イラスト付き
5巻目となったシリーズ作品。
今巻も日向埼の政情を背景に、空良と高虎のイチャイチャあまあまが盛りだくさん。2人の愛に一点の曇りもなく安心して読めるっていうのは、それだけで嬉しいものです。
そして国を取り巻く問題を最後はビシッとズバッと解決。スカッとする采配に、おぉ〜!!(拍手)
物語にのめり込ませてくれる野原先生の筆致に今巻も酔いしれました。
大河ドラマさながらの重厚なお国問題に、真っ向から取り掛かる高虎と空良と馴染みのメンバーたち。5巻では、孤児の捨て吉と老犬・シロの登場で、また今までとは違ったストーリー展開もありました。
捨て吉と老犬シロを保護したことで場内がほっこり明るくなり、ちょっとした子育て生活を覗き見出来ました。捨て吉の不憫な境遇と、健気さに心打たれましたね…。苦楽を共にした大好きなシロとの別れのシーンは特に胸が痛みました。(実家で飼っていた犬の死を思い出しました 泣)
彼はこのまま日向埼城で生活していくようなので、今後も登場していくのかな。菊七と良いコンビなので、2人のやりとりがこれからも楽しみです。
政情的には、日向埼の隣国・佐矢間国の流民問題が持ち上がるんですが、これがまぁ面白い!簡単に言えば、佐矢間国の暴君がアホな施策やって日向埼に迷惑かけて…どうするよ?みたいなこと。捨て吉が孤児となった原因にも関わるし、国力をつけた日向埼の人材不足解消にも関わってきます。解決の際は、点と点の色んなことが最後は線で繋がってくる見事な回収でした。
日向埼はこういう土地、佐矢間はこんな場所といった情景描写も分かりやすくて、地域によって異なる雰囲気や纏う空気感が分かるような文章がとても心地いい。
ピリッと引き締まるシリアスシーンの時は堅く、身内での和みシーンの時は柔かい筆使いに惹き込まれました。それに加えてBL要素もしっかりとある。高虎の空良への溺愛っぷりは衰えない。むしろ勢い増し増しでした(笑)空良のこととなると周りが見えない高虎は、豪傑感ないけどそのギャップがニヤニヤ楽しい。
最大の見せ場。高虎が佐矢間国を追い詰めるシーンが、めちゃくちゃカッコいい!
暴君に仕える有能な佐矢間の家臣に、日向埼の家臣としてスカウトする高虎。まだアホな主君に付き従おうとする彼に、
「眼(まなこ)を開き現実を見よ」
だって…。シ…シビれた!
私も言ってみたいな、そのセリフ(笑)
今回は次郎丸の登場がちょっとだけ。元服して貞虎と名前を変え、彼の成長ぶりをすごく感じました。そして名前が、次郎丸→貞虎読みに移行して、何だか寂しさを覚えてしまいました。「次郎丸」の名前好きだったな。
貞虎も高虎同様なかなかのやり手っぽいので、今後も存在感を増しながら登場してくると思います。楽しみー。
2人の閨事も過去イチあまあまイチャイチャしていた気がします。積極的な空良も見れたし、たくさん楽しみました(〃ω〃)
空良が高虎の伴侶としての貫禄も巻を追うごとに凄みを増してきています。高虎には空良、空良には高虎しかいないっていう、お互いが唯一無二であることの存在感を見せてくれました。
読み終わったそばからまた次読みたいと思わせてくれるシリーズ作品。早くも欲してしまっています。今巻もとっても面白かったです^ ^
そらシリーズ第五弾。
『そらのだいじな旦那さま』→『そらのいとしい旦那さま』→『そらの誉れは旦那さま』→『そらの誓いは旦那さま』と続き
今回の『そらの祈りは旦那さま』へと繋がっていきます。
次郎丸が元服の儀を終え貞虎へと名前が変わるところからお話が始まります。
その時、空良の過去の回想シーンが出てくるのですが
空良が次郎丸と出会って5年も経ってたんですね…。
次郎丸という名前がすごく好きで寂しくもあったのですが
これも彼の成長なんだなぁ…としみじみしちゃいました。
今回はまた新しい登場人物が出てきます。
空良が保護した捨て吉と老犬のシロなのですが
読んでいると温かい気持ちになりました。
『そらのだいじな旦那さま』で、ある意味高虎に拾われた空良が
自らの意思をもって捨て吉とシロを連れて帰るというシーンにはジーンときます。
いい意味で空良は強くなったなぁと思わされました。
捨て吉とシロの関係もすごく素敵なんです。
シロが老犬と言う時点で色々と察してはいたのですが
やはり別れは辛いですね…。
涙なしでは読めませんでした。
他にも国同士の話も入っており、
正直『そらの誓いは旦那さま』の時にそろそろネタ切れなのかな…?と
すごく失礼なことを少しだけ思ってしまったのですが
今回こちらの作品を読んで、そんなことなかったんだなぁと思いました。
二人の閨のお話も、今までに見たことない空良が見れました。
大胆な空良も良いですね…!!(*´▽`*)
今回も素敵なお話を読めて幸せでした。
「そらの****旦那さま」シリーズ5巻目、1巻から10年後が舞台。
次郎丸が16才で元服して、そらも21才に。
① そらのだいじな旦那さま 空良(捨),16才
⓶ そらのいとしい旦那さま 空良,18歳
③ そらの誉れは旦那さま 空良,19歳
④ そらの誓いは旦那さま 空良,20歳
⑤ そらの祈りは旦那さま 空良,21歳
そらの旦那様の領地は、益々繁栄。
繁栄する領地へ、食い詰めた隣国の難民が大量に押し寄せて、荒していく。
そらたちは、隣国の視察に内密に向かい、かつて豊かだった隣国の
荒れ果てた様子を確認して、愕然とする
そしてそらの旦那様は救済策を決断をする・・
そらが主役の菊七の新作芝居も大ヒット。
本シリーズは三雲の鬼神とよばれる勇猛果敢な武将と
姉の身代わりで嫁いだ鬼神の鬼嫁のお話です。
攻様の弟が元服の儀を迎え、
隣国の荒廃による流民問題を解決すべく日向埼が動く顛末と
隣国から日向崎にくだった臣下視点での続編短編を収録。
受様が双子の姉の身代わりで攻様に嫁いで5年、
隼瀬浦の領主の妾子である攻様は
日向崎の主として多忙な日々を送っています。
今回、隼瀬浦の領主の次代となる攻様の弟が
元服の儀を迎える事となり
受様が日向埼の当主の名代として赴きます。
日向埼は今、破竹の勢いで発展している途上であり
当主である攻様が国を留守には出来ず
攻様の腹心を伴って早瀬浦にやってきたのです。
腹心は当主の側を離れるわけにはいかないと固辞するも
攻様に大事な受様に万一のことがあってはならぬと
押し切られたのですが
攻様が弟をことのほか可愛がっていた腹心に
自分の代わりに祝って欲しいと願った結果だと
受様は理解しています。
元服した弟も来年には
受様が早瀬浦にやってきた時と同じ年になります。
心細さを助けてくれた義弟が堂々たる青年に変貌した事は
受様似とっても嬉しい限りの事でした。
受様達が早瀬浦を出立する前日、
以前はよく皆で出かけた山の大滝に行く事になります。
3年前にも1度、皆で遊山の約束をしますが
その直後攻様が日向埼城主となり、
かつての約束は叶いませんでした。
攻様がいないことを寂しく思う受様でしたが
水音が聞こえるほど滝に近づくと
いるはずのない人物が待ち受けていて!?
「そらのだいじな旦那さま」から始まるシリーズは
躍進目覚ましい新興国の武将である攻様と
彼を妻として支える受様の戦国花嫁ものです♪
滝にいたのは日向埼にいるはずの攻様で
忍びでやってきたという彼に呆れたり、怒ったりしつつも
家族の結びつきの強さを感じさせるパートでした。
変わって後半は日向埼のシリアスパートで
凄まじい発展をとげる日向埼に
自国で喰えなくなった民が流れ込む問題に
焦点があてられる事とになります。
受様達は流民を生み出し続ける隣国
佐矢間の実態を知るべく境界となる山へと向かい
死にかけていた男の子と老犬に出会うのです。
隣国の状態が城主の失策によるなのは明らかですが
やんわりと牽制すれば、それすらも言質として
日向埼への攻撃としてくる佐矢間に
攻様と受様はどう対するのか
手段を間違えれば即戦の火ぶたが落とされる状況に
ハラハラが止まりません。
受様の見事な未来読みと攻様の政治手腕が活きていて
流民問題と日向埼の人手不足が解消される展開は
実に見事です。
そしていつもながら受様が絡むと後先がないというか、
なりふり構わない攻様の嫁ラブぶりも
またたいへん楽しかったです♪
更なる未来が読める日を期待してしています。