンだったり美人だったりということはありません。逆に、そんなどこにでもいそうな男子2人の濡れ場が、リアルで印象的でした。攻めの瑞樹が我慢できなくなってゆうまに迫ることが多いんですが、その分ゆうまは敏感な反応で返してくれますし、2人が同じ熱量を持って付き…
思春期ならではの複雑に入り乱れるキャラクター達の感情が、非常に緻密に描写されていたと思います。友情、同情、愛情というような、自分でも境目が曖昧な感情を持て余す3人の男子高校生達。簡単に各矢印を纏めると、次郎←馳男←ハチという関係性です。特に良かったのが、次郎が馳男に対して抱いている己の独占欲に気付いても、最後までそれを恋愛感情などと勘違いせずに、友愛のままで通したこと。並のBL漫画だったら、実は…
テーマ付きアンソロジーに描いたものをメインに収録されているということで、1つひとつの短編がそれぞれかなり異彩を放っていて、非常に読み応えのある作品集でした。全部で6CP収録。特殊なプレイや人によっては地雷になりそうな展開なども多く、割と何にでも耐性があるという方でないと読み切るのは難しいかもしれません。レビューは重めだった作品を中心に書きましたが、嘔吐癖のある攻め×失禁癖のある受けの『でちゃうん…
座裏屋先生作品の中では『PET契約』に負けず劣らずなエロさを誇る作品だと思います。ただし、あちらは愛のない絡みもありますが、こちらは各話短いながらも愛を感じられる話ばかりだったので、エロさと甘さを両方同じくらい楽しみたいという方にはこちらをオススメします。全話魅力的でしたが、私は特に『優しいディナー』と『太陽と秘密』がお気に入りです。
◆眠り男と恋男(表題作)
仕事仲間のロイスが睡眠時…
相変わらずキス止まりな2人ですが、気持ち的にはお互い恋も自覚してかなり進歩していると言っても良いのではないでしょうか。どちらかというと今まで振り回してきた側の杉木が、毎回切り替えは早いものの、鈴木の言動に動揺するような表情を見せるシーンも多くなってきていて、スタンダードの帝王のポーカーフェイスが崩れるのはとても見応えがありました。世界で闘うダンサーと国内のみで闘うダンサー、まだまだその差はあるけ…