そうだよ 俺はそういう目で夏目サンの事見てる

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表題作成長痛

柏野すばる,東京の高校1年生
夏目圭,高校3年生,田舎の高校の図書委員

その他の収録作品

  • bonus track(描き下ろし)
  • あとがき
  • 電子限定オマケページ! 2P

あらすじ

田舎の高校に合宿でやってきた柏野すばるは、ひとつ年上の図書委員、夏目圭に出会う。
早朝の図書室でのひと時、すばるは圭の色素の薄い眼や、雨に濡れた肌が気になってしまう。
自分より背の高い、同性の年上相手に不埒な夢を見て動揺する中、合宿が終わり、圭から「手紙を書いてよ」と文通を持ちかけられる。
互いに手紙を送り合うふたりだったが、とあることをきっかけに、すばるは返事が書けなくなりーーー。
注目気鋭・梶ヶ谷ミチルの待望の2ndコミックス! 描き下ろし後日談収録。

作品情報

作品名
成長痛
著者
梶ヶ谷ミチル 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
ISBN
9784396783181
4.2

(181)

(93)

萌々

(51)

(28)

中立

(4)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
49
得点
757
評価数
181
平均
4.2 / 5
神率
51.4%

レビュー投稿数49

なんと奥深いタイトル!

バスケ部の柏野すばるは、合宿先で他校の生徒、夏目圭と偶然出会う。
二人が会って言葉を交わしたのはトータル2時間にも満たないかもしれないけど、恋に堕ちるのって時間数じゃないのよね。
雨に濡れた夏目の半裸体に動揺したり、密着した体にときめいたりしてるのに、同性相手なので、それが恋だとは気づいてないってとこも、読んでるこっちが妙にドキドキしてしまうのです。
旅先で偶然出会った地元の人。それきり二度と会うことはなく思い出の一部になってしまうものなのに、その縁をつなぎとめておきたくてメアドを訊いてしまう…こんな始まり方が妙に新鮮でした。携帯持ってなくて文通ってのも。
最初の内はノートを破って手紙を書いてるすばるに、ちょと笑っちゃった。次にコンビニで買ってたのはレポート用紙!女子とは違って、どれにしよ~♪なんて、ちゃんとしたレターセットを選んだりしないですよね(^ω^)
最近の高校生って年賀状さえも書かないってコいると思うんですよ。うちにも実際いるし。何円切手を貼ればいいとか、住所ってどの位置に書くんだっけ?とか平気で言いそうです。
学校帰りに郵便受けを覗くのが日課になったり、あのソワソワ感ってメールでは味わえないよなあ。メールってすぐ来るもんね返事が。その日のうちに来ないと「遅い!」って思うけど、手紙は数日待つのが当たり前。焦れったくて、それがまた楽しかったりしたものです。

しかし甘酸っぱすぎる!たどたどしくもゆったり進む恋模様に胸がキューンとなりました。
チビだった年下の相手に久しぶりに会ったら、自分を追い越している。背だけじゃなくて、いつの間にか夏目がすばるにイニシアチブを取られていたりと、すばるの成長ぶりにもドキドキさせられました。
10ヶ月で12cm伸びか。ラストのコマでは矢野君よりも大きくなってるもんね。そりゃ成長痛にもなるわ。心情をも物語るタイトル、すごくいいです。
高校生特有の未熟さや身勝手さにリアリティがある梶ヶ谷さんの作品、今後も期待大です。

18

浮世離れしてはいる、でも何とも比較しがたい魅力があります

批判を恐れずに言うと、私にとってはジブリに近い空気です。
こんな純粋な発言する子供いないよー、こんなリアクションしないよー、とそこここで思う。でもそれを振り切る、神々しいほどのモメンタムがあると思います。

この作品は、合宿で行った田舎の年上の男子高校生に恋をしてしまった、まだまだ幼い高校一年生のお話です。時間がたつのは早く、物語が終わるころには相手は大学へ進学し、主人公は高校二年生になります。

主人公すばるは本人が自覚してないまでも明らかに、いい意味でいもくさいのに小悪魔的な魅力があふれる夏目先輩に一目ぼれをしてしまい、コケティッシュな先輩の気持ちはわかりにくいものの、たった数日の間に二人の間には不思議な絆が生まれます。この未来への期待や緊張を秘めた、でも未だ煮え切らない二人の絆を、夏目先輩の文通をしたいという浮世離れしたリクエストにより、二人は紙とペンにより深めていきます。色々な困難は途中であるものの文通が途切れることはなく、一年のうちに何度か再会を果たします。

性的な興味と愛情を夏目先輩に持っていることを自覚し、それに戸惑いどうすることもできないでいるすばるを、夏目先輩は不思議な距離感でずっと暖かく受け入れて寄り添っていきます。時には寄り添い、時には距離をおいて待ち、時には自分から働きかける。自身も戸惑っているにもかかわらず、すばるを想い、包み込むようなその様子に、こういうひとこそがステレオタイプとはいえ日本人の美徳であり、所謂灯台のような女であり、やはり生涯愛される人間なんだろうなと思わざるを得ません。

夏目先輩には本当に語りつくせない魅力があります。彼にとっては注意や興味、愛情がすべて外に向いているのでしょうか。出身地や年齢の差、同性であることなど気にするふうではなく、しかし目をそらすわけでもなく、今あること、変えられること、受け入れなければならないこと、それを自然に現実的に理解できるひとなのでしょう。
そんな夏目先輩の浮世離れしたあまりのいい漢っぷりに、比較的普通で俗物なすばる君も影響され、目を見張るほどの成長をとげます。彼にとっては距離であったり、年齢差、体格差など自分で気になるところもありましたが、最後には身長も追い越し、夏目先輩にふさわしい重みのある人間に成長します。体格というのも、作品としてわかりやすいバロメーター、メタファーにしてあるだけで、彼が小さいままだとしても、とても頼りになる魅力的な男性に成長したのではないかと思います。

悩みは人間に深みを与えますが、やはりいつも地に足が着いて落ち着いた夏目先輩のようなひとが、愛や幸福を他人に与え、そしてまた与えられるのだろうと思います。彼の魅力だけで、文句なく神評価です。

9

この雰囲気が何とも言えず好き!!!

梶ヶ谷先生の作品は「おはようからおやすみまで」を読み、それがとても好きな感じのお話や絵だったので他の作品も読み始めました。
この作品、田舎の男子高校生と東京の男子高校生が、ひょんなことから出会い、交流を深め・・・という流れになっています。各話のタイトルは攻め様の身長(最初は受け様より低かった身長がどんどん伸びていきます)になっています。まさに心も体も成長痛。

私は受け様のふわふわ~んとした感じのキャラ(しっかりしているようでどこか抜けていたり、不思議な色気があったり・・・)がとても好感がもてましたし、気に入りました。
そして、全体的に流れている空気感もとても良くて、普通の中にある独特な色っぽさに凄く萌えましたし、とてもドキドキしました。
文通でのやり取りとか、どこかノスタルジックさも感じたり・・・。それに、受け様がきちんと気持ちを文章にしたり言葉にするところも好感を持てました。

読む前は切なそうなイメージが強かったのですが、実際には嫌な感じの切なさではなく、胸キュンで甘酸っぱい、とても素敵なお話でした。

6

アナグロが新鮮

高評価作品だとばらつきがあるけれど、この作品は概ね高評価で、全て萌え以上
自分で読んで見て、アナグロな設定だけど、それがかえって新鮮に感じさせる
とても素敵な作品になっていました。

高校生同士の恋物語なんですが、遠距離恋愛でもあるし、今どきのツールを使って
いない交流なんかが、余計マッチしている感じでとても良かったです。

高校1年生でバスケ部の攻め様は、夏の合宿で田舎の高校で練習をすることになり、
偶然、覗いた図書室で受け様と出会います。
ゲイだと認識もしていない二人、ただ、攻め様は理由も解らずに受け様が気になる。
きっと性別が女の子なら迷わず一目ぼれ状態な雰囲気でした。

それから数日間にほんの少しの時間を共有した二人なのですが、これで逢えなくなる事が
嫌だと思ってしまい、携帯を持っていない受け様と文通をするようになります。
今の時代だからこそ、手紙のやり取りが新鮮に感じたりするんです。
そしてもう一つは、成長痛!出会った時の攻め様は164cm、受け様が172cm
攻め様の目線はいつも上だったのですが、次第に文通をし、時間の流れと共に
攻め様の精神的にも大人に向かって行く過程が、肉体的な成長に付いてくる成長痛で
余計にリアルな感じがするんです、自分でも経験があるので余計に感じました。

思春期の悩める少年が青年になって行く過程と、二人の交流が次第に深くなっていき
恋する男の迷いや、離れている事への不安だったり、暴走してしまう欲望だったりと
10代の二人だからこその青春が感じられる作品でした。
かなり堪能して、満足の作品でしたね。

5

成長していく男子!

って、いいですね!

作者様のあとがきにありましたが、
すばるの身長を始め低く設定したのは
編集さんの助言からだったようで。
(編集さん策士!と言われていました。)

男らしくたくましく成長していく
2学年年下のすばる。
対する夏目は優しく清潔な印象の
男子でした。

受けといっても夏目は女の子っぽくはなくて。
それがこの二人が惹かれ合っていく上で、
大事なところかなと思いました。
すばるは夏目に女性っぽさを求めてなくて、
男性で、そして夏目だからいいという感じ。

夏目の友達が、すばるに身長を抜かれ、
げっ!となるのと、すばるのガッツポーズが
おもしろかったです。

10代の青い感じというか。
爽やかなブルーというか。
そんな雰囲気を味わえる作品でした。

5

この作品が収納されている本棚

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