ポッチ
コミコミスタジオさんで購入するといただけるおなじみの小冊子。A5サイズで、本誌と同じ絵柄のカラーの表紙+モノクロの表紙+小説部分7P+裏表紙の合計12Pの小冊子です。
タイトルは『嫁さまの願いごと』。
内容は、というと。すみません、ネタバレしてます。
本編で生死の境目を彷徨うほどのけがを負った空良が、高虎たちの懸命な手当てによって回復してきたときのお話。本編では空良視点でしたが、こちらの小冊子は高虎視点です。
天候が悪く、屋敷に閉じこもりきりだった二人。ようやく天候も回復の兆しを見せ始め、高虎は空良を抱き庭先へ。空良を失う事にならずによかったと幸せをひっそりとかみしめる高虎。
吹雪いていたため高虎の弟・次郎丸も遊びに来れないのですが、普段二人のお世話をしてくれている魁傑も不在。空良のために「こんへいとう」を探し求めて町へ出て行ってしまっているからなのですが。その魁傑が無事こんへいとうを手に入れ帰宅し、さっそく空良に食べさせるのですが、「次郎丸が来たら、魁傑も含めて4人で食べましょう」と優しい気持ちを見せる空良に高虎は…。
というお話。
本編では空良に試練ばかりが訪れ切ない展開になるときもありましたが、この小冊子ではひたすらに甘々で、優しい空気が流れていました。
「捨」から「空良」になり。
優しい旦那さまに恵まれ。
幸せになった空良に一安心できる、そんな温かく、優しいお話でした。
本品は『そらのだいじな旦那さま』の
コミコミスタジオ限定特典小冊子になります。
本編中、空良が危篤状態から
復調し始めた頃の一幕になります。
城を襲った敵襲から逃れる際に
刀傷を負った空良でしたが
高虎達の懸命の祈りが通じて
ようやく危篤状態から脱します。
傷はまだ痛みを残し、
発熱を繰り返す日々が続きつつも
布団の上で身体を起こせるほどに
空良が回復してきていました。
数日続いていた吹雪も止み
空良の見立てでは二、三日は
天候がおさまるようです。
魁傑が高虎の使いで
西の都に出向いている今は
館には高虎と空良の二人しかいません。
次郎丸も来る術がなく
空良はぽつりと寂しさを口にしますが
高虎は冬の間中ずっと二人きりで
過ごしたいくらいだと言って
空良の頬を染めてしまいます。
高虎はそんな空良が
愛おしくてたまらないのでした。
その日の夜遅くに
魁傑が高虎の所望したモノを携えて
西の都から戻ります。
高虎が空良のためにと望んだモノは…
A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)12頁と
通常のコミコミ小冊子よりはちょっと短いながらも
ペーパーよりはボリューミーな番外編です。
魁傑が雪山を越えて十日もかかる都から
一週間足らずで戻ってきたのは
手に入れたモノを一刻も早く届けたい
という気概からに外なりません。
魁傑が南蛮の商人と交渉して
入手したのは5粒のこんへいとうでした。
小さな陶器の壺の中で
懐紙に厳重に包まれたこんへいとうは
大豆程の大きさの白い塊です。
次郎丸にきいていた通りの菓子を
しげしげと見つめる空良でしたが
高虎に促されてひとつ口にします。
初めての甘さに喜ぶ空良に
高虎も破顔し、魁傑も頬を綻ばせますが
それ以上を口にしようとはせず
残りは次郎丸が来た時に4人で食べたいと
陶器の壺に戻してしまうのです。
皆で食べたい。
そしたらきっと、もっと美味しいと思うのです。
空の無邪気なおねだりを許諾した高虎が
明日次郎丸を呼ぶ約束をしての幕引きです。
本編では周囲の人の思惑で流されて
自分自身の望みさえ持たなかった空良ですが
高虎との出会いで少しづつ成長していきます。
周りの人を大切にするだけではなく
自分自身も大切にしてほしい。
それは空良を大切に思う人々の
共通の願いではないでしょうか。
空良が自分の望みを口にし
それを叶えられる事は高虎にとっても
とても嬉しい事ですよね。
幕間のひとときを描いた
ほのぼのほっこりした
とても優しいお話でした (^-^)o"