こんな恋、もうできないと思っていた――。

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表題作ブルーノート

戈木眞琴,戈木商船HD代表,元ジャズピアニスト
一ノ瀬奏,ピアニストを諦めたピアノ弾き

同時収録作品初恋リフレイン

霧島,社長,大学の元先輩
奥村仁,社長秘書代理,大学の元後輩

その他の収録作品

  • Fly me to the Moon
  • あとがき

あらすじ

ある出来事からピアニストの夢を諦めかけ、バイトと身体を売ることで生計を立てている奏。
ある日、ラウンジプレイヤーの仕事で、謎の男・戈木と出会う。
ピアノの腕を素直に褒める彼に、奏は過去のトラウマと重ねながらもほのかな恋心を抱く。
誘われるがままついて行った才木の部屋で、「俺の専属ピアニストにならないか」と提案され…!?

作品情報

作品名
ブルーノート
著者
束原さき 
媒体
漫画(コミック)
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリアコミックス
発売日
ISBN
9784866571843
3.7

(93)

(20)

萌々

(38)

(29)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
17
得点
344
評価数
93
平均
3.7 / 5
神率
21.5%

レビュー投稿数17

とにかく美しいです

束原さき先生がスパダリのアンソロに寄稿したものと、ブルーノートの2作品が載ってます。
先生の描く絵は繊細でとても美しいのですが、スパダリというテーマだったので攻めがどちらもハイスペックで大人の男っていうところが、今までの先生の作品とは違ってなかなか素敵なんです。

ちょっとスパダリって非現実的なところがありますが、ブルーノートは男の子版シンデレラストーリーという感じで幸の薄い奏が友達のピンチヒッターでピアノを弾きにいったホテルで出会う、お金持ちの戈木にピアノを気に入られて専属のピアニストになって欲しいと頼まれるところから、だんだん奏も戈木のことを知るうちに惹かれていくお話で、本当に薄幸な男の子が戈木との出会いによって変わっていくのに萌えます。

濡れ場でさえも美しくてなんだか映画でも見ているような気持になります。

初恋リフレインはスパダリに掲載されていたお話で、こちらもテーマに違わず素敵なお話です。
短編なので過去の話とかも読んでみたくなりますが、昔付き合っていた2人がまた大人になって社長と秘書として再会してまた恋が始まる。

どちらの攻めさまもそれはそれは愛情たっぷりなので、甘いお話を読みたいときにおススメです。

10

ジャズ ピアノ

先に投稿されたレビューに「スパダリがテーマ」とあるので、ブルーノート、ブルースとどのような関連があるのか興味を持って、読みました。
レビューからだと、作品として面白味がある『初恋リフレイン』のほうが人気が高いらしいです。
あとがきに著者も書き足りないと書いているので、続編による補完がありそう、期待。
映画のシーンを漫画化した感を受ける綺麗で丁寧な描写です。私は映画のような作品は好きなので、神評価。

クラッシックのピアニストは、ジャズを格下に見る傾向があったようで、私が習ったピアノの先生はジャズ風に染まらないようにとジャズを演奏しないように言っていたことを思い出しましたが、今は、そうじゃないみたい。

作中の主人公;奏は、失恋+プレッシャー負けして、音大を中退したピアニスト。繊細過ぎた。
でも実力はかなり高い。一度聴いただけで、同じ曲を演奏できる力量を持つ。
大学中退後、貧窮。昼と夜(高級男娼)の仕事と友人の支援で、なんとか生計を立てている
或日、昔聞いたジャズ曲の奏者ヘリオ(戈木~太陽)との再会したことから、太陽を待っていた月が(月は奏のこと)幸せをつかめたシンデレラ物語。

「太陽を待つ月」奏が作曲した曲のタイトル、月は奏のこと。
「helio ヘリオ(太陽)」才木が作曲した曲の名
「奏は、もう太陽を待つ必要はないだろう」才木が奏に語った言葉。

「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」(Fly Me to the Moon)を聞きながら読みました。


・・・知って読むと面白さが増すので、調べました。

▼ブルー・ノート(blue note):.
ブルー・ノート・スケール - ブルースやジャズで使用される音階。ジャー・スケール(長音階)に、その第3音、第5音、第7音を半音下げた音を加えて用いるものである。また、特に♭3,♭5,♭7の音をブルー・ノートと呼ぶ。
19世紀中頃、白人の奴隷としてアフリカから連れてこられた黒人たちに「ドレミ…」の西洋音階を教えたところ、ヨーロッパ音楽には耳慣れない妙な音程で歌いだした。その音がどことなく物悲しい雰囲気を帯びていたため、ブルースの語源であり「憂うつ」を意味する「ブルー」の名称で呼ばれ定着したとされる。

▼ジャズがクラシックの“なれの果て”なのか
ジャズ側のクラシックに対する“目線”が変わってきたのではないかということ。
「ジャズとクラシックの関係性」より
≪戦後のジャズとクラッシックの融合で、随分ジャズの評価が変りました≫

▼世界三大ピアノブランド:
スタインウェイ&サンズ(STEINWAY&SONS)、
ベーゼンドルファー(Bosendorfer)
、ベヒシュタイン(C.BECHSTEIN)

★このうち二つが作中に出ていました。いずれも、マンション一軒買える価格。
*スタンウエイ:
1853年にニューヨークでドイツ人ピアノ製作者ハインリッヒ・エンゲルハルト・シュタインヴェーク(後のヘンリー・E・スタインウェイ)によって設立されたピアノ製造会社。ピアニストが思いのままの音を実現できる唯一のピアノと言われている。価格はグランドで1千万円から。
*ベヒシュタイン:
C. ベヒシュタイン・ピアノフォルテファブリック(C. Bechstein Pianofortefabrik)AG、通称ベヒシュタイン(Bechstein)は、カール・ベヒシュタインによって1853年に創業されたドイツのピアノ製造会社。価格は、お問い合わせ。透明感のある高音が特徴。

▼ジストニア:
ジストニア(dystonia)は、中枢神経系の障害による不随意で持続的な筋収縮にかかわる運動障害と姿勢異常の総称。

▼レイドバック:
「Laid-back(レイド・バック)」は 
「メトロノーム的にきっちりのリズムではなく、小節をいっぱいに使って、ゆったり大きくノッて下さい!」なんてイメージを伝える時に使います。
 ・・音楽専門用語の「レイドバック」とは?から引用

▼私を月に連れて行って:
954年発表 バート・ハワードの曲。本来3拍子のワルツだった曲、8年後にジョー・ハーネルが4拍子のボサノバにアレンジしたところ、大ヒット。
フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」(Fly Me to the Moon)
原題は「イン・アザー・ワーズ」(英: In Other Words)


5

おちゃめなスパダリを愛でれるシンデレラストーリー。

束原先生の背景まで手を抜かないきれいな絵が大好きです♪

表題作と短編1話が収録されています。
アンソロ『スパダリ』に描いた短編がキッカケで、表題作を思いついたそうで、どちらの攻めも御曹司なスパダリ。
束原先生の絵にはスパダリがよく似合う!


●「ブルーノート」
ピアニストを目指していた奏は、初恋の男に裏切られ、音大を中退し、ピアノからも離れていたけれど、名前も知らないバーのジャズピアニストに出会って、もう一度ピアノを始めてみようと思った。

でも生活は苦しくて、最初は男に抱かれたくて訪れていた場所で、今では金のためにカラダを売っている。
そんな時、奏の演奏を気に入った御曹司の戈木から専属ピアニストにならないかと誘われ…

奏は、戈木と出会った後、音が弾んでいて、戈木に惹かれ始めているのに、裏切られたトラウマがあるから、戈木の提案をすぐに受け入れることはできない。

戈木は船舶を持っている会社の御曹司で、ホテルの最上階スイートに住んでいる、現代版の王子様のような男です!
でも酔っぱらったまま奏の家にやってきて、はしゃいで甘えて、戈木は非の打ちどころのない完璧な男っていうより、なんかおちゃめで愛嬌があります♪

戈木は葛藤もなく奏に落ちるし、奏も最初の意地はどうした?と思うくらい簡単に流されるけど、なんかこの流れがナチュラルに感じられるんですよね。
シンデレラ的夢物語、王子様とかわいそうな子は結ばれるのが当然というか、束原先生のきれいな絵柄で二人が結ばれるのが見たいと思わせる。

唇と唇が触れそうな瞬間、肌の重なり合い、感じてのけ反る首元に突き出ている喉仏、もう期待通りに美しくてウットリしてしまいます♪

そして、奏が目覚めると服は隠され、奏の荷物はすべてホテルに運びこまれている。
行動は強引なのに、戈木がやったことだと思うと、あーぁしょうがないなってかわいく思えて受け入れてしまう。

戈木の正体や、描き下ろしのネタばらしを読むと、できすぎなくらい出逢うべくして出逢った、ほんとうにきれいな夢のような二人のお話です。


●「初恋リフレイン」
付き合ってはいたけど恋人になりきれないまま自然消滅した二人が、偶然、社長と社長秘書として再会、”やけぼっくいに火がついた”典型ストーリーです。
酔った挙句…な簡単な展開だったけど、やっぱり私は束原先生が描く筋肉隆々でも細すぎもしない男のカラダが好きだと再確認^^


偶然が重なる、まさにフィクションな夢物語なんだけど、束原先生の絵はきれいな夢を見せてくれます!

10

繊細な絵とピアノの旋律がリンク

束原先生作品を未読で、表紙の絵に惹かれつつも購読を迷われている方。
ご安心ください!本編も美しいですよ(^^)
奇抜な設定やキュンキュンする甘々な雰囲気はないけれど、落ち着いたお話が好みの方にはお薦めしたいです。

表題作『ブルーノート』では、奏(受)が紡ぎだす美しいピアノの旋律と束原先生の繊細なタッチの絵がうまくハマっていて、実際に音楽が聴こえてこないのが残念に感じる程。
また、戈木(攻)の過去のエピソードが加わることにより、単なる音楽家とパトロンの枠を超えた、二人の絡み合う運命のようなものに説得力を感じました。
主人公以外のキャラクターも登場シーンは少ないながら、奏くんを見守る友人の矢野くん、戈木さんをサポートする秘書?さんと、僅かなコマからでも温かな愛情が伝わってくる人たちの存在が素敵です。
個人的には戈木さんと矢野くんの絡みが読んでみたかったな…

同時収録の『初恋リフレイン』も可愛らしいお話ですが、こちらはページ数が少なく、どうしても展開が駆け足になりがちで、若干物足りなさを感じてしまいました。
逆に、お話の短さを残念に思えるくらいに萌えを感じることができた作品なので、主人公二人の学生時代のエピソードや、霧島(攻)の会社に仁(受)が入社する以前の元秘書との会話等々、妄想が止まりません(笑)
いつか続きを描いて頂けることを期待しています♪

5

美しすぎる(元)ピアニスト達。

束原先生、やっぱり絵が最高にお綺麗です。
美しすぎるので、Powder Snow Melancholyのようなクスッと笑えるキャピキャピ大学生より、こういうしっとりした世界観のほうが絵に合ってるなと思いました。
ジャズバーでピアノを弾くまだ髪の長い戈木、戈木の部屋でグランドピアノを弾く奏、船上で夜明けを待つふたり…どれも美しかった。

それだけに物語の展開が早くてがっかり!
脳内で補完しろってことですかね(笑)
過去の失恋、当て馬の不動産屋、昔のパトロン、ふたりの関係を暗示する太陽と月…設定や登場人物は盛りだくさんで細部まで練られているので、いくらでも広げようがあっただろうに。
あっさり終わっちゃった。というか不完全燃焼?
あとがきに、描ききれなかったシーンが沢山あったとありましたから大人の事情ってやつですか。
残念すぎる。もっとこの世界観に浸らせていただきたかったなあ。

そんなわけでストーリーとしては完成度が低いかと思いますが、設定が好みだったのでこの評価で。

5

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