ひつじの鍵

hitsuji no kagi

ひつじの鍵
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神38
  • 萌×234
  • 萌4
  • 中立4
  • しゅみじゃない6

8

レビュー数
8
得点
342
評価数
86件
平均
4.1 / 5
神率
44.2%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
新書館
シリーズ
ディアプラス文庫(小説・新書館)
発売日
価格
¥620(税抜)  ¥670(税込)
ISBN
9784403524066

あらすじ

金持ち学校に通う高校生の羊は、父親のカード会社のコンシェルジュ一色と知り合う。
どんな難題でも叶えてみせる彼に夢中になる羊だが……?

表題作ひつじの鍵

一色千喜・コンシェルジュサービス・31歳
登島羊・高校3年生

その他の収録作品

  • ひつじの夢
  • ひつじの心配 あとがきに代えて

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レビュー投稿数8

狼の皮を被った羊×コンシェルジュの皮を被った狼

母親が亡くなり、父親(母親再婚相手)と二人で暮らす高校生の羊。
金持ち学校に通いながらも成金的な金持ちであることを自覚している羊が、周りに気を使いながら生活している姿が健気で愛おしいです。

そしてそんな羊の心の鍵を開けてしまったのが、コンシェルジュの一色。
一色は仕事モードとプライべトモードでのギャップが最高です。
個人的には口の悪い一色が大好きです。

初めて恋をした羊の止まらない感情と
大人な自制心と葛藤しつつ羊にはまっていく一色の
縮まったり広がったりする距離感が良かったです。
口の悪い二人の掛け合いも見どころです。

2

慌てるひつじは儲けがすくない

 かの国民的人気アナウンサーの例を引くまでもなく、職業人に二面性はつきものだと思います。ビジネスの場に出すにふさわしく「整えられた自分」と、プライベートでもろもろの緊張から解き放たれた時だけ見せる「素の自分」。誰もがその二つを上手に使い分けながら生きている。あとはその振れ幅の大小ってことになるかと思いますが、アナウンサーのように「高度な清廉性(笑)」の要求される職種であればもちろん、本作の攻め一色の職業「コンシェルジュ」だってなかなかどうして。何しろ年に億単位でカード使っちゃうようなセレブがお客様。目も舌も肥え、わがままのハードルも上がる一方の彼らに対し、片やこちとらごくフツーにカード会社に就職し、カスタマーサービス部門に配属されたってだけの由緒まずしい一般庶民。そりゃあ北島マヤ並みに仮面の千や二千はかぶらないとやってらんないだろう。

 社会人でなくたって、裏と表の顔くらいある。超セレブの子女が集う名門私立高校生で、おっとりホワワンと、何の悩みもなく育ったボンボンかと思われた羊(よう)にだって、一皮めくれば胸を嚙む痛みの記憶や後悔や葛藤がどろどろと流れ続けている。ホントはタワマン続きより母一人子一人のおんぼろアパート暮らしが性に合ってたこと、でも予期せぬ経済状況の急上昇で、ねたまれ、中傷されまくって居場所を失ったこと。ろくでなしの実父の襲来に今もおびえていること。なさぬ仲でありながら何かと羊を気遣い、よくしてくれる今の父に向ってそれらすべては言えないことであり、素振りにも見せてはいけないと羊なりに、その稚い頭でせいいっぱい考えている。だからこそ、一色が見せる公私の落差の大きさに、驚きながらも激しく惹かれたんだと思う。もし彼が裏も表もないスーパーコンシェルジュってだけなら年の差も随分とあり、到底恋愛まではたどり着かずにただの憧れで終わってたかもしれない。

 このところ立て続けに一穂さんの少し重めの作品ばかり読んでたので、それに比べると本作はややライトでマイルドな口当たり。「イエスかノーか」シリーズほどの笑撃度はないけれど、「慌てるひつじは儲けがすくない」とか「怒るから言ってみ」とか、素のときの一色の遠慮会釈ない物言いはくすぐりが利いていた。あ、羊を「ひつじ」扱いして呼ぶその呼び方自体、乱暴な中に年下の恋人に対する可愛くてしょうがない感があふれてて萌えました。

 トータルではおおむね満足度の高い一冊、ではあるんだけど、いつも思うのは、一穂作品って、あんま絵師さんに恵まれてない気がする。それはひとえに画力のレベルとかじゃなく、その作品世界に合うか合わないかの問題で、まぁほとんど私の個人的な趣味によるんだけど。とにかく明るくかわいく嫌みのない絵をチョイスしとけば間違いない、みたいな意図を感じるのは出版社さんの方針なのかな? でも一穂作品の一番の魅力は、光の中にある陰翳とか、甘さの中に潜むそこはかとない毒だと思うので、明るい一辺倒でグイグイ押してこられると興醒めしちゃう。一歩引いて、程よく抑制の利いた中から、でもどうしようもなくにじみだしてくるような色と味わいが欲しい。一番強く感じたのは「はな咲く家路」の時で、あまりの違和感に読み進めるのがつらかった。本作も人気の漫画家さんが描かれてますが、文脈から立ち上る二人のビジュアルと、実際に添えられてるイラストが終始私の脳内ではしっくりかみ合わなくて困りました。一度、「これぞ」みたいなイラストで一穂作品をこころゆくまで堪能してみたい。私のひそかな野望です。

4

よかったです。ただただ羊がかわいい。

羊がかわいかった。

テンション的にはノーモアベットあたりと同じ感じだな、と思いながら読みました。 結構軽い印象。
明るく幸せなかんじで楽に読めます。
一穂さんの作品には一度結婚したことある攻が多いような気がする…。好きなのかな。
本編の話に戻りますが、はじめに書いた通り羊めちゃかわいいです。
最初から一色に絡んでいって、でも余裕ない…みたいな。
飛行機おねだりするところではおもわず吹き出してしまいました。
序盤辺りの台詞でわがままお坊ちゃん系かと思ったら全然そんなことはなかった。
一色はとてもかっこいい。羊目線の文章が多いからかもしれませんが、大人〜って感じで、羊につられて尊敬してしまいそうになります。
印象的だったのはHシーンかなあ。 一穂さんの表現はバリエーション豊富で愛し合ってるのがすごく伝わってくるので好きなのですが、今回はその中でもかなりよかったなあ、と。
わたしの好みに合っていただけな気もしますが、テンポもよかったし羊かわいかったし(3回目)… Hシーンの羊はほんとにかわいいのでぜひ読んで味わってみてほしいな〜。
前半後半と綺麗にまとまっていたし続き、全体通してほのぼのしてておもしろかったです。
羊と学校の友人達の絡みとか、羊のお父さんと羊の絡みとか。
お父さん、「キャッ」って…笑

ただ、個人的な好みの面もあるかもしれませんが、一穂さんの他の作品でもっと面白かったものがたくさんあるので評価はちょっと下げました。

1

減点法を適用

正直、かなり萌えました。
ですが、今だからこそ出せている、と言う
設定の物語と言う事もあり、評者には珍しく
減点法を適用してみようと思います。

とは言っても、評者自身が余り納得して
いないのは具体的に言うとただ2点きり
なのです。
ひとつはコンシェルジュ氏の設定。
もうひとつは表題作のタイトルの伏線。

前者については、あのシリーズで
磨きがかかったからでしょうね、と
好意的に考える事も出来ますが、
もしも手癖で安易にこうしようと言う
感じなのだったら些かがっかりかなと。
後者は…現・社長令息が結構肝心な所を
ぼかしていらっしゃるので、そうそう
追及する所じゃないのだろうと理解は
するのですが何となく理不尽に感じて
しまう。

と言う減点を行ってもなお萌えているの
ですから、世話ァありません。
合わない方には徹底して合わないトーン
だとは思いますが。

4

素敵な魔法使い

子どもが魔法使いに夢中になる話。
たまたま手に入ったセレブ生活のなかで、必要に迫られてお願いを依頼したカード会社のコンシェルジュサービス。
見事に難題をクリアして見せたコンシェルジュの一色に一目惚れした雄大は、、、?

このお話、ただのワガママ坊が大人を振り回すだけの話だったら今更だけど、そこは一穂先生の新刊だけあって、雄大が、今、どうしてここに、どんな気持ちでここに居て、その好きにはどんな理由が隠れているのかが、じわじわ暴かれていく。
雄大の二人の父親、雄大の学友達、一色の嫁子。
雄大と一色、二人の会話のその端々。
極めてライトなラブコメディのようでいて、一穂作品の集大成のようなお話だと感じました

3

雀影

セルフツッコミ
一穂作品集大成って感じたって事は、逆に言えば、一穂作品初心者さんがこれを読んで、これが合わないって感じたら、一穂作品とは相性が合わないって思ってもいいかも。

コンシェルジュのギャップがすてき

31歳のコンシェルジュ×御曹司の高校生、というカップリングの、おセレブかと思いきやなかなか地に足のついた、ほのぼの素朴な歳の差ラブコメディです。

母子家庭に育った貧乏なおうちの子だったのが、母が結婚した相手が成功を収めたため、金持ちのおうちの子になった受け。でも金持ちっぽくはなく、根が庶民のままの素直な子です。
ある日、父親に困り事ができ、カード会社のコンシェルジュの手を借ります。そのとき父と一緒にいた受けは、その魔法のような手際で困難を解決する洗練された物腰を見てびっくりしたのですが、その直後にそのコンシェルジュに偶然出くわしたら、さっきの洗練された雰囲気とは違った砕けた様子にまたびっくり。
そこから俄然そのコンシェルジュが気になって、いたずらのように何度もリクエストをするようになり…という話。

最初は、コンシェルジュ攻めに無理やりこしらえた頼みごとを繰り返す受けに、なんつーことをするんだこのガキンチョは、という印象が拭えなかったのですが、そのうち素直で素朴な性格が表れてきて可愛く思えてきました。
攻めは、BLギャップ大賞・攻め部門とかあればなかなかのとこまでいくん続きじゃない? と思うほどのギャップの持ち主。(受け部門はきっと同作者さんの計くん) セレブ顧客に対する態度と、プライベートのときのイメージの差は詐欺かと思うほどすごかったです。

その2人が行き違いやすれ違いを乗り越え、結ばれる話で、ストーリー展開が読めずかなり楽しめたのですが、攻めが顧客の息子に悩むでもなく結構あっさり手を出してたり、ちょくちょく引っかかる点はありました。
受けはまあ攻めのギャップにやられたんだろうけど、攻めが受けのどこにそう惹かれたのかな、とも思いました。深く付き合えばいい子だとはわかると思うのですが、かなり早い時点で特別扱いしていたのが疑問でした。受けが困ったちゃんな客だったから素を見せた、というには、困ったちゃんな客だからこそプライベートで会ったり素を見せるのは危険だと思う。少なくとも私が攻めなら、同じことをされたらウザイとしか思えないだろうし…。
もうちょっと明確に惹かれる要素があったらよかったな。番外編とかで攻め視点のメロメロSSとかがあれば補完できたのですが。

4

かわいい二人

カード会社のVIP専従コンシェルジュ×父親がVIP会員の高校生(貧乏育ち)

一穂さんの作品の中でもベスト10に入るくらい気に入りました。
二人のキャラクターがいい!
羊は現代っ子らしく、あっさり飄々と思いきや、
周りをしっかり見てるし義父を傷つけないように気遣う健気な子。
一色さんはオンオフの差が激しすぎるけど、どっちもステキ。
コンシェルジュは「扉の番人」という意味なんだそうです。
母親を亡くしてから自分の居場所を見つけられずに足踏み状態だった羊に、居場所と前進する扉の鍵をくれた一色さん。
羊が物理的に鍵をなくしてばっかりだったり以前のアパートの鍵をずっと持っていたりと、いろんなエピソードも絡めてすごく絶妙なタイトルだと思いました。

高校生受けの年の差CPだと「雪よ林檎の~」もありますが、
あちらの先生は高校卒業まで我慢してたけれど、
こちらのコンシェルジュはあっさり「愛と性と肉と欲のコンシェルジュ」に変身しちゃうw
羊も一色さんにどこに行きたいか聞かれて「ホテルホテル」と即答したり
(拒否されてたけどw)、二人とも欲望に忠実で素直だな~。
書き下続きろし部分の最後のイラストがめちゃくちゃエロかったです。

一穂さんは軽いのと切ないのの2種がありますが、こちらは軽快で
さらっと何回でも読み返せるのもいい感じ。
お勧めです。

6

ギャップ萌えしました

作家買いです。一穂さんの新刊ということで楽しみに待っていました。さて内容をざっくりと。すみません、ネタバレしてます。


高校3年生の羊くんが主人公。表紙の向かって左側の彼。羊くん視点で話は進んでいきます。

裕福な家庭の子たちばかりが通う高校に通っている羊くん。ある日、彼の父親の仕事についていく羊くんですが、そこで父親の顧客に無理難題を突き付けられます。困った父親が頼ったのがカード会社が顧客へのサービスの一つとして展開しているコンシェルジュ。リクエストをかなえるのは無理だろうとあきらめモードだった羊くん父子ですが、そこへさっそうと現れリクエストをかなえてくれたのはコンシェルジュサービスの一色さん。驚く羊くんですが、帰り際に少しだけコンシェルジュのお面を外した一色さんを見かけます。そのギャップに、心の琴線の何かが引っかかった羊くんは一色さんに会いたいがために無茶なリクエストを一色さんに頼み始めるのですが…。

というお話。

もう、一色さんが素敵すぎでした。
『コンシェルジュ』としての一色さんは一分の隙もなく紳士的な態度なのですが、コンシェルジュではないときは不遜な続き態度で言葉遣いも正反対のそれ。家が質素というのもとてもツボでした。
かと思うと、羊くんの言葉にしない気持ちの裏側まで読み取り行動する、ナイスガイでした。

一方の羊くんも。
裕福な家庭に生まれ育った何不自由しないボンボンかと思いきや、彼の複雑な家庭環境や素朴で優しい性格が徐々に明らかになるにつれなんとも応援したくなるキャラでした。

素の自分を羊くんにはさらけ出している一色さんと、物おじせずなんでも口にしているように見えて実は人の気持ちの機微に敏い羊くん。
彼らの軽快なやり取りが、気持ちよく、そして面白かった。

一穂さんらしく嫌な奴って出てきません(一人だけ出てくるけど)。
羊くんに切ない恋心を抱える彼の親友も思慮深く優しい子で、スピンオフで幸せにしてあげてほしいなと思いましたし、羊くんのお父さんも優しい、ナイスガイでした。
一色さんの亡き妻の存在もよかった。

タイトルの『ひつじの鍵』。これも内容を読むとすごく深い意味があってよかった…。一穂さん、センス良いなあ、としみじみ。

あと、一穂さんらしくトリビアも。キャラメルに入っている線て、ああいう意味があったんだな。知らなかった。

ただ、二人の恋愛感情という点においての気持ちの変遷が分かりづらかった気も。ちょっとずつ近づいていく二人は可愛いのですが。それと、まだ高校生の羊くんに行為を仕掛ける一色さんにちょっと萎えた…。せめて高校を卒業するまで待ってほしかったな、と。まあ、これは私の個人的な好みの問題ですが。

全体を通して、優しく、相手を想う気持ちに満ち溢れた、ほっこりとする作品でした。

7

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