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大学院生xイタチ。
好奇心旺盛なイタチのマルは人間社会が大好き。
人に化けて社会に溶け込んでいるが、ちょっと無口な大学院生のスナオに正体がバレる。
そんな二人が共に生活し、歩んで行く日常が、とても可愛く優しく4コマ漫画のように進んで行く。
マルが何にでも興味があるのがとても愛しくて可愛い。
そして、食べ物の本を読むのも大好きなとこも☆
Hシーンはないけど、とにかく癒される!
こんな癒されBLって久々読んだ気がする。
二人がもっと、マルがスナオをもっともっと好きになる最後まで行く続編があればいいなと思う。
これがデビュー作とはすごいと思う。ストーリー構成も絵の雰囲気も大好き☆
その他、若き日の想いを回想する「つぼみ開かぬ金釦」と、これから出会うであろうおやじx青年(?)を「予感」させる、短編2作。この2作はとても不思議なお話。
これから期待したい漫画家さん。
これ何色刷りって言うんでしょ?ふくふくハイツ、多分3色刷りなのかな?BL未満の作品が揃っています。
◾︎ふくふくハイツ
マルの実家はどうなるんだろうとか、マルとスナオ(直 助教)では寿命が随分と違うんだろうなとか、ちょっとした悲しさを抱えながら暖かさを感じる作品で。物欲のある人外って可愛い。
絵が繊細でとても綺麗です。
◾︎つぼみ開かぬ金釦
この作品が特に大好きでした。神評価は完全にこの短編に対するものです。
過去に囚われてる人とか、大切な思い出とか、人の死とか、そんなテーマが大好きで。今のデコ(あとがきで名前が出てますね、井出コユキ)はあれからどう生きて、こうして1人で暮らしているんだろうとか、彼がカステラを送ってくることはなかったんじゃなかろうかとか、想像するだに辛い事しか思いつかない。だからこそデコを"呼んだ"んだろうな。ハッピーエンドの多いBL漫画で、始まりもしなかったストーリーがじんわりと染み込みます。
ワンショットで強烈に人目を惹く派手さはないけれど、ひとこまひとこま丁寧に描かれた絵。ヒトに化けたテンのマルと、大学院生スナオの昭和の薫り漂うふたり暮らし。スナオの生えりまき状態になってるマルが超絶かわいくて、作中に出てくる食べ物がいちいち美味しそうで。ホワワンとしたぬるまゆ気分でのんきに眺めてたら、中盤から何やらにわかに不穏な空気が・・・
マルを迎えに来た母親以下、一族郎党。どうやら彼には帰らなければならない場所、背負わなければならないさだめがあって、それはあだやおろそかにできないものらしい。そして彼をさとす母の言葉の中にとても気になる一節が。「姿は似ていても何一つ交わらへん」「生きる速度が違うんや」――
テンは江戸時代の妖怪図鑑の中にも載ってるそうです。単純な動物のくくりではなく、あやかしのたぐいとして認識されてたわけです。スナオの目に映るマルは懐っこくて好奇心旺盛、食いしん坊で人畜無害の愛すべき奴でしかないんだけど、それは彼らが生きる永い永い時の流れの中では、ほんの一瞬見せた表情にすぎないのかもしれなくて。
一族の隙を衝いて、スナオのもとに逃げ帰ってきたマルだけど、読者はもう知ってしまった。ふたりの穏やかな日常は、この先を約束されたものではないということを。それを踏まえて、書き下ろしである「はるとなつ」を読むと、殊のほか胸に迫るものがあります。マルとスナオの出会い篇。学食でバイトするマルと知り合って、少々言動に変わったところはあるけど、そんなの全然気にならなくて。一緒に銭湯行ったり、部屋に泊めたりするほど仲良くなって。でもやがて、マルの背中の傷痕を見て、スナオは思い出す。以前傷ついたイタチのような小動物を助けてやったことを。
正体を知られて姿を消したマル。必死で捜し歩くスナオ。さびれた御堂で、拾い集めてきた人間の本だけを友だちに、独り暮らしていたマル。「お前が誰でも、何でもいい」「居なくなるなよ」「うん」「ありがとう」
それははかない約束なのかもしれない。母に言われるまでもなく、マルにもわかっていただろう。ヒトに化ける力はあっても、ヒトとあやかしの間に横たわる時空の壁を超えるすべはない。それでも、差し出された温かいスナオの手を、マルは取らずにいられなかった。いつか終わると知っているからなおのこと、ふたりで紡ぐ平凡な一にち一にちが、とてもいとおしくて。
これがデビュー作とのことですが、丁寧な仕事ぶりは熟練の職人さんの域。次もまた、上質な作品を待っています。
個人的には神をつけたいとも思った作品です。
表題作が、いつまでも読んでいたい心地よさを残してくれます。謎めいてみえるが実はわかりやすいお話。気づけばただただ流れにまかせて絵を追っていて、不思議なほどフラットな気分で読み進められました。
日常の小さなことすべてに幸せを見つけ出すマルがとっても素敵で、我々人間が求めているのって本来こういうものだよね、と実感します。現実は厳しく、その裏側にある気持ちを無しにはできないけれど。
私もマルに会いたい!一緒に買い物したい!スナオもなかなかいい男で、何年も先を想像できる気がしました。
勝手な願望として、一冊まるっと、なんとかこの話で終わってほしかったと思うのです。後半の短編二作もこちらはこちらで何度も読み返す魅力のある作品ですが、それでもこのあとに読みたい話ではなかった。
トータルでは、いろいろな可能性が詰まった宝箱みたいな一冊かと。出会えてよかった。保存版決定。
詩雪さま
初めまして、こんにちは(*^^*)
わたしは『リブレのBL旬コミ!! 春’15』でこの作品を読んだのですが、ものすごく癒し系ですよね。
男×オスということでBLとなるものの過激さはないですから、BLに馴染みのない方にも読んで欲しいなあと思った作品でした。
単行本が全部このお話でしたら欲しかったなあと思うのですが…
続編が欲しいですね。
とても素敵な作品でした。
ただ可愛いだけかと思っていましたが、
少し切なくて温かいお話です。
人間の直とテンのマルが織りなす、
日常のストーリーです。
ただ、マルはテン族?の跡取りなんですね。
連れ戻しに来たお付きの者や、母親がいました。
それでも全てを捨てて直の元に戻るマルに、
胸がキュッとなりました。
直もマルの事をとても大切にしていて、
二人の日常がずっと続けばいいなと思います。
それから、同時収録作が二作品とも不思議ワールドでした。
とくに、『つぼみ開かぬ金釦』は素晴らしかったと思います。
とても分かりにくいお話で、二度読んで、
やっと自分なりに解釈しました。
過去の自分を呼び寄せてしまった男の話…と理解しました。
高校卒業と同時に上京する親友・清水。
デコと清水は両思いですが、
デコは清水に付いて行く勇気がなくて…
デコが父として接するのが、恐らく現在の年老いたデコ。
そして、デコの背中を押して旅立たせるのも年老いたデコ。
ずっと後悔していた思いを遂げてもらったのだと思います。
嬉しそうに振り向く清水に抱きつくデコと、
卒業式に清水からもらった金釦をそっと取り出す老デコ…
これだけの短い短編なのですが、
とても切なくて心に残りました…