レベッカ・ストリート

rebecca street

レベッカ・ストリート
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神1
  • 萌×25
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

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レビュー数
2
得点
32
評価数
10件
平均
3.4 / 5
神率
10%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
新書館
シリーズ
ディアプラス文庫(小説・新書館)
発売日
価格
¥640(税抜)  
ISBN
9784403524110

あらすじ

NYで恋人・幸也とともに探偵事務所を開業したカイルのもとに舞い込んだ依頼は、愛した女の遺骨を葬る場所を探して欲しいというもので・・・。

表題作レベッカ・ストリート

カイル・シェーファー,元検事の私立探偵
夏目幸也,カイルの恋人・日系三世

その他の収録作品

  • 27階のマリア
  • あとがき

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レビュー投稿数2

包容力溢れる攻め✖︎トラウマを抱えた受け

翻訳小説のような表紙が魅力的で購入しましたが、買って良かったです、全編に渡りとても洗練された雰囲気が漂っていました。
舞台は96年のニューヨーク、探偵事務所を開業したばかりのカイルと幸也のもとに、ある風変わりな依頼が舞い込んできます。
このカイルが元検事補でハーバード法学部を首席で卒業、の本来はバリバリのエリートさん、包容力溢れる攻めであり、日系三世の幸也はワケありの青年でトラウマを抱えた受けです。
ある風変わりな依頼というのが、どことなくギャツビーを思わせる名家の男の、死んでしまった愛する女性の遺骨を彼女が望む人の元で眠らせたいので、彼女が本当に愛した人を探して欲しいというもの。
初めての依頼を縦軸に、カイルと幸也のもどかしいくらいに繊細な関係が少し進展するまでが描かれたストーリーです。
海外ドラマの一エピソードのようで、読み始めから好感触でしたね。視点は主に攻めのカイルでして、大人の包容力に萌えました。幸也は母親に殺されかけたトラウマを抱えていまして、ややツンデレ気味の謎めいた魅力があります。
菅野彰先生の作品はこれが初めてですが、文章といい、話の展開といい、好みで続きす。本当にこういう感じが私は大好きなんですよね。
ただ、一つですね、途中から読んでいるような気が・・・ドラマの二話目から見ているようなというか、文庫本の下巻から読んでいるような感じがどうしてもしてしまいました。
非常に心惹かれる二人なのですが、切ないストーリーの中に唐突に飛び込んだ感があり、続編なのかな?と途中で検索を掛けてもみました。それで少し調べてみましたところ、特別に前のお話はないようですね。
「hard luck」という菅野先生の別シリーズにカイルと幸也もちょっと出てきて、シンとハルという二人も出てくるようです。この辺り、スピンオフ的な感じでしょうか。カイルと幸也が出会ったゴールディング社というのが会話のあちこちに出てきますが、何であるのかちょっと分かりづらかったです。因みに探偵事務所のようです。
以上を除けば、いや、それでも素晴らしく洗練された作品だと思いました(エラそうにすみません)。
包容力ある大人の攻めをお探しの方、海外が舞台のものを読みたい方に特におすすめです。

1

90年代NYを舞台としたノスタルジックなゲイドラマ

1995年の作品の新装版。
あとがきによると、一文を除いて全文を書き直されたとのこと。
作家さんの本作に対する思い入れの強さが伝わってきます(それだけに誤字脱字の多さが残念ですが…)。

ちなみにメインの二人は、一般レーベルから出ている『HARD LUCK』シリーズにも登場しているそうです。

舞台は1996年ニューヨーク。
元検事で探偵のカイル(攻め・語り手)は、恋人の幸也(受け)と探偵事務所を設立します。
共同経営という形で会社を登記したいカイルと、それを嫌がる幸也。
登記の件はとりあえず保留とし、依頼のあった仕事に二人で取り組むことに…
というような展開です。

既に恋人関係にある二人の関係を描いており、二人の馴れ初めや過去などは、物語後半で詳しく語られる構成。
このため、読み始めは少々とっつき辛さを感じましたが、読み進めるにつれ明らかになる二人の過去、お互いへの想いにどんどん惹き込まれていきました。

幸也は日系三世で、母親に愛されず育った青年。
母親から受けた虐待のトラウマで、人に触られることが大の苦手。
カイルから与えられる愛情を受けとめき続きれず、また同情されたり施しを受けたりすることも我慢できず、度々反抗的な態度をとりますが、心の底ではカイルの気持ちを理解し、彼を受け入れたいと思っている。
そんな複雑な想いを抱える人物です。

カイルはハーバード大学を主席で卒業した元エリート検事で、金髪碧眼のイケメン。
いわゆる白人エリート支配層に分類されるタイプの人物ですが、自身の恵まれた境遇に引け目を感じており、有色人種や貧困層に対する自身の在り方を常に模索しています。
自分が死んだ後も幸也が一人で生きていけるよう、事務所を共同経営という形で登記しようと勝手に話を進める等、
独善的なところはありますが、そんな自分の行動を自分でも嫌悪しており、
彼の真面目で不器用な生き方にはなかなかグッとくるものがあります。

そんな二人の想いや考え方が、依頼調査の件を通して浮かび上がってくる展開に大変惹き込まれます。
調査対象の亡くなった女性の物語も、家庭環境の格差が子どもに与える影響や、それを背景とした悲恋を描いており、とても切ないものでした。

最後まで読んでも幸也が完全にトラウマを乗り越えたとは言い切れず、どこか物悲しさが残るラストですが、寄り添う二人の姿には希望が見え、心地よい余韻の残る物語です。

書き下ろしは二人の馴れ初め編。
本編でも示唆されていましたが、幸也だけでなくカイルもまた幸也の存在によって救われていることがよく分かるエピソードでした。

続編を読みたい気持ちもありますが、あとがきにも書かれているように、本書はニューヨークで同性婚が合法化される前に書かれた物語だからこそこれほどの切なさがあるのだろうと思います。

新装版という形で出会えて良かったと思える作品です。

4

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