誰もが誰かの太陽になれる――

エデンの太陽

Eden no taiyou

エデンの太陽
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神18
  • 萌×24
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

49

レビュー数
2
得点
112
評価数
25
平均
4.5 / 5
神率
72%
著者
朝丘戻 

作家さんの新作発表
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イラスト
カズアキ 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
価格
¥740(税抜)  
ISBN
9784866572703

あらすじ

人を癒やす人間になりたいと願ってデリホスで働いていた勇は、心に傷を負った青年・穏陽と出会う。
彼の孤独や誠実さを知った勇は「客とホスト」として関係を深めていくが、その温かな時間は些細なすれ違いとともに終わりを告げる。
時が経ち、レンタルショップ『エデン』で再会したふたり。
次第に勇は穏陽の望む太陽みたいな男を志すようになるけれど、恋をしたせいで心は欲で汚れるばかりで――。

表題作エデンの太陽

前山穏陽、23〜29歳
秋谷勇、18〜25歳

その他の収録作品

  • エデン
  • 太陽
  • その後のエデン
  • あとがき

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数2

大好きすぎて、上手く語れません。

待ちに待った作品です。
『エデンの初恋』のスピンオフですが、こちらを先に読んでも大丈夫な内容になってます。
母親の幸いの為にデリホスで働く勇。様々な事に傷つけられ生きる希望がなくなった穏陽。2人が客とホストとしてデリホスで出逢い、身体の関係を持たずに、お互いを知っていく。
穏陽は、死を選んだ時に出会った勇の神々しさに惹かれ神や太陽と崇め、自分を信者という徹底ぶり。嫉妬を感じたりするが、信者としての考えが強くそれ以上に踏み込むなんて恐れ多いという。
勇は、客として接していた穏陽に好感を持つが、自分を太陽と崇めてくることに、彼の太陽でいようとし、本当の自分の醜さや気持ちを出せずにいた。

勇は人を見た目で判断しないで、中身で付き合うすばらしい子。これを凄く感じたのは、穏陽が太ってぷにはるになった時。あまり体型に関して記述がなく、でも前作では要が穏陽を見て体型の事を言っているので、要目線での穏陽の体型を想像していました。本作では実は穏陽はあまり太ってないのでは?と思って読み進めたら、後半ダイエットをして勇を迎える穏陽が!!
この時に、勇は人の見た目よりも中身を大切にする子なんだ!と胸にじわりときました。
だからこそ、勇の周りは素晴らしい人ばかり。
勇が泣いて今までを語る穏陽に「大丈夫だよ穏陽。世界はちゃんとひろいよ。あったかいところもあるんだよ」と言った言葉が泣きそうになりました。
後半で穏陽が勇に言った「勇君が大事に想う人たちは、同じように勇君のことを大事に想っているんだよ!」で、あんなにおどおどしていた穏陽の変化や、そこに至るまでのことが巡り、幸せな気持ちになりました。

朝丘先生の作品は、一つの恋をじっくりと描かれ、読者を温かく幸せな気持ちにさせてくれます。私は何度も助けられ、癒されてきました。
ぜひ、この感覚をたくさんの方に感じて貰いたいと思います。読んでみてください。

1

愛情とは何ぞやを描いた壮大なストーリー

作家買い。

朝丘作品はちょっとずつリンクしている作品って多い気がしますが、この作品も『エデンの初恋』のスピンオフ作品です。『エデンの初恋』の受けさん・要が働いていたレンタルショップ「エデン」で、要のバイト仲間であり友人でもあったイサムが、今作品の主人公。

『エデンの初恋』が未読でも理解できないことはないですが、読んでいた方がより深く人間関係が把握できるので、未読の方はぜひ。

そして朝丘作品ならでは、と言っていいでしょう。
今作品も、めっちゃ分厚いです…。ヘタしたら薄い文庫本2冊分くらいの分量があるんじゃないかい?という分厚さです。


ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。






主人公はゲイ専門デルヘリ「EDEN」で、源氏名・ユウと名乗りホストとして働く勇(イサム)。
彼は母子家庭で育つが、愛情いっぱいに育ててくれた母親や、母親が不在の時に世話をしてくれた隣人のおかげでまっすぐ育ってきた。

母親やお隣さん夫婦のように、人を癒す人間になりたい。
早くお金を稼いで、自分のことは後回しにして勇を育ててくれた母親に恩返しがしたい。

そんな思いから、デルヘリで働き収入を得ている。

そんな彼のもとに一人の客がやってくる。
穏陽と名乗るその青年は子ども時代から長く続いたいじめと、現在働くブラック企業での陰湿な対応に疲れ果て自己肯定感が持てない青年だった。

そんな穏陽に明るく接する勇だが、勇に救われ穏陽は少しずつ明るさを取り戻していく。

けれど彼らはデルヘリで客を取るホストと、ホストを買う客という立場でしかない。少しずつ距離を縮めていく二人だったが、ちょっとした勘違いから決別し―。

というお話。

『エデンの初恋』で、飄々とした、明るく前向きな青年として登場していたイサムですが、彼もまた、過酷な環境下にいる。デルヘリで働いていたことで、バイトを首になったり、いじめられたりする。

勇はデルヘリで働いていたことを隠さないんですね。みんなに堂々と言ってしまう。

デルヘリで働いていたことを恥だと思っていないから。
そして、自分の素を受け入れてくれない人とは、「友人」になる気がないから。

それでへこんだり傷ついたりすることも多々あるのですが、それでも彼がそういった行動をとれるのは、彼が強い人だからなんですよね。彼には母親や隣人たちから、無償の愛情を注いでもらったというしっかりとした根っこがあるからかなと思いました。

どんな自分でも受け入れ愛してもらった。
その記憶が、勇を強くしている。

でも、みんながみんな、勇のように強くはない。
作中、勇が兄と慕う人物が自ら命を絶ってしまったりするシーンがあります。

そして、攻めの穏陽もまたしかり。

ずっと苛め抜かれてきた穏陽は、自己肯定感が極端に低い。
そんな穏陽が、勇と出会い、人を愛することを知り、そして強くなっていく。

はじめは部屋に引きこもり、ネットの世界だけが彼と外の世界をつなぐ縁だった。おどおどして話すのも苦手。そんな彼が、少しずつ成長していく。

そのままあっさりと恋人同士になるのかな。

そんな風に思いつつ読み進めましたが。

いやいや、この分厚さですから。
そんなわけないよ、という。

一度二人は勇の勘違いから決別してしまいます。
これがなんとも切ない…。
穏陽の気持ちを慮ると、彼が可哀そうで。

でも、再び再開します。

レンタルショップ「エデン」で。
「EDEN」をやめた勇が働きだしたのが「エデン」。そして穏陽はそこの常連さん。

再開し、勇が自分の勘違いに気づいたことで、二人の時間は再び動き出すのですが。

この二人の恋というベクトルの進みのなんと遅いことか。
ジレジレ、モダモダ進む恋の行方はいかに。

でも、ゆっくり進むのには理由がある。
お互い、相手は自分以外の人のことが好き、と勘違いしてるからなんですね。そして、相手を想う気持ちが強いからこそ、そんな勘違いをしてしまったわけで。

何なの、この子たち…。
可愛すぎるんですけど。

ホストと客、という立場で出会った二人ですが、濡れ場は最後の最後までなし。
穏陽が、ユウを崇めすぎててセックスなんてとてもじゃないけどできない。
という可愛らしい理由なんですけども。

自分の足りないところを補い合うようなまさに割れ鍋に綴じ蓋な二人で、じれったく進む二人の恋を激しく応援してしまいました。

勇の良き友人であり同僚でもある要(と柏樹さん)もちょくちょく登場していて、それもすごく嬉しかった。

そしてタイトルがいいよねえ・・・。

デルヘリ「EDEN」。
レンタルショップ「エデン」。
そして、勇の店である「えでん」。

勇という青年を形成してきた沢山の「エデン」たち。

『エデンの太陽』。

勇と穏陽。
お互いが、お互いの太陽なのだと。

途中、いじめの描写とか、自死の描写とか、ゲイに対する偏見とか、痛い展開も多々ありますが、それでもこの作品を通して描かれていたのは「愛すること」そして「愛されること」の素晴らしさと、その意義だったように思います。

8

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