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シリアスから可愛いラブコメまで、幅広い作風が魅力の小中先生ですが、今回は超ロマンティックなオメガバースでシークレットベビーもの。
(珍しい事に)超王道、捻りは無しの、切なく甘く、しっとりと読ませてくれるお話でした。
いや、「もう大切な人に、不自由な思いをさせたくないんだ」みたいな。
「君を愛してる」みたいな!(≧∀≦)
J、まさに貴公子じゃないかよ!!
内容ですが、大富豪の御曹司で元雇い主・J(ジェレミア・J・デイヴィス)×三歳の息子を一人で育てるシングルファーザー・優吾(オメガ)による、オメガバースでシークレットベビーものです。
下町の喫茶店「みずの」で店長を務めながら、一人子供を育てる優吾。
子供の母親は出産と同時に亡くなった事になっていますが、実は優吾自身が幸多(子供)を産んだんですね。
そんな彼の前に、五年前に一夜だけの関係を持ったかつての雇い主・Jが現れてー・・・と言うものです。
まずこちら、キモになるのが、優吾の抱える秘密による、二人のスレ違いだと思うんですけど。
今作でのオメガバ設定ですが、世間ではオメガ性自体が認知されておらず、珍しい症例「オメガバース症候群」として扱われているんですね。
当然、自身がオメガだと言う事自体を知らず、何も知らないままヒートを起こして、Jに抱かれてしまった優吾。
その後、体調を崩した彼が病院で診察を受けると、自身が「オメガバース症候群」で既に妊娠している事を告げられた、と言う流れになるんですけど。
優吾はですね、そこで始めて、自分の発情フェロモンにより、あの激しい一夜が起こった事を知ったー。
密かに想いを寄せていた雇い主・Jが自分を抱いたのは、自身の発情につられた抑えきれない性衝動のせいで、彼の本意では無かったのだろうと結論付けるんですね。
で、一人で子供を産み、育てる事を決意するー。
家族に助けられながら、穏やかに幸多を育てている現在の優吾。
彼の回想と言う形で、二人の過去が語られます。
雇い主とアルバイトとしての、二人の出会い。
完璧な男性だと憧れていた彼の、隠し持った孤独。
そして、本能に翻弄されるままの、激しいあの一夜ー。
穏やかに語られるからこそ、どこか切なくてほろ苦い気持ちにさせてくれます。
う~ん・・・。
失礼ながら、小中先生。
こんな超慎ましい、受けそうろうの受けも書けるんですねぇと。
いやだって、小中先生の受けって、ウゴウゴ動いてたり「どんな激しいまぐわいにも耐えてみせよう!」みたいな斜め上じゃないか。
で、ここからが超萌える展開。
そんな静かで穏やかな毎日を過ごす優吾の前に、突然客としてやって来たJ。
あの一夜の後に大富豪である父親が亡くなり、慌ただしくアメリカに帰国した彼は、優吾の事がずっと気掛かりだったんですね。
彼は彼で、優吾を無理矢理抱いて傷付けてしまったのでは無いかと自分を責めていたー。
そして、「何もかも最初からやり直したい。君に求愛したい」みたいな!(≧∀≦)
Jですが、超ハイスペでまさに貴公子なんですよ。
礼儀正しく、また紳士的に優吾に接し、誠意のある口説き文句。
優吾の子供だからと、幸多ごと二人を受け入れようとするー。
いや、セリフがもうロマンティックでロマンティックで。
「どこまでも君を追いかけるよ」みたいな!(≧∀≦)
えーと、しつこいですが、小中先生、こんな超正統派のスパダリも書けるんですねと。
いやだって、小中先生の攻めって、いつもクセがあるじゃないか・・・。
ここに、幸多の本当の父親を打ち明けられず、Jに迷惑をかける事は出来ないと身を引こうとする優吾ー。
と言うスレ違いです。
これ、うっすらオチは想像がつきましたが。
と言うより、伏線がお上手に張られていて、「あれ? Jはひょっとして・・・」的に、読者をほくそ笑ませてくれてる運びなんですよ。
まぁなんにせよ、J、完璧な攻めだよ!!
と、スパダリやロマンティックなラブストーリー好きには、うっとり来ちゃうお話でした。
もうひとつ、捻りなんかが欲しい方には物足りない気もしますが、個人的にはとても楽しく読めました。
今回は画家であり大富豪の御曹司と祖母の喫茶店を引継ぐ店主のお話です。
攻様の子供を極秘出産した受様が紆余曲折の末に攻様と家族になるまで。
受様はもともと内向的な性格でしたが、好きな仕事と素晴らしい上司に
恵まれて社交的になり仕事に打ち込みます。
しかし、愛息が生まれる前にある変化でその仕事を辞めざるを得なくなり、
今では祖母の喫茶店を引継いで店主として切り盛りしています。常連客達には
愛息の母親は出産と同時に亡くなり、受様自身も完治の難しい病気を発症、
幼い息子を連れて実家に戻ったと話していますが
本当は受様の息子を産んだのは受様自身だったのです!!
受様は「オメガバース症候群」という非常に珍しい性分化疾患でオメガと
いう性だった受様は男性ながら妊娠出産を果たしたのです。
オメガバース症候群は医者にさえあまり知られておらず、はっきりした事は
判っていません。ただ受様は思春期の頃から定期的な身体の火照りや倦怠感
とともに性的な欲求を覚えるようになっていてそれがオメガという性の
特質だったのです。
受様は大学3年の頃にある画廊でアルバイトを始めるですが、その頃から
症状が悪化し始めます。その画廊は日米ハーフのアメリカ人実業家が
趣味で経営しているもので彼自身も本国で著名な画家でした。
このアメリカ人実業家こそが今回の攻様です♪
画廊は攻様が個人的な事業で開いたもので受様はアルバイトからそのまま就職、
アルバイト時代から重ねた仕事が認められ事務職から社長秘書となります。
しかし1年を過ぎる頃には受様の定期的な体調不良は更に重篤化、攻様に食事に
誘われた受様が体調不良を押して食事に行った夜、欲情のままに一夜を過ごして
しまうのです。
その結果、受様の「オメガバース症候群」であり、妊娠が発覚するのです。
攻様は有名な資産家である上に父親の後継者問題で嫌な思いをしていた為
冷静で誠実な攻様なら金銭的な援助を惜しまないだろうとしても受様は
妊娠を告げない事を決めます。
受様は攻様に迷惑を掛ける事も攻様の財産を望んでもいないのに攻様に
困惑や疑惑の眼差しで見られたらと思うと耐えられなかったのです。
攻様を深く愛していた受様は体調不良として仕事を辞めて攻様から離れ
家族の協力で出産を果たし祖母の喫茶店で働き始めたのです。
愛息は大きな怪我や病気もなく元気に育ち、受様も発情を抑制する薬の
投与と家族の支えで日常生活を問題なく送っています。日に日に攻様の
面影を濃くしていく愛息に自身の選択を良かったのだと思う受様でしたが
突然、閉店間際の店に攻様が現れて!?
オメガバースという性が世間に浸透していない世界を舞台した現代版
オメガバースとなります。
小中先生のオメガバースとしては3作目に当たりますが、前2作も
オメガバース設定の肝は抑えつつも先生独自の解釈が独特な色を醸す
とても楽しいお話でした。
今回は再会モノ、子持ちのシングルファザーという設定の秘密の匂いに
ワクワクで読み始めました♪
受様は大学で出会った1枚の日本画から攻様の画廊のアルバイトとなり
雇い主である攻様に惹かれていき一夜を共にしてしまいます。
そしてそれによって自らがオメガという性分化疾患であり、過ちだった
はずの一夜で新たな命を授かったことを知るのです。
攻様がアメリカの富豪の御曹司であり、その後継者問題が複雑だったこと
もあり受様は攻様から離れる道を選びますが、攻様も受様を愛しく思って
いたのですよ♪
受様があの夜に激しく欲情したのはオメガのフェロモンに影響された為であり
攻様もまたオメガバース症候群の1性アルファだったのです。攻様もあの夜の
自分の行動に戸惑い受様を傷つけていたのでは思いつつも、父の死によって
帰国を余儀なくされていたのです。
全ての方を付けた攻様はもう一度受様との関係をやり直したいと受様の前に
現れるのです。お互いを思うが故に攻様から離れる選択をする受様と
共にいるための道を探そうとする攻様。
オメガバース解釈に小中風アレンジを加え両想いなのにすれ違ってしまう
2人の恋の行方にジレジレしながらたいへん楽しく読めました (^-^)
受様は攻様を大切に思っているからこそ自分では分不相応とか思っていますが
優秀な企業家でもある攻様は良い意味で欲っしたモノは逃がさないタイプ♪
受様がぐるぐるしている間にジワジワと受様の周りの溝を埋めていて
受様が気が付くと退路はないってところがけっこうツボでした♡
最初の一歩で躓いてしまった2人ですが攻様は素敵な旦那様となって
家族をもっと増やしてくれそうですよね。
今回は小中さんの初オメガバース『皇子と偽りの花嫁 ~皇宮オメガバース~』
をおススメ作とします。オメガバースの王道展開で読みやすいですよ。
オメガバースものですが独特な設定で面白かったです。
時折起こる体調不良で検査したところ、近年認知された疾患で100万人に一人の『オメガ』であった優吾が主人公です。
原因不明だけれど症状を抑制する薬はある。
発情期があり妊娠可能なオメガと能力が高いアルファが存在する。
まだごく少数の症例で一般的には知られてず詳しいことは究明されていない。
舞台はごく普通の日本の現代社会です。
憧れていた日本画家であり就職先の雇用主(日系アメリカ人の城一郎 通称J)にいつしかほのかな恋心を覚える優吾。
予定外のヒートとそれに当てられてラットを起こしたJ。
正気を取り戻して羞恥と驚きで逃げ出した後妊娠を知り実家へ戻り家族の手助けで無事出産した数年後、幼稚園に通う息子と祖母のカフェで雇われ店長をしている優吾の前にJが現れたことが第2幕の開幕です。
優吾は、Jが地位や金銭目当てで寄ってくる人間に迷惑していることを知っているからこそ、何も言わずに離れてしまったのですがとても悲しい強さだと思いました。
帰国したJが優吾と共にいられるように頑張ったのはわかりましたが、もっと早く想いを伝えるか、迎えに行くから待ってて欲しいとは言えなかったのかなと考えてしまいます。
たった一夜の契りであっても忘れられずに動向を見守り、めくるめく激情の訳を知っても立場や状況が許さずに再会がかなわなくとも音信不通で4-5年といのはちょっと長すぎるような気がします。
誰かに取られちゃうとは考えなかったのでしょうか。
他の男か女に。
数年置いての猛アタック
ここぞとばかりに金と力を使って
ここから1時間くらいのところにある自分の家にご招待が、「ヘリ」でお城のような豪邸でプールや湖のある森の中とはさすがセレブです。
この数年後か数十年後に研究が進んでオメガ差別とかアルファの増長とかオメガには生きにくい時代が来るかもしれないなあ、などと妄想しつつこの物語の続編あるいはスピンオフまで想像してしまいました。
十何年後かの主役は息子の幸多で。
それとなく両親の現況を交えつつ幸多の恋物語を読ませてほしくなりました。
大好きな作家さんと、題名と帯のセリフに、面白いに違いないと予想してましたが、ホント最後までノンストップで楽しめました。
まず、オメガバースが普通の世界じゃなくて、『オメガバース症候群』という 性分化疾患として、一部の人にしか知られていないのが新鮮でした。
だからこそ、主人公の優吾が相手に言えないと葛藤して、気持ちを押し殺そうとするのが切なくて…。
でも、スパダリの鏡のような攻めのJが、これでもかと愛情を示してくれたので、安心してスレ違いを楽しめました。
おまけに、周りの人達も皆イイ人ばかりで、読後はホッコリ幸せ気分になれました。
オメガバース黎明期という設定なのでしょうか?
まだ研究段階で世間に周知はされていないようです。
それ故に優吾の戸惑いなどが新鮮でしたし、Jと初めてセックスする流れも丁寧に描写されていて良かったです。
セックス時にちょいちょいJにSっ気が出るのはαの本能というより性癖のような気がしました。笑。
それでも平時は紳士ですし、優吾に対する愛情は本物でした。
空回りしていたのは優吾だけだったと思います。
あまりにスケールが違うお金持ち振りは読んでいてワクワクしますね。
安心して読めたオメガバース物でした。
しかし小中大豆先生は振り幅の広い作家さんですね。