銀次郎さんのレビュー一覧

魔都の星屑(下) コミック

 

魔都に自分を求めた男たち

まさにノワール。悪に染まったものたちの、愛の物語でした。

なんといっても、受けと攻めの心のやりとりが魅力的。
分かりにくいささやかなものですが、受けの言葉や攻めの表情に、愛の片鱗を見つけることができます。
血あり暴力沙汰ありのドロドロ展開ですが、そういう悪の要素をすっかりと忘れてしまうくらいでした。

下巻では攻めの過去が明かされ、自身の決意と受けに出会ったことによる心の変化の間で葛…

2

魔都の星屑(上) コミック

 

思惑と想いが渦巻く魔都

架空の魔都を舞台に繰り広げられる愛憎劇の開幕です。

最初はひりひりとした雰囲気で、甘さの欠片もない物語展開。
けれど怪しげな空気と先生の美しい絵柄がマッチして、妖艶な印象を受けました。

攻めの名前は、ジャン シウレイ。
人心を掌握し、高い位置へ上り詰めようとする野心家。
帯には”人たらし”と表現されていますが、人を誑し込むことを1つの手段として用いている確信犯です。

受けの…

3

TOKYO光オークション コミック

時羽兼成 

他の作品も読みたくなる楽しさ

試し読みに惹かれて読んだのですが、買って良かったと思います。
コメディ要素が面白くテンポも良いので、読んでいて楽しい。

キャラクターが魅力的で、物語をぐっと面白くしてくれます。
ワンコみ溢れる攻めは、ぐいぐい迫ったかと思いきや、自身のことに触れられそうになるとあっさりと身を引いてしまう。
受けが絆されかけたところでこの態度ですから、彼がちょっぴり可哀想に感じてしまいました。

そん…

2

ブルーブラッドヴァンパイア コミック

冥花すゐ 

終わり方で全て吹っ飛んだ

なかなか残酷なお話でしたが、それはそれで楽しむことができました。

個人的な感じ方かもしれませんが、1つ1つの要素がどこかブツ切れのように感じてしまいまして...
雰囲気は好きだけれど、想像していたよりはあっさりとしていた過程だと思いながらたどり着いた最後。

終わり方にぞくぞくと来ました。
始祖吸血鬼を滅ぼすということは、アジュールも消してしまうということ?
自分自身を滅ぼしてしま…

0

ブルーノート コミック

束原さき 

美しさにはまる

2作品が収録されていますが、個人的には表題作が好みでした。

【ブルーノート】
ピアノを通じた恋物語は、先生の絵柄と物語の雰囲気がぴったりとマッチしていて、ロマンティックさを増してくれます。

とても綺麗なお話だったのですが、1つだけ気になったのがピアノの上でやっちゃうシーン。
2人を繋げてくれたピアノであり、奏にとっては商売道具なのにその上でしてしまうのが違和感でした。

物語と…

1

美作くんと迷える子豚 コミック

梅田みそ 

わかりにくい甘さが良い

後ろの席の加藤くんで絶妙な存在感だった美作くん。粗暴な印象だったので、どんな恋愛を繰り広げるのか興味津々でした。

美作くんのわかりにくい甘さがクセになる!
デフォはやはり荒っぽいですが、佐藤くんの前では微妙に柔らかくなります。ここが、ま〜萌える!!
佐藤くんが素直でピュアな良い子なので、もう少し優しくしてあげて…と思わなくもないですが。個人的な琴線に触れまくりでした。

美作に出会う…

0

どうしようもない、ぼくの初恋。 コミック

よも灯 

想像よりねっとり感

DKの初恋もので爽やかな青春が味わえると思って読み始めたので、想像よりも濃い雰囲気でギャップを感じました。

攻めの武内は見た目と流れから真面目な優等生枠だと勝手に思っていたので、モテ男枠だったのかと驚きます。

受けの柚木は攻め大好きで、振り向いてもらおうと努力する姿が愛らしい。
攻めに触れてもらえてふわふわしているところも可愛かったです。

どうしても理解できなかったのが、さっき…

2

キミゲイザー コミック

ふじとび 

まさしく「ハートフル・ハッピーストーリー」

死後の世界で繰り広げられる、不思議でちょっぴり切ない物語。
別れはあるけれど、心温まるハピエンでした。

常に暴走しがちな瞬と、表情がわかりにくく終始冷静な紺野。
死後の世界から抜け出すために、2人で格闘していきます。格闘とはいいつつもほとんど瞬が頑張って、紺野はそれが心配でついていくような形ですが...

途中で瞬の「好きな人」も予想はつきました。けれどその部分を彩る不思議な死後の世…

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たべたいあなた コミック

七ノ日 

本能も自分自身

けも耳好きには抗えず、まんまと手に取りました。耳も尻尾もはえちゃうなんて可愛すぎます。

けれど可愛くてえっちなだけではなく、個人的にははっとさせられた部分がありまして...
他のバースものだと本能≠自分であり心を優先する描写が多いので、私の頭の中もその流れに偏っていました。

けれどこの作品の中では、本能=自分でありそれの何が悪いのか、と表現されています。
私の視野が狭まっていたこと…

1

人形型モノクローム コミック

キカ糸 

衝撃だった。

序盤の不憫な木綿の扱いが、可哀想で仕方なくて...結構しっかりとその部分が描かれているので、気分が少し落ち込んだりもしてしまいました。

ストーリーもセックスドールのお話だと思いながら読んでいたので、最終的な展開に驚きました。
木綿が一途にご主人のことを想っているので、その展開は胸糞です。

夕日に出合って環境は救われますが、木綿の心は以前のご主人に囚われたまま。
本当の意味で解放され…

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