烏 CROW―硝子の街にて 10

烏 CROW―硝子の街にて 10
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
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  • しゅみじゃない0

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レビュー数
1
得点
8
評価数
2件
平均
4 / 5
神率
0%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
講談社
シリーズ
X文庫ホワイトハート(小説・講談社)
発売日
価格
¥580(税抜)  ¥626(税込)
ISBN
9784062555999

あらすじ

一九九八年春―。
シドニーが捜査中に怪我をした。
案ずる伸行は、シドニーの父親テッドに、どうしても会いたいと思った。
建築技師であるテッドの仕事場を訪ねることにした。
その仕事場の近く、日本企業で殺人事件が起こる。
その会社では、日本人経営陣に対する女性従業員からのセクハラ騒動がもちあがっていた。
伸行は殺人現場に立ち合う。
そしてシドニーも―。
どこまでもピュアなNYラブストーリー。

表題作烏 CROW―硝子の街にて 10

シドニー・ホプキンズ/刑事/29歳
広瀬伸行/ツアーガイド/26歳

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レビュー投稿数1

近くなるほど遠くなる

最初は可愛くてピュアなラブストーリーという感じだったのが、巻を重ねて結び付きが強くなるほどせつなくて苦しいラブストーリーになっていってる…感じがします。

この巻数まできていっきにシリアス度を増したような。
片思いだった最初らへんのほうが安心して読めたなあ。両思いになった途端にこんな苦しいカップルってあるんでしょうか。

10年以上の片思いをやっと実らせたのに、ようやく恋人になったのに、恋人になった今の方が相手を遠く感じる、という伸行の感情がぎゅっと詰まっています。
シドニーのことを何も知らないとか、シドニーが何も教えてくれないとか、今まで気にしなくてもシドニーが大事で大好きだと思えていたことが今は違う。知らないことがあっても好きだと思えるのが友達で、知らないことがあれば不安になるというのが恋愛なのでしょうか。

シドニーが仕事で怪我をして帰って来ること、戦争に行った頃の夢を見て苦しんでいること、伸行はそれを何年も知らなかったことに気づきます。
シドニーのことが知りたくて前の恋人やシドニーの父親に会いにいったりするんですが、そこでまたまた殺人事件に巻き込まれます。
続き
この作品は時系列にそった出来事がわりと正確に書かれていて、タイタニックの流行とか、こんなこと、あったなあ~て感じになることもあるけど、それをお話で読むとまた不思議な感じ。
世界情勢があってこそつくられていくお話ですね。
歴史小説ではなく、リアルタイムですすんでいく世界があってその後のお話が変わっていくと作者さんもかかれています。

現時点で10年以上たってるから、ここで騒がれている問題が最後にどうなるかわかっていて辛いです。
でもこれをリアルタイムで読んでたらもっと考えることが色々あって辛かったろうなと思います。

今回は何事にも「無欲」でなく「意欲がない」と自己嫌悪の固まりだった伸行が、仕事にもシドニーとの関係にも決断を出すターニングポイント的な回です。
職場にカミングアウトした伸行に対して「ホモでもレズでも、会社規則には関係ない」と言う上司に感動しました。職場に恵まれていますね。
職場にカミングアウトや周りの人へのカミングアウトでいっきにお話がすすんだ感じです。

そしてようやく同じベッドで寝て、一緒に暮らし始めるのですが…
ここまで10巻もかかるなんて、本当に長かったなぁ。楽しかったですが。でもここまで焦らされたのが不満だとは思えない。
ようやくシドニーが伸行を受け入れたシーンがすごく印象的だったからです。

受け側にベッドを拒まれるっていうのはあっても、攻め側にこんなに拒まれるっていうのはなかなかないんじゃないでしょうか。
シドニーはゲイだけど伸行はそうじゃない。ゲイだという理由で母親から疎まれて職場でバッシングを受けるシドニーは、「伸行をこちらへ完全に引っ張り込む覚悟が出来ていない」とやんわりと同じベッドで寝るのを断り続けていました。

シドニーの気遣いを受け入れて、平気なフリを続ける伸行ですが、伸行の無茶さが発揮されてとうとうシドニーも受け入れざるを得ない状況になります。家族にも友人にもカミングアウトする、と伸行が言ったからなのですが、それで周りに嫌われるなら、それがゲイというものならそれでもいいと言う気持ちって、一番失いたくないのはシドニーだからという事なんですよね。
ここまで読めたことがほんとによかった。長かったけどこれでよかったんだなぁと思いました。

2

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