特典ペーパー付
――俺は大きな馬鹿を飼っている。
大和名瀬先生お休みとのニュースを拝見し、久しぶりに再読。
購入したときも思いましたが、表紙の畳の部屋に敷かれた布団の上に横たわる、上半身裸で装身具たくさん、片手に薔薇でほほ笑む王子、リドの迫力がすごいです。
導入も設定も展開も、とにかくめちゃくちゃ、突拍子もないのですが、それがいい!
いやいや、ないない、とはならず、物語の強い求心力にあっという間に引きこまれていきます。
透也の端正な顔と、よそ行き顔と、本性、特にリドと接しているときの言動のギャップが楽しいです。
書面からも、軽妙なテンポでポンポンポンポン、としゃべっているであろうことが伝わってきます。
リドは日本語があまり上手でない設定なのだけれど、妙に流暢だったり、ときどきへたくそだったりするのがまた楽しいです。嘘くさいな、となるのではなく、リドだったらありそう、わかる、わかる、となります。
リドがめちゃくちゃなことを言い出し、透也が返す刀でばさっという勢いで言い返すのも、楽しいコントを見ているかのような小気味よさがあります。
言葉の選び方、使い方も、楽しくて、透也が「エロ本と外国人を預かっている」と、とても並べられるようなものではないのに、並べて、しかも、何度もその表現をしているところが、読むたびにおもしろさが増して笑えます。
とても綺麗で耽美な絵柄と、軽妙でテンポの良い台詞の応酬が、絶妙なバランスで素晴らしいです。
絵柄の面では、透也が訳ありやくざに無体なことをされそうになったときに、リドの護衛が飛び込んできて、やくざの護衛も飛び込んでくるシーンが、アクション映画のようで、時代劇のようで、すごくかっこいいです。
リドと透也の恋愛模様に関しては、リドに迫られたときの透也の台詞がとてもかっこよくて、切なさもあり、台詞の内容と透也の表情の相乗効果でとても心を動かされます。
濃いめのセックス描写は好まない読者なのですが、2人が絡まり合う様子はエロさより綺麗さがあり素敵でした。思いの丈を確認しあった後でも、最後の一線は、一度、帰国して戻ってるまでしない、という決意と宣言が高貴に感じて感動しました。
BL作品なので、メイン2人の恋愛模様が中心にありつつ、次々と出てくる濃ゆい脇キャラたちがまた楽しいです。それぞれのキャラクターの濃さゆえに、胸やけしそうなものですが、渋滞しすぎないで間を空けながら出てくるのがいいし、時間差攻撃、という感じで、楽しみがじんわりじっくり伝わってきます。
最初からぶっ飛ばし、最後まで破天荒で突拍子がない展開でしたが、どれのキャラクターもエピソードも大和先生の手のひらの中で綺麗に丸まっているのを感じました。すごく素敵なラストでした。
俺は大きな馬鹿を飼っている、まさにそのひと言に集約されていますねw
大和先生の描かれる男子たちはむちっプリッと目においしい。ところどころに挟まれる2頭身のイラストもこれまた可愛い♡
神々しくて思わず笑ってしまう表紙
受けも攻めもどちらも経験豊富なわけですが。
いたすまでにはちょこっと一悶着もあり。
軽快な感じでちょいちょいトラブルはあるものの、安心して終始楽しく読めました☺️
南の島に移住しちゃうのかな?
続きが気になります!
わりと分かりやすいBLといっていいかな?甘々です。
小さい島の王子様が日本に来て、もし1Kの自分のアパートに住むことになったら。。という設定。
生活レベルや文化の違いがおもしろさを生むというお話でした。
王子はイケメンで人目を引きますが、小さくかわいい主人王をだんだん好きになります。
特にストーリーが波瀾万丈というわけではなく、あっさり読めるのですが、絵がキレイなのでそのままラストまで持っていかれます。
王子が常に上から目線で、それは受けさんもつっこんではいるのですが、もう少し人格者というか、一国の王なので、ただかっこよくてお金持ち、というだけではなく何か国を率いるカリスマ的なものがあればもっと萌えたかも。
長いですね。そして物語もあっちにこっちに敵あり、障子に目あり壁に耳ありで。
ますます絵がキレイになられて(何様?ですが)素敵でした。
褐色マッチョで極上の男リド。王子様です。
最初はリドのお国でのトラブルで弟君も襲われリドも危険だから…という展開でしたが。
その後は透也の元カレじゃないけど因縁の相手藍原が手を出してきて…と。
でもそんな中でもリドと透也の異文化ラブ?も育ってて。
いちいち偉そうなリド。トクヨウミズダシムギチャ!がお気に入り。ホテルの食事よりも透也のご飯の方が美味しいって。
離れがたいリドを安全に国に返すため、嘘をついたり藍原の元について動きを見張ったり。切なかったです。
何回か分けて読んだせいか最後の方の印象が強くて。
ホテルでの透也の「最後までしよう」はリドを守るため?それとも?
なんやかんや丸く収まって二人はとうとう。
あの部分が昔の大和さんのつるんとした千歳飴みたいじゃなかった!
まだしばらくは1Kアパートで睦まじく暮らせそうですね!
しかし透也はしっかりしてるなあ。
大和先生の作品は久しぶりでした。
しかも攻めが南の島の王子で褐色イケメンで、身体も最高に美しくてサービスショット満載でした。
兄に頼まれて王子のリドを部屋に置く事になったのですが、透也は冷静で平然としてるんです。2人の会話の噛み合わなさに思わず笑ってしまいました。
リドの変な日本語を直す透也の表情にも笑いました。何もかもが偉そうなリドとどこまでも庶民な透也の生活が読んでて楽しいのです。
リドがガタイが良いので部屋が狭そうでした。
リドが奔放な夜の生活をあっけらかんと話していたのに、藍原が透也の過去の相手だったと知ると嫉妬する姿がまた可愛いんです。
リドがお気に入りになった「水出し麦茶」の事をいろんなところで話しているのもおかしかったです。
とてもコミカルなお話しなんですが、リドと透也の他にも濃いキャラが沢山いました。
リドと透也が最後まで結ばれたシーンを読んでて、リドのアレを見て凶器だと思っていたら作中にも「まるで凶器」とあったので爆笑してしまいました。