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表題作竜は将軍に愛でられる

ランドール・オーウェル,35歳,心やさしい将軍
アゼル,20歳,成体になれない竜人族の王の末子

その他の収録作品

  • 将軍は竜を溺愛する
  • あとがき

あらすじ

成体になれない竜のアゼルは、『25』に関する人間と会えば成体になれると告げられ……? 
心やさしい将軍×癒し系竜、ファンタジック・ラブ♡

作品情報

作品名
竜は将軍に愛でられる
著者
名倉和希 
イラスト
黒田屑 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
竜は将軍に愛でられる
発売日
ISBN
9784403524950
4

(105)

(37)

萌々

(46)

(13)

中立

(7)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
15
得点
415
評価数
105
平均
4 / 5
神率
35.2%

レビュー投稿数15

なんだか胸がいっぱいになっちゃう、とてもいいお話でした

名倉先生と言うと、攻めの溺愛描写が楽しいイメージですが、今作もめちゃくちゃ溺愛してますよ~。
将軍といかにも無骨な彼が、鼻の下を伸ばしながら細々と受けの面倒を見るエピソードの数々が可愛すぎて、萌え転がりましたよ。

元々、甘くて可愛い作品が好みな事もあり、名倉作品が大好きだったりします。
ただ今回、受けがかなり不憫な子でして。
そんな受けが攻めと出会った事により、初めて人のあたたかさや優しさを知るんですよね。
こう、溺愛描写がですね、いつもならニヤニヤしつつ読むのですが、この背景のせいで、なんか切ないと言うか胸が詰まると言うか。
自分には何の責任も無い事で、周囲から疎まれて育ち、なかなか成体にもなれなかった受け。
彼が攻めから溢れんばかりの愛情を与えられると言うのが、とにかく嬉しくて。
受けがあまりにいじらしくて、「怒らせちゃった」と丸くなって泣くシーンでは、こちらも胸が痛くて。
二人が強い絆を結ぶのに、すごく感動しちゃって。
なんだか胸がいっぱいになっちゃう、とてもいいお話でした。

ザックリした内容です。
竜人族の王の末子でありながら、20年生きても成体になれず、周囲から疎まれているアゼル。
「25に関する人間と会えば成体になれる」とお告げがあり、村を出て人間の国にやってきたんですね。
そこで、25番目に街道をやってきたのが、サルゼード王国の将軍・ランドール。
矢で射られてケガをしたアゼルを手当てしてくれたランドールですが、何故か彼と離れがたくてー・・・と言うものです。

まずこちら、アゼルですが、結構な不憫受けだったりします。
母親が自分を産んで亡くなった事と、更に一人だけ色が薄くと見た目が違う事から疎まれ、身内から面倒を見てもらえなかったんですね。
こう、卵もあたためてもらえなかったし、狩りの仕方も教えてもらえないため、自分で取れる果物しか食べられない。
そのせいで、生まれて20年経っても小さいままで成体になれないと言った感じでしょうか。

で、そんな彼と運命的に出会い、強い絆を結ぶ人間・ランドール。
彼はゴツくて威厳ある見た目ながら、小動物が好きと言う心優しい将軍だったりします。
二人の出会い時ですが、アゼルは竜の子供(?)姿なんですよね。
多分、大きさとしては猫ぐらい。
一目でアゼルの愛らしさに心を奪われたランドールは、逃がそうとしてもいじらしくいつまでもついてくる彼にほだされ、結局は共に遠征に連れて行く事にする。

いやもう、ここからの、二人の日常的なシーンが可愛くて可愛くて。
上手く食べられない竜姿のアゼルにですね、あ~んで果物とかを食べさせてあげる。
お返しに、アゼルもあ~んをしてあげたり。
また、アゼルは、人間の姿になったり竜の姿になったりと、自由に変化できます。
で、竜から人間の姿になると素っ裸なんですよね。
その度に、マントだの毛布だので、アゼルの身体を電光石火の早さで隠すランドールに笑っちゃって。
こう、軍支給の頑丈な毛布ですので、アゼルの肌が傷つかまいか?的にアホな心配をしてたりするのまで、吹き出しちゃうと言うか。

これね、そんな調子で溺愛描写や甘々シーンだけが楽しいかと言いますと、胸が詰まるようなエピソードなんかもあるのがお上手で。
アゼルがとにかく健気なんですよ。
まだ弱い幼体姿で、ランドールの役に立ちたいと、敵軍の偵察に行っちゃったりするのです。
そこで見つかり、ケガを負ってしまう。
そんなアゼルを見て、居なくなった彼を心配していたランドールは、怒りをあらわにしちゃうんですね。

もうさ、「怒らせちゃった」と声を上げて泣くアゼルが可哀想で可哀想で。
ランドールも、アゼルが大事だからこそ、頭に血がのぼるんだと分かる。
そして、今まで誰からも省みられなかったアゼルが、初めて優しくしてくれて愛情を与えてくれたランドールの役に立ちたいと、無茶をしちゃうのも分かる。
こういうの、心が痛んで仕方ないんだけど。

あと、そんな感じで心を通わせて行く二人ですが、この後、アゼルの成体のオチが最高だったりします。
彼は成体になる事が出来、またそうなるとすっごい美形なんですよ。
これまで幼い姿(13~14才?)のアゼルに、理性総動員で手出しを控えていたランドール。
ようやくエッチ解禁みたいな。
また、アゼルが成体になれた理由がですね、もう感動もので。
マジで、お母さんの如く「大人になれて・・・!」と胸が熱くなりましたよ。
健気すぎて、涙が出ちゃいそうでしたよ。

と、ここまでが雑誌掲載作。
ここから書き下ろしで、アゼルの外見の謎とか、二人の寿命の差とかの気になる部分がスッキリ回収されます。
まぁこちらは、恋人となった二人の痴話喧嘩って感じでしょうか。
あと、個人的に、ランドールが亡くなった後のアゼルを襲う運命が悲しすぎて。
これがとてもいい結末を迎えたので、大満足です。

名倉作品が大好きですけど、今回は特に心に響く素敵な作品でした。

26

脂下がる将軍がいい。

 雑誌掲載時より好きだったので、文庫発売を心待ちにしていました。

 受け様は、竜人族の王の25番目の末っ子のアゼル。
竜としては異質な灰青色の鱗を持つアゼルは、生まれた時に母親竜が力尽きて死んでしまった事もあって、竜人族の中では冷遇されて育ちます。

 アゼルが成人する為に、竜人族の村を出て出会ったのが、攻め様であるランドール。
大国の将軍であり、国と王の為に誠心誠意尽くしている実直な騎士。
ところが、顔に似合わず小さいもの、かわいいものが大好きで愛でずにはいられない、という。
小さい竜が、「くるる…」とか鳴きながら、見つめてきちゃったら、そりゃーたまらないよね。
ついてきちゃったら、もう「私の竜だ」宣言しちゃうしかないよね。
人の姿になったアゼルはびっくりする程の美少年で、素直に好意を全面に押し出していてこれまたとってもかわいい。
 アゼルにめろめろで脂下がってるランドールが楽しくてしょうがなかったです。

 人間と竜の寿命に差がある事に対する、悲しい過去。
アゼルをみていたら、さもありなんで、えぇーー、とショックだったのですが、書き下ろしでは、それが解決されていてホッと胸をなでおろしました。
それでアゼルは珍しい灰青色の竜だったのね、納得です。
 死が2人を分かつまで、2人一緒に過ごしていくことができてよかった。


 こちらのイラスト、黒田先生の描かれる竜のアゼルがとってもかわいらしかったです。
特に小さい時の竜。
ランドールじゃなくてもご飯あーんしたくなる。
扉絵では、ランドールの肩に乗って頭をすりつけてる小さい竜のアゼルが描かれていて、そのかわいらしさにもうきゅんきゅんです。
またランドールは後姿で、きっとこの時嬉しげに笑ってんだろうなー、脂下がった顔してんだろうなー、と思ったらにまにまもします。
 もうね、扉絵から私の萌はもってかれましたよ。


 ステキなイラストも加わって、帯に書かれていた通りとってもかわいい、ほのぼのファンタジーでした。

14

竜は将軍にたぁっぷり愛でられる♡

もぉもぉキュンキュンし放題です♡♡
竜が出て来るBL大好きで、色んなのを読ませて頂いて来ましたが、これはキュンキュン度がケタ違い!
もぉ「痒いところに手が届く!」でございます(*º▿º*)

ファンタジー大好き
受けが攻めにめっちゃくちゃ愛されるの大好き
受けが最高に美しい
攻めがバリバリかっこいい(地位も高い!)

これらが大好物の方は何を置いてもお読み下さい!
私なんて読み進めては、あぁ今のシーンもう一度♡、とか、イヤン♡♡たまらんエロい♡♡、とか、ラストに行き着くのが勿体なくて、もう一度初めっから!とか、まぁもぉ読み返す読み返す!
そしてイラストがこれまたいぃっっ(⑉•ω•⑉)❤︎
将軍のこれでもかってくらいの漢くささっ、アゼル(竜)の魂抜かれるほどの愛らしさ美しさ☆.:*☆
そして竜のコレまた素敵な事と言ったら。
人物もそうですが、特に『竜』は、書かれる作者のイメージをイラストに興すのは至難の技だと思います。
それをこんな愛らしい、そして大きな竜は描いて下さり胸がいっぱいになりました。

と、前置きばかりが長くなり…。

『受け(アゼル)』成体に成れず仲間から父や兄姉からすら無視され続け、放逐同然に追い出され、自分を醜いと思い続けている。
(まるで『醜いアヒルの子』の様です-でも最初っから美しいのだけど)
『攻め』大国1の将軍。軍からだけでなく、国中の人々からも尊敬される素晴らしい軍人。そして軍人らしく弱みを作らない為、独身主義を貫いて来た。
実は弱い物、可愛い物にすっごく弱い(絶対内緒だけど)

アゼルに唯一優しかった齢400歳を超える占い婆の占いによって、将軍に会うことが出来た。
これは早々に出逢うのですが、ここからがもぉ惹き込まれる物語の始まりです。
アゼルは自分に正直で、ひたすら将軍を求め、そして空回りでピンチも招く。
でもその都度二人の愛は固く固くなって行くのよねー(♡^^♡)
こっちはドキドキしっぱなしだけど。
そして将軍のピンチにアゼルが「大人になりたい!」と強く強く願い、本物の大人の竜になった時の興奮と言ったら!
あ、ダメダメ!!
こっからも、この先も、その前も、是非自分で読んで陶酔に浸ってくださいませ。
損はさせませんゼ、お客様。

最後にこれだけはお伝えしておかないと!
『エロ度』少なめ
とありますが、大うそ!
濃ゆいわよぉ~~~。
エロ大好きの私が保証します! 笑笑

あなたの大切な大切な1冊になる事間違いなしです♡♡

9

最強の騎士が「可愛いい竜人」に沼落ちする物語

面白かった!・・小説の内容と、イラストがマッチしていて、挿絵で魅力が数倍上がりました。特にアゼルが良かった。無い方がマシと思う挿絵もある中、この挿絵はとても魅力的でした。
---
竜人族の王の末子に生まれながら、二十年を経ても大人になれない厄介者のアゼル。
一族の村を出たアゼルが空から見下ろす街道を、二十五番目に通り過ぎたのはサルゼード王国の将軍ランドールだった。危地へと向かう彼に離れがたさを覚え、アゼルはそばにいたいと願う。
卵が産まれて30年経過しているのに、アゼルの外観は13才程度の儚げな超美少年。
ランドールは、国で最強の騎士、唯一の弱点は「可愛くて弱いもの」。
アゼルは、ランドールの嗜好にド・ストライク。
アゼルの可愛い様子を見ては「ああ もう・・」と何度も繰り返しては、萌萌を堪える屈強の騎士。
人間が龍神とペアを組むには「血の契り」が必要、と古文書に記載があり・・・
色々あって、アゼルは成人になることが出来ました。
---

波乱があっても、アッサリ完結が少し物足りないのですが、それは連載ものではない一冊完了企画故の紙面の都合で端折られたのだと思います。
レビューが多い高評価の作品なので、スピンオフじゃない続きを出して欲しい。

この物語は、内容はシリアスな冒険ものだけど、文章はコメディで、アゼルへの愛を滾らすランドールの「ああもう・・」の繰り返しがおかしくて笑ってしまう。凄くオモシロイ。
読みながらニヤニヤ笑ってしまうので、人が居ないところで読んだ方が良いかもしれません。
読了後、スピンオフを読みます。

---
関連して、思い出したこと。
血の契り:
作中では、占い婆曰く、「血液の交換」と表現されています。
・・読んで思い出したのは、マイクロキメリズム(microchimerism):
生物学的に言うと、「一個体の中に遺伝情報が異なる細胞を持つこと」

マンガに出てくる「キメラ化」「キメラ」は、人と獣の合体、みたいに簡単に書かれていますが、本当はもっと複雑で、カメレオンの擬態などもキメラが関連しているという研究報告もあるようです。
この作品の中にある「アゼルの体液を取り込だランドールが若返っていた」という現象に近い説があって、
マイクロキメリズムの報告で、「胎児の細胞が母親を乳がんから守る」といった件が上がっています。

参考に読んだもの
「一個体の中に遺伝情報が異なる細胞を持つこと」https://bit.ly/35W6Cc2
母体を癒す赤ちゃんの愛 https://bit.ly/2UYix2M

3

動物大好き将軍が愛でる美しきトラブルメーカーの成長

「恋は晴天の霹靂〜」がとても面白かったので続けて名倉作品2本目。可愛くて萌えて読みやすくキャラも立ってて、読んで良かったです!

BLスパダリ枠で短髪&髭キャラって少々珍しいと思うのですが、このガッチリ体型の将軍が小動物に弱く放って置けない性格なのが最高です。小さき竜も懐いて将軍の大きな胸に安心する…時々マントから頭を覗かせる…って可愛過ぎました!

竜人族のアゼルは人間に変身すると美少年で、変身直後の全裸をすぐさま誰かに布で巻かれる描写が毎回可笑しい!出会ってすぐのランドール将軍に「もっと話がしたい」としつこく行先に付いて行くのが可愛い。
それでも彼は、生まれた時に亡くなった母を周囲が悲しむあまり、放置され世話もされず十分な成長が出来なかった可哀想な竜。ランドールに付いて行く先々で弓を打たれ何度も怪我する。ランドールに止められてても外に出るので「気持ちは分かるけど出ちゃ駄目〜」と思いながら読み、案の定怪我してランディーまで怪我…結構トラブルメーカーなんですが、彼が強い思いをもって成長する姿は愛でした。

萌え過ぎて泣けたシーンは、大人の姿になってランドールに甘々にされるアゼルが、城でランドールに懸想する女性に嫉妬して不安定になり、子供の姿に戻ってしまうところ。愛しているが故に子供の姿のアゼルに無体を働くのを恐れるランドールは、これからは別々で寝ると断言。毎日めいっぱい愛されていたアゼルは、子供のままではずっと側にいられないのだと泣いて必死に抗議する姿は可愛くて萌えた…無体働いてくれた方が個人的に美味しかったですが、このアゼルは最高でした。

隣国とのピリピリな関係や竜人族の歴史や性質など、結構設定モリモリな割には圧が無く、アゼルとランドール以外に集中力を途切らすことなく読み終えられました。800年前の書物とかも良いし、何はともあれハッピーエンドで読後感良いです。

3

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