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表題作恋に語るに落ちてゆく

佐藤録朗,28歳,カフェの常連客,フリーライター
蜷川霙,22歳,食品メーカー会長の孫,カフェバイト

その他の収録作品

  • 僕は君へと落ちてゆく
  • あとがき
  • おじいちゃんの婿いびり

あらすじ

祖父の「罪滅ぼし」のため、顔見知りのライター・佐藤の恋を応援することに。だが彼があまりにもいい人すぎて、だんだん後ろめたくなり?

作品情報

作品名
恋に語るに落ちてゆく
著者
栗城偲 
イラスト
樹要 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403523922
3.1

(25)

(3)

萌々

(8)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
3
得点
72
評価数
25
平均
3.1 / 5
神率
12%

レビュー投稿数3

素直な坊ちゃん

雑誌で読んでいたのですが、書き下ろしの方を読みたくて買いました。「恋に語るに落ちてゆく」は受視点。あらすじの通り、攻の佐藤さんの恋を応援しているうちに好きになっちゃいけないのに好きになってしまいます。とはいっても、涙が止まらないというようなことはなく、ほのぼの。先の展開も予想できるし、安心して読めました。セレブが出てくる話ってあまり好きではないのですが、霙くんは我がままなところはなく、素直でいい子。本当のお金持ちはえらそうじゃないのかもしれない。佐藤さんも、少し気が弱くてヘタレだけど善良な人っていう感じです。二人の性格が、そんな感じだからまったりしているのかもしれません。

「僕は君へと落ちてゆく」は攻の佐藤さん視点。付き合ったその後のすれ違いですが、佐藤さんはいまいち押しが弱いというか、優しすぎるというか、サプライズなんて考えてないでさっさと会いに行けよって思っちゃって、もどかしかったです。

「おじいちゃんの婿いびり」は霙くんのおじいちゃん視点。おじいちゃん、カッコいいな。

二人の性格が穏やかなので、あまり刺激を求めない人には向いてるかも。ただ、物足りなさも感じてしまいました。(雑誌で1回読んでるっていうのもあると思いますが)

5

デリカシーのない攻め

食品会社会長の孫である受けは、企業家を引退して道楽でおでんの屋台をしている祖父に、祖父の恋敵の孫である男の恋を成就させてくれと頼まれる。うまくいったら家を相続させてやると言われ喜んで話に飛びついたが、その男の恋を応援しているうちに、なんだか成就してほしくないような複雑な感情が芽生えてしまい戸惑う。そんなとき、男の片思いの相手に同性の恋人がいることが判明し…。

栗城さん作品は、以前大外れを引いてから1年以上買うのをためらっていたのですが、先日設定に惹かれて読んだ『てのなるほうへ』が面白かったので、もう一度チャレンジしてみました。
結果は、まあ当たりとは言えないけど、普通に面白かったかな…というかんじでした。

今回の話は、受けが金持ちのおうちの子です。でも金銭感覚はまっとうで、カフェでバイトをしたりしています。
そのカフェの雇われ店長(男)に想いを寄せ、毎日通ってくるフリーライターが攻めです。受けはその時点では、店長を見て真っ赤になったりする攻めが微笑ましく、普通に好感を持ってます。
そして受けの祖父が道楽でやってる屋台にも毎日のように来ていた攻め。全然知らないままで祖父と孫の店に日参していたというのはちょっと偶然すぎるし、カフェとおでんの屋台という外食店2件に毎日通うって…他のものも食べろよ、と思ってしまう。
そしてその攻めは、なんとこれまた偶然にも、受けの祖父が出し抜いて想い人を奪ってしまった相手の孫でした、という設定です。
…ちょっと偶然がすぎる気がしました。

まあ可愛い話ではあったし、エッチシーンが結構好みだったので、本編読んだ時点では萌×2にしようかと思いましたが、書き下ろしの続編の展開が好みでなかったので萌で。
書き下ろしは攻めの視点による受けの誕生日サプライズの話だったのですが、攻めの自己満足がちょっと鼻についたかな…。
この攻めと同じことを自分の彼氏とかにやられたらブチ切れるレベル。攻めが受けとくっつく前に好きだったカフェ店長に食事や場所をまるっと頼って、受けにカクテルを作ってあげたいからと店長のもとに通い、受けとのお泊りデートを断ってまで個人レッスン…いやいやダメでしょ、と思っちゃった。

6

おでんの具論争したくなるかも…?

祖父が立ち上げた缶詰会社が今では大きな食品メーカーとなり
父と兄二人が勤めている為、末っ子の霙(みぞれ)は
カフェ兼バーでバイトをしています。
そこにいつも訪れる常連の佐藤さんは
美貌の店長・赤宗を好きな様子で
霙は密かに応援していました。
祖父が以前亡くなった祖母と暮らしていた家を
霙は前々から気に入っておりおねだりをしていましたが
道楽で続けているおでんの屋台の店番と
ある青年の恋を成就させることとを引き換えに
生前贈与してもらえるかもしれなくて承諾しますが…。

恋愛相談あるあると言ってしまえばそれまでですが
やはり各々の想いというのはあるもので。

霙は、やはり苦労知らずな為
「人生どうにかなるなるー」だなんて
思えるくらいのおぼっちゃんではありました。
努力を何もしなかったわけでなくとも
兄二人にはかなわないからと諦められるあたり
恵まれている環境だからこそなんだろうな…。
その分心に余裕があるから人に優しく出来るのかもしれませんが
なんていうか…私は元気っぽい若者受けというのが
あまり好ましくないらしく……すみません…。
良く言えばおおらかな、悪く言えばのんきな霙が
あれこれ考えて佐藤さんの為に頑張ろうとする姿は
一生懸命で可愛らしいんだけど私にはちょっと萌えづらくて…。

一方佐藤さんは、“微ヘタレ”って帯には書いてありましたが
うん、そうですね、確かに微ヘタレww
オーダーしたコーヒーを出してくれた赤宗に対して
「は、頂戴いたします!」とかめちゃくちゃ緊張してて
気の毒なほどでしたし、
年下の霙に対しても(想いを通じあわせてから)
わたわたしてました。
ポイントを押さえているようで
「そこ一番大事!」ってところを押さえてなかったりw
そういうのもヘタレの部類に入るような気がしました。

霙が、家を譲ってもらえる条件だから
佐藤さんの恋を応援していたのかと本人にバレたシーンは
ハラハラする感じになれなかったです。
それがなくても最初から応援してたから
霙が罪悪感いだく必要もないし
佐藤さんが勘違いしてるだけで(勘違いさせちゃったのは霙だけど)
ちゃんとそれ否定すればいいだけだよね、と
何故か冷静に読んでしまいました。
ここが肝だった…というわけでは無さそうですが
あっさりめに解決したので多少拍子抜け…すみません。

『僕は君へと落ちてゆく』
付き合って十カ月後のお話です。
また誕生日にサプライズをしかけようとする佐藤さん視点。
霙のじいちゃんの
「サプライズってアクシデントと紙一重だから気をつけろよ!」が
そのとおりになっちゃってやはり亀の甲より年の功ww
本当は何より霙の気持ちを優先させなくてはいけないのに
ついついサプライズにばかり気をとられて…微ヘタレも微妙ですねw

それでも経験が少ない霙が対面座位で頑張るHはご馳走様でした!!
健気受けスキーさんにはたまらないのではないかと…。

ちなみに、私は東北ですがおでんにじゃがいも入れないなぁ…。
こちらの地域では生姜味噌をつけて食べます♪
ちくわぶ、実は食べた事がないので今度挑戦してみたいです!
おでんの具は地域性が出るので楽しいですよね!

読む季節は真逆になってしまいましたが、
あっという間にふさわしい季節がやってくるんでしょうね…。

なんだかんだと言ってしまいましたがちょっとおまけの萌で☆

3

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