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冴(受)が、元気で一生懸命で押せ押せなんですが、それが全然うっとうしく感じませんでした。もう清々しいくらいでしたね。ポジションとしては『受』なんですが、ただ待ってるだけの『受け身』じゃないんですよね。そりゃ、隆司(攻)もオチるよな、って微笑ましくなってしまいました。
隆司のキャラクターが、最初のうち掴みにくかったんですが、まあわからないではないです。なにせ相手は15歳の子どもですからね。そりゃ押して来られたら引くよね、って共感できました。
それが、恋が実った後の続編では『なんか立場が逆転してんじゃないの?』ってくらいで面白かったです。
個人的には、続編での『大人になったら』『サボテンの花が咲いたら』の行き違い(?)がなんかツボでした。
普通考えて10歳(15歳と25歳)の歳の差や、お試しで7回のデートとか
「お話」とか「設定」って感じだし、電車での出会いも考えたらあまりないんですが・・・。
そこがいいというのか、冴が健気でいい子すぎて応援したくなっちゃうんです。
隆司の元恋人・馨の結婚式のとこなんてうっかり
泣きそうになっちゃいました。
二人がカップルになってからの「チョコレートタイム」では隆司のほうがメロメロな
感じでニヤニヤしちゃいます。
16歳になったばかりで初エチと言うこともあってかエロは物足りない感がありますが
初めてで濃いのも不自然なのでこれでよかったのでしょう。
ひと目惚れした相手に運命の再会。
猛烈にアプローチする冴が、つれない相手・隆司に出した条件が『7回のお試しデート』。
実際にデートをしてみて、付き合えないかどうか決めてくれと。
何の酔狂か隆司もこの条件を受け入れ、二人のお試しデートが始まります。
隆司の登場シーンが素敵です。
別れ際に冴にかけた言葉に胸がドッキュン!
こりゃ~冴が恋に落ちるのも判ります!!
お試しデートを繰り返していく中で、相手の意外な顔や弱い部分を知って行き、
時には傷つきながらも隆司にドンドン惹かれていく冴。
隆司に嫌われないように頑張る冴は健気だし、恋敵に塩を送っちゃうお人好しさには、
一時はどうなることかと思いましたが。可愛い結末が待っています。
読み終わったらチョコレートが食べたくなる作品でした。
15才の高校生と25才の社会人の恋です。
冴は、高校受験に向かう電車の中で肝心の時計を忘れたことに気付き慌てるが、その時偶然乗り合わせていた隆司が自分の時計をぶっきらぼうに冴に差し出してくれたことからお話は始まります。
どうもこの序盤、書かれ方がぶつ切りと言うか・・、場面場面が細かく切って繋げられている感じがして、
冴が偶然の出会いをきっかけに隆司に一目惚れしたとか、昔振られた友人と偶然高校で再会して仲良くなるとかの流れに上手ーく乗れず・・・
おまけに、冴が予想以上に子供っぽく、社会人の隆司とは完全に保護者とその親戚の子供みたいな感じにしか見えず、「あぁ、これ購入して失敗しちゃったかな」なんて思っていたんです。
ですが、冴の強引なアプローチからお試し期間として2人のデートが始まると、物語はサクサクと始まり出し、やっとリズムに乗れてきて面白かったです。
隆司は大人の男として冴に上から目線で振る舞ってはいるけれど、実は失恋したてでその傷を未だ消化しきれていないし、冴は冴で、一見何不自由なく愛されてきた子に見えるが、実は子供ながら「いくつものさよなら」を経験しており、胸の内にひっそりと刺を抱えている--
そんなお互い傷を抱えた二人が、お試しデートを重ねて遊園地や植物園に行き、子供のように楽しく遊び、胸の内を語り合うことでお互いに支えになっていく過程がゆっくりと自然に書かれていました。
冴は隆司に釣り合わない子供だと落ち込んだりもしますが、子供ならではの猪突猛進さ、明るさ、無邪気さで、隆司を最終的には自分に引き込むんですよね。
この若さ、いいなぁって思います。
隆司も昔いじめっ子だったらしく(今も?)、よく大人気なく冴をからかって遊びますが、とても冴を大事にしていることが伝わってきて、いい組み合わせの2人だと思います。
高星先生の挿し絵も表紙通り、とても綺麗で可愛かったです。
萌萌萌。(MAX:萌萌萌:めちゃオススメ)
歳をとると、高校生のしかも一目惚れというのははしかのような一過性のものだって思ってしまいます。自意識が過剰な年頃ゆえに、ちょっとした事で好きになったり醒めたり、あっさり他の人に目移りしたり。身に覚えがあるだけに大人は、子供の気持ちを信用できないというか。
たった15歳の冴ですが、そんな私と隆司の考えをえいやと吹き飛ばしてくれるほどまっすぐで魅力的な子でした。
腕時計を忘れてしまった受験の日、高価な時計をポンとくれて助けてくれた隆司に一目惚れする冴。それから3ヶ月後、新商品の試飲キャンペーン中の隆司に再会し、無謀にも告白するが…。
相手は25歳の真っ当な社会人。
「子供なんて相手にできない」ともちろん振られてしまうのですが、相手の仕事を逆手に取ってその商品みたいに俺を試してみて!と交渉しお試しデート7回の契約に漕ぎ着けるあたり、ずいぶん面白い始まり方です。
(これがプラチナ文庫あたりだと「じゃあ…」ってな具合に、あっさり体の相性を試すんだろなー。で、待ち受けてるのはエロのエロによるエロのための応酬。笑)
受け身の主人公の話を読むことが多かった中、可能性のなさそうな攻めを相手に振り向いてもらおうと頑張る姿は、いい意味で新鮮でした。
健気なんだけどヘンに媚びてないし、自分の意志と意見をしっかり持ってるところがとても好感持てるのですよ。いい子だなあ。
後書きに「キャラの苦手なものを大切にする」とあるのですが、とても優しい視点だなあと思います。
美点を並べるよりも、どうしようもない癖や欠点が返ってその人を魅力ある人に見せてくれることってありますよね。
「恋が始まるのは長所からでも、愛が深まるポイントは相手の欠点にどう対処できるかにある気がします」と続いているんですが、ちょっと耳に痛い言葉。
でも、全くその通りだと思います。
Dear+のレーベルで15歳の恋。
この組み合わせに、あのムズムズするような気恥ずかしさを覚悟していたのですが、なかかどうして。冴の芯の強さと年相応の心の揺らぎ、心地よく読み通せました。
~独り言~
15歳かあ、毎日細胞分裂してるんだろうなあ。羨ましーよーーー。