さよなら、ヘロン

sayonara heron

さよなら、ヘロン
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神22
  • 萌×223
  • 萌13
  • 中立15
  • しゅみじゃない12

--

レビュー数
16
得点
256
評価数
85件
平均
3.3 / 5
神率
25.9%
著者
 
媒体
コミック
出版社
プランタン出版
シリーズ
Cannaコミックス(カンナコミックス・プランタン出版)
発売日
価格
¥680(税抜)  ¥734(税込)
ISBN
9784829685495

あらすじ

16才。高校の屋上で二人は出会った。
一人を好む草次と、明るく社交的な海風。
一見対照的に見えるが、家庭環境に恵まれず
心の奥底に色々なものを抱えた二人は、
出会ってすぐに自分達が同属であることを意識する。
唯一、一緒にいて楽だと感じる相手に出会い、
足りないものを補うように強く惹かれ合うが……。

学生時代から大人へ。
少しずつ変化していく二人の関係と、想いとは――

表題作さよなら、ヘロン

その他の収録作品

  • さよなら、ミカちゃん(描き下ろし)
  • ひばりのふたり(描き下ろし)
  • あとがき
  • カバー下:その後~ミカの受難~・ミカの受難inランチタイム(漫画)

評価・レビューする

レビュー投稿数16

「ヘロン」にさよならした2人が向かう先は

表紙とタイトルが放つ吸引力にホイホイされて手に取った初ymz作品ですが、良かったです!
心の奥底の澱みをほんの少し薄めてくれるようなお話でした。
好き嫌いは別れそうですが、広義での愛について描かれたお話が好きな人にはヒットするんじゃないかなと思います。
読み終わった後しばらく、表紙をまじまじと眺めながら、タイトルの意味について考えていました。

「ヘロン」をググるとヘロンの公式が真っ先に出てくるけど、このお話とヘロンの公式はたぶん何の関係もなくて、「青鷺(grey heron)」のことだと思います。
巻末に収録されている描き下ろしのタイトル(=「ひばりのふたり」)が、「さよなら、ヘロン」の対として付けられたタイトルだと思うから。
ひばりは春を表す鳥だし、小さな群れを作って生きる鳥だから、このお話の2人が彼等なりにもがいて手に入れた彼等なりの着地点を言い表すワードが「ひばり」なのだとすれば、じゃあ「青鷺」は?と調べてみると、見つかりますね、ひばりと対になるようなキーワードが。

ここから先、少しネタバレし過ぎているかもしれません。



海風と草次は自分達の関係続きを「共犯」と言うのだけれど、彼等が犯している罪は彼等と同属の人間にはままあることだと思います。
悲しいのは、相手が自分を見ていないことをお互いに分かりながら側にいるということ。
何にもならないし、何も生み出さない。
それならまだ歪んでいても共依存のような関係になってしまった方が幸せなんじゃないかとすら思ってしまいます。
けれど彼等は、依存し合うことすらも出来ずに、一緒にいてもずっと「独り」なんです。
まさに表紙の2人のような距離感。
それでも一緒にいるのは、相手も自分と同じなんだという、ただその一点の“安心感”で救われていたいがためなのですよね。
せっかく一緒にいるのに悲しくてどうしようもなく虚しい関係性です。

そんな関係の2人が、後半少しずつ少しずつ変わっていきます。
先に一歩を踏み出すのは草次なんだけど、彼のモノローグがね、そして海風に伝える言葉がね………泣けました。

「ヘロン」が象徴しているのは「独り(≠1人)」だと解釈しています。
愛や幸せが分からず、それらを信じられないでいる人達のためにひとつの答えをくれるようなお話ではないでしょうか。
時間をかけて、1ページ1ページ手を止めながらゆっくり読みたい1冊です。

3

透明感のあるお話でした

じわじわ来ますね。
エッチもなし、せいぜいキス止まりなので物足りない人もいるかもしれません。でも、私は好きです。
お互いに家族の代わりの存在として始まるんですよね。それがふとしたきっかけで家族の存在抜きに自分だけを見てほしいと願うようになります。“幸せ”って言葉を自分のためだけにつかってほしいと言う草次。なんて素敵なお願いなんでしょう。これが精一杯の盛り上がりどころです。
この二人に関しては男同士と言う問題をすっかり棚上げしちゃってるところが不思議ですがもっと広い意味で絆の深い二人になってるなぁと思います。
付き合いたての初々しい感じと言うよりは、なにも言わなくても通じ合える長年連れ添った夫婦みたいなお話かも。草次と海風と言う主人公の名前通り、さらっと読める作品です。

1

物悲しい共依存

同じだけれど同じになれない二人の共依存のお話。
静かで乾いていて、単館映画を観ているような気分になりました。

最初は海風が自由奔放にふるまっているので、それに振り回されている草次という関係性だと思いましたが、彼にとってはそんなことはどうでもよかったんですね。
恋愛でも友情でもなく、不思議な共依存の話でした。
BLとしては物足りないですが、話としてはとても好きです。
この二人がもう少し恋愛寄りな関係になった話を読んでみたいです。
最後はまとまった筈ですが、何故か物悲しい気持ちになりました。

タイトルのヘロンは、何の意味なんでしょうかね?話の中には出てきませんよね。山下達郎の歌にも出てくる鷺ですかねえ。あれ?もしかして読み落としてます?

1

「これは共犯だ」

高校生の頃からずっと寄り添ってきた2人。しかし、キスをして、何年間も生活を共にしてきたものの、その関係は友人でも恋人でもない。
二人の間だけに構築された特別な関係性に、もどかしくも温かく優しい空気が感じられました。

お互い、家族の間に軋轢があった草次と海風。
家族との間に生まれた溝を埋め合うように、二人は「共犯」関係になります。

キスをして同棲もしていますが、一冊を通して、直接的な性描写はありません。
二人は激しく身体を求め合うわけではなく、愛を囁き合うのではなく、空気のように自然に自然に傍にいるだけです。
ただ、そんな中だからこそ、草次が「おまえがいればそれでいい」とか「好き。嫌いなところも腐るほどあるけど」といった殺し文句を口にするのが際立っていて萌えました。照れもせず真顔で口にしているのも可愛いです。

とはいえ、そんなクールな草次も、ちゃんと海風に恋をしているんですよね。この「何でもない関係」を変えたくて、初めて今の関係を壊そうとしてしまう。

最初から最後まで、脆さや危うさが共存しつつも、静的で落ち着いた物語でした。詩的な描写も多く、読み返すたびに続き深みが増しそうです。

0

優しいお話でした

二人の関係が少し変わっていて複雑で、けれど二人で世界が完結しているようなそんな依存した所がとても素敵でした。
物静かな雰囲気は切ないのにどこかじんわりと温かくて、とても優しいお話だったと思います。

0

雰囲気がとても好き

表紙に惹かれて購入しましたが、中身も表紙同様、とてもいい雰囲気で繊細で素敵なお話でした。
同じような境遇だけれど、性格が正反対のふたり、ミカと草次が出会って、愛でもなく恋でもなくなんだか惹かれ合って、一緒に暮らしているお話。激しい性描写もなく、あってもキスシーンやじゃれ合うくらいなのですが、そういうシーンがとても良くてドキドキします。『好き』と言葉に出して言わなくても、お互いを信頼し合っている感じの2人が良いなぁと思いました。

1

不思議な空間

表紙に惹かれて買いました。
デビュー作とは思えないくらい素敵な漫画でした。
雰囲気がとても静かで時間が淡々と流れていくような漫画です。
なんとも言葉に表すのは難しく、とりあえず読んでいただきたい!というのが本音です(笑)甘々や激しいものが好きな方には向かないと思います…。
何事にもとらわれず、自由な空間を共にする二人の話です。この二人は恋でも友情でも家族でもない、そういうものとは少し違う変わった関係の二人です。
スーッと読めるのでどんな方にも読みやすい作品だと思います!ぜひお試しあれ(^^)

2

空間の共有

お前が(お前が)いたからここまで来れた
そんな雰囲気を覚えるふたりの関係性が、どこか曖昧なのに彼らにはこれでいいのだと感じさせられます。
海風のようなヒモ体質のキャラクタは個人的にあまり好きではないのですが、草次がそれでいいようなのでオッケーなのかなと捉えています。紫煙のようにふわふわと掴みどころのない海風だからこそ、その曖昧さが草次にとって心地よかったのでしょう。たとえばこれで、どちらかが何かしらの『名前』を求めていたら、もうとっくにお互いの仲は拗れていたと思うのです。
(それがよく表れているのが、海風のモノローグ「世界を遮断する後姿に 自分の面影を見た気がした」。己の分身を見つけたからこそ、ふわふわとしていられたし勝手をすることもできたのかな)

お互いがお互いの距離感を心地よく思い、共犯であり共有者であり共感できる稀有な存在。
そしてそこに一抹の人の温もりを、ほんの少しの恋しさを紛らわすために求めたりもする。
父親が亡くなったあとの海風の変化は、それこそなにかひとつ縄が解けたように草次には映っていたようですね。海風も知らず知らずのうちに己を縛っていたわけですし。
続き父親に対する嫌悪感を拭い去れぬまま、またそれが家族というものすべてに対する違和感になってしまっている海風にとって、母親という存在も煩わしくなってしまったことはよく分かります。
草次の方がよほど大人なのでしょうね。彼は早々に海風の人としての微かなズレを、「家族」というものからだと理解していたんでしょう。お互いがお互いを似ていると思うからこそ、心地いいと思うからこそ。
そこへ草次自身の肥大した「感情」(愛情)がむき出しになる困惑もあいまって余計にこじれてしまう二人のやり取りが、ねじねじであるのに読んでいても嫌にはなりませんでした。なんだろうなぁ、海風よりも草次のそういった様子の方が安心して見ていられるんです。より人らしいというのか、それでも己を押し込めようとする姿も。
本当は多くを求めてはいけないと分かっているからこそ、現状の距離感と関係性がベストだと信じているからこそ、海風のことを好いているからこそ、草次は本心を隠したがるけれども見せたいとも思っていて、そこで揺さぶられる過程はもっともだと思うのです。

一冊を通してようやくスタートラインに立ったようなふたりですから、これからはもう少しだけ当たり前の恋人のように触れあってほしいなぁと感じました。
草次は怪訝そうにするのでしょうけれどもね(笑)なんなのオマエみたいな(笑)それに海風が今まで女性相手にしてきたようなことは、草次に通用しないでしょうしね。今までと同じでいいと思っているだろうに、でも今までとは少しずつ変わっていくはずです。だって側に居たいと明確に思ってくれたのだもの!

触れあわないけれども恋しい距離を魅せられるお話でした。

2

互いが快い距離。

表紙に一目惚れ!
2人の背中、限りなく手を繋げる距離、タイトルのちりばめ方。
いろいろな面で今までになかったものが見られるような…気がして。

すると案の定、こんな距離の取り方というか過ごし方がありました。
表面的には付かず離れずの感じを保っていながら、
心の中は信じられないほど深く繋がっているような…
勝手にしろ、と言ってはいるけど本人すら気づかないまま彼を必要としている
…といった感じでした。
なんとも感慨深い1作でした。

1

うむうむ

帯に誘われて買いました。ハヤカワノジコ先生推薦!の文字。夜空のすみっことか。えんどうくんの観察日記とか。の人です。

まあ、あらすじは置いといて←

絵&作風は吉田ゆうこ先生に似てるなーと思いました。こういうことを書くのは失礼なんでしょうか。
どっちがネコかタチかーとか考えない、それ以前のラブ。私はどっちでもありだなむふむふ。と思いながら読みましたけど。

一緒にいて、ひたすらに楽な人って誰にでもいると思います。私もいます。それは恋人じゃなくて、、なんていうか、なんていうかな人です。名前が付けられない。
それに敢えて名前を付けるなら…みたいな話ですかね。
まだ二回しか読んでないので雰囲気読みですが、プラトニックラブ…に、いたるまで、みたいな。

最後まで何がヘロンなのかよくわかりませんでした。
もうちょっと読み込もうと思います。

こういう話こそ読み込むべきだし読み応えがあっていいと個人的には思います!

6

帯に惹かれて

デビューコミックスだそうです。
ハヤカワノジコさん推薦の帯と、表紙デザインが素敵だったので購入しました。

先によかったなあと感じた点から。
絵が背景もよく書き込まれていて好印象でした。
トーンや素材などはあまり使わない方なんですね。
空気感を感じさせるコマ割り、構図が好きでした。

内容に関してはほとんど惹かれる点がなかったです。
ポエムのようなモノローグがすごい多いのが1番気になりました。
多い割りに読んだ後印象的だったなと思えるものがなかったので、もう少し減らしてみてもよいのでは…。
作風なのかもしれませんが、例え一つでももっと納得の行く言葉も使った方がいいかなと。全体的に抽象的すぎて読者にはわかりにくいです…。
感情移入がまったくできず、最後まで特に何も感じずさらっと読み終えてしまいました。
はっきり恋人になる描写はなかった(わかりにくかっただけ?)ですが、ここはこの2人の同族のような、家族でも恋人でもただの友達でもない唯一な関係性を考えるとこういう展開もありなのかなと思ってあまり気になりません。

丸々一冊じゃなくて、他にもタイプのちがう作品見て続き見たかったですね。

6

美しい…

二次創作作品を拝見して大好きになった作家さんの初商業コミックということで、楽しみにしていました。

一コマ一コマとっても丁寧に書かれているなぁ…とうっとりしながら読ませていただきました。人物や背景の書き込みが細かいです。全体的に陰影の濃い画面。どストライクで好みの絵柄です。

ストーリーはがっつりBLという感じではないのですが、登場人物(特に草次)の心理的変化が上手に表現されていると思いました。離れないけど深入りしすぎてもいけない関係から、お互いに愛情を求めあっても許される関係に発展していく 過程にある二人 が切なくもあり愛しくもあり…。

やっぱり人間って、どんな環境に育ったとしても、他者から愛されたい、必要とされたいという欲求を完全に消し去ってクールに生きていくなんてことはできないよなぁ…。

そういう人間味のある部分をお互いが認めあいつつ、これからも一緒に居続けてほしいなぁ、と思ってしまいました!

3

深く、緩やかに交わる心の有り様を

このストーリーがどこか淡々と感じるのは二人の心の有り様そのものが描かれているからではないでしょうか。

言葉や体で分かり合うことを通り越し、互いの心の一部にそっと寄り添う草次(そうじ)と海風(ミカ)。ぬるま湯のような現在から、今の彼らを形作った過去、そして変化の兆しを見せた未来を織り込み、草次と海風それぞれが求めた心の在処を丁寧に描いた一冊です。

子供時代、家族や家庭に求めていた愛情や幸せというありふれたものを得ることのできなかった彼らは恋人でも友人でも家族でもない関係を築き上げて一つ屋根の下で共に暮らしています。互いの生活にこれといって干渉し合うこともなく、二人の距離感は近いようで近くない。そんな様子。

明るく自由奔放な海風はふらふら遊び歩いて何日も帰らず、無口で物静かな草次は黙々と仕事をこなしながら、海風がふらりと帰ってくるこの生活に満足しています。
しかし海風に届いたある知らせから、二人の生活がほんの少しずつ変わり始めます。

草次には"海風がいればそれでいい"というどこか達観した部分がありました。家族との間で揺れる海風をずっと傍らで見守っていましたが、ふと続き海風に対する自分の気持ちに気付きはじめます。
それでも草次は海風に想いを告げることはせず、心の中にしまいこみ海風の求めている自分でいようとします。
海風に手を引かれながらそっと海風の幸福を祈る草次。海風への気持ちの深さが覗くこのシーンはとても心に残りました。

海風の方も草次の違和感に気付きながらも日々を過ごしていましたが、ある時自分の家族のことに草次が関わってきて海風は怒りをぶつけます。
『求めているものが違ったんだ』家を出て行ってしまった草次を見つけ出し、海風は彼が残した言葉の意味を知ろうとします。草次が本当に求めているものが何なのか。
それは草次にとっても海風にとっても、長い時間をかけて変わっていった思いがけない変化でした。

物語の最初は彼らの心境そのもののように淡々としていますが、彼らの心情やひたむきな想い。吐露される飾らない言葉とともに物語も少しずつ、日向の光が差すかのように色づいていきます。
ymzさんの初の単行本ということで楽しみにしていましたが、読み終りには何かと考えさせられる作品となっていました。海風も草次もこれからまた長い時間をかけてお互いを知るのでしょうか。

カバー裏は本編後に読むことをお薦めします(笑)

4

スズキ27

★ナポ様

始めまして、スズキと申します(__)
「さよなら、ヘロン」の雰囲気そのものなナポさんのレビュー、そうなの、そうなの!と頷きながら(電車内(¨;))読ませていただきました。二人を振り返ることができて嬉しかったです*
これからもナポさんのレビュー、楽しみにしております!

ぽやーっとしながらみたい本

何にも属さないといいつついつまでも一緒にいる二人の本。

キスをするのが愛とか恋とかではなく、共犯という考えで府に落ちて、それから一緒に住んだりセックスをした(ような感じ)りするのですが、ミカは遊びまくってて女の子ともキスしたり(それ以上があったのかはわからない)してるのに、それは何なんだろう?と疑問。結局最初からお互い特別だったということだと思いますが、その時点ではそのことにお互い気付いてないということなんでしょうか。

結果恋人になるのですが(なったんですよね?ちょっとそこもわかりずらかった)、すごい盛り上がりの場面などはあまりなかったと思います。ふわーっという感じの流れでした。なので、BL読むぞー!と気合い入れてよむと肩透かしになりそうなので、ほわーっとした気分でしっとり読む本って感じだなと思いました。あまり好みではなかったけど。

7

素敵な本でした

並んだ後ろ姿が印象的な表紙。
そして、
帯にはそのふたりを前から見たような、ハヤカワノジコさんの絵。
なので、
ハヤカワノジコさんに似た絵の作者なのかな?
なんとなくそんな気にさせられて本を開いたら、ああ~全然違う…
ちょっと昔っぽくって、この絵はあんまり好きじゃないなぁ…
そう思ったのですが、
読み終わってみると、この絵だからこそ、この作品が素敵なのだと感じました。
漂う空気が、雰囲気が、色気が、切なさが、秘めた激しさが、伝わってくる…
うん、素敵。
その言葉がとても似合う作品だと思いました。


家庭環境により、
愛や幸せを信じられずに育ったふたりが、
互いを拠り所としつつ長い時間をかけて、その関係を少しずつ変えていく…
そんな様子を丁寧に描いたお話です。

分かり合えると思っても、
側にいて居心地がいいと思っても、
それだけですべてが満たさせるわけではないのが、リアル。

高校生の時、キスをしたふたり。
愛や恋や好意…そういう意味を持たないキス。
卒業後、一緒にも暮らし始めた。
片方は奔放でずっとは居ないけど、でも、ここは彼が帰続きってくる場所。
帰って来てくれればそれでいい…それだけで充分…だけど……

消化されるだけに見える日々の中で、
諦めながら、もがきながら、前に進んで、相手に踏み込み、想って、考えて、
期待しちゃダメだと思いながら、期待して、想いをぶつけ、
そして見えてくるものがある…
自分は、相手は、何を求めているのか…

愛してる、とか、好き、とかじゃない、
想いを伝える言葉が美しいです。

日常のほのぼのとしたやり取りが散りばめられて、
シリアスになりすぎないのもよかったな。

セックスシーンはありませんが、
(しているかどうかも曖昧)
ふたりが一緒に過ごす長い時間の経過の中で、
肉体関係はそんなに重要じゃないような気にさせられました。


ゆっくりと本と向き合う時間がとれる時に、
ぜひ手にして読んでほしい1冊です。

6

愛とか分からないし幸せも信じてないけど一緒にいたい関係

 友達以上恋人未満。好きとか愛してるとかいうベタ甘な関係ではなく、心の奥に秘めている熱が一致しているような2人。ドライなようでいて誰よりも強いこだわりを持って一緒にいる、男と男ならではの関係に憧れます。

 感情的にならず淡々と進むストーリー。エロエロなシーンはありません。それでもじわじわとした熱は常にあって、ふっと涙が出たりドキドキさせられたりしました。読むたびに2人の事が愛おしくなっていって、表紙の2人の背中を抱きしめたくなります。

 家庭不和の中で育ち、愛や幸せを信じられず人並みの感情を持てない草次(そうじ)と海風(ミカ)。高校で出会った2人は波長が合う居心地の良さからずっと一緒にいるようになり、大学進学をきっかけに同居を始めます。
 毎晩遊び歩くミカ。たまに帰ってくればそれで充分だと思っている草次。付き合ってもいないしベッタリな仲良しでもないけどお互いに信頼しあっているような2人のやりとりに萌え×2です。

 数年が過ぎ、心境の変化を打ち明ける草次。愛も幸せも信じていなかったから心地良かった2人の関係。求めてはいけないものを口にした―。崩れるかと思われたミカの態続き度は変わらず、2人の間の空気は少し甘さを増した印象。草次の心境が変わっていったように、ミカの心境も変わっていて。「愛してる」という言葉はまだピンとこないけど、傍にいたい。現在の2人が出した素直な感情のままの答えがじんわり胸にひびきました。

◆カバー下
 後日談に笑いました。心を入れ替え、できるだけ家にいて一緒にいる時間を増やそうと決意したミカ。しかし街頭インタビューで6年間同棲生活が続いた秘訣を聞かれた草次の答えは「家にいる時間が少なくてたまに顔合わせるのがいいと思う」「それくらいが丁度いい。ずっといるとつかれるよ」←ダメ押し! それを聞いてしまって落ち込むミカが可愛いです(笑)

7

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