fandesuさんのレビュー一覧

白銀の獅子王と祝福のショコラティエ 小説

高原いちか  サマミヤアカザ 

ショコラの歴史に唸り、ライオンもふもふに癒された

初読み作家さんです。
「タイトルが『白銀の獅子王』ってことはもふもふものなのだろうけれど『ショコラティエ』って……?」と思ったのが購入の理由。
チョコレートだけに甘いお話でしたけれど、単に甘いだけのお話ではありませんでした。そうか、カカオ豆が発見されてから世界に広まっていくまでにはそんな歴史があったのね。

確かに歴史を紐解けば、大紛争のきっかけが紅茶とか胡椒とか嗜好品だったことが沢山ある…

4

悪食 小説

宮緒葵  みずかねりょう 

宮緒さん、ちょっと変わった?

あら?
宮緒さんの言葉廻しがちょっと変わった気が……
時代がかった言葉があちこちに散りばめられています。気の所為かもしれませんが。これが『この世の者ではない人を描く』という物語の雰囲気にマッチしていて、私は好きです。

不思議な手触りのするお話です。
『この世の者ではない人が見える』という登場人物が出て来るお話は結構沢山あると思うのですが、今作の主人公は『目に映るその人(?)を描いてしま…

3

翠眼の恋人と祝祭のファントム 小説

鏡コノエ  小山田あみ 

『禿萌え』と『そりゃないだろう』が共存する不思議な作品でした

このお話、二章の終わりまでは滅茶滅茶私の好みど真ん中です!
ゴシックロマンス風の味付け、飄々としているんだかガサツなんだか良く分からないオヤジが入っている様なレイモンド、意地っ張りでツンだけれど自分のやるべきことに真直ぐ突き進むオリヴァー、そのオリヴァーのファンと自称しベタベタとつきまとうけれどどこか底の見えない不気味さを持つ第三の男リード……レイモンドが所属する0課の面々もいい人過ぎず、かと言…

0

恋の花ひらくとき 小説

鳥谷しず  香坂あきほ 

若い

あれ?
鳥谷さんって『すっとぼけコメディの女王』なんじゃなかったっけ?
……間違って買っちゃったかなと表紙絵を確認した今作。
読み始めの部分、コンプレックスに雁字搦めになっている所為で非常に主人公が厭世的なんですよ。
で、お話のトーンまで暗い。非常に痛い事件もありまして、ちょっと吃驚。

海棠が南雲につきあって欲しいと話すあたりから『私の知ってる鳥谷節』が始まります。
セフレに酷い扱…

1

流れ星ふる恋がふる 小説

鳥谷しず  大槻ミゥ 

「作家って凄いな」と思いました。

私が鳥谷さんを『発見』したのは2018年初頭。
攻めが極端なフェチを持っているのにも関わらず非常に紳士であることや、その性格はバラエティにあふれているのにどことなくはんなりしている受け、そして非常にすっとぼけているくせにどこか品の良さを感じてしまう語り口に夢中になりまして。現在後追いで昔のお話を読んでいる最中です。

今作にも『傍目には良い男なのに何故かセックス関係になると変な拘りを発揮する…

3

センチネルバース 蜜愛のつがい 小説

今城けい  麻々原絵里依 

一部を除けばとても趣味なのです

センチネルバース……「初耳?」と思い用語解説を読んだら思い出しましたよ。
あー、ドラマの『センチネル』かぁ!一話だけ(それも途中の)流し見したことある。
『センチネル』という特殊能力を持つ人類がおるのですが、その能力を使い過ぎちゃうとこの人たち、バーンアウトしちゃうんです。それを救えるのは『ガイド』という人たちだけで、燃え尽きちゃって他所の世界(これ、精神世界なのかな?何にしても辛い世界なのは…

8

うさ耳オメガは旦那様に尽くしたい 小説

小中大豆  鈴倉温 

ことごとく予想が外れてしまいまして

読み始めてすぐには『狼くんは社長の甘いごちそう。』と同じ世界観なのかな?と思ったんです。人間と半獣が一緒に暮している世界なので。
でも、オメガバースなんですよね。

で、主人公の卯壬は白兎の半獣(ロップイヤーで黒い瞳)なんですけど、養護施設育ちで高校中退、おまけにオメガの為、抑制剤を入手せねばならずとんでもなくブラックな職場でも耐えて働き続けないといけない身の上。働き先の店長に足蹴にされてい…

3

深海魚たちのうた 小説

ふゆの仁子  蓮川愛 

「男は黙って……」の時代

なんと、ふゆの仁子さん、初読みでした。あんなにたくさん書いていらっしゃるのに。しかもこのお話、ふゆのさんが初めて書いたオリジナル作品が下書きになっているとの事。
初出が2001年ですものね。なかなか時代を感じさせる様な……いや、最近出版されたもので似た状況下の作品は読んだ記憶があるのですが。

えーっと、一言で言ってしまえば『不倫もの』です。
運命の相手だと思っていた人が夢を追って海外へ。…

0

そらのいとしい旦那さま 小説

野原滋  サマミヤアカザ 

もう少し自分を認めてあげても良いんじゃないかと思ってしまって

あとがきによれば、今まで野原さんは続編を書いたことがなく、今回が初めてとの事。私のイメージではもう『売れっ子作家さん』なのでちょっと意外でした。

涙なくしては読めなかった前作。
私が大泣きしたのは、空良の健気さは『幸せを知らない』事から来ているから。
本当に喉が渇いている時には、20ccの水道水でも与えられれば涙が出るほど嬉しかったりします。
前作の空良って、ずーっとこういう状態なんで…

7

初回限定特装版「発情 誓いのつがい」岩本薫20周年記念本付き 小説

岩本薫  北上れん 

シリーズを読んでいなくても楽しめました

電子書籍で読了。
実は岩本さんの別作品と間違ってポチってしまいまして。
読み始めてから「これ違う!それも何かシリーズのメモリアル的な作品だ」と気づきました。
でもですね、シリーズの他作品を読んでいないのにも関わらず、結構楽しく読めてしまったのです。やはりベテラン作家というのは凄いわ。筆の力で読ませてしまうのね。

私は『俺様攻め』というのがちょっとばかり苦手です。
多分、リアル人生で良…

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