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表題作ディヴィジョン

ヤクザ者らしい男 田中勤・45歳
独立したての新米弁護士 浅野ヒロユキ・33歳

その他の収録作品

  • おまけマンガ

あらすじ

新米弁護士の浅野は仕事でフィリピンを訪れるが、薬の運び屋の疑いをかけられて警察に捕まってしまう。刑務所へ搬送される車の中で一緒だった男・田中となりゆきで脱走することになった浅野。二人で逃亡生活をするうち、危険だが魅力的な田中からいつしか目が離せなくなり……。
アダルトでスリリングなハードボイルドロマンス。

作品情報

作品名
ディヴィジョン
著者
西田ヒガシ 
作画
西田ヒガシ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
ISBN
9784403662867
4.3

(44)

(29)

萌々

(6)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
13
得点
191
評価数
44
平均
4.3 / 5
神率
65.9%

レビュー投稿数13

逃げたいのではなく逃げない

今回は好きな人にはただ見つめるだけ、キスとセックスは好きでもない人と、という臆病なゲイの弁護士が、普通の枠からはみ出て生きている人たらしの男と出会い、逃避行をするうちにいつでも離れられるのに、離れられなくなってしまうという、その弁護士が一皮むけて正直になるお話だったのかな?と思います。

弁護士の浅野と逃避行するヤクザもの田中、カラー扉では渋いオヤジなんですが、本編では若者!?というくらいの若返りw
浅野も最初の登場はきっちりした弁護士らしい顔だったのに、どんどん子供化してきて、、
彼らが物語の中で生き生きと動いていました。

身に覚えのない罪で警察に追われて一緒に逃げることになった浅野と田中。田中は浅野を逃がそうとするのに一緒に逃げることになってしまう。
警官を挑発する陰でペロっと舌を出す田中の子供っぽさ。
ピンチも堂々と、それも容赦ない仕打ちをしたりして酷い面を見せるのに、飄々とそれをしてしまうから、どうにも男臭い。
なんて、ヤバイ雰囲気を持ったイイ男なんだろう。
もう、浅野はその時点ですでに惹かれてしまっているのですよね。
まっとうな道理で正そうと焦ったり、わめいたり、そんな浅野が田中には可愛く見えてくるのですが、泊まったホテルで浅野がレイプされ、事後に駆けつけた時の浅野のあの醒めきった顔。
冷たい表情。
その時から田中と浅野の関係が進展するのです。
田中が浅野を手放したくなくてウソをついてつかの間の幸せの暮らしを得る時、その2人の姿はとても依存しあって愛し合っている恋人そのものでした。
全く正反対の世界に住む2人だから、一緒にいるためにとる田中の手段、ズルいと思うと共に何だか共感できるんですよね。
浅野は田中に不安を抱きながらも、初めて愛し愛される生活が心地よくて、田中がいなくなったらと考える姿、今まで恋愛が成就してなくて愛されるという体験がなかっただけに、本当に彼にとって幸せの時間だったと思うんです。
ひょっとしたら、その嘘を嘘としっていても浅野は赦すんじゃないかと思ったら、田中からあっけなく手を離してしまう。
騙したのが許せない、と言いながら浅野は本当は赦していたと思うんです。
そして田中に追いかけてきて欲しかった。
だから日本に戻って浅野は行動するんですよね。
再会のシーン、かっこいいなー♪
(その前がぽてちんでしたがww)

何だか上手く表現できてないんですが、田中がとにかく格好いい!
そして浅野が不器用で、でも真っ直ぐでいい!
話はドラマティックなのに、ドラマティックに見せない西田さんの力(?)というのがとてつもない魅力なんですよね。
ものすごく、どこにでもいる普通の人がとてつもなく格好良く見えてしまう。
可愛く見えてしまう。
そんな表現が顔の表情で、飾らないセリフで示されているのがいいんだな~
最後まで上手く言えない、とにかくイイ!ただそれだけ。

12

元奥さんの田中語りにもしびれました

何度読み返している事か。
毎回同じ所で体温が上がります。
皆さんと同じくカウントダウンの所です。

ここは浅野が弁護士として人として一線を越えるシーンでもあり、恋に落ちたという意味でも重要なシーンです。(これがディヴィジョンという解釈で良いのかな?)
以下ネタバレしています。


田中が1人船に乗っています。会話の流れで浅野を離し難くなった田中は10秒後に出発すると告げます。逃亡は嫌だ、警察にきちんと説明したい、考えな浅野。戸惑う中おもむろに始まる「10 9 8 …」さらに戸惑う浅野に構わず54321…は小学生がよくやる急にペースが速くなるあれです(笑)更にポカンとして反応出来ない浅野に「0.9 0.8…」と続けるのです。ここが私本当にどうにかなっちゃうんじゃないかっていうほど萌えまくりました。田中という人は絶対これやるはずだ…と。これ程キャラと言動がピタッとはまった事無かったな、って思って何故か泣けてくるんです。(笑)浅野は田中に落とされたけど私は西田さんに落とされましたーもお大好きです!!
因みにカウントダウンは更に続きますので、浅野がどう決断するのか…果たして小数点第何位まで続くのか…是非読んで味わって欲しいです笑えます。

そしてこのカウントダウンはある場面でもう一度行なわれます。それはそれはドラマティックでまるで映画のような使われ方をしています。はい、私はここでも泣きました。

恒例のあとがきは4コマ形式。西田作品の中でもトップクラスの可愛い受け浅野を自虐的に?うまく表現していてクスッと笑えます。

8

あーもー、最高

ホント、西田東さんにはハズレがねぇっす。
私の趣味のど真ん中ばかりついてくる。
一生ついていきますぜ!

真面目な弁護士(受け)と、悪い元ヤクザ(攻め)の逃亡劇です。
真面目な弁護士は男の趣味が悪い。真面目は真面目同士でくっつけばいいのに、惹かれるのは悪そうな男、という。「付かず離れずで気を持たせるのが習い性のようになってる男」に惹かれるってアホアホだよね。手練手管だと分かってても、気持ちが傾くのは止められない。いやー、共感したくないけど共感します。私もかつてはそうだった。ワハハ。

攻めのキャラ設定はホントに秀逸ですね。リアルにいそうだからヤダ。エピソードが積み重なるにつれて、彼の重層的な性格が浮き彫りになっていく。単純にいうと、「遊び人だけど、お前に出会って本気になったぜ!」系とか「精神的に強くてちゃらんぽらんだけど、本当は寂しがり屋なんだぜ!」系の、BL界では極めてありがちなキャラなんですが、そんなふうに類型化したくないんですよ。したくない。読めば分かるけど、そんな単純じゃない。や、違う、ある意味超単純なのかも。(どっちやねん)

ストーリーは文句なし。キュンキュンしました。
随所に挟み込まれるユーモアも文句なし。弁護士先生が刑務所に忍びこむ場面がお気に入りです。ぽてちんしてる先生が可愛すぎて、萌え死ぬ。
毎度ながら、ストーリー性とユーモアのさじ加減がいい。

おまけマンガはその3がお気に入り。
とにかく!隅から隅まで素晴らしかったです。

7

ダメな男が好きなんだ

西田さんの新刊ということで飛びついてしまったヾ(*´∀`*)ノ゛
今回もあえなくダメな男が登場であります。
まぁオッサンてのはここまでやってくれるくらいがちょうどいいのやもしれません。
つーか、45歳!?
えらい年いってたんだな…と思ったのは私だけ?
お話はと言いますと、慣れぬ地で麻薬密売人と間違われ連行される羽目になってしまった弁護士の浅野。行きずりで仲間だと間違われた田中と共に逃走激を繰り広げるわけだが……!?
なんといいますか、激しくないんだけど激しい(笑
執着を見せないようでいて執着してる~な表現が好きです。
ノンケで女好きな田中。
女を可愛いとは思うが長続きしない。男になんて…と言っているくせに、男である浅野を可愛いと思い、失いたくないから嘘をつく。
一時の気の迷いと思いつつも
胸にのこるしこりの正体は~と
こをジワジワくる感じがいいのです。
一緒に暮らし始めて~のあの二人の雰囲気好き。
なんか可愛いんだよね。
男同士でもオッサン同士でも、お互いを想う気持ちってかオーラが凄くイイ。
人間誰しも寂しくて
ひとりじゃいきられないって事だよね。うん


最後の4コマも面白かったです(笑

6

好きな男とのキスとセックス

西田さん大好き!!
相変わらずの青年誌みたいな絵ですが、お話はとっても素敵。非日常な事態に陥ったふたりの、逃亡劇の中の恋物語です。

田中がうまい。あれはずるい。自分の魅力を知っていて、相手の感情に敏感な男は厄介ですね。馬鹿でいれば優しいけれど、賢くなると逃げていく男。彼の言う可愛いは、『何も知らない愚かさが可愛い』って意味が含まれてそう。自分より下だと思うものに対して『可愛い』と表現してると思いました。だから自分と対等な奥さんになる人には、可愛くない人ばかり選んじゃったんじゃないかな。

浅野は確かに可愛かった。頭はいいのに、田中を信じきってる。田中から見たら、さぞ『可愛く』見えただろうな。だから最後、全部知って可愛くなくなった浅野を、田中が受け入れたのには感動しました。

西田さんの良いところは、最初から主要人物をゲイにするところだと思います。だからお話に無理が出ない。いつ惚れたのか、という部分がよく分かります。最初からタイプだったんですもんね。
恋とキスで悩む場面は、とっても切なかった。好きになってくれるわけもない男への恋は辛いなぁ…

とっても面白かったけど、欲を言うなら後日談が欲しかった…!!日本でのラブラブ生活見たかった!!

5

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