【電子限定おまけ付き】【イラスト付き】
「そらのだいじな旦那さま」続編になります。
今作だけでも読めるように書かれてますが、前作を踏まえて読んだ方が絶対萌えると思います。
で、こちら、双子の姉の身代わりとして攻めの元に嫁ぐと言う「身代わり花嫁」ものになるんですね。
前作で、紆余曲折を経て幸せを掴み、高虎と共にあたたかい毎日を過ごす空良。
今作では、そんな彼に再び訪れる試練とはー?
って感じで。
これ、前作では受けが不憫で切ない部分があったものの、今回は既に出来上がってる二人。
さぞかし甘かろうと、いそいそと読み始めたワケですが。
いや、めちゃくちゃ甘いのです。
もう完全にバカップル化してる二人も、ちょっとスケベ親父化(エロ時だけです)してる高虎も、ひたすらニヤニヤさせてくれるんですよ。
が、想定外に切なくもあるんですよね。
ボロボロ泣いちゃって、途中で読めなくなっちゃって。
もうさ、空良が健気で健気で、彼の行動が哀しすぎるよと。
帯にもありますが「旦那さま。空良はずっと幸せでした」と言う手紙が、あまりに切ない。
切なすぎる。
てか、過去形やめてー!
この場合の過去形、好きじゃないからーーー!!
個人的にですね、誤解からスレ違う二人と言うのも切ないけど、愛し合う二人が、どうしようもない事情で引き裂かれるのは、もっと切ないんですよ。
耐えられないんですよ。
「何てこった!Σ( ̄□ ̄;)」と、身悶えてしまう。
いや、その分、ラストは本当に感動なんですけどね。
そう、愛する人の幸せを願うなら、しがみついてでも傍に居るべきなんだよ! 空良!!
で、ザックリした内容です。
男の身でありながら、高虎の元に嫁いで三年目ー。
自身を溺愛してくれる高虎と共に、幸せな毎日を過ごす空良。
そんな中、高虎の父・時貞から、世継ぎの為に高虎に正室を迎えるよう説得を頼まれー・・・と言うものです。
まずこちら、序盤は超甘々モードから。
いやこれ、しつこいですが、二人が完全にバカップル化してまして。
ついでに、高虎が、ちょいエロ親父化してまして。
えーと、晩酌しつつご機嫌で空良に抱きつき、寝入ってしまいそうだと心配する空良に「まだ寝ない」と甘えた声を出す。
で、「旦那さま、寝屋に参りましょう?」と言われれば、「おお、空良の方から誘ってくれた」と、ニヤニヤ口元を綻ばせる。
いや、エッチな悪戯を仕掛けては、恥ずかしがる空良を見て「相変わらずそなたは初々しいのう」みたいな。
う~む。
この二年の間に、ニヤケたお代官様みたくなってる。
新妻を可愛がるスケベ親父の如く、ひたすらデレデレとヤニ下がってる。
と、幸せな日々を過ごす二人。
そんな中、高虎の正室問題が浮上するんですね。
更に、同盟国・篠山の内紛に巻き込まれ・・と言った所でしょうか。
今回、キモとなるのが、同盟国の篠山から預りとして来た当主の三男・孝之助のお付きとなる弥市になるんですね。
穏やかであたたかい隼瀬浦の人々の中で、幸せな日々を過ごす空良。
そんな空良に、世継ぎが居ないと言う将来の不安や、男の嫁を娶った高虎に対する、周辺各国の嘲笑と言った事を吹き込む。
そして、皆の為を思うなら、身を引く事を示唆する。
こう、序盤は超甘々なのです
幸せいっぱいモードなのです。
そこに、冷や水を浴びせる存在と言いますか。
ここからの空良の葛藤がですね、もうめちゃくちゃ切ないのです。
愛する人の幸せを望む純粋な気持ち。
今の、あたたかく幸せな毎日を無くしたくないと言う、自身のエゴ。
愛する人が周辺各国から「男嫁を貰ったうつけ者」と言われていればやるせないし、それが自分のせいだと思えば、心が苦しい。
また、それでも愛する人のそばを離れたくないと願ってしまう、自身の汚さー。
元々、こういった心の奥底まで暴き出すような、深い心情描写にかけては、とても巧みな作家さんだと思うんですね。
切ない。
あまりに切なすぎる。
これ、思い悩んだ末に空良は、一人で高虎の元を去ろうと決意します。
そこで、置き手紙だけを残すのですが、それがまた泣かせてくれて。
これまでの幸せな毎日を振り返り、高虎に感謝の気持ちを伝えようとするんですね。
で、迷い書き直した末に、「空良はずっと幸せでした」と、幸せを貰った事を綴る。
そして、高虎の幸せを願うー。
もう、ここでボロボロ泣けちゃって。
マジで、過去形やめてー!
なんかめちゃくちゃ辛いから、過去形やめてーーー!!
これ、みんないい人なんですよ。
時貞も、家臣も、周囲の領民も。
弥市でさえも、芯から悪党ではない。
それぞれ、守るものや愛する人、自身の信念の為に、最善の道を選ぼうとしてる。
だからこそ、切ない。
で、ここから更に一波乱。
一人ソッと館を去る空良ですが、浚われて・・・と続きます
これ、ハラハラドキドキさせてくれますが、同時に、空良の変化に胸が熱くなります。
空良を浚った犯人の目論見。
隼瀬浦を守る為に、空良に出来る事。
そして、高虎から離れて、初めて気付く大切な事。
そうなのよー!
高虎の本当の幸せを願うなら、そばにいて寄り添ってあげるべきなのよ!!
愛する人に去られたら、幸せになんてなれないんだよ!!!
いやね、愛する人の為に、自分が犠牲になる事を選んでしまう空良。
それが、自分勝手だろうと、自身の気持ちを通そうと変わるのに、胸が熱くなっちゃうんですよ。
また、そんな空良を、高虎が深い包容力で受け止めるのが、すごく素敵なんですよ。
とりあえずこの後ですが、とてもあたたかいラストです。
もう胸が、いっぱいになっちゃいましたよ。
前作を読まれた方、ぜひ読んでいただきたい。
更に深まる二人の絆に、感動していただきたい!
あと、高虎をただのスケベ親父みたいに書いちゃいましたが。
それはベッドの中でだけ。
普段は包容力バリバリのいい男です。
いや、普段もわりとデレデレしてるか。
「そらのだいじな旦那さま」の続編です。幸せになった2人のその後。前作を読んでいる方が空良の成長や、夫婦への萌えも高まると思うので、気になる方はぜひお読みください!
序盤の高虎と空良は甘々なバカップル(笑)。幸せそうな2人が可愛らしくて、普段はかっこいい高虎さまも、空良の可愛さあまりになんとも残念な感じに笑
新キャラとして、他国の孝之介、その付き人の弥一が登場。この弥一が、序盤の幸せな空気に冷や水を浴びせることになるのです。「男嫁」という立場に悩み、それでもここにいたいと願う空良。中盤以降では、優しさを忘れずにいながらも、強くなった空良が頼もしく感じます。
絆をさらに強くする高虎と空良に胸が熱くなります。そして事件を巻き起こすことになる弥一と、そんな弥一を慕っていた主人の孝之介の絆や心情に、悪役になりきれない悪役、主従ーー!と恋愛とは別に悶えることになりました。
電子書籍購入のおまけ小話は、空良の酔っ払った姿を見る高虎目線のお話。目尻の下がった旦那さまが想像できる甘ーいお話でした、おすすめです!
新興国の領主の長男である攻め様の高虎と、不憫受け様の鑑とも言える受け様の空良。
この2人前作がとても好きだったので、続編が出ると知って、とても楽しみに待っていました。
すでにくっついている2人の上に、空良にメロメロの高虎がいるので、しょっぱなから甘い上にエロい。
初心でアナタの色に染まります、な空良に何させようとしてんだ、高虎ってば。
シックスナインを持ちかけて、恥ずかしがる空良に、「50年後でいい」「無理強いはしない」とか言いながら、最終的には「今でもいいじゃないか」に持ち込んじゃってさ。
さすが戦国の世を生き抜く武将は交渉術がうまかったです(笑)
なんて、甘く幸せな毎日を送りつつ、嫁いで3回目の冬を迎えようという空良。
ここにきて、高虎の跡取り問題により、当主である高虎の父より、高虎に女性の正室を持つよう説得して欲しい、と懇願されてしまう。
もちろん、高虎は「気にするな、自分の嫁は空良だけだ」と強く言い募のるものの、城での噂話の中で下男の「身を引けばいいのに」という言葉を聞いてしまい、頭から離れなくなって。
高虎の傍にいたい、という想いと、高虎の足枷になりたくない、という想いで心が揺れて胸を痛めている空良が切なくて仕方なかったです。
でも、攻め様の為に身を引く受け様、という図は大好きなので、空良が高虎へ置手紙を書くところなんか、切なくて切なくて、この切なさがよかった。
城を出て行った空良は同盟国のお家騒動に巻き込まれ攫われてしまいますが、軟禁された空良は自分がいかに高虎が好きで傍に居たいと願っているのか、自分の想いに気付く事になり。
そして、空良が攫われたと知った高虎の動揺と憔悴を考えると妄想が止まりませんです。ふふっ。
助け出された空良と高虎との馬上での会話が愛と溺愛にあふれていてとってもよかったです。
高虎の空良への一途で強い高虎の愛情が終始一貫していて、はなまるの攻め様です。
これからもずっと2人幸せに暮らしいくであろう姿を想像できて、ほこほことあったかい気持ちになれました。
不憫健気受け空良の物語第2弾
『そらのだいじな旦那さま』の続編です
難産の出産で母親が亡くなったことから生まれた男の子が母殺しと父親から疎まれ、故郷ではいないものとして扱われながらも真っ直ぐに育った心優しく純朴な少年。
政略にために姉の代わりに嫁いできた北の国で旦那様との幸せな生活を送る空良のその後。
男同士のカップルにつきもののお世継ぎ問題や同盟国の内乱に巻き込まれたり…。
愛する旦那様の幸せのためにと身を引く決意をする空良でしたが、空良の偽りのない真っ直ぐな気性を好ましく思い受け入れ守ってくれる人がいて良かったです。
空良の真心が復讐に凝り固まった思いを溶かし、憎しみや悲しみに埋もれていた気持ちに光を当てていく描写に心が洗われました。
魁傑と次郎丸の仲のいい喧嘩が面白く楽しいアクセントになりました。
一冊目はお話としては嫌いじゃないけれど、どうやっても脳内ボイスがおしとやかなお姫様キャラ(自分の声よりも高めの)になってしまってNLを読んでる気持ちにしかなれないという壁があり、このシリーズの続きに手を出せなかったのだけど、久しぶりに一冊目を再読してみたら、脳内ボイスの呪縛が解けてた!脳内の空良が男の人の声になってた!
というわけで、二冊目買ってみました!
今回は「世継ぎ」」という問題が浮上した回でした。
「現領主の時貞から、世継ぎのために高虎に女の正室を迎えるよう説得して欲しいと告げられてしまう。」とあらすじにあるけど、ちょっと時貞にも腹が立ったんですよね。
そもそもあんたが二人しか子供産ませていないからじゃん…!と。
(もちろん時貞自身も「たった二人しか子がいないのは自分の責任でもある」と詫びてるから、それ以上の怒りはわかないのだけど)
だからこそ高虎と次郎丸に何かあったらお家の終わりだという危機感があり、高虎には女の正室を迎えて世継ぎを……!!と時貞は願うわけなんですね。
もちろん高虎は「俺の嫁は空良だけ」なので、空良はありがたいと思うと同時に家のことを考えると申し訳ない…と思ってしまう。
私は、空良自身が「絶対に高虎は自分を手放さない」とわかってるところが好き。
一冊目ならまだしも続編で「攻めは私のことが好きなんだろうか?」みたいなのは勘弁なので。
なんていうか空良が人魚姫みたいでした。
高虎によって初めて「幸せ」を知った自分。
高虎とこのまま一緒にいたいけれど、男嫁である自分の存在が、高虎の評判も落としてしまっているという事実を、周囲を通して知る。
自分の幸せと、お世話になっている三雲家と高虎の幸せを考えて、身を引く空良。
もう、ここの描写が切ないのなんのって……!!
なんか空良がひとひらの雪のような、そのまますうっと消えて儚くなりそうな、そういう感じなの!
ところがどっこい、同盟国のお家騒動に巻き込まれて監禁されてしまう!
その監禁先で相手から「図太い」と言われるほどの空良に、頼もしさを覚えます。
きちんと物申す姿や、その聡さに、改めて空良本来の強さを感じました。
攻めが憔悴する姿が好きなので、空良が消えてしまってからの高虎の憔悴っぷりを妄想すると可哀想なんだけど萌えます。
そして高虎のどこをどう切り取っても、空良に愛情を注いで空良が大好きな描写しかないところが、超好き。
あとは
・魁傑と次郎丸の掛け合い、大好き。永遠に読みたい。
・まさかの空良の父登場にびっくりしたけど、なんかここが良かった。
こんな奴、死んでても構わないのだけど、そうはさせずの最後の締めがじんわりときて、いいエンドだったなぁ……とじんわりきました。