好きな人と肌を合わせている筈なのに心の奥がグラグラする…

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表題作野狐禅

同じ大学のサークル仲間 千葉光基/萩原愷
大学生 文字平良

同時収録作品致死量分の愛を込めて【前編・後編】

学生 内田隆昭
学生 高橋

その他の収録作品

  • 致死量分の愛を込めて【前編】
  • 致死量分の愛をこめて【後編】
  • あとがき

あらすじ

大学生のモンジは、サークル仲間だったチバと体の関係はあるけれど、本当に彼の事が好きなのか自分の気持ちに疑問を持ち始め───? 他、純粋すぎる『恋心』を描いた珠玉のラブストーリー「致死量分の愛を込めて」も同時収録!

コミックス&雑誌連動企画! 描き下ろし折本応募者全員プレゼント実施!
(出版社より)

作品情報

作品名
野狐禅
著者
蛇龍どくろ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
コアマガジン
レーベル
drapコミックス
発売日
ISBN
9784864360883
3.7

(42)

(14)

萌々

(11)

(12)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
15
得点
154
評価数
42
平均
3.7 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数15

誰だって幸せになりたい

神評価はそこそこついてるのに神評価レビューはあんまりない作品
言ってしまえばこの作品の魅力は非常に言語化しにくく、且つ肯定しづらいからだと思います。
既存レビューにもあるように、本作はリアルで、生々しく、身近な要素が散りばめられています。
それ故にこの作品の魅力を肯定することはとりもなおさず、自分の目を背けたい暗部を直視することになる。
表題作主人公のモンジくんを始め、みんな自分の在りたい姿ややりたいことと折り合いをつけて現実を生きています。時には目をそらしたりやりすごしたりしながら、今の関係を壊さないようにとか自分を守るためだとか、それぞれが必死。
でも無理はいつまでも続かないし、やがては破綻するもの。その中で自分が何を掴み、何をなそうと思うか。
そういう意味ではこれはBLというよりは群像ドラマで、行間を読む部分を含めてみんながみんなの事情を抱えて何かを選択してそれぞれの道を歩んでいきます。視点はモンジくんですが、これは彼の恋愛にまつわる物語という型では収まっていない。そういう意味では彼はフィルターに過ぎず、主人公という表現は適切じゃない。
これはモンジくんを取り巻く人々の現実と折り合いをモンジくんというフィルターを通すことで生々しくリアルに表現している群像劇です。
だから誰かの一番になりたいとか、誰かを受け入れたいとかいう身近に溢れた恋愛模様が読者には一層生々しく感じる。
一読した方はモンジくんをただのフィルターと捉えて、誰か別の人物の視点を意識して読むとまた味わい深いと思います。幸いにして出てくる頻度的に行間の自由度が高く、推察の幅が広いのでそれぞれの気持ちを完結させやすいと思います。

併録作品の『致死量分の愛を込めて』はストレートに感情が爆発していく初恋のお話で、前後編の内容を合わせてもお話としては結構短いのですが終盤の気持ちの盛り上がりがすごく可愛くて私は好きです。どっちも違った意味でいじらしくてその後がすごく気になります。

先述した理由から人を選ぶ要素が非常に強い単行本なので、恋愛の酸いも甘いも噛み分けたいという方以外にはオススメできません。でも私は併録作品も合わせてとてもいい単行本だと思うし、自分は人に薦めたいので神評価です。

4

絵が変わったね

蛇龍さん、絵がどんどん変わって、絵も、ストーリーも、すごく洗練されてシャープになった。
元々デッサンもしっかりして、画面構成もきれいだったけど、この作品はコマの構成も、キャラの表情も、ホントにいい。
この前のコミックス「アイがラブして~」は必要以上にマンガ、マンガして、蛇龍さんが描く意味を考えてしまったけど、この作品はいい。

ストーリー自体は、愛と安寧の在処って言う、ごくシンプルな物だけど、
話の軸がシンプルなだけに、このすっきりと整理された画面が生きている。

3

あぁ、やっぱりワタシこの人の描く絵すごく好きなんだな
それを実感した1冊でした。
正直、ストーリーを読むというよりも雰囲気を読む作品でした。
間の使い方が巧いんだよ(ノ∀`●)ポッ
ひとコマひとコマが可愛いの。なんだろうこの愛らしさ。
でもね、タイトルと内容のつづくれは良くわからなかったの。
ん~・・・意味があったのかないのか。。。

表題作「野狐禅」
友人の女の人と自分の状況が如実に重なっている。
それをはた目で見、自らに置き換える。
それはまるで己をみているような~な部分からなお話です。
自分が見てきた相手、自分を見てくれていた相手。

後半のショート。
この攻の顔が好きだったりする。
漫画の一重キャラって萌えません???
なにげに無表情に見えて~な部分が可愛かったりする。
そして今回もまたあれです。
「好き」の意味をしらない攻が、「好き」を知る瞬間というのでしょうか
なんだか甘酸っぱいじゃないかっ!!!
好きすぎて~な受ももちろん可愛いのですが、
そんな姿をみて「かわいい」「愛おしい」と素直に感じるようになる
芽生えの瞬間がオイシイのであります。
うん。うん。
思い切り甘やかす攻と、甘やかされて真っ赤な受の画が脳裏に浮かぶ作品
むきゃーーーーっ(●´Д`●)・:*:・

ちゅぅか、タイトルから、狐の話とおもってたんだよねワタシ

3

美しいばかりが恋愛じゃない。

表紙が怖くみえてしまい
発売時には買うのを見送った作品です。

狐と人間んの物語なのかと
勝手に思っていましたが
人間同士のお話でした。

主人公は大学生にしては小さくて青年のようなモンジくん。
同じ大学生通う千葉くんが好き。
千葉くんとは身体の関係はあるが、愛情をもらってはいない。
モンジが抱かれる理由と
千葉が抱く理由は違う。
そんなモンジを暖かく見守り続けているのは
友達の萩原くん。

絡んでくる人間関係それぞれに
しっかりとした設定があって
何かを抱えていて、
当たり前だけど、それが日常だけど、作られた世界ではない
現実感がとても、心に響きました。

女友達のチエちゃんがなきじゃくりながら伝える言葉は
とても素直な感情ばかりで
応援したくなりました。

萩原くん1番良かった。

それぞれがそれぞれに幸せに向って歩き出せたのを見れて嬉しかった。

2

リアルな恋愛

このお話を読んだ時、胸がキューって締めつけれれました。
誰もが一度は経験したことある気持ちじゃないだろうか?
こんなに好きなのに、何か虚しい。
もう別れようって言われるのが怖くて気持ちが確認できなくて、ズルい相手に合わせている苦しさ。
自分が好きなのと同じくらい相手にも好きでいてほしいのに。
都合のいい相手ではいたくない、本気の好きが欲しいのに。
それは、男や女という性別は恋愛においては関係ない。
そんな気持ちが表題はじめ、もう一本収録されている作品にも共通して描かれていると思います。
もうっ!評価は神に果てしなく近い萌えです!!

幼馴染の女子が相手の男子から遊びの付き合いをされていることをわかているのに、相手をあきらめきれなくて泣いている。
主人公のタイラもまた同じ気持ちを友人の千葉に抱いている。
友人のハギワラもまたタイラに片想いしているだけに苦しみがよくわかる。
タイラと千葉が一緒にいる時は、本当に恋人みたいなのに、どこかで千葉が線引きをしてタイラをまるごと受け入れてない。
モノローグのひとつひとつが切なくて苦しくて、絶品です!
ハギワラのタイラを見守り、温かく包む優しさが救いです。

『致死量分の愛をこめて』
”好き”っていう気持ちが良く解らない男子高生・内田が、自分のしているブレスレットをあげた同級生・高橋がそれを大事にしているのを見て、彼の気持ちを知る。
相手が自分の事を好きだから、いつもの流れで「付き合おうか?」って付き合いはじめたけれど・・・
好きすぎて嫌われるのが怖くて、それほど好きっていう高橋の感情。
何かすごくよくわかるーーー!
今どき珍しい程の純情と純愛なんだけど、本当の恋愛の気持ちを突き詰めれば究極の気持ちなんじゃないんだろうか?

BLと言う作品を借りて恋愛を語る、とても素敵な作品でした☆☆☆

2

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