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表題作碧空

氷川享介,大学生
原岡凛一,高校生

あらすじ

高等部に上がって新聞部で写真を撮り始めた凛一は、遠く京都の大学へ入学しフットボール部で活躍を続ける氷川を思いながら、ひとり過ごしていた。そんなある日、有沢という謎めいた上級生が現れ、凛一を写真のモデルにしたいと誘うのだった。有沢に魅かれ、孤独な心を乱す凛一。はなればなれになりながらもお互いを求める少年たちの思いの行方は…。好評シリーズ第二弾、待望の文庫化。

作品情報

作品名
碧空
著者
長野まゆみ 
イラスト
長野まゆみ 
媒体
小説
出版社
集英社
レーベル
集英社文庫【非BL】
発売日
ISBN
9784087474770
4.5

(6)

(3)

萌々

(3)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
27
評価数
6
平均
4.5 / 5
神率
50%

レビュー投稿数1

孤独な心の隙間を埋めたのは…

『白昼堂々』の続編。
凛一は高校二年生となり、享介は京都の大学に進学してアメフトを続けています。
遠く離れても時々電話をしたり、叔父の千尋宅へ行ったりする時に会うという付き合いを続けています。
時代が1970年代なのでもちろん携帯などなくて、家電のみ。
留守電も無いので、電話しても居なかったなどのすれ違いがよく起こり、それがもどかしいけど風情がありますね。

高校で写真部に入部した凛一は、一学年上の有沢改という人物と出会って有沢から写真のモデルになれと言われます。
遠く離れた場所にいる享介への想いを抱きながら、有沢にも惹かれていく凛一。
有沢とは少し似た境遇で、シンパシーを感じていたり、思い通りにいかない享介への想いから、手に届く存在に心が揺れるのは理解できました。

そういう話を聞いてもらえる唯一の存在である千尋は結婚してしまい、省子には享介に対して誠実でないと咎められ、凛一の孤独が深まった本作でした。
おまけに華道の跡取りとしての外堀を固められつつあり、凛一が可哀想でしたね。
それとなく大学も京都に行かないで欲しいと言われてしまいます。

享介は京都で女性とも付き合っているのですが、凛一の事も大事に思っており、有沢の存在を知って嫉妬したり…大変もどかしいです。

続編がまだあるようなので、早く入手したいと思ってます!

2

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