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発情できないオメガとアルファの英雄

hatsujo dekinai Ω to α no eiyu

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表題作発情できないオメガとアルファの英雄

マテウス・フォークナー、大戦の立役者で空軍大佐
カイ・ウィンスター、科学分野の表彰受賞者で公爵家三男

その他の収録作品

  • Once upon a time
  • あとがき

あらすじ

戦闘機の改良に貢献し勲章を賜った科学者のカイは、公爵家三男で美貌のオメガ。 だが未だヒートが来ず子を成せないため、王太子エリックとの婚約解消という苦い過去が…。 授賞式の宴でカイは王太子の親友だったマテウスと八年ぶりに再会。学生時代は無愛想な印象だったマテウスだが、今や空軍パイロットとして大戦で武功をあげ国の英雄となっていた。 それからまもなく、カイのもとへ二人の男性から同時に結婚の申し込みが届き…。

作品情報

作品名
発情できないオメガとアルファの英雄
著者
はなのみやこ 
イラスト
木村タケトキ 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784815532802
4

(15)

(6)

萌々

(3)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
60
評価数
15
平均
4 / 5
神率
40%

レビュー投稿数4

恋のバチバチバトル開戦

初めて読む世界観と時代背景。
ヨーロッパあたり(私のイメージでは英国)の第一次世界大戦終わり頃のお話なのかなーと頭に思い浮かべながら読みました。

女王に王太子に公爵家や国の英雄などなど、キラッキラのやんごとなき登場人物たちがたくさん出てきます。主人公・カイはそんな輝かしい名家のアルファたちにモテにモテまくるオメガです。

あ。もうお分かりかと思いますがこのお話はオメガバースです。スタンダードなオメガバ設定なので読みやすいと思います。(Ω差別もない)


航空機や戦闘機の開発に携わる研究者のカイがこの物語の主人公。彼はオメガですが今までヒートを迎えたことがありません。
王太子の婚約者だった彼はそれを理由に婚約破棄された、という過去があります。そのことがカイのトラウマであり心の重石です。

カイのすごいところは、研究者としての実績が超高いところ。カイはかなり優秀な研究者で、オメガはアルファに劣るとされている中、ここまでの活躍と国への貢献はかなり努力された結果でしょう。
トラウマはあれども、好きな飛行機に関わる仕事に誇りを持ち健気に頑張る姿は好印象です♪


さて…。こんなに魅力的なカイですから、思いを寄せるメンズがいないわけがありません。

・有能な若手パイロットのヒューゴ(公爵家三男)
・国の英雄、マテウス(国一番の資産家子息)

モテモテイケメンの2人から同時に求婚されてしまい悩むカイ。一体誰を選ぶのかの大注目の展開がこのあと待ち受けます。

モテメン2人がカイを巡っての求婚劇がすんごく面白いです。カイとの結婚をかけて争う勝負と2人のバチリ具合が楽しい楽しい。紙版のP105の挿絵が神です♪

さぁて、勝負は誰の手に?
どちらも良い勝負でカッコ良かったです〜


カイのお相手が決まりめでたし…とはまだいきません。そう、カイのヒート問題です。
マテウスとカイは恥ずかしながらもめちゃくちゃラブラブで、やっぱりカイとしては好きな人の子どもを欲しくなっちゃうわけです。しかも相手は国の英雄…周囲も期待します。

カイはヒートがこないオメガであることの後ろめたさを持っていますが、マテウスはオメガだからカイを好きになったんじゃない。カイだからカイを好きになったんだって言う強い意志と、幼い頃から好きだった一途な想いが、グワ〜ッとカイを包み込むのが素敵なんですよ(≧∀≦)

マテウスの片想い編も収録されているので、これを読めばカイへの熱い想いと求婚にかける執念の理由が分かります^^


ヒートはね…きます。そして可愛いお子ちゃまも登場します。
2人の未来が最上位の形で終わるの嬉しいですね♪
マテウスがカイに一目惚れしてから、その人生を決める要所にカイが絡んでるなんて、2人が結ばれる答えは出てるようなもんだなと思うしかなかったです。
ヒートが来なかったのもマテウスを迎えるために、身体が冬眠してたのかもですね( ´▽`)


パイロットと技術者カップルがカッコいい!って思える作品でした。
時代背景も世界観も読んだことがなく、結ばれていくストーリーの流れもロマンチックでドキドキとワクワクでいっぱいでした。読後感も良く満足いっぱいです!

8

包容力の攻めと聡明な受け

聡明で謙虚、頑張り屋の科学者カイと一途で包容力のある軍人マテウスの恋。

婚約解消の過去があって辛いカイだけど自分で道を切り拓く強さが素敵。国民の英雄として亡くなった
仲間たちの思いも乗せて飛ぶマテウスもかっこいい。

印象に残ったシーンが2つ、エアレースでのマテウスの機体選択と自分はさておきマテウスへの批判を正すカイ。マテウスの機体選択はカイの人生丸ごと愛してると告げているようで感動。マテウスへの批判を正すカイは何よりマテウスが大事だと感じられる言動で愛が溢れてた。
カイが発情して番えたのも良かったな〜それだけ好きなんだと想いの強さを感じた。
幸せが溢れていて読んでて笑顔になる作品でした

2

一途な男は好きです

はなのみやこ先生の作品大好きなので迷わず購入しました。相変わらずお上手な先生だと思いました。

カイがヒートが来ないので王太子に婚約解消とあらすじにあったので、てっきり諦めきれない王太子とマテウスとの愛憎劇でも始まるのかと勘違いしてました。
この王太子のエリックですがカイを心から思っていて、とても気の毒な人でした。ちょこっとしか登場しませんが、婚約解消が彼の本意じゃないと知り可哀想だと思いました。

女王主催のパーティーで再会してからは、マテウスが誰を思っているのかは一目瞭然なので安心して読めます。
ただ、安心して読めるという事は切なさが足りなくて、唯一の山場であるエア・レースのシーンも結末が何となく想像出来て盛り上がる事が出来なかったんです。

このように2人を取り巻く逆風とか大きな事件は無くて、ひたすらマテウスがカイを溺愛してます。カイを飛行艇に乗せて飛ぶシーンがロマンティックだったくらいでしょうか?

ただマテウス視点の「Once upon a time」は面白かったです。それとカイにヒートが来た理由も良かったと思いました。

受け攻め両視点交互でも良かったかなと思いました。

3

惹かれたのは貴方だから

今回は国の英雄の大佐と公爵家三男の研究者のお話です。

未発情で婚約解消した受様が攻様のつがいとなる本編と
攻視点での過去回想を含む後日談を収録。

この国には男女の性とは別に
人口の大半を占める一般的なベータ、
ごく1部の知力体力共に優れた才覚を持つ者が多いアルファ、
少数派で定期的な発情期が存在するオメガという
バース性が存在します。

男性でも妊娠できるオメガは
発情期の影響でお荷物扱いされる事も多かったのものの
医療の発達で抑制剤が開発された今では偏見も減り
強いオルファを生む可能性が高いオメガは
国が丁寧に保護するまでになります。

侯爵家三男である受様は
元々王太子の学遊として選ばれた幼馴染で
オメガと診断されると王太子の婚約者に選ばれ
未来の王の隣に相応しくあるべく努力を惜しみませんが

20才を過ぎても大学を卒業しても発情期を迎えず
受様と王太子の婚約は解消されます。

航空機の開発研究者となった受様は
長引く大戦で戦闘機開発に携わり
パイロットの生還率に重きを置く改良を進めた事で
結果的に大戦の勝利に大きく貢献しました。

大戦が勝利で幕を閉じると受様も女王から叙勲され
祝賀パーテイに出席しますが社交の場に不慣れで
早々に退出しようとしたところ

大戦中に受様の改良した戦闘機に搭乗していた
侯爵家三男の大尉に熱烈なアプローチを掛けられます。
受様はソレがラブコールだと全く気づきませんが
彼らの間に割って入った人物がいました。

それは王太子の親友で受様の旧知の先輩で
英雄と呼ばれる大佐となった攻様でした♪

学院時代の攻様は受様に素っ気い態度をとっていましたが
5年ぶり再開は思いがけず穏やかで
受様の心をふわりと優しくしてくれます。

そればかりか、パーティから数日後、
受様は攻様から結婚の申込を受けるのです。

果たして受様に求婚した攻様の真意とは!?

国の英雄と呼ばれる攻様と科学分野の研究者である受様の
オメガバースになります♪

しかも受様に求婚したのは攻様だけでなく
パーティで声を掛けてきた大佐もだったので
2人の間で受様を巡るバチバチが繰り広げられるのです。

物語は受様の過去回想を含んで進むため
読者には攻様の長い恋心はバレバレなのに
受様だけが気づかないという展開がMYツボで

ヒートの無いオメガであるという受様のトラウマというか
負い目がどう払拭されて攻様との恋になるのかと
楽しく読ませて頂きましたが

全体的に想定内というか2人の恋の成就という
ゴールに向かって王道路線を逸脱しない展開でした。

王太子の婚約者という設定が
受様のトラウマとなっていただけでなく
攻様の恋を困難にする要因とはなってるのが
面白かったです。

2

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