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表題作盤上の標的

倉橋進,33歳,警視庁捜査一課管理官・
青埜悠,25歳,毎朝新聞社会部の新米記者

あらすじ

泣きじゃくって嫌われてしまうほどあなたを抱いて、痕をつけてしまいたい

極秘捜査を続けていたある夜、何者かに襲われてしまった青埜。
倉橋は「あなたを守ると言ったのに」と青埜を激しく抱きしめ⁉︎

東京の下町で溺死事件が発生!! 現場に居合わせた新米新聞記者の青埜(あおの)が出会ったのは、鋭い眼差しに威圧感を纏うエリート警視の倉橋(くらはし)。スクープを狙う青埜は、無理やり捜査に同行することに!! 「好奇心で動くと後悔しますよ?」現場で子犬のように纏わりつく青埜を初めは鬱陶しがっていた倉橋。けれど二人で行動するうち、青埜の的確な観察眼と行動力に、次第に青埜自身への興味を煽られて!?
出版社より)

作品情報

作品名
盤上の標的
著者
秀香穂里 
イラスト
有馬かつみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199006661
2.8

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萌々

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中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
13
評価数
5
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

寂しさを抱えて

警察ものBL。
33才の若さで警視、捜査一課の管理官という倉橋と、若くてハツラツとした25才の新聞記者・青埜(あおの)のCPとなります。

自分の住む町・東京の墨田区で、散歩中に川への転落事故に出くわしてしまった青埜。小さな事件のはずなのに階級の高い管理官がいる事に疑問を持った青埜は、その管理官・倉橋に事件を調べさせて欲しいと食らいつく…という出会い。
その事件がきっかけで、青埜は警察官僚とのパイプというだけでない気持ちを持ちつつも、これからも捜査の邪魔はしないという条件で倉橋に色々教えていただきたい、と頼み込みます。
その後、男性のバラバラ殺人が起こり、倉橋、倉橋の同期で所轄の吉羽、フットワークよく動く青埜、そして倉橋を目の敵にする先輩警視の後藤が絡んで、事件を捜査していく、という流れ。
並行して、青埜の家族が自分だけ残して事故で一度に亡くなってしまった事、倉橋の方も刑事だった父親が自殺してしまったというトラウマが明かされ、2人の距離も縮まっていくのです。
事件の解決と同時に、倉橋と青埜の関係も一気に進みます。
描写としては、物語の終盤に一度だけ。ノンケの青埜が優しい倉橋に甘く抱かれます。(七三・クール・眼鏡の倉橋が、シャワー後はルックス違いますよー!)

事件の解決までは、読者も青埜と一緒に調査・推理するような感覚、また真相が明らかになっていく過程もなかなかスリリングです。
もう一点、「悪の毒花」と言えるような人物が出てきます。彼がその後どうなったか、のスピンオフが読みたい!

1

過去にこだわりを持つ二人だから

エリート警視と新米新聞記者が事件が切っ掛けで知り合い何故か互いに惹かれあう
互いの過去の出来事で傷を負った心を持つ二人だから分かり合え支え合える。
そんな大人のちょっぴり切なくてスリリングなラブストーリーでした。

溺死現場で警視と言う身分の攻め様と偶然知り合い、過去のこだわりから
しつこいくらいに攻め様に張り付くように取材調査を申し込む受け様。
冷淡で神経質そうな攻め様に怯みそうになりながらも食いつく受け様に
渋々ながら捜査に動向を許す攻め様。

その事件以降も、捜査のノウハウを教えて欲しいと請われた攻め様は、何故か断れず
その後も付き合う事になるのです。
その過程で、受け様の両親や兄弟の死、受け様のトラウマ的な他人との接触恐怖などを
知るうちに何故か受け様から目が離せなくなるのです。

でも、攻め様にも過去に捕らわれているある事件があって、心を閉ざしている部分が
しかし、殺人事件の被疑者が自殺をした現場で攻め様の様子が変わり・・・
受け様は、いつしか攻め様に信愛以上の思いを抱いている事に気が付き、攻め様を
守りたいとまで思うようになるのです。
そして、弱って隙が見える攻め様から攻め様の過去を知ることに・・・

攻め様の追う事件が、過去の事件との関わりが有る事に気が付き、攻め様は単独で
捜査を・・・しかし、受け様は攻め様を助ける為に・・・

過去と現在の事件がリンクしていく事件を背景に、互いに過去の出来事で
傷ついた二人が事件解決を目指して、信頼と愛情を育てるお話でした。
クーデレ気味の攻め様と子犬のような受け様とのラブです。

0

あえて厳し目です

警察と新聞記者の組み合わせ。
事件を通して二人がくっつく組み合わせであることは明白なのだが、いかんせん相反する立場の主人公達だけに、一体どこに呼び合うものをもっていくかがBLとしての課題だと思います。
自分の過去の記憶だと、刑事と記者という組み合わせは今一つなものが多かった気がします。
お仕事がっつり秀さんなので、そんな点は、そして事件の謎解きの部分など、けっこうしっかりえがかれているのですが、それが互いの恋愛にどう結び付くかについては、やはり自分的には、難しかったな~という印象だったのです。

川からあがった死体について自殺なのか他殺なのか、そこへ駆けつけた新聞記者の青埜と、警察管理官(キャリア)の倉橋の出会いから始まり、
そこで見せた青埜のキれた推理に、捜査に加わることを倉橋が許したことから始まるつきあい。
それは、次、バラバラ死体が発見された事件においても、青埜は倉橋と共に捜査に関わるのですが、
そこで出てくる、倉橋をライバル視する年上の傲慢管理官・後藤との確執、そして、青埜が襲われたり、倉橋の過去が明るみになり、そして事件解決と共に倉橋と青埜がくっつくという筋書きです。

倉橋はゲイであるという設定。
前向きで勘の良い青埜にひかれていく部分はわかります。
ただ、青埜はノンケですし倉橋に惹かれて行く理由は、過去のこだわりとトラウマがあるとはいえ、恋愛感情へ移行するには、それがつり橋効果だと言われたとしても、何か早急さを感じえませんでした。
あと、現実的に考えてしまうと、事件捜査に管理官が自ら赴いて捜査というのも珍しい設定だとは思いますが、いきなり新聞記者をというのも、どうかと。
それならそれで、もう少し倉橋の欲望みたいのを出してくれたほうが、もしくは狡猾設定にしてくれたほうが納得できたかも。
イイ人すぎるのです。
それにもまして青埜もイイ人です。
そしてよくしゃべります。そして誠実です。
別にいいのですが、自分にはこういう人はあまり魅力を感じないのですが、、、
いっそ、倉橋が受けで、青埜が攻めになるような設定だったほうが自分的には萌えたかな~という気がしないでもないです。

一番気に行ったキャラは倉橋の相棒である吉羽♪
ワンコな感じで、とてもイイ奴なんですが、彼はプチ失恋ぽいことになるのですよ。
主人公にあまり入り込めなかった分、いっそこの吉羽君を倉橋とくっつけてもよかったと思わなくもない。

ということで、主人公達にあまり入り込めずにこの評価になってしまいました。
ごめんなさい。

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