fandesuさんのレビュー一覧

眠りの杜の片想い 小説

安西リカ  カワイチハル 

純粋ってエロティックなのね

文体というものはお人柄が出るものなのでしょうか?
安西さんの書く文章は読みやすいです。
そして、何故か解らないけれどじんわり来るんですよ。
優しい文章を書かれる方だなと思います。
イラストのカワイチハル画伯も癖がなくスッキリした『きれい系』。
お2人にね……良い意味で騙されました。
このお話、かなりエロティックだよ。
確かに濡れ場は少ないのですけれど、私は「ものすごーくエロいな」と思…

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溺愛神官王の運命の番 - 異世界に飛ばされたらオメガでした 小説

井上ハルヲ(オハル)  れの子 

オメガバースは知らない

井上ハルヲさんがとぼけた男性を書くと、どうしてこんなに面白いんでしょう?
本人はとぼけているつもりなど全くないのですが、可笑しみがジワッと染み出る感じがたまりません。
冒頭近くに出てくるリアムのファーストガン○ムもどきの科白ですりこまれてしまったのか、彼がでる度にそこはかとなく可笑しい。
大剣を、あるいは89式小銃を持ってすっくと立つリアム。とても美しく格好いいはずなのに、頭の中に結ばれる絵…

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お前になんか惚れてない! 小説

成宮ゆり  海老原由里 

がんばれ

『理想の男の作り方』に大感動してしまって『成宮さん祭』が始まってしまったためこちらも読了。
打って変わってこちらはとても楽しいお話でした。

残業続きでくたくたに疲れて、居酒屋で隣り合った同業の美貌の男性。
話しているうちに盛り上がり酔った勢いで同衾したら、実は電話でしか対応したことのない仕事相手(それも「感じ悪い」と思っている奴)だったという悲惨。
……これ、自分の身に置き換えたらとて…

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乱れし花陰 ~僧侶散華~ 小説

バーバラ片桐  奈良千春 

エロさよりいじらしさにやられた

エロエロしいものが読みたい衝動に突き動かされて「それならラヴァーズのバーバラさんだろう」と読了。
……うん、行為(主に調教)は確かにエロエロしかった。あと、この作品を書いた時にバーバラさんを『サンドウィッチ萌え』が襲っていたことは、しかと理解しました(だって今回tkb攻めがさらっとしているんですよ、バーバラさんなのに)。

ただですねぇ、あまり滾らないまま淡々と読み終わっちゃったんですよ。

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戀人 小説

剛しいら  石田育絵 

リアルみに感心

『相棒』の続編。
この2作は主人公の天羽・川崎の恋模様よりも『子ども(または天羽も含めた『若いヤツ』)の自立』がテーマなんじゃないかと、今作を読んで思いました。

前作で仄めかされていた『川崎が過去に起こした少年淫行』の相手である篤弘から川崎に電話が入ります。彼がバイトをしている保育園に子どもを預けている母親が殺されたのです。
篤弘は義父から性的虐待を受けていた過去があり、その事件がきっか…

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初恋の続きをしよう 小説

川琴ゆい華  周防佑未 

『攻め2人萌え』にジタバタした

最近読んだもの全てがとても可愛らしかったので「よーし、川琴さんの処女作、読んでみよう」と購入。
ああ、これは!
『攻め2人もの(私の勝手な命名です)』ではないか!

もう既に薹が立った私ですら劇場では観られなかった古い映画で『明日に向かって撃て』というニューシネマがございます。私に『萌え』というものを自覚させてくれたドラマのひとつなんですが、これが『攻め2人もの』なんですよ(こっちは男女だ…

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伯爵と囚われの華 小説

小中大豆  小路龍流 

スタンダードな『貴族もの』

『高級娼婦と駆け落ちした公爵の息子が貧しさの中で両親を失い、もう体を売るしかない所まで追い詰められたところで、その公爵に想いを寄せていた伯爵に拾われてその養い子になる』
おまけに、
『その子が養い親の伯爵に恋をするのだけれど、伯爵は様々な男性とラブアフェアを繰り返すばかりで本当の恋をする気配がない』とか、
『伯爵が本当に愛しているのは亡くなった公爵で、自分はその身代わりにすらして貰えないと、…

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アーサー・ラザフォード氏の甘やかな新婚生活 小説

名倉和希  逆月酒乱 

過保護じゃないかな?

前作が大層面白かったので、間をおかずに読みました。
日本での仕事を終えたアーサーは時広を連れてNYに戻っています。
表題作の雰囲気は『長い後日談』といった雰囲気。本編に付いて来る『ペーパー』や電子なら『おまけ』っていうヤツです。あの雰囲気に近いと思いました。超甘々です。

でもね、私としてはちょっとアーサーに不満が。
過保護なんですよ、あまりにも。
とにかく時広が傷つかないように、全て…

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お手をどうぞ 小説

水壬楓子  雨澄ノカ 

若者は与えられるべきですよね

床に摘んでいた本の山を整理しながら「ああ、何か夢のあるものを読みたい」と思って選んだ1冊。
はい、現実逃避には最適の本でした。結局『片付けが終わらない』というおまけ付きですが。

ピグマリオンものというか、マイ・フェア・レディものというか、これらのお話は何度衣替えしても、やはり楽しめます。
なんてったってドリームですもの。
年上のスパダリ紳士に甘やかされる受け様というのは、読んでいて大変…

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負け犬の領分 小説

中原一也  新藤まゆり 

ハードボイルドの空気とオヤジの色気が楽しめる1冊

『負け犬の領分』って、実に中原さんらしいタイトルだと思います。
丸々1冊、警察官崩れの探偵、苫澤の色気を楽しむお話。
酸いも甘いも噛み分けたオヤジを書かせたら抜群の中原さんですもの。
仕事がクレーム処理担当のため、かなり神経をすり減らしている神木と一緒に、苫澤の色気にドキドキしてください。

あと、猫ですよ。
私は筋金入りの『犬派』ですけれども、そんな私ですら苫澤の事務所にたむろする地…

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